野呂田芳成の発言 (外交・防衛委員会)

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○国務大臣(野呂田芳成君) 実は、私は国会で、この間もこの委員会でも申し上げたとおりでございますが、先制攻撃という言葉は一回も使ってはおりません。どういうわけか、ごく一部の新聞だけが先制攻撃の発言をしたという記事になっておりますけれども、これは私としては正しくない報道だと思っております。
 御案内のとおり、我が国においては、憲法九条のもとで許容される自衛権を発動するためには、我が国に対する急迫不正の侵害があること、これを排除するのに他の適当な手段がないこと、それから必要最小限度の実力行使にとどめることに該当する場合に限られていると思っております。
 我が国に対する急迫不正の侵害がない場合において自衛権の行使として武力の行使をすることは、もちろん憲法上認められていないというのが政府の統一見解でございます。我が国に対する急迫不正の侵害がある場合については、従来から我が国に対する武力攻撃が発生した場合を指しているわけでありまして、武力攻撃が発生した場合とは、この侵害のおそれがあるときでもないし、また我が国が現実に被害を受けたときでもないし、侵略国が我が国に対して武力攻撃に着手したときである、こういうふうに一貫して申し上げているところであります。
 委員が御案内のとおり、敵基地への攻撃については昭和三十一年の政府統一見解がありまして、我が国に対して急迫不正の侵害が行われた場合、その手段として我が国に対し誘導弾等によって攻撃をされた場合、日本としては座して自滅を待つわけにはいかぬので、そういう場合においては、敵の誘導弾等の基地をたたくことは、他に手段がないと認められる限り、法理的に自衛の範囲に含まれるということで可能であるというふうに一貫して答弁してきたところであります。
 また、いわゆる先制攻撃というのは、武力攻撃のおそれがあると推量される場合に他国を攻撃することと考えているわけでありますから、私は各委員会において敵基地攻撃に関する従来からの政府としての考え方を説明の上、そのような場合には、武力攻撃のおそれがあると推量される場合ではなくて我が国に対し急迫不正の侵害がある場合、つまり我が国に対する武力攻撃が発生した場合であるということから、我が国に現実に被害が発生していない時点にあっても我が国として自衛権を発動し敵基地を攻撃することは法理的には可能である旨を答弁したわけでありまして、先制攻撃を認めたものではないということを改めて御答弁させていただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 野呂田芳成

speaker_id: 8267

日付: 1999-03-15

院: 参議院

会議名: 外交・防衛委員会