若林正俊の発言 (日米防衛協力のための指針に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○若林正俊君 委員派遣について御報告申し上げます。
 本特別委員会の井上委員長、鈴木理事、山本一太理事、齋藤理事、柳田理事、日笠理事、笠井理事、照屋委員、田村委員、山崎委員、島袋委員及び私、若林の十二名は、周辺事態安全確保法案等三案件の審査に資するため、昨十九日沖縄県に派遣され、那覇市において公聴会を開催し、六名の公述人より意見を聴取いたしました。
 まず、公述の要旨を申し上げます。
 最初に、沖縄県議会議員の小渡亨公述人からは、SACO合意の確実な実施が基地問題の解決につながる、三案件はアジア太平洋地域の平和と安定の維持に寄与する、周辺事態の鎮静化が重要であり、そのことが県民の生命、財産を守ることにもなる、武器使用は自衛隊員の安全確保のために必要である、有事法制を整備し、本法案の一日も早い成立を希望するとの趣旨の意見が述べられました。
 次に、政治アナリストの比嘉良彦公述人からは、沖縄は毎日が有事であり、常に前線であるという県民の感覚を持ち、二十一世紀の我が国の安全保障はいかにあるべきかを議論してほしい、沖縄の過重負担を軽減した上で日米防衛協力のための法整備を行うべきである、周辺事態の定義は周辺よりも事態の概念を厳密にすることが透明性を高める、国会承認は国会の存在意義にかかわる、防衛協力の法整備は法治国家としては必要だが、それは万一の備えであり、それが適用されない平和な状況をつくることが重要であるとの趣旨の意見が述べられました。
 次に、全沖縄駐留軍労働組合執行委員長の伊佐真一郎公述人からは、国の務めは国民の生命、財産を守り、平和構築の外交努力を尽くすことである、それが行き詰まったときにどう対処するかのマニュアルがガイドラインであると認識する、台湾から沖縄への投資の話があるが、これは沖縄が世界一の米軍に守られているからである、国は平時に有事対処を考えておくべきであり、法案が一日も早く成立するよう期待したいとの趣旨の意見が述べられました。
 次に、弁護士の新垣勉公述人からは、米軍基地を強化し、県民を戦争に巻き込む法案の成立は県民の総意に逆行し到底認められない、周辺事態のとき沖縄は前線補給基地となり、県民は危険の渦中に置かれる、国会は真っ先に沖縄の現実を調査してから法案審査に入るべきであった、沖縄を再び戦場にしかねない法案に反対するとの趣旨の意見が述べられました。
 次に、琉球大学法文学部教授の高良鉄美公述人からは、法案では自治体等の協力の具体的内容がわからない、基本計画がどのように具体化されるのかを質疑で引き出すことが立法府の務めである、今後さらにどのような周辺事態関連法が必要となるのかを国民に明らかにすべきである、法案は県民の権利義務に深いかかわりがあることを十分認識し、審査に生かしていただきたいとの趣旨の意見が述べられました。
 最後に、沖縄大学法経学部教授の新崎盛暉公述人からは、公聴会の傍聴が制限されたのは残念である、米軍が守っているから沖縄は安全だというのは歴史の事実に反し、沖縄戦は日本軍がいたから起こった、沖縄は米軍基地が仮想敵国としている国から常にターゲットにされている、県民は、沖縄がNATOのユーゴ空爆におけるイタリアの地位のようになるのではないかという恐怖感を抱いている、我が国の敵をつくらないためにも日朝国交正常化交渉を再開すべきである、沖縄地方公聴会を法案の通過儀式でなく論議の出発点にしてほしいとの趣旨の意見が述べられました。
 これらの公述人の意見に対し、派遣委員より、安全保障における抑止力の役割、沖縄公聴会開催に対する評価、法案に対する沖縄県議会の反応、船舶検査活動のための国連安保理決議の要否、有事立法の整備、周辺事態が発生した場合の沖縄への影響、自治体等の協力と地方自治の本旨及び基本的人権との関係、日米の信頼関係を醸成する基地の町の役割、日米安保に対する本土の政治情勢の変化、関連法案に対する韓国国内の反応とアジア諸国との対話等について熱心な質疑が行われました。
 なお、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれによって御承知願います。
 以上、御報告申し上げます。

発言情報

speech_id: 114514963X00919990520_003

発言者: 若林正俊

speaker_id: 28629

日付: 1999-05-20

院: 参議院

会議名: 日米防衛協力のための指針に関する特別委員会