外交・防衛委員会

1999-03-15 参議院 全216発言

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会議録情報#0
平成十一年三月十五日(月曜日)
   午後一時一分開会
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   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     山崎  力君     高橋紀世子君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     高橋紀世子君     山崎  力君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         河本 英典君
    理 事
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                柳田  稔君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                岩崎 純三君
                亀谷 博昭君
                佐々木知子君
                鈴木 正孝君
                村上 正邦君
                森山  裕君
                齋藤  勁君
                吉田 之久君
                続  訓弘君
                立木  洋君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                山崎  力君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       外務大臣     高村 正彦君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  野呂田芳成君
   政府委員
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       国際平和協力本
       部事務局長    茂田  宏君
       防衛庁長官官房
       長        守屋 武昌君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛庁運用局長  柳澤 協二君
       防衛庁人事教育
       局長       坂野  興君
       防衛庁経理局長  首藤 新悟君
       防衛庁装備局長  及川 耕造君
       防衛施設庁総務
       部長       山中 昭栄君
       外務大臣官房長  浦部 和好君
       外務省総合外交
       政策局長     加藤 良三君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省北米局長  竹内 行夫君
       外務省欧亜局長  西村 六善君
       外務省条約局長  東郷 和彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
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  本日の会議に付した案件
○平成十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十一年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十一年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(国際平和協力本部、防衛本庁、
 防衛施設庁)及び外務省所管)
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

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河本英典#1
○委員長(河本英典君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、山崎力君が委員を辞任され、その補欠として高橋紀世子君が選任されました。
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河本英典#2
○委員長(河本英典君) 平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち国際平和協力本部、防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管を議題とし、去る十二日に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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高野博師#3
○高野博師君 最初に、防衛庁長官にお伺いいたします。先制攻撃について若干確認したいと思います。
 先制攻撃については、憲法上、理論的には可能だという見解ですが、最近の中国の新華社通信にこれを批判するような記事が出ておりまして、先制攻撃可能発言は中国を含めた周辺諸国の関心と不安を引き起こしているという批判をしております。周辺事態をめぐる自由党党首の発言とかあるいはTMD、さらには偵察衛星打ち上げ等、これが周辺諸国の抗議を呼んでいるという報道であります。その中で、歴史的な潮流に逆らう東京の一連の動きは軍事的役割の拡大をねらったものだという論説と、さらに相手の意図を根拠に他国を先制攻撃できるとすればこれ自体外部の世界に対する巨大な脅威となる、こういう批判をしておりますが、これについて長官はどういう受けとめをされておりますか。
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野呂田芳成#4
○国務大臣(野呂田芳成君) 実は、私は国会で、この間もこの委員会でも申し上げたとおりでございますが、先制攻撃という言葉は一回も使ってはおりません。どういうわけか、ごく一部の新聞だけが先制攻撃の発言をしたという記事になっておりますけれども、これは私としては正しくない報道だと思っております。
 御案内のとおり、我が国においては、憲法九条のもとで許容される自衛権を発動するためには、我が国に対する急迫不正の侵害があること、これを排除するのに他の適当な手段がないこと、それから必要最小限度の実力行使にとどめることに該当する場合に限られていると思っております。
 我が国に対する急迫不正の侵害がない場合において自衛権の行使として武力の行使をすることは、もちろん憲法上認められていないというのが政府の統一見解でございます。我が国に対する急迫不正の侵害がある場合については、従来から我が国に対する武力攻撃が発生した場合を指しているわけでありまして、武力攻撃が発生した場合とは、この侵害のおそれがあるときでもないし、また我が国が現実に被害を受けたときでもないし、侵略国が我が国に対して武力攻撃に着手したときである、こういうふうに一貫して申し上げているところであります。
 委員が御案内のとおり、敵基地への攻撃については昭和三十一年の政府統一見解がありまして、我が国に対して急迫不正の侵害が行われた場合、その手段として我が国に対し誘導弾等によって攻撃をされた場合、日本としては座して自滅を待つわけにはいかぬので、そういう場合においては、敵の誘導弾等の基地をたたくことは、他に手段がないと認められる限り、法理的に自衛の範囲に含まれるということで可能であるというふうに一貫して答弁してきたところであります。
 また、いわゆる先制攻撃というのは、武力攻撃のおそれがあると推量される場合に他国を攻撃することと考えているわけでありますから、私は各委員会において敵基地攻撃に関する従来からの政府としての考え方を説明の上、そのような場合には、武力攻撃のおそれがあると推量される場合ではなくて我が国に対し急迫不正の侵害がある場合、つまり我が国に対する武力攻撃が発生した場合であるということから、我が国に現実に被害が発生していない時点にあっても我が国として自衛権を発動し敵基地を攻撃することは法理的には可能である旨を答弁したわけでありまして、先制攻撃を認めたものではないということを改めて御答弁させていただきたいと思います。
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高野博師#5
○高野博師君 そうすると、相手が急迫不正の侵害をする、武力攻撃に着手したという段階ではあり得ると。これは先制攻撃とは言わないんでしょうか。
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野呂田芳成#6
○国務大臣(野呂田芳成君) 相手が攻撃に着手した時点でそれに対応することは私は先制攻撃とは言わないということで、一貫して答弁しているわけであります。
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高野博師#7
○高野博師君 この先制攻撃という言葉がかなりひとり歩きしている面もありますので、いかなる国に対しても先制攻撃するつもりはないということを明言できるでしょうか。
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野呂田芳成#8
○国務大臣(野呂田芳成君) それが伝統的な政府の見解でありますから、過般、韓国に対しても中国に対しても、そういう見解をまとめて、それぞれの駐在武官やあるいは我が国の先方の国に行っている駐在武官等を通じてきちっと日本の見解というものを申し入れて誤解を解いたところであります。
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高野博師#9
○高野博師君 それでは、念のため確認いたしますが、相手が急迫不正の侵害に着手したという段階でこちらが攻撃するという、その能力は今、日本は持っているんでしょうか。
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野呂田芳成#10
○国務大臣(野呂田芳成君) 御案内のとおり、専守防衛ということでやってきたわけですから、今、防衛庁の装備体制というのは、直ちにそれに即応できるような装備は残念ながら保有していないというふうに考えます。
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高野博師#11
○高野博師君 それでは、そういうときに攻撃できる、攻撃に転用できる技術は持っているんでしょうか。
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野呂田芳成#12
○国務大臣(野呂田芳成君) そういうものがあれば対応できるような訓練は逐次進んでいると思います。
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高野博師#13
○高野博師君 具体的にどういう訓練をされているんでしょうか。
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野呂田芳成#14
○国務大臣(野呂田芳成君) 具体的なことでありますから、防衛局長から答弁させます。
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佐藤謙#15
○政府委員(佐藤謙君) 今、大臣から御説明しましたように、現在のところ我が国としては、例えば昭和三十一年二月二十九日に言及されたような、そういった場合には敵基地を攻撃するような手段は保有していないということでございます。実際上、それに対する対応ということになりますれば、それは現状であれば日米安保体制のもとに基づく共同対処ということで、日米安保体制に依存をするということになろうかと思います。
 また、それに対する転用する技術ということになりますと、これは必ずしも明確ではございませんが、例えばそういったミサイル攻撃なんかに対する対応ということであれば、それこそBMDだとか、これは専ら防御的でございますけれども、そういったものの研究も進めるというようなこともあろうかと思います。
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高野博師#16
○高野博師君 日本独自ではそういう能力はない、日米安保体制というか、アメリカに依存するしかないという理解でよろしいでしょうね。
 それでは、防衛庁長官の所信表明の中で、「引き続き節度ある防衛力の整備に努める」という表現があるんですが、「節度ある防衛力」とはどういう意味でしょうか。
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野呂田芳成#17
○国務大臣(野呂田芳成君) 私どもが節度ある防衛力と使っているのは、これは厳格な意味で統一されているわけではありませんが、節度ある防衛力というのは何かと言われれば、例えば経済、財政事情も勘案しながら、所要の経費について抑制的な防衛力整備のありようを表現する場合に節度ある防衛力という言葉を使っているというのが通常であります。
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高野博師#18
○高野博師君 非常にこの言葉はあいまいで情緒的な表現だと思うんですが、これは憲法上認められている必要最小限度の防衛力と同じ意味だと理解してよろしいでしょうか。
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野呂田芳成#19
○国務大臣(野呂田芳成君) 御質問の必要最小限度の防衛力が、憲法九条の関連で言う自衛のための必要最小限度の実力ということであれば、我が国の防衛力は、憲法上保持し得る必要最小限度の実力の範囲内で、防衛計画の大綱に定める我が国が保有すべき防衛力の水準を目標として整備を進めているわけでありますが、その防衛力整備のありようを表現するものとして節度ある防衛力、あるいは適切な防衛力、あるいは効率的な防衛力といった文言を使っているということであります。
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高野博師#20
○高野博師君 今、長官がおっしゃられた適正な防衛力とか効率的な防衛力という表現は、これは必要最小限度というのとはかなり意味が、ニュアンスが違うんじゃないでしょうか。
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野呂田芳成#21
○国務大臣(野呂田芳成君) 私どもが適切な防衛力という言葉を使う場合は、憲法や国防の基本方針とか、あるいは防衛計画の大綱など、防衛力整備の前提となる諸条件に合致するとともに、我が国として必要な規模、機能等を有する防衛力整備のありようを表現する場合にこういった適切な防衛力というものを使っているということであります。
 また、効率的な防衛力ということにつきましては、例えば多様な事態に対して有効に対処し得るような機能的、質的にすぐれた費用対効果等の高い防衛力の整備のありようを表現する場合に使用しているわけでありまして、これらはいずれにしても憲法上保持し得る必要最小限度の実力の範囲内のありようを説明している部分だと考えております。
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高野博師#22
○高野博師君 それでは、抑止力について若干お伺いいたします。
 抑止力という言葉は、特に核の抑止力というのは冷戦時代によく使われた言葉であり考え方なんですが、日米安保条約とかあるいは新ガイドライン、あるいはその関連法案、これが抑止力になるという議論があるんですが、これについてはどうお考えでしょうか。
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佐藤謙#23
○政府委員(佐藤謙君) 抑止力については先生御存じのようないろんな観点からの御議論があろうかと思います。したがいまして、厳密な意味ではそういった文脈でもって議論をしなければならないと思います。
 今、私どもが日米ガイドラインあるいはそれを実効あらしめるための法制整備で、これらのものがそういった事態の発生を抑止するために寄与する、こういうふうに申しておりますが、まさにそういった日本の平和と安全に影響を与えるような事態がそういう体制を整備することによって起こりにくくなると申しましょうか、そういう意味から申し上げているところでございます。
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高野博師#24
○高野博師君 具体的にどこに対してどういう抑止力かというのが大事だと思うんですが、日米安保体制あるいはガイドライン関連法案というのはどこに対しての抑止力でしょうか。
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佐藤謙#25
○政府委員(佐藤謙君) 今申しましたように、日米安保条約なりまたガイドラインなり、これにつきましては日本の平和と安全を確保するために整備されているわけでございまして、そういった意味ではどこと、こう言うよりもまさに日本の平和と安全に影響を及ぼし得るようなそういった事態が起こらないように、そういったことに寄与し得る、こういうことでございます。
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高野博師#26
○高野博師君 抑止力というのは、ある程度までそれが通じる相手には効果があると思うんですが、限度を超えれば相手から脅威とか挑発とか挑戦というふうにみなされる危険があると思うんですね。これに対して相手が過剰反応するということもあり得る。北朝鮮の場合は、金容淳書記が、日米韓が戦争挑発をしているというような発言もしている。
 その抑止の限界というのは非常に難しいと思うんですが、どういう観点からこれを見きわめるのでしょうか。これ以上抑止力を強めれば相手にとって脅威となるとかあるいは挑発になるという、その辺はいかがでしょうか。
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佐藤謙#27
○政府委員(佐藤謙君) ガイドラインの中でもそうでございますけれども、そういった事態が生じないように、あるいはそういった事態が生じそうなときにはそれをできるだけ抑制していくような、そういったための外交努力を含むあらゆる努力をするということが一方にございます。
 一方におきまして、万一の場合の備えということで我々整備をしようとしているわけでございまして、そのこと自体が外に対しまして脅威を与えるとかそういうものではないだろう、こういうふうに考えております。
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高野博師#28
○高野博師君 抑止力の背景には軍事的な力の対決というか力の均衡あるいは不均衡があるわけで、そのために恐怖とか不安ということが抑止力として働くんだと思うんですが、究極的にはこれは、ある段階までは抑止力というのは効果がある、必要であるかもしれませんが、本当に平和を達成する手段とはなり得ないのではないかというふうに思うんですが、その辺いかがでしょうか。
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野呂田芳成#29
○国務大臣(野呂田芳成君) 委員御指摘のとおりだと思います。だから私は、例えば外務大臣も折に触れて答弁されているとおり、北朝鮮に対しては外交の窓口を開くような努力がやはり並行して大事なことだと考えております。
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