水野誠一の発言 (経済・産業委員会)
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○水野誠一君 今まで数回にわたってこの原子力問題を審議してきたわけでありますが、この二回の原子炉規制法の審議の中で、核燃料サイクル構想の将来について、スケジュールが不透明な施設が多い中、現実的な見通しはどうなっているのか、また一方で、廃炉問題や高レベル放射性廃棄物処理の問題などに絡むコスト、これを考えますと、現在言われている一キロワット当たり九円という原子力発電のモデル計算が妥当なのか、今後も維持できるのかといった疑問について何度か指摘をさせていただきました。廃炉や高レベル放射性廃棄物処理に係るコストについては、一キロワット当たりに割り戻すといずれも数銭から数十銭であってこれは問題ないんだという趣旨の答弁が繰り返されたわけでありますが、この点についてはどうも納得し切れない、そんな感じがします。
現に、さきの委員会でも取り上げました総合エネルギー調査会原子力部会の中間報告を拝見しても、高レベル放射性廃棄物の処理コストについて、将来の経済環境の変化や不測の事態が発生した場合の制度的な担保が必要とされている、こう書かれておりますし、また、これまで触れていない点ではありますが、年々困難化する原発立地の確保のための地元対策として支払われる対策費、予算なども特別会計などから相当額の支出がされるはずであります。
そしてまた、原子力の必要性については、供給安定性の問題やCO2の排出量の低さなど、一定の理解はできるわけではありますが、一方では高レベル放射性廃棄物処理問題を三百年後の将来世代に残し続けるという点一つとっても、これにますます傾斜していくという長期方針が果たして本当に国民の理解を得られるものなのか、そういう点では疑問が残ると言わざるを得ない、そういう感想を持っております。
そこで、きょうは新エネルギーについて、今後のあり方という点で伺いたいと思います。
発電所の閉鎖や廃棄物に係るコストをどう考えるかということは、環境負荷コストをどう考えるかということになるわけですが、原子力発電に傾斜してきた日本のエネルギー政策の中で、太陽光あるいは風力、バイオマスといった自然エネルギーが軽視されてきたという感がどうも否めない感じがいたしました。この委員会でも何回か加藤委員や梶原委員から、二〇一〇年に三十万キロワットという政府の風力発電の目標値がどうも低過ぎるのではないかという強い指摘がございました。これは私も全く同感でございます。どうも一けた低過ぎるのではないかという感じすらいたします。
政府の施策というのは、導入時の補助金が中心になる、自然エネルギー事業をビジネスとして成立させるための環境整備という重要な視点あるいは知恵と言ってもいいかと思いますが、これが欠落をしている、どうも導入時補助金に傾斜し過ぎているのではないかという感じがいたします。
前回の委員会では、梶原委員から資料として表が示されまして、九七年末のデータとしてドイツでは二百万キロワットの風力発電が実現しているというお話がございましたが、実はそれから一年たった九八年末では百万キロワットふえている、三百万キロワット近い風力発電機が設置されている。これはまだ確たるデータではございませんが、こういったデータもあるわけでございます。
しかも、これを見ていきますと、九一年に自然エネルギーからの電気を電力会社に買い取らせることを義務づける法律がドイツで制定されたわけでありますが、このほとんどがこの制定後に設置されたものであります。
また、設備容量第二位のデンマークでは、風力発電機の製造を最大の輸出産業に育てて、これは日本にも支社を持っている会社も数社あるわけでありますが、二万人の雇用を生むに至ったということで、まさに新しい事業創出、創造ということにつながっている。また、デンマークでは、八〇年代には設備への補助を三〇%行っていたわけでありますが、九〇年代に入ってからはこれを打ち切って、かわって売電に対する補助に切りかえたということであります。
我が国ではどうかということで、これも先ほど来いろいろ指摘があるわけでありますが、我が国では余剰電力買い取り制度という制度がある。ですが、これは何ら法的根拠のあるものではなくて、電力会社の自主的な仕組みだということでありまして、非常に不安定なものであると同時に、取引価格や契約期間についても電力会社側の裁量に任せるものだということで問題があるのではないかという指摘がされているわけであります。また、これもばかげた話ではあるんですが、余剰という概念に合わせるためにわざわざライトアップなどの負荷を接続してむだに電気を捨てざるを得ないといった事例まである、こんな話も聞いているわけであります。
そこで伺いたいと思うんですが、これら海外の成功事例をどう評価するか、また自然エネルギーを事業として成立させるという視点の重要性について我が国では今後どういうふうにお考えになっていくのか、さらに日本の現行の余剰電力買い取り制度、これをどういうふうに評価分析されるか、この点についてお尋ねしたいと思います。