高村正彦の発言 (外交・防衛委員会)

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○国務大臣(高村正彦君) コソボ問題は、セルビア人とアルバニア人との間のコソボの支配権をめぐる長い歴史的経緯を持った複雑な問題でございます。
 一九八〇年代以降は、自治の拡大を求めるコソボ・アルバニア人と、この要求を力で押さえ込もうとするユーゴ及びセルビア当局との間で対立が深まり、衝突事件も繰り返されてきたわけでございます。
 両者間の緊張関係が続く中、九八年二月末、アルバニア系武装組織とセルビア治安部隊との武力衝突が発生しました。それ以来、ユーゴ軍、セルビア治安部隊は圧倒的な軍事力のもとにアルバニア系住民に対する武力攻撃を行いました。その結果、大量難民・避難民が発生し、周辺国にも流出する事態となりました。
 このような事態を受け、国際社会は、人道的な観点及びこの地域の平和と安定の維持という観点から、この問題の政治解決のために国連やG8等の場において種々の粘り強い外交努力を行ってまいりました。特に、本年二月から三月にかけて、欧米諸国が仲介する形でランブイエ、パリにおけるユーゴ政府とコソボ・アルバニア人の両当事者間の和平交渉を行いましたが、ユーゴ政府は最終的に和平合意案を拒否するとともに、一方で四万人以上の軍、治安部隊を新たにコソボ及びその周辺に投入しました。
 このような状況のもと、本年三月二十四日、NATO軍は、さらなる人道上の惨劇を食いとめるため、やむを得ざる措置として軍事行動をとるに至りました。
 NATOの空爆開始後も、国際社会によって政治解決に向けた種々の外交努力が行われております。それにもかかわらず、ユーゴ側は依然として国際社会の要求を拒否し続けるとともに、コソボにおいてアルバニア系住民に対する攻撃を行っており、これまでに約八十万人の難民がアルバニア、マケドニア等の周辺国に流出するに至っております。
 この問題の政治解決のためには、ミロシェビッチ大統領が国際社会の要求を受け入れることが必要であり、そのためには、ロシアも参加するG8が統一ポジションを固め、その上で国連が主導的役割を果たし得る状況に持っていくことが必要であります。五月六日のG8外相会合におきましては、このような観点から、政治解決のための七原則について合意されるとともに、これらの原則を実施するために国連安保理決議の採択を目指して準備を進めること等が合意されました。
 現在、G8諸国間で同外相会合の合意に沿って国連安保理決議案の具体的な内容について検討が進められております。
 我が国といたしましても、この問題の政治解決を強く望むものであり、国連安保理決議の採択を目指し、今後ともG8の一員として貢献していく考えでございます。
 アルバニア、マケドニアなど周辺国に流出し、悲惨な状況に置かれている難民に対する支援は、問題の政治解決と同様に重要であり、このため我が国は、四月二十七日、難民に対する支援、難民を受け入れている周辺国に対する支援及び和平達成後のコソボの復旧や難民帰還に対する支援から成る総額約二億ドルの支援策を行うことを決定いたしました。
 大体こういう状況でございます。

発言情報

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発言者: 高村正彦

speaker_id: 15829

日付: 1999-05-27

院: 参議院

会議名: 外交・防衛委員会