宮澤喜一の発言 (財政・金融委員会)
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○国務大臣(宮澤喜一君) 結論としてはクラウディングアウトに当たらなかったと私も思っております。
昨年の十年国債の利回りを見ておりますと、昨年の九月半ばには〇・六七というまことに常識では考えられないような金利になっておりました。それが今、林委員の言われました二という台に乗せましたのは暮れでございますが、そして結局ピークが二・三六まで行ったようでございます。それからずっと落ちつきまして、きょうは一・七とか八とかその辺で、これは公債の値段でございますから上がったり下がったりいたしますが、その辺で落ちついております。
昨年の二を突破いたしましたことにつきましては、国債発行者としての私どもも少し不注意であったという反省をいたしております。つまり、平成十一年度というのは非常にたくさんの国債が出る。これは御存じではあるものの相当大きいというところへ、資金運用部が別の事情によりまして市中から毎月買っておりました既発債を一月以降は買うのをやめる、来年度は買わないというようなことを発表いたしました。
ただ、これは国債の七十兆というような、一般で申せば六十兆でございますけれども、その中で月で二千億ぐらいなものでございますから、これが全体に影響を及ぼすということは平均的には考えられないことですが、マージナルに受け取られたかもしれません。やはり過剰反応であったと私どもは思いましたが、そういう過剰反応を起こさせることはやはり行政としては決して賢くないと思いました。
その後、資金運用部でもいろいろ財産運用について検討したりいたしまして、二月からはまた年度内は買うようにいたしたわけですが、そういうこともございまして金利は再び下降いたしまして、殊に最近になりまして日本銀行が短期金利をほとんどゼロで運用するような政策をとられましたので、その余った金といいますか、結局少し長いもの、長期まで幾らか出てくるような感じがございまして、金利はさらにそれより下がったというところでございます。
でございますので、この間の状況を見ていますと、幸か不幸かクラウディングアウトが起こった、あるいはクラウディングアウトの心配があるというような現象ではどうもなくて、多少過剰反応ではありましたけれども、国債発行者である我々ももう少し注意をすべきである。殊に、国債の期間何年物というようなことについてもバラエティーをつける方がいいというようなことを思っておりまして、消化そのものはシンジケートでお話は順調に進みますし、発行条件も最近のものはクーポンレートが一・九でございますが、決して無理をして一・九にしているわけでもございません。取引はパーより上でできておりますから、まあまあここで落ちついております。
クラウディングアウトのような様子が見えましたら、これはかえって日本経済興隆の兆しありということですが、それも気をつけておると申しますか、そういうことも見ながら、国債発行者としては十分注意深くやってまいらなければならないと思っております。