財政・金融委員会

1999-03-12 参議院 全275発言

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会議録情報#0
平成十一年三月十二日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     平田 耕一君     佐藤 昭郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         勝木 健司君
    理 事
                石渡 清元君
                金田 勝年君
                広中和歌子君
                益田 洋介君
                池田 幹幸君
    委 員
                岩井 國臣君
                片山虎之助君
                佐藤 昭郎君
                西田 吉宏君
                林  芳正君
                日出 英輔君
                平田 耕一君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                三重野栄子君
                星野 朋市君
                菅川 健二君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    柳沢 伯夫君
   政府委員
       金融再生委員会
       事務局長     森  昭治君
       金融監督庁長官  日野 正晴君
       金融監督庁検査
       部長       五味 廣文君
       大蔵政務次官   中島 眞人君
       大蔵大臣官房長  溝口善兵衛君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵省主計局次
       長        坂  篤郎君
       大蔵省主計局次
       長        藤井 秀人君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       大蔵省金融企画
       局長       伏屋 和彦君
       大蔵省国際局長  黒田 東彦君
       国税庁次長    大武健一郎君
       国税庁課税部長  森田 好則君
       厚生大臣官房総
       務審議官     真野  章君
       郵政大臣官房長  高田 昭義君
       郵政省貯金局長  松井  浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   参考人
       国民金融公庫総
       裁        尾崎  護君
       日本開発銀行総
       裁        小粥 正巳君
       日本輸出入銀行
       総裁       保田  博君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十一年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十一年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(金融再生委員会、金融監督庁)
 、大蔵省所管、郵政省所管(郵便貯金特別会計
 、簡易生命保険特別会計)、国民生活金融公庫
 、日本開発銀行、日本輸出入銀行、日本政策投
 資銀行及び国際協力銀行)
○平成十一年度における公債の発行の特例に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
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勝木健司#1
○委員長(勝木健司君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 去る三月十日、予算委員会から、三月十二日から十六日正午までの間、平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち金融再生委員会及び金融監督庁、大蔵省所管、郵政省所管のうち郵便貯金特別会計及び簡易生命保険特別会計、国民生活金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行、日本政策投資銀行並びに国際協力銀行について審査の委嘱がありましたので、本件を議題といたします。
    ─────────────
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勝木健司#2
○委員長(勝木健司君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として国民金融公庫総裁尾崎護君、日本開発銀行総裁小粥正巳君、日本輸出入銀行総裁保田博君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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勝木健司#3
○委員長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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勝木健司#4
○委員長(勝木健司君) それでは、委嘱されました予算について順次政府から説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。
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宮澤喜一#5
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成十一年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は八十一兆八千六百一億二千二百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は四十七兆一千百九十億円、雑収入は三兆三千二百五億七千二百万円、公債金は三十一兆五百億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十三兆八千五百六十億八百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れは一千五百九十五億三千三百万円、国債費は十九兆八千三百十九億二千三百万円、政府出資は三千三百一億二千万円、公共事業等予備費は五千億円、予備費は三千五百億円、決算調整資金へ繰り入れは一兆六千百七十四億一千三百万円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも二百七十五億九千六百万円となっております。
 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 国民生活金融公庫におきましては、収入三千四百三十五億六千五百万円、支出三千五百二十二億二千百万円、差し引き八十六億五千六百万円の支出超過となっております。
 このほか、日本政策投資銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださいますようお願いを申し上げます。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
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勝木健司#6
○委員長(勝木健司君) 柳沢金融再生委員会委員長。
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柳沢伯夫#7
○国務大臣(柳沢伯夫君) 平成十一年度における総理府所管の金融再生委員会及び金融監督庁の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。
 金融再生委員会の平成十一年度における歳出予算要求額は十二億四千七百万円となっております。これは金融再生委員会に必要な経費として計上いたしております。
 次に、金融監督庁の平成十一年度における歳出予算要求額は六十八億四千七百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、金融監督庁の一般行政に必要な経費といたしまして五十五億九千万円、金融機関等の監督等に必要な経費としまして八億六千八百万円、証券取引等監視委員会に必要な経費といたしまして三億二千七百万円を計上しております。
 以上をもちまして、平成十一年度総理府所管の金融再生委員会及び金融監督庁の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。
 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
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勝木健司#8
○委員長(勝木健司君) 郵政省高田官房長。
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高田昭義#9
○政府委員(高田昭義君) 平成十一年度郵政省所管各特別会計歳入歳出予算案につきまして御説明申し上げます。
 まず、郵政事業特別会計におきましては、歳入歳出予定額はともに七兆六千百七十億円となっております。
 なお、収入印紙等六印紙に係る業務外収入支出分を除きますと、歳入歳出予定額はともに五兆七百三十八億円となっております。
 次に、郵便貯金特別会計におきましては、一般勘定の歳入予定額は十三兆四千九百三十一億円、歳出予定額は十兆七百五十一億円となっております。
 金融自由化対策特別勘定の歳入予定額は十三兆六千三百十六億円、歳出予定額は十三兆六千二百八十六億円となっております。
 簡易生命保険特別会計におきましては、歳入予定額は十九兆六千五百六十億円、歳出予定額は十五兆二千九百四十六億円となっております。
 平成十一年度におきましては、国民の皆様の利便性向上を図るため、郵便局サービスの充実を図る施策を中心に実施してまいりますが、このうち為替貯金事業及び簡易生命保険事業に関する主な事項について御説明申し上げます。
 まず、少子高齢化が進展する中で、高血圧や糖尿病に罹患していても日常生活を支障なく過ごす方々が加入できる簡易保険を創設いたします。
 次に、民間金融機関とのATM提携サービスの提供の円滑化を図るとともに、インターネット上で口座間の送金サービス等を行うインターネットホームサービスの実証実験を行うこととしております。
 また、郵便局舎及び簡保加入者福祉施設のバリアフリー化の充実にも取り組んでまいります。
 さらに、郵便貯金、簡易生命保険資金の運用の対象に資産担保証券を加える等の制度の改善を図ってまいります。
 以上、郵政省所管各特別会計につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
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勝木健司#10
○委員長(勝木健司君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、大蔵省所管の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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勝木健司#11
○委員長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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林芳正#12
○林芳正君 自由民主党の林芳正でございます。
 予算が委嘱されてまいりましたので、ちょっと準備する時間も少なかったものですから、余り細部に至らずに一般的な質疑をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
 まず、論議をし尽くされた感もあるわけでございますが、財政赤字というものが果たしてそのものずばり悪いものであるか。こういう問題につきましてはかなり論議が尽くされまして、マスコミ的にいいますと赤字というのは悪いんだというようなことになるのかもしれませんけれども、果たして本当にそうであろうかというあたりをお聞きしてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
 今のように、フローで一〇%を超える、ストックで一〇〇%を超えるような赤字の状態というのは、これはこういうことではいけないということはもう当然のことである。参考になりますのは、マーストリヒト条約というのがございまして、ヨーロッパの通貨統合に当たって入っていけるレベルというのがこのマーストリヒトで決まっておりまして、これはフロー、つまり単年度の財政赤字がGDP比三%、それからストック、債務残高がGDP比六〇%、こういうことが決められておるわけでございます。
 この間、この委員会の懇談会ということでECBの理事をお呼びしてお話をお伺いしましたけれども、そのときも同僚の金田委員から御指摘があったように、ECBができますと金融は一本化されるわけでございますが、財政政策というのはそれぞれの政府がやっていく、そこが非常に難しいのではないかという御指摘があったところであります。マーストリヒト条約でもそこに配慮をしまして、入った後も財政安定成長協定、スタビリティー・アンド・グロース・パクトというのをつくりまして、その目標をさらに三%、六〇%よりも高いところに置きまして、そこへ向かっていく、こういうような協定を結んでおるということでございます。
 そういうことはございますけれども、我々が議論いたしまして、今凍結されておりますけれども、財構法のときもそういうプライマリーレートの議論がございました。
 一方で、数%内にとどまっている限りはやはり功罪の功の部分もあるのではないかという議論があるわけでございます。
 例えば、国債を発行して橋をつくる。これを後世代がそのときの税収でやるよりも、土地や物が安いときにあらかじめお金を借りてそれを手当てしてつくっておいた方がそのときにつくるよりも安くできるのではないか、こういうような古典的な議論もあるわけでございます。後世代へツケが回る、こう言いますけれども、逆に国債を持っている人との間というのは同世代間の所得の移転ではないか、こういう議論もあるわけでございます。
 会社でよく言われますのは、借金をしながらだんだんとゴーイングコンサーンで大きくなっていくということもあるわけでございます。トヨタのように無借金でやっているところもありますけれども、大半の企業は借金をしながらゴーイングコンサーンで大きくなっていく、こういうようなこともあるわけでございまして、いろんな議論があると私は思っておるわけでございます。
 そういった中で、今の状態がいい悪いというのではなくて、一般論として財政赤字というものについて、後世代への負担の問題も含めて功罪についてどういうふうにお考えになっているか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
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宮澤喜一#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 今でこそ大変に大きな赤字財政をやむを得ずいたしておりますが、この際赤字というのはいいこともあるということを、ちょっと一般論として少しそぐわないかもしれませんけれども、基本的には私自身は林委員の言っておられることにかなり共感をいたしております。自分のかなり長くなりました政治生活におきましても、ほぼそういうふうな考えをしてまいりました。
 ただ、それは日本経済が興隆をいたしましたものですから、幸せにそういう話が割に通りやすかったということもあるかもしれませんけれども、基本的に赤字財政というものはそれ自身が悪だというふうには考えておりません。
 今、マーストリヒト条約のお話がありまして、ああやって単年度赤字あるいは累積赤字を一定の枠の中に抑え込んで、将来もそれを守っていこう、守れない場合はペナルティーを科するというようなことですが、よくああいうことができたと。殊に、失業率が二けたの国が相当ございますから、将来もああいうことが本当にやっていけるんだろうかという疑念は持ちながら、しかしああいう合意ができたということはやはり大したものだというふうに考えます。
 それからいいますと、我が国の今の状況はいかにも度外れておりますから、こういうことが永続していいとは思っておりません。今の世代間のことであるとか、いろいろこれについては両様の議論がございますから、赤字財政そのものが悪であるというふうに私は思っておりません。
 ただ、大蔵大臣をいたしております実感は、いわゆる公債費が、ただいま御審議中の予算の中でも十九兆八千億でございますか、公債費が二割ちょっとある。これがなければこれだけの金がいろんなことに使えるんだがなということはしょっちゅう実は思うことでございます。そういう観点からいいますと、余り赤字が大きくなるというのはそれはそれなりにどうもなかなか問題もあるなと思っております。
 しかし、二割というのは、ここしばらくほとんどそのぐらいのものでございます。やっぱり財政からいいますと、二割をそういう国債関連の処理に使われるということはかなり痛いという思いがいたすことは事実でございます。
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林芳正#14
○林芳正君 ありがとうございました。
 本質論的な部分というのはなかなかこういう状況ではいろんな制約があって議論がしにくいところもあるわけですが、大変御丁寧な答弁をいただきました。
 そこで、最近ちょっと落ちついておりますけれども、長期金利の上昇というのが一時大変に世間を騒がせました。長期金利の上昇といいましてもこれは国債の値段だ、こういうふうに思うわけでございます。では、あのときに企業が、国債ほど長期ではないんですが、割と長目の資金の調達をしているときの実際の金利はどれぐらいかなと見てみましたら、一%行かないぐらいのところで、企業の本当の需要というのは満たされておったということでありますから、その辺は分けて議論をしなければならない、こう思うわけでございます。やはり財政赤字、それから国の財政に対する姿勢みたいなものが市場で評価をされて長期金利が上昇してくるということはあるのだろう、こういうふうに思うわけでございます。これは財政がこういう状況であれば、ある程度それを市場で反映するというのは当然の話だ、こういうふうに思っております。
 ただ、今ちょっと申し上げましたように、これが実際に企業が必要としております資金需要、特に長期の資金需要に対して影響するということになりますと、これはいわゆる学者が言っておりますクラウディングアウトという状況になってくるのかな、こういうふうに思っております。この間の一時的に二%台に乗せたときはどうもそういうことではなかった。クラウディングアウトという定義にもよりますけれども、民間の資金需要を押しのけて入っていくという意味では、厳しい意味でのクラウディングアウトに当たらなかったのかな、私はそういう印象も持っておるわけでございます。
 その点に関しまして大臣の御見解を賜りたいと思います。
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宮澤喜一#15
○国務大臣(宮澤喜一君) 結論としてはクラウディングアウトに当たらなかったと私も思っております。
 昨年の十年国債の利回りを見ておりますと、昨年の九月半ばには〇・六七というまことに常識では考えられないような金利になっておりました。それが今、林委員の言われました二という台に乗せましたのは暮れでございますが、そして結局ピークが二・三六まで行ったようでございます。それからずっと落ちつきまして、きょうは一・七とか八とかその辺で、これは公債の値段でございますから上がったり下がったりいたしますが、その辺で落ちついております。
 昨年の二を突破いたしましたことにつきましては、国債発行者としての私どもも少し不注意であったという反省をいたしております。つまり、平成十一年度というのは非常にたくさんの国債が出る。これは御存じではあるものの相当大きいというところへ、資金運用部が別の事情によりまして市中から毎月買っておりました既発債を一月以降は買うのをやめる、来年度は買わないというようなことを発表いたしました。
 ただ、これは国債の七十兆というような、一般で申せば六十兆でございますけれども、その中で月で二千億ぐらいなものでございますから、これが全体に影響を及ぼすということは平均的には考えられないことですが、マージナルに受け取られたかもしれません。やはり過剰反応であったと私どもは思いましたが、そういう過剰反応を起こさせることはやはり行政としては決して賢くないと思いました。
 その後、資金運用部でもいろいろ財産運用について検討したりいたしまして、二月からはまた年度内は買うようにいたしたわけですが、そういうこともございまして金利は再び下降いたしまして、殊に最近になりまして日本銀行が短期金利をほとんどゼロで運用するような政策をとられましたので、その余った金といいますか、結局少し長いもの、長期まで幾らか出てくるような感じがございまして、金利はさらにそれより下がったというところでございます。
 でございますので、この間の状況を見ていますと、幸か不幸かクラウディングアウトが起こった、あるいはクラウディングアウトの心配があるというような現象ではどうもなくて、多少過剰反応ではありましたけれども、国債発行者である我々ももう少し注意をすべきである。殊に、国債の期間何年物というようなことについてもバラエティーをつける方がいいというようなことを思っておりまして、消化そのものはシンジケートでお話は順調に進みますし、発行条件も最近のものはクーポンレートが一・九でございますが、決して無理をして一・九にしているわけでもございません。取引はパーより上でできておりますから、まあまあここで落ちついております。
 クラウディングアウトのような様子が見えましたら、これはかえって日本経済興隆の兆しありということですが、それも気をつけておると申しますか、そういうことも見ながら、国債発行者としては十分注意深くやってまいらなければならないと思っております。
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林芳正#16
○林芳正君 今、大臣もちょっと触れられましたように、発行者としてマージナルなところとおっしゃいましたし、また私は大変市場が過剰に反応したんではないか、こういうふうに思っております。
 それにかかわります問題として、この財政投融資制度の改革というものが今スケジュールにのってきておるわけでございまして、二〇〇一年四月をめどに預託をやめると。こうなってまいりますと、余り過剰に反応しなくなるのかなというような期待も持っておるわけでございます。
 ちょっと余談になりますけれども、円の国際化に絡めましてFB、TB、これの市中消化ということもスケジュールに入ってまいりましたし、大臣も今ちょっと触れられましたように、中期物というんですか、国債もいろいろバラエティーが出てきたというこのサプライの方の話と、それから今度は理財局へ全部いろんな公的資金が行って、それが財投へという形でまとめて出てくるという形から、それぞれが市場の参加者として、郵貯とか簡保とか年金というお金がそれぞれ市場のプレーヤーとしてやっていくというような形に変わっていくということだと理解をしておりますけれども、これは大変未曾有のことでございまして、いろんな検討をしながらやっていかなければならないんではないか、こういうふうに思っております。
 この財投制度の抜本的改革に関するこれまでの検討状況と今後のスケジュールについてお聞かせ願えればと、こういうふうに思います。
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中川雅治#17
○政府委員(中川雅治君) 財政投融資改革につきましては、昨年六月に成立いたしました中央省庁等改革基本法第二十条第二号におきまして、「財政投融資制度を抜本的に改革することとし、新たな機能にふさわしい仕組みを構築すること。」とされているところでございます。
 財政投融資は有償資金を用いて国の各般の施策を効率的、効果的に実現する仕組みでございまして、二十一世紀においても重要なシステムであると考えており、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスなど諸外国においても広く存在している制度でございますことから、その機能を有効に発揮するために必要な改革を進めつつ、今後とも住宅、中小企業等の施策に適切に活用していく必要があると考えているところでございます。
 現在、財政投融資制度の抜本的改革につきましては、中央省庁等改革基本法や資金運用審議会懇談会とりまとめを踏まえまして検討を進めているところでございます。具体的には、資金運用審議会懇談会のもとに部内での検討に当たってのアドバイザリーグループといたしまして、制度問題検討会、コスト分析・評価検討会、債券発行検討会の三つの検討会を設けまして、委員の先生方のアドバイスを受けながら進めているところでございます。
 今後とも、引き続き財政投融資制度の抜本的改革に向けて、関係省庁とも協議しながら具体的検討を進めてまいりたいと考えております。
 財政投融資制度の抜本的改革のスケジュールにつきましても、中央省庁等改革基本法第二十条第二号を踏まえ、関係省庁とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。
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林芳正#18
○林芳正君 少し変わった話題になりますが、この委員会でもたびたび私は取り上げてきた問題でもございますけれども、今ちょっとほかの問題がいろいろ出てきているものですからやや忘れられがちかもしれませんが、アジアで金融危機が起こったときに、その反省といたしまして、短期の資本が国際間で余りに速い足で移動するものですから、それがエマージングエコノミーにとって非常に壊滅的な打撃を与えたのではないか、それがLTCMみたいな事件が出てくることと相まって、少し規制をしたらどうかという議論が出てきているわけでございます。
 たしかG7に行かれる前に本会議で大臣の御答弁をお聞きした記憶がございますが、なかなか直接的な規制というのは難しかろう、どこまでが短期、どこから長期というのもなかなか難しいと私は思いますし、間接的に銀行がそういうところへ資金を供給したことについては、これはディスクロをさせるという方向で考えておられるというような御答弁だったと記憶をしておりますが、私は、その方向で今回のG7のコミュニケにこれが盛り込まれたというのは画期的なことではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
 今グローバルスタンダードと言われておりまして、それはイコール、アメリカンスタンダードではないか、こういう議論があるわけでございますが、我が国がいろんな主張をしていくことがグローバルスタンダードに入っていくという意味で大変に画期的なことであったと私は思っておりますが、そのとき実際に会議にお出になってどういうような状況だったか。新聞によりますと、ヨーロッパは少しぐらい間接的な規制という方向性があるようでございましたが、どうもアメリカが全部自由だ、こういうような主張をしておったというふうに新聞では拝見しておりましたけれども、実際に御出席されてどういう状況だったか、大臣にお伺いしたいと思います。
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宮澤喜一#19
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましてG7等々、いろいろ議論をいたしました今の現状は、林委員が最初におっしゃいましたように、何とかしたいんだけれども、しかしヘッジファンドというようなものは勝手なクラブみたいなものでございますから、何人かが集まってやって、それで終わりみたいな、どうも実態をつかまえられない、つかまえようとすればどこか遠い国へ行ってしまうというような点があります。
 そこで、つかまえられる部分はどこかといえば、これに金を貸した金融機関、これは確かにつかまえられる。金融機関が自分でやっているのはもちろんでございますから、そこのところまではみんながそのとおりであると。金融機関に対して厳しく監督をするし、ディスクローズもさせる、そこまではみんなの意見が一致しておると思います。
 しかし、その次に今度はヘッジファンドなる実態をつかまえるという部分は、ある意味では法的な実態はないわけでございまして、この関係者が脱税でもしておれば、それは別の話です。しかし、それはヘッジファンドをフィナライズすることになりませんから、どうもそこのところから先をどうしていいかということが、言葉の上ではヘッジファンドの実態を解明するとか報告させるとかディスクローズするとかといっても、法的な実態がないものに対して何ができるか、そこのところで今議論が行ったり来たりしておるという感じだと思います。
 確かにヨーロッパの対応とアメリカの対応は少し違っておりますが、アメリカの例の長期ファンドのときにニューヨーク連銀が素早く収拾に出たということについては、これは一般的には事なきを得たという感じでしたが、しかし、全くノンバンクであるヘッジファンドに何で連銀が出たのか、アメリカという国はそういう国かという相当深刻な議論が御承知のようにあったりいたしまして、この話はアメリカの当局者はちょっと恥ずかしいような、余り深入りしたくないようなところがございます。ただ、それにしても銀行はどうも抑えなきゃいかぬなというようなことまでは合意しております。
 我が国は、おっしゃいますように東南アジアでああいうことが身近に起こりましたし、またその対応についても我が国はどの国よりも先へ進んでおりますから、マハティールさんの言うことをそのまま受け売りするつもりはありませんけれども、しかしやっぱりそういうことに無関係だとは言えないよというようなことで、比較的明快な立場をとってまいっております。
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林芳正#20
○林芳正君 宮澤大臣はもう我が国のお知恵の最高峰にいらっしゃる。私はかねてから大変お世話にもなっておりますし、尊敬を申し上げておりますので、ぜひ知恵を絞ってやっていただきたい、こういうふうに思います。
 時間も迫ってまいりましたので、金融監督庁の方に一問だけお聞きしたいと思います。
 今、検査マニュアルというものが出ておりまして、これが大変進歩的だと思いましたのは、いわゆるパブリックコメント手続というのを経られて、最終的に決める前にいろんな方から御意見を聞いてから決めるんだ、こういうことでございまして、いろんな方の専門的な意見を今聞かれているところだというふうにお伺いしております。一方で、一番強いマネーセンターバンクと上下といいますか、リージョナルバンクも信組とか信金とかまで行きますと、同じところでやるのはどうだというような声を私も地元に帰るといろんな方から聞くわけでございますけれども、各界からどういう意見が出ている状況にあるのか、また今後どういうスケジュールでこれをおまとめになっていくのかをお聞きしたいと思います。
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五味廣文#21
○政府委員(五味廣文君) お話のありました金融検査マニュアルは、昨年の十二月二十二日に中間取りまとめをパブリックコメントに付しました。その結果、各方面からコメントをちょうだいいたしました。四十七先から約六百件ということで、ペーパーの量にいたしますとマニュアルの倍近い量のコメントをちょうだいしたということでございます。このコメントの内容につきましては、記者発表もいたしましたし、またインターネットで公開をしておりますので、どういう方がどういう御意見を出しておられるかというのはインターネットでもアクセスできるようになっております。
 いただきました御意見としては、金融界あるいは経済、産業界、こうしたところから、一つはこの金融検査マニュアルというのが何か法的な拘束力を持った性格を有するのであるものかどうか、そうでないのであれば、それを明記する必要があるのではないかといったような性格論の御意見。それから、金融機関にとりましてリスク管理というのは経営の根幹でございますから、このリスク管理に関して取締役会においてさまざまな決定をするということをチェック項目に加えておりますけれども、こういった点について、リスク管理という大事な話であっても、物によっては取締役会以外の機関にゆだねるというようなことを認めてもよろしいのではないだろうかといったような御意見。それからもう一つ、中小企業向けの与信を含めまして信用収縮という状況が今あるのではないか、これに対する配慮をした検査マニュアルにするべきではないかといったような御意見。そして、ただいま先生から御指摘がございましたが、金融機関の規模あるいは特性、これに配慮をしたものにしていく必要があるのではないか、こういったような御意見をちょうだいしております。
 他方、個人の方からは、公的資金を金融システム安定のために入れているような現状にかんがみれば、銀行監督というのは厳しく行うべきであり、こうしたマニュアルをつくるということは大変意義のあることであるといったような御意見もいただいております。
 こうしたものを踏まえまして、この中間取りまとめを作成いたしました外部専門家も含めました金融検査マニュアル検討会、これを再開いたしまして、二月二十六日から昨日まで四回開催いたしましたが、週一、二回程度の頻度で検討を重ねました。ここでいただきました今御紹介したような論点につきましては、必ず土俵にのせてこれを検討していくということにしております。
 なお、その際、金融検査といいますのは預金者の方が本当に安心してお金を預けられる銀行であるかどうかということを調べるのが基本でございますから、そういった意味で預金者の方の立場から見ても満足な内容になっているかどうかという点にも留意をしてつくっていく、こんな姿勢で検討会でも議論が進んでおります。予定といたしましては、今月いっぱい、三月末を目途に成案を得てこれを決定、公表したいと考えております。
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林芳正#22
○林芳正君 まだお聞きしたいこともありますが、時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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伊藤基隆#23
○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤でございます。
 まず、質問の前に大蔵大臣にちょっと聞いていただきたいことがありまして、時間を少しそれに使います。
 実は税関の業務及びその体制の問題につきまして、昨年十二月十日の本委員会において大蔵大臣にお聞きいたしました。大変厳しい状況下での仕事で成果を上げているということについて、大蔵大臣も十分承知されておって、私と同一の認識を持たれておったというふうに当時の答弁でお聞きしております。
 私は、そのことは大変よかった、実際上すぐに効果が上がるというふうには思いませんでしたが。実はその後、税関の定員問題で、平成十年度に八年ぶりに減員をされた、四名の減員であります。十一年度に十二名が減員されるということになっておるようであります。大蔵大臣が大蔵省内において何とか措置できないかということをおっしゃったということも漏れ承っておるのでございますけれども、現実はそういう状況でございました。
 先日、私のところに、税関の第一線で働いている人が来まして、その十二月の委員会の質疑について大変感激して帰りました。特に大蔵大臣の姿勢について心確かなるものを感じたような気がいたしました。ところが、現実には減員されたために大分がっかりしたというか、報われないような感じを持ったこともあったようでありますが、それによって士気を喪失したかというとそんなことは全くないわけでありますけれども、頑張っている者にとってはその立て直しにはかなり我慢をしたというような感じで私としては受けとめたところであります。
 一月七日に、実は浜田において、税関と島根、広島、千葉県警及び海上保安庁等によって覚せい剤百キログラムが発見、押収されました。こういう日本の社会を不安に陥れる、安定化を失わしめる大変危険な社会悪物品を水際で阻止するという努力が今もずっと続いておるわけでございます。それらは国の安全の問題と十分にかかわる、特に金融の問題についてもそうでありますし、武力の侵入を受けたときに相応する被害というものを日本にもたらす、そういう薬物の侵入であります。特に背後に極めて強力な組織が存在するというふうに言われておりますから、それらが武力行使を現場において行う危険性もあるのではないかというふうに心配をしております。
 ぜひこういうことについてなお今後とも御検討いただきたい、早急な手当てを日本の安全のために措置していただきたいというふうに御要望申し上げておきます。
 さて、きょうは委嘱審査でございますが、私としては、先ほど林議員からもありましたが、特に財投問題を中心にお聞きしたいというふうに考えております。
 一九九八年十二月二十日に、大蔵省は平成十一年度の資金運用部の新発国債購入を中止することを公表しまして、これが昨年末以来の長期金利の上昇を招くきっかけとなったことは周知のとおりでございます。その後、日本銀行の国債購入をめぐるさまざまな論議を経て、資金運用部の新発国債の購入は継続されることとなったようでございますが、このてんまつは一体どういうことだったのか。
 この昨年の新発国債購入中止の背景には、一つには相次ぐ経済対策の実施に伴う国債の増発に加え、資金運用部資金を利用した政府系金融機関による貸し渋り対策を実施したために資金が窮屈になったり、長期国債を買い切る余力がなくなったとか、あるいは資金運用部の原資である年金資金が年金の成熟化を受けて期待できない上に、郵便貯金が二〇〇〇年から二〇〇一年に多額の満期を迎えることから、資金運用部の資金繰り上、長期国債の買い切りが難しくなったとか、さまざま考えられております。
 国債の種類の多様化を欧米並みにということを理財局長が三月十一日の記者会見で言っているようでございますけれども、資金運用部による新発国債の購入を中止すると言ったり、または継続すると言ったりしたこの経過は一体どういうことだったのか、真意について大蔵省、大蔵大臣の説明をお伺いしたいと思います。
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宮澤喜一#24
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、税関職員の問題につきまして、かねて関心をお示しいただいてありがたく思っております。それにもかかわらず十分なことができておりませんで気の毒に思っております。何とかおっしゃいますようにできるだけいろいろ機動的に考えまして、余り不自由のないようにいたしませんと、今おっしゃいますように、白とか黒とかいう非常に危険な物質の国内への流入を一生懸命防いでおるわけでございますので、その点一生懸命努力いたします。
 次のお話でございますが、やがて財投というものの姿が変わっていくということを当然予期いたしておりますので、資金運用部もそういうことを展望しながら資金の運用について考えていかなければならない立場にございますことは御理解いただけるところだと存じます。
 そういう立場から、平成十一年度あるいは十二年度にかけましてどのように原資の変化があるかというようなことは、実は非常に予知することは難しい問題でございます。その中で、一つだけ恐らく今確かであろうと思いますのは、郵便貯金のいわゆる集中満期の問題でございます。十年前にいたしました定額貯金が満期になりますので、平成十二年あるいは十三年度においてどのぐらいの定額貯金が満期になって郵貯から離れるか、俗に百兆円と言われているあのことでございますけれども、これは実は予測が困難でございます。困難でございますが、少なくとも相当の影響を資金運用部の原資が受けるであろうということは恐らく間違いがない。マイナスの貢献になるかもしれないというようなことを考えております。
 それから、平成十一年度の予算編成に際しまして、資金運用部に対しては大変大きな資金需要が求められたために、そういう点からも手元が窮屈になるというようなこともございまして、私に相談が暮れにございまして、毎月千億ずつ二度ずっと市中から買ってまいりましたが、一月からはそれをやめたいということがございました。それはそれで資金運用部から申せばもっともなことであると私もいっとき考えましたが、おっしゃいますようなことで、このことがかなり過剰に市中から受け取られたということもございまして、金利が大変に上昇をいたしました。
 そういうこともあり、さらによくいろいろ資金運用部について事務当局の諸君とも一緒に検討してみましたところ、いわゆる満期集中というのは傾向としてはもう避けられないと思いますが、実態的にどのぐらいの数字になるのかということも必ずしも明確でありませんし、またその後の運用を見ておりますと多少の余裕がないわけではないというようなこともございまして、とりあえず二月、三月につきましては、もう一遍従来どおり資金運用部が月に二千億円程度、一回千億円程度でございますけれども、市中から買おうということを決定したところでございます。
 これから先、新年度になりましてどうするかということにつきましては、この間の暮れの教訓、やはり国債発行者としては、バラエティーをつけるとか、あるいは発行の方法についていろいろ工夫するとか、一本調子ではいけないという教訓を得ておりますので、資金運用部のこの運用につきましても市中の様子を見ながら弾力的に考えてまいることが必要であろうと。国会のお許しの点もございますから、その点についても十分に考えながら現実に柔軟に対応していくことにしようではないかと。ただ、それは市況によることでございますから、それも見ながら、まだ将来のことでございますので考えていこうと、とりあえずそんなふうに思っておるところでございます。
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伊藤基隆#25
○伊藤基隆君 大蔵省は、一九九八年十一月の緊急経済対策以降、資金運用部における国債引受割合を減らしてきております。九九年度当初予算案では国債発行額七十一兆一千億円、新規財源債、借換債含めての額でありますが、これに対して運用部の引き受けは借りかえのみで二兆八千億円でございます。発行額が前年よりも十三兆円余りふえるのに、引受額が九兆円余りも減る計算でありまして、その結果、市場には前年度に比べて二十三兆円も余分に国債が出回ることになります。
 この発行と引き受けのちぐはぐな対応は一体どういうことから起こってくるんでしょうか。同じ大蔵省で扱っていることでそういうことが起こってきております。これは資金運用部の限界を示すものなのか、あるいは二〇〇一年の財投改革をにらんだ予備的対応が始まっているんだろうか。市場への影響、二十三兆円というものが市場に出回るということに対する影響をどう考えておられるのか。大蔵大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
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中川雅治#26
○政府委員(中川雅治君) 資金運用部の国債の引き受けでございますけれども、平成十一年度におきましては、ただいま先生御指摘のように二兆八千億円の借換債の引き受けを予定しているわけでございます。これは、ただいま大臣から申し上げましたように、平成十一年度の財政投融資計画等におきまして資金運用部に対しまして相当規模の資金需要が生じてきていることや、あるいは郵便貯金等の原資の動向等を総合的に勘案いたしまして資金運用部の引き受けが二兆八千億円程度になったわけでございます。
 従来から、国債発行計画の中で資金運用部の引き受ける割合といいますのは、その時々の資金運用部の資金需要あるいは原資の事情等を勘案いたしましてかなり大きく年によって変動しているわけでございます。従来、時系列で見てみましてもいろいろな年がございます。それはそれぞれの年の国債発行額全体の状況、資金運用部の資金需要あるいは原資の事情等がそれぞれの年によって変動していることによるものでございます。
 結果といたしまして、先生今御指摘のように、民間消化分が平成十年度の三次補正後に比べますと十兆円程度、十年度の当初に比べますと二十三兆円程度ふえるという形になるわけでございます。この点につきましては、昨年末、市場関係者の方々と十分に意思疎通を図りまして、シ団引き受けにつきまして十年債で二十兆、公募入札で四十兆、これは二十年債、六年債、四年債等の年限債でございますが、また短期国債につきましては二十二兆、こういったような発行計画でもってシ団関係者とも合意を見て国債発行等懇談会の御了解もいただいたところでございます。
 私どもといたしましては、これから市場のニーズを十分踏まえて適切な発行条件等を設定することによりまして、円滑かつ確実な消化が期待できるというように考えているところでございます。
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伊藤基隆#27
○伊藤基隆君 さて、今さら言うまでもございませんけれども、財政投融資の仕組みは、郵便貯金や国民年金等の資金を七年から十年の期間でいわゆる預託利率で調達して、その多くの資金を預託利率と同じ水準の財投金利で平均十七年程度の期間で投融資するものであります。財政投融資が政策金融を支えている意義は、その金利が市中金利に比べて低目であるということと、長期固定金利であるということであるというふうに思われます。
 我が国は、バブル崩壊以降、長期に金利低下の道を歩んできまして、平成三年に六%台であった預託利率は現在二・一%と長期にわたり大幅な低下をしてきました。短期金利ではゼロ金利が標榜されるほどの低金利の状況となっております。これから先、一体金利はどう動くのかと皆戦々恐々としている状況にあるのではないかというふうに思います。長期金利の動きは財投の運用にどのような影響を与えていると大蔵省は認識しているのか。
 下がり勾配の中での長期固定金利は、資金の運用全体の中ではそれによって利益を上げ得ることができたと思います。常に下がってきました。しかし、今後、長期金利が急速な上昇をするような局面が起こってきた場合に、従来、資金運用部資金の運用を支えていた構図がそこで崩れるというふうに見なければなりません。すなわち、長期固定融資で成り立っていくのかどうかという問題がこの金利の動きで起こってくるわけであります。
 この点について、資金運用部の財政は確保していけるのかどうか、理財局長にお伺いしたいと思います。
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中川雅治#28
○政府委員(中川雅治君) 長期固定金利というのは、いわゆる財政投融資の民業補完という役割から、従来からこうした形での貸し付けをしてきたところでございます。今後の長期金利の動向について見通すことは困難でございますので、確たることは申し上げられないわけでございますが、いずれにいたしましても資金運用部資金の運用に当たりましては、やはり今後の金利の変動ということも考えていかなければなりませんので、私どもといたしましては適切なALM管理、資産負債管理を図りつつ、効率的な運用に努めてまいりたいというように考えております。
 資金運用部の主要な原資は郵便貯金、年金等でございますけれども、この原資の動向あるいは財政投融資の改革を見据えて、今後、資金運用部資金の調達の方がどうなるのか、そして貸し付けの方はどうなるのか。調達、運用のいわゆる期間のミスマッチリスクをどのように考えていくのかということは大変大きな課題でございまして、特に資金運用部資金の貸付金利のあり方につきましては資金運用審議会懇談会とりまとめにおきましても、「財政投融資の対象事業の性格やニーズを踏まえ、基本的には、貸付期間に応じ市場金利を基準として設定すべきである。」等の御指摘をいただいておるところでございます。こういった御指摘も踏まえ、今後さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。
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伊藤基隆#29
○伊藤基隆君 今の答弁で果たして大丈夫なのかなという気がするわけでございます。というのは、長期金利が、これ以上下がるということもあり得るかもしれませんけれども、一般的には上がっていくんじゃないか、変化が起こってくるんじゃないかというふうに見られています。
 中川理財局長は、本日の新聞記事によりますと、五年債などを課題として検討していくということを言っております。財投の性格からいくと、長期固定低金利ということからすれば五年債、今では七年償還となっていますけれども、国債引き受けなんかでも資金は財投債となっているわけですが、そういうものを引き受けていった場合に、長期固定金利による十七年から長いものは二十五年、三十年というそういう事業に対して果たして効果的な資金注入ができていくんだろうか。
 私が先ほど心配しましたのは、長い間の下り勾配の長期金利の低下傾向の中で、四%の預託率で引き受けたものを四%で運用する。資金を返還するのは七年で返還する、しかし貸し付けは平均十七年と。七年経過する間に利率は四%が三%ぐらいに下がってきたわけです。そうすると、四%でさらに十年の運用をするわけですから、そこに利ざやが生まれるわけですよ、個別には別にしても、総体として。そうしますと、今後下り勾配の低下ということがなくなってきたときに、財投の、利益を上げないまでも、運用を確保する条件が変わってしまうんじゃないかと、市場の。そうしたときに財投は根幹から成り立たなくなるんじゃないかというふうに心配をするわけですよ。そのことについてどうなのか。
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