田英夫の発言 (日米防衛協力のための指針に関する特別委員会)
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○田英夫君 これはお調べいただいたらいいと思いますが、一九九五年十二月ですからコール政権時代ですけれども、ドイツ連邦政府は交通配慮法、直訳すれば交通配慮法と訳せる法案を議会に提出したんですね。これはNATO軍や在ドイツ・アメリカ軍に対する協力という、まさに今回と全く同じです。
だから、今回の周辺事態が危機事態という名前で、その危機事態の発動に基づいて交通配慮法によってNATO軍やアメリカ軍に対して優先的に輸送、交通ができるようにするということで、その中に出てくる文章を見ますと、ドイツの平和と安全に重要な影響を与える事態と、どこかで聞いたような言葉がそっくりあります。
結局、この法案は廃案になりました。この経緯も外務省はお調べいただいた方がいいかと思う。私も今調べつつありますが、なぜ廃案になったのか。ちょうどその直後にドイツ連邦軍のボスニア派兵、前のときですね、ということが起こる、そういう空気の中でさえ廃案になっている、このことを一つ申し上げておきたいと思います。
きょうは、本当ならばここで憲法と武力行使の問題について議論をしたかったんですが、次回のために考え方だけ触れておきます。
結論だけ申し上げておきますが、これは防衛庁長官にお話ししなくちゃいかぬことですが、三月二十三、四日のいわゆる不審船の問題、このときに海上保安庁が対応された。これは、川崎運輸大臣もおられるけれども、非常に重要なことなんですよ。海上保安庁という海の警察が対応した。途中から、速力がどうだとかいろいろ言われましたけれども、海上自衛隊が出て、海上警備行動ということに八十二条によって変わっていった。そこに問題がある。
各国とも、沿岸警備隊という名前であったり、ヨーロッパのような陸地続きのところは国境警備隊という名前の警察機構が対応している。領海、領土、そこに沿う問題は警察が対応しているということ、これは非常に重要なことです。ということは、軍隊がそこに出てきて対応してしまうと外交上の問題に発展する可能性が極めて大きいという配慮なんです。だから、日本の場合も、意識してかどうかは別にして、海上保安庁だった。自衛隊がないときから海上保安庁はありましたからそうなったのかもしれませんが、このことをぜひお考えいただきたい。
これは国際的な配慮なんです。国際的にもう常識化している配慮なんです。軍隊が出ていっちゃまずいんです。まずいことになりかねないんです。それを今逆に、防衛庁はもっともっとという方向にあるように思えて仕方がない。
それは、また繰り返して申し上げるけれども、日本国憲法という憲法を持ち、そしてその根底に平和という……(「化石だよ」と呼ぶ者あり)平和ということを大前提にしている国連憲章というものを皆さん勉強していないからそういうやじのようなことが出てくるので、国連憲章を頭から一回読み直してみなさいよ。
終わります。(拍手)