日米防衛協力のための指針に関する特別委員会

1999-05-20 参議院 全396発言

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会議録情報#0
平成十一年五月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     足立 良平君     寺崎 昭久君
     久保  亘君     郡司  彰君
     山下八洲夫君     千葉 景子君
     風間  昶君     山本  保君
     富樫 練三君     宮本 岳志君
     畑野 君枝君     八田ひろ子君
     椎名 素夫君     堂本 暁子君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     郡司  彰君     久保  亘君
     谷林 正昭君     櫻井  充君
     八田ひろ子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                鈴木 正孝君
                竹山  裕君
                山本 一太君
                若林 正俊君
                齋藤  勁君
                柳田  稔君
                日笠 勝之君
                笠井  亮君
                山本 正和君
    委 員
                市川 一朗君
                亀井 郁夫君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                常田 享詳君
                長谷川道郎君
                橋本 聖子君
                松村 龍二君
                森山  裕君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                伊藤 基隆君
                石田 美栄君
                木俣 佳丈君
                久保  亘君
                郡司  彰君
                櫻井  充君
                谷林 正昭君
                千葉 景子君
                寺崎 昭久君
                前川 忠夫君
                魚住裕一郎君
                沢 たまき君
                山本  保君
                小池  晃君
                小泉 親司君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                照屋 寛徳君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                月原 茂皓君
                堂本 暁子君
                山崎  力君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       外務大臣     高村 正彦君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       自治大臣     野田  毅君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 野中 広務君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  野呂田芳成君
   政府委員
       内閣官房内閣安
       全保障・危機管
       理室長
       兼内閣総理大臣
       官房安全保障・
       危機管理室長   伊藤 康成君
       内閣官房内閣情
       報調査室長    杉田 和博君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       防衛庁長官官房
       長        守屋 武昌君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛庁運用局長  柳澤 協二君
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       防衛施設庁施設
       部長       宝槻 吉昭君
       外務省総合外交
       政策局長     加藤 良三君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省北米局長  竹内 行夫君
       外務省欧亜局長  西村 六善君
       外務省条約局長  東郷 和彦君
       自治大臣官房総
       務審議官     香山 充弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間に
 おける後方支援、物品又は役務の相互の提供に
 関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間
 の協定を改正する協定の締結について承認を求
 めるの件(第百四十二回国会内閣提出、第百四
 十五回国会衆議院送付)
○周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保
 するための措置に関する法律案(第百四十二回
 国会内閣提出、第百四十五回国会衆議院送付)
○自衛隊法の一部を改正する法律案(第百四十二
 回国会内閣提出、第百四十五回国会衆議院送付
 )

    ─────────────
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井上吉夫#1
○委員長(井上吉夫君) ただいまから日米防衛協力のための指針に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、足立良平君、山下八洲夫君、風間昶君、畑野君枝君、富樫練三君、椎名素夫君及び久保亘君が委員を辞任され、その補欠として寺崎昭久君、千葉景子君、山本保君、八田ひろ子君、宮本岳志君、堂本暁子君及び郡司彰君が選任されました。
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井上吉夫#2
○委員長(井上吉夫君) 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の三案件を一括して議題といたします。
 まず、昨日当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。若林正俊君。
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若林正俊#3
○若林正俊君 委員派遣について御報告申し上げます。
 本特別委員会の井上委員長、鈴木理事、山本一太理事、齋藤理事、柳田理事、日笠理事、笠井理事、照屋委員、田村委員、山崎委員、島袋委員及び私、若林の十二名は、周辺事態安全確保法案等三案件の審査に資するため、昨十九日沖縄県に派遣され、那覇市において公聴会を開催し、六名の公述人より意見を聴取いたしました。
 まず、公述の要旨を申し上げます。
 最初に、沖縄県議会議員の小渡亨公述人からは、SACO合意の確実な実施が基地問題の解決につながる、三案件はアジア太平洋地域の平和と安定の維持に寄与する、周辺事態の鎮静化が重要であり、そのことが県民の生命、財産を守ることにもなる、武器使用は自衛隊員の安全確保のために必要である、有事法制を整備し、本法案の一日も早い成立を希望するとの趣旨の意見が述べられました。
 次に、政治アナリストの比嘉良彦公述人からは、沖縄は毎日が有事であり、常に前線であるという県民の感覚を持ち、二十一世紀の我が国の安全保障はいかにあるべきかを議論してほしい、沖縄の過重負担を軽減した上で日米防衛協力のための法整備を行うべきである、周辺事態の定義は周辺よりも事態の概念を厳密にすることが透明性を高める、国会承認は国会の存在意義にかかわる、防衛協力の法整備は法治国家としては必要だが、それは万一の備えであり、それが適用されない平和な状況をつくることが重要であるとの趣旨の意見が述べられました。
 次に、全沖縄駐留軍労働組合執行委員長の伊佐真一郎公述人からは、国の務めは国民の生命、財産を守り、平和構築の外交努力を尽くすことである、それが行き詰まったときにどう対処するかのマニュアルがガイドラインであると認識する、台湾から沖縄への投資の話があるが、これは沖縄が世界一の米軍に守られているからである、国は平時に有事対処を考えておくべきであり、法案が一日も早く成立するよう期待したいとの趣旨の意見が述べられました。
 次に、弁護士の新垣勉公述人からは、米軍基地を強化し、県民を戦争に巻き込む法案の成立は県民の総意に逆行し到底認められない、周辺事態のとき沖縄は前線補給基地となり、県民は危険の渦中に置かれる、国会は真っ先に沖縄の現実を調査してから法案審査に入るべきであった、沖縄を再び戦場にしかねない法案に反対するとの趣旨の意見が述べられました。
 次に、琉球大学法文学部教授の高良鉄美公述人からは、法案では自治体等の協力の具体的内容がわからない、基本計画がどのように具体化されるのかを質疑で引き出すことが立法府の務めである、今後さらにどのような周辺事態関連法が必要となるのかを国民に明らかにすべきである、法案は県民の権利義務に深いかかわりがあることを十分認識し、審査に生かしていただきたいとの趣旨の意見が述べられました。
 最後に、沖縄大学法経学部教授の新崎盛暉公述人からは、公聴会の傍聴が制限されたのは残念である、米軍が守っているから沖縄は安全だというのは歴史の事実に反し、沖縄戦は日本軍がいたから起こった、沖縄は米軍基地が仮想敵国としている国から常にターゲットにされている、県民は、沖縄がNATOのユーゴ空爆におけるイタリアの地位のようになるのではないかという恐怖感を抱いている、我が国の敵をつくらないためにも日朝国交正常化交渉を再開すべきである、沖縄地方公聴会を法案の通過儀式でなく論議の出発点にしてほしいとの趣旨の意見が述べられました。
 これらの公述人の意見に対し、派遣委員より、安全保障における抑止力の役割、沖縄公聴会開催に対する評価、法案に対する沖縄県議会の反応、船舶検査活動のための国連安保理決議の要否、有事立法の整備、周辺事態が発生した場合の沖縄への影響、自治体等の協力と地方自治の本旨及び基本的人権との関係、日米の信頼関係を醸成する基地の町の役割、日米安保に対する本土の政治情勢の変化、関連法案に対する韓国国内の反応とアジア諸国との対話等について熱心な質疑が行われました。
 なお、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれによって御承知願います。
 以上、御報告申し上げます。
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井上吉夫#4
○委員長(井上吉夫君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、地方公聴会速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。
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井上吉夫#5
○委員長(井上吉夫君) 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件外二案について、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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森山裕#6
○森山裕君 自民党の森山裕でございます。
 周辺事態法案に関連して質疑をさせていただきます。
 私は、鹿児島県の大隅半島に所在する鹿屋市で幼少期を過ごしました。戦前は特攻隊の基地があったこの地に海上自衛隊鹿屋航空基地が開設をされて、ことしで四十五周年を迎え、今月十六日の日曜日には記念式典が盛大に開催され、私も御案内をいただき出席いたしました。日夜国防の第一線で努力されている隊員の皆さんに敬意を表してまいりました。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
 平和の礎として我が国の安全保障のため、海上防衛の第一線の基地として日夜その使命を果たしている鹿屋基地が所在している鹿屋市は、鹿児島県第二の人口八万人を擁する都市であり、大隅半島の政治経済の中心の都市でもあります。
 ここで紹介をしたいのは、市民と基地とが独特の親近感あふれる関係を築いているということであります。このことを象徴しているのが、平成六年、開隊四十周年を記念してスタートいたしました「エアーメモリアルインかのや」という行事であります。この時期に毎年、鹿屋航空基地を中心に開催されるこのイベントもことしで六年目を迎えました。鹿屋市の三大祭というばかりではなくて、鹿児島県内外にその名を知られる大隅半島のビッグイベントとして、県内外から毎年十数万人の観客を集めるほどとなってまいりました。
 ここで特筆すべきことは、四十から成る各種団体によって実行委員会が構成され、このイベントを支えているということであります。まさに、市民、県民、国民と基地との融和と信頼関係を具現する行事でありますし、一方で最近の我が国を取り巻く情勢に対して、国を守ること、防衛に対する国民の関心の高まりを示しているものではないかと私は考えます。
 このような基地と住民が良好な関係を維持していくためには自治省所管の基地交付金、調整交付金あるいは防衛施設庁所管の騒音防止事業を初めとする基地関係予算のより一層の充実を図っていく必要があるというふうに考えております。
 そこで、まずこれらの予算に対する今後の取り組みについての御所見をお伺いいたします。
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野田毅#7
○国務大臣(野田毅君) 委員御案内のとおり、基地交付金及び調整交付金は、米軍や自衛隊の基地に係る国有提供施設等に対して、固定資産税が課税されないことなどを考慮しまして、これらの施設が所在する市町村に対して交付するものであります。
 この基地交付金及び調整交付金につきましては、昭和五十六年度から昭和六十三年度までは同額に据え置かれておりましたんですが、固定資産税の評価がえなどを勘案いたしまして、厳しい財政状況のもとではありますけれども、平成元年度、四年度、七年度及び十年度、三年ごとにそれぞれ十億円の増額を図ってきたところであります。平成十一年度の予算につきましては、極めて厳しい財政状況の中ではありますが、施設等所在市町村の置かれております実情などにかんがみまして、前年度と同額の二百九十一億五千万円を確保したところでございます。
 今後とも、従来からの予算要求の経緯や固定資産税の代替的な性格及び施設等所在市町村の置かれております実情などを考慮しながら、所要額の確保に努めてまいりたいと考えております。
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野呂田芳成#8
○国務大臣(野呂田芳成君) 防衛庁としましては、これまで防衛施設の設置、運用に伴う障害の防止等のため、障害防止事業、騒音防止事業、民政安定助成事業等について施策の充実を図るなど、積極的に取り組んでまいったところであります。
 これらの基地周辺対策事業につきましては、今後とも地元の御要望を踏まえながら必要な予算の確保を含め、その推進に努めてまいりたいと思っております。
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森山裕#9
○森山裕君 それぞれ御答弁をいただきました。
 防衛施設というのは、我が国の防衛力と日米安保体制を支える基盤として常に安定して使用できる状態に維持することが最も大事なことだろうというふうに思っております。自治省で所管をしていただいております基地交付金と調整交付金は一般財源でありますから、地方自治体としては大変使いいい交付金であります。
 ただ、御承知のとおり、米軍基地の場合と自衛隊基地の場合には対象資産に違いがある等々、地元としてはまだ改善をお願いしなければならない事項が幾つかあります。また、特に騒音防止事業の場合には、騒音基準の見直し等について関係の自治体は長年要望を続けているところであります。このあたりにもどうか十分の御配慮を賜りますように、強く要望を申し上げておきます。
 次に、開隊四十五周年の記念式典に参加をさせていただいて、多くの市民の皆さんの御意見を聞かせていただきました。ある先輩は、今度のガイドライン関連法案というのは、消火栓をつくったり、防火水槽をつくったり、化学消防車を買ったり、はしご車を買ったりするようなものだなというふうに話をされます。だんだん国民の皆さんの理解というものが、いい形で理解をされつつあるんだなというふうに実は思うことでございました。
 その一方で、周辺事態法第九条の地方自治体の協力については、唐突に要請があるのではないかというような不安にも似た素朴な疑問を初めとして、自治体への協力要請についてさまざまな疑問が投げかけられております。私も二十三年間、地方議会で仕事をしてまいりましたので、地方の気持ちはよくわかるような気がいたします。
 そこで、自治体への協力について、何点かお伺いをいたします。
 まず初めに、地方の協力が不可欠でありますこの法案でありますが、これまで自治体に対して国として法案についての説明など、どのような対応をしてこられたのかをお聞かせいただきたいというふうに思います。
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伊藤康成#10
○政府委員(伊藤康成君) 先生御指摘のとおり、この周辺事態安全確保法案につきましては、大変地方公共団体の関心が高いものというふうに私どもも承知しております。
 私どもといたしましては、これまでもできるだけ積極的に、法案の第九条に基づきます協力の内容等につきまして具体的な説明を行うようにしてまいってきたところでございます。
 例えば、全国基地協議会でございますとか防衛施設周辺整備全国協議会、あるいは渉外関係主要都道府県知事連絡協議会というような会合がございますが、こういった会合の場をおかりいたしまして、この法案を提出いたします直前、昨年の四月二十三日から始めましてつい最近に至るまで、いろいろな機会をつかまえまして御理解をいただくよう御説明をしてまいってきているところでございます。
 また、このほかにも、例えば全国知事会あるいは全国町村会等々の場もおかりしておりますし、また個別に電話等でいろいろ御質問もありますので、そういったことにもお答えをしているという次第でございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、一層の理解をいただくために引き続きいろいろな機会をとらえまして御説明をしてまいるよう心がけてまいりたいと存じております。
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森山裕#11
○森山裕君 本案が成立をする前に関係の自治体に対しての説明をしてこられたということは評価のできることでありますけれども、やはり地方自治体に関係のあります要項を含みます法律案でありますから、さらにその努力というものが必要なのではないかなというふうに思うところであります。
 次に、政府あてに市町村議会から意見書が寄せられていると思いますけれども、その内容はどのようなものなのか、またそれを踏まえてどのように対応していかれるのか、自治大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
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野田毅#12
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、この周辺事態安全確保法案は地域に大きなかかわりを持つものでございまして、地方自治体の関心も大変高いと承知をいたしております。
 そこで、地方団体の議会からもこの法案に関連する意見書をいろいろちょうだいしておりますが、自治省が承知をいたしておりますところでは、法案に反対するものが五十七団体、慎重な取り扱いを求めるものが三十五団体、それから自治体の意見を尊重すべきであるというものが二十四団体となっておるわけでございます。
 この内容を見ますと、一部の意見書の中には、法案についてまだ十分な御理解をいただいていないということから発するところの指摘も見られるところでございます。
 例えば、あるところでは、この法律のもとで自衛隊が行う米軍への補給、輸送、機雷掃海、臨検などは憲法第九条に違反する参戦行為そのものですと、こうあるんですが、機雷掃海というのは別にこの法律に入っているわけではない、あるいは参戦行為そのものでないわけですがそのように規定するとか、あるいは自治体や民間の協力を義務づけるという言葉が使用されておったり、この法案に対するまだ十分な御理解をいただいていないということを背景として意見書に至っているというものもいろいろございます。
 そこで、この法案についての自治体へのさらなる理解を求めるための政府サイドからのいろんな手順等につきましては、今、内閣安全保障・危機管理室長から御答弁を申し上げたわけでございますが、今日までもできるだけ具体的に説明を行ってきておると存じております。自治省におきましても、関係地方団体からの照会などに今日まで答えてはきたところでございます。
 しかし、今後なお一層、地方公共団体が適切な対応ができますように、関係省庁との連絡のもとで積極的な説明等できるだけの努力をして御理解を得てまいりたいと考えております。
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森山裕#13
○森山裕君 意見書の状況を伺いますと、自治体において法案に対しまして多少誤解があるのではないだろうか、まだ十分に理解をされていないのではないかという気がいたします。
 私どものところにも意見書の参考送付をいただく場合がありますけれども、その内容を見てみますと、米軍の後方支援を義務づけているという表現があったり、この法案は憲法の原則である恒久平和、主権在民、基本的人権、議会制民主主義、地方自治のすべてを踏みにじるものであるという表現があったり、憲法九条に違反する参戦行為そのものであるという表現があったり、あるいは自治体や民間の協力を義務づけようとしているという表現があったりいたします。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 基本的な認識の違いというものに基づいて意見書が出されるというのは極めて遺憾なことだなというふうに思いますけれども、やはり国民の皆さんによく理解をしていただく努力というのは、私どもも続けなきゃなりませんし、政府においてもさらに御努力をいただかなきゃいけないのではないかなというふうに思います。
 また、報道によりますと、非常におもしろい現象もあるようであります。昨年の九月議会では新ガイドラインに基づく一切の法律を制定しないとの内容の意見書が採択をされた、その同じ議会が三月議会では正反対の、周辺事態法の早期制定を求めた意見書を採択したという報道もあります。
 このようなことを考えてみましても、その法律の内容の説明というものがいかに大事なものであるかを知ることができるような気がいたします。
 それでは、自治体への協力の求めと協力の依頼についてお伺いをいたします。
 この問題はさまざまな観点から多くの質疑がされてきました。これまでの論議では、地方、民間の協力のあり方ばかりが対応措置であるかのような取り上げられ方をしてきた嫌いがあるように私には思えてなりません。
 そこで伺いますけれども、周辺事態への対応としては、当然、国による対応がその中心ではないかというふうに思います。政府としてどのように考えておられるのか、地方、民間の協力をどのように位置づけているのかについてお尋ねをいたします。
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伊藤康成#14
○政府委員(伊藤康成君) 我が国の平和及び安全に重要な影響を与えますところの周辺事態に際しましては、当然のことながら、この法案で具体的に明記されております自衛隊によります後方地域支援あるいは後方地域捜索救助活動を初めといたしまして、国としては、政府全体、各省庁挙げまして一体となって必要な措置を実施する、そういうことによりまして我が国の平和及び安全の確保に努めるということになるわけでございます。
 ただ、こうした場合におきまして、国による対応措置をとる際にどうしても地方公共団体等、国以外の方の協力が必要となる場合もある、そういうことから、法案の第九条におきまして国以外の方に対しまして協力を求めるあるいは依頼をすることができるという規定をさせていただいているところでございます。
 ここで定めておりますのは、あくまで現行の法令の枠内で可能な協力を求めるあるいはまた依頼をするということでございまして、決して現行法令を超える新たな対応を求めるとかそういうものではございませんし、また先ほどちょっとお話がございましたが、協力を強制するとかそういうものでもないことはこれまでも御答弁申し上げたところでございます。
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森山裕#15
○森山裕君 ただいま御答弁をいただきましたように、国が中心になって対応するということを、もう少し地方自治体にも国民にもわかりやすいように、その点の誤解がないように説明をしていくということが本当に大事なことだなというふうに私は思います。
 次に、この周辺事態法案は、協力を求めるということで強制力は持たないと言っていますが、地方分権推進一括法案により地方分権を推進していこうとする流れに逆行しているのではないかという意見があります。
 しかし、今の答弁にありましたように、国がしっかりと防衛の役割を果たしながら、自治体や民間がそれを補完していくということのようであります。しかも、自治体や民間に何か特別なことをさせるといったことではなくて、現行の法令の枠組みの中で、それぞれ本来の役割の範囲内で協力を要請するということでありますから、まさに地方分権の精神に沿ったものであると私は考えますけれども、自治大臣の御所見をお伺いいたします。
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野田毅#16
○国務大臣(野田毅君) 今御指摘ございましたように、今国会、先般御提案を申し上げました地方分権一括法案、これは、長年の今日までの中央集権型の行政システムを変革して、国、地方を通じて抜本的な行政システム改革を行う、そして国と地方との関係を従来よりもより対等、協力の関係に持っていこうというものでありまして、具体的には、国、地方の役割分担を明確にして、そして地域における行政は地方公共団体が自主的かつ総合的に行えるようにしようというものであるということは申し上げてきたところでございます。
 そこで、今御提案申し上げておりますこの周辺事態法案の第九条第一項において、国から地方公共団体に対し必要な協力を求めることができる旨の定めをいたしておるわけですが、今日まで累次申し上げてきておりますとおり、これは、協力の求めがあった場合、地方公共団体は正当な理由があればこの協力を拒むことができるんですということを申し上げてきたわけでございます。また、拒否をした場合にも、本法案に基づく制裁的な措置がとられるというものではないということも申し上げてきたところでございます。
 そういう意味で、国が一方的に協力を押しつけるというものではない。あくまでこのガイドライン法案というのは地方分権に最大限の配慮を行った上で構築をされているということは、重ねてこの機会に申し上げさせていただきたいと思います。
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森山裕#17
○森山裕君 今、大臣から御答弁をいただきましたとおり、地方分権一括法案の一番大事なポイントというのは、国と地方の関係を、対等、協力の関係をしっかりやろうということでありますから、まさに今回の法案というのは、そういう意味でも地方と国というのは対等な立場に立つわけでありますし、また協力をどうしていくかということが明確になっているわけですから、私は、やはり地方分権の精神に沿ったものであるというふうに思えてなりませんし、またそのことを国民の皆さんにも御理解をいただかなければならないんだろうというふうに思うところであります。
 それでは次に、これまでの質疑を伺っておりますと、協力要請をしたときに自治体が拒否するのではないか、あるいは本当に強制力を伴わないものなのか等々の論議がなされてまいりましたが、果たして協力要請というのはそのようなものなのでしょうか。我が国の平和及び安全に重要な事態が発生しているとき、国として自治体と十分に連絡をとり合えば、この国を愛する国民の判断として、決して拒否などということはないと私は基本的に考えます。
 協力要請のプロセスというものについて、どのように考えておられるのかをお示しいただきたいと思います。
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伊藤康成#18
○政府委員(伊藤康成君) いわゆる周辺事態が起こりました際には、まず内閣におきまして基本計画を策定いたしまして、そしてそれに基づいて関係の地方公共団体に対しまして関係の行政機関の長、大臣からお願いをするというのが法律の筋でございます。
 ただ、今まさに先生御指摘のとおりで、基本計画をつくるというような段階ですと非常に緊急な場合でございます。したがいまして、そういうことに対しましてはあらかじめその相手方の地方公共団体等との情報交換あるいは調整等を行うことが望ましいわけでございますが、いざという場合になかなかそれが難しい場合もございます。したがいまして、私どもといたしましては、平素から地方公共団体等との間で情報交換とか意見交換を行っていくということが非常に大事だろうというふうに思っている次第でございます。
 また、もちろん個々の基本計画を策定する時点におきましてもできる限り個別具体的に事前にその相手方の意向を聞くとか調整を図るということが望ましいわけでございますし、また、先ほど申し上げましたように、関係の所管の大臣からお願いをするわけでございますので、そういった事情についても十分承知をしているわけでございます。地方公共団体の事情等もできる限り考慮してお願いをしてまいりたいと思っている次第でございます。
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森山裕#19
○森山裕君 今プロセスについて御答弁をいただきました。地方自治体は、ある日突然何かの要請があるのではないかという心配が大変ありますけれども、今の話を聞きますと、個別具体的に事前に調整をされるということでありますし、また地方自治体の意見も聞いてくださるということでありますから、その心配はないということがよく理解をできるところであります。ぜひ地方自治体の方々についてもそういう御理解をいただかなければならないんだろうというふうに思います。
 ただ、少し気になりますのは、我が国の平和及び安全に重要な事態が発生をしているときに、発生をする可能性があるときに、一番効率的なやり方でなければなりませんし、一番効率的な地方自治体への要請でなければならないんだろうというふうに思っています。
 そうしますと、例えば公の施設を長期的に利用させる場合には、地方自治法の二百四十四条の二の第二項で「普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。」というふうに定めています。
 もし、このような法律があることによって、効率的な利用というものを考えるときに別なところを判断しなきゃならないということになるとすれば、これはやはり国の平和と安全を守るということにつながらないのではないのかなという気がしてなりません。
 ですから、こういう自治法を含めて、少し関係の法律を整備していく必要というものがあるのではないかというふうに思います。議会を招集して三分の二以上の同意をもらうことは可能かもしれませんけれども、議会を招集するにはやはり手続というものが必要でありますから、当然のこととして時間が必要であります。そのことが、我が国の平和、安全に重要な影響を与えるということであってはならないのではないかというふうに思います。
 そこのところについて、自治大臣のお考えがあったらお聞かせをいただければと思います。
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野田毅#20
○国務大臣(野田毅君) 今、森山議員、大変大事な御指摘をされたわけでございまして、この一連の法案の審議に当たりまして、特に周辺事態というのは、日本の平和と安全に全く無関係な事態にいかにも日本の自衛隊から地方公共団体や日本の国民が協力を要求されるというような雰囲気を前提として議論が構築されるというような嫌いが、どうもそういう誤解があったとすれば大変残念なことだ。そうではなくて、これはまさに日本の平和と安全に重要な影響を与える、そういう事態においてどうするかというテーマでありますから、当然のことながら、国はどうすべきであり、では自治体はどういうことができてどういうことができないのか、国民としてどこまで協力をすべきなのか、そこから先はやはり断るべきなのか、そういった議論をもう少ししていただくと大変ありがたい、こう思っています。
 そういう中で、地方自治法に基づく独占的、長期的な利用という問題について今御指摘ございましたが、これはもう御案内のとおり、三つの縛りをかけておるわけでございます。条例で定める重要な施設、そして条例で定める特にその中でも重要なもの、それからもう一つ、条例で定める長期かつ独占的な利用、こういう三つの縛りをかけて成っているわけです。
 現実に地方自治体でどういうところまで独占的利用に関する条例が定められているかどうか、それぞれ地域によって異なっているとは思いますが、今御指摘のような懸念が存することはそのとおりでございます。
 そういう点で、これはいずれぜひ政治的な場の中で、仮に日本有事があった場合にも、では自治体はどこまでこの条例との関係で乗り越えることができるのかなどという議論もあわせてしていかなければならないテーマであるというふうに考えております。
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森山裕#21
○森山裕君 この際、政府は、地方六団体とも協議を重ねていただきまして、地方の意見も取り入れていただきながら、想定をされる協力の範囲や、その際の具体的な手続などについて、細かな手続についての作業をぜひ進めていただき、周辺事態を想定した国と地方との新たな協力関係をつくるということが本当に大事なことなんだろうというふうに思いますので、そのことを強く要望いたしまして、あとの残りました時間、木村委員にお願いをしたいと思います。拍手
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木村仁#22
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。
 私は、先日、本法案の修正部分について主として衆議院の修正案発議者の皆様に質問をする機会をいただきました。幸いにしてと言うべきであろうと思いますけれども、本日また再度質問する機会をちょうだいいたしましたので、先日の質問の上に立ちながら私なりの締めくくり総括、まだちょっと早いのかもしれませんが、をさせていただきたいと考えております。
 この法律ができると、先ほど来同僚議員からも指摘がありましたように、何だかおどろおどろしいことが起こって、そして日本がアメリカの言いなりにずるずると重要な戦争に引きずり込まれていくのではないかという意見が国民の一部にあることを承知いたしております。
 そこで、いま一度、法律案第一条の三党修正後の姿を眺めてみたいのでございますが、この修正の結果できた第一条の規定が周辺事態の定義を全く変更するものではない、こういうことはこれまでの質疑を通じて明らかにされてきたことでございます。
 私もそのことを確認する上に立ちながら考えてみたいのでございますが、やはり法律というものは成立してしまいますと審議のいろんな経緯を超えて存在するものでございますし、またイギリス等では、法律の解釈は審議における事情を考慮してやるべきではなく、あくまで法律に則して考えるべきである、こういう法律の格言もあるそうでございます。
 そういう面で考えますと、この第一条は、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」、「等」というのも同じように重要なことでございましょうし、また「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の効果的な運用に寄与」するという、そういう一つの条件をつけながら書かれたということでございまして、このことは結果的に見れば、やはり日本国民に対しても米国に対してもこの法律は周辺事態における米国への協力というものは日本の平和と安全に直接かかわる、しかも非常に重大な事態がある場合に行われるのだ、こういうことを明らかに示したのではないか、こういうふうに私は考えるのでございますが、いかがでございましょうか。
 実際の対応措置の実施を最も重要な立場で担われます防衛庁長官の御見解をお伺いしたいと思います。
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野呂田芳成#23
○国務大臣(野呂田芳成君) この法案は、周辺事態に対応するために必要な措置を定め、また我が国の平和と安全の確保に資することを目的とするとともに、日米安保体制のより効果的な運用を確保し、我が国に対する武力攻撃の発生等を抑止することに資するものであります。
 ある事態が周辺事態に該当するか否か、周辺事態に際していかなる措置を実施するかにつきましては、あくまでも日米両国政府がおのおの主体的に判断するものであることは従来より申し上げているとおりでございます。
 御指摘のとおり、周辺事態とは、我が国周辺地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態であって、これに対する対応は、対米追従の観点からではなく、我が国の平和と安全の確保という我が国自身の問題として取り組むべきであると考えますという法案の趣旨、目的は、衆議院における修正によってさらに明確になったのではないかと考えているところであります。
 なお、今般の法案の修正により第一条に追加されました「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」とは、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態を例示的に丁寧に説明したものであると承知しており、本修正案により周辺事態の定義自体が変わるわけではないことは御指摘のとおりと考えます。
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木村仁#24
○木村仁君 私の考え方と全く一致するお考えを示していただきまして、大変ありがとうございました。
 同じことになるかと思いますけれども、ACSA、物品役務相互提供協定の第四条の第一項、第四項を見ますと、こういった協力関係というものはすべて、例えば同条第四項にありますように、日本国の自衛隊は、周辺事態に対処するための日本国の措置について定めた日本国の関連の法律に従って後方支援、物品または役務を提供する、こういうことになっております。そして、二国間の条約の解釈というものは、それぞれの当事国に解釈権があり、その解釈が合わないときにはその部分は動かない、こういうことじゃなかろうかと私は考えます。
 したがいまして、日本が米国の要求のままに戦争に巻き込まれていくのではないかという危惧は私はやっぱり杞憂ではないか、それだけしっかりと日本の主体性を確立しながら対米折衝に当たるべきではないかと。
 多分、米国から要請がある場合には、ほとんどの場合に日本国政府はこたえることになると思いますけれども、それは最後の姿であって、その要請に至る事前の段階において日本がお断りするよというような事態も多々ある、多々ということはありませんけれどもあり得る、私はそういうふうに考えます。
 そういう意味で、主体的にかつ我が国の国益を第一義に考慮して行動するということを確認したいと思いますので、恐れ入りますが、もう一度防衛庁長官よろしくお願いいたします。
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野呂田芳成#25
○国務大臣(野呂田芳成君) 委員の御見解のとおりだと私も考えております。
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木村仁#26
○木村仁君 次に、国会承認の修正の件でございますが、自衛隊による対応措置の実施に係る国会承認に関連しまして、衆議院解散時における参議院の緊急集会という問題がございます。そして、自衛隊の防衛出動の際には、衆議院解散時においては参議院の緊急集会を開いて承認を受ける、こういう手続が書かれておりますけれども、この法案にはそれが書かれておりません。
 この点については、衆議院の発議者の皆様に確認いたしましたところ、緊急集会はこの法律に書かなくとも開くことができるものであるから書かなかったのだという御説明で、私もそれでよろしいと思っておりましたが、先日の参考人招致で参考人のお一人から、自衛隊法の防衛出動には、衆議院解散時の場合をも想定した参議院緊急集会での承認の制度が定められているのに、修正法案には同じような規定がありません。これはいわば法の欠缺ではないのでしょうか。そういう御発言が再度にわたってございましたので、もう一度確認をしておきたいと思います。
 緊急集会のことに条文が言及していないからといって緊急集会は開けないことはない、そのことを確認し、かつ、しかしながら、それがないために、あるいは内閣において衆議院解散時であるから、少し緊急度は薄い事態かもしれないけれども緊急事態にしてしまえというような運用がされるとするならば、この承認の手続の規定をないがしろにするものではないかと思いますので、そのあたりについての見解を防衛庁長官にお願いしたいと思います。
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野呂田芳成#27
○国務大臣(野呂田芳成君) 国会の事前承認を得ることができないような緊急の必要がある場合と申しますのは、その時点における諸般の状況を総合的に勘案した上で判断するものでありますから、具体的に申し上げることは困難でございますけれども、一般的に申し上げますと、周辺事態への対応措置を実施する必要があると政府が判断したにもかかわらず、国会承認の手続を得ていては我が国の平和と安全の確保が十分に図ることができないと判断されるような時間的余裕がない場合がこれに該当するものと理解しております。
 したがって、国会が閉会中または衆議院が解散された状態にある場合には、内閣は国会の召集を決定するかあるいは参議院の緊急集会を求めた上で事前の国会承認を得ることとなると考えます。ただし、これらの手続を得ていては、先ほども申し上げましたとおり、我が国の平和と安全の確保が十分に図ることができないと判断されるような時間的余裕がない場合には緊急の必要がある場合に該当し、事後に速やかに国会の承認を求めることとなると理解しております。
 しかしながら、法律は原則はあくまでも事前の承認であり、政府としても可能な限り国会の事前承認を得るよう努力していくことは当然であると考えております。御指摘のような参議院の緊急集会を求めた上で事前の国会承認を得る時間的余裕がある場合においては、緊急の必要がある場合として事後承認することは全く考えていないところであります。
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木村仁#28
○木村仁君 それから、これは質疑の過程で参考人あるいは公述人の方々から御指摘があったことでございますけれども、この承認について米国の戦争権限法等の事例にかんがみ、日本でも時限と申しますか、期限つきの承認ということがあり得るのか否かということが議論されたことがございます。
 私は、この法律はそういうことは想定していないのであって、事態の推移を見ながら国会でも議論がされ、それに対応して政府もしかるべき措置をとっていく、こういうことであろうと思いますが、参考までにお聞きしておきたいと思います。
 この国会承認について、提案者側からも可能でありましょうし、国会の方でつけるということもあるいは考えられることかもしれませんが、期限つきの承認を受ける、あるいはあらかじめ計画の中にこの対応はおおむね一年程度、そういうことを書く、そういうようなことはあり得ることでございましょうか。これはあくまで参考までの質問でございますので、よろしければお答えいただきたいと思います。
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佐藤謙#29
○政府委員(佐藤謙君) 今回、衆議院段階でこの国会承認につきまして修正が行われたわけでございますが、私どもの理解といたしましては、周辺事態におきます対応の迅速性あるいは柔軟性、そういったものと、それから、この二つの自衛隊が新たに実施することになりました行為につきまして国民に十二分の御理解をいただくという観点から、こういった修正が行われたものと私どもは理解しております。
 今、先生からアメリカの戦争権限法についての御言及がございましたが、これもせんだっての御説明の中で政府側から申し上げたところでございますが、このアメリカの規定は私どもの考えている周辺事態に対する対応と趣旨等も違うものであるということで、必ずしもそれをこの問題に直に適用すべき考えにはならないのではないか、こういうことを申し上げたところでございます。
 私どもといたしましては、周辺事態に対します迅速な対応、またその適切な対応、こういうふうに考えますと、今回修正をいただいたこの考え方に従いまして適切に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。また、国会に基本計画の御報告をするわけでございますから、そういったものを踏まえた国会のいろいろな御審議、こういったものも踏まえながら、私どもとしてはこの周辺事態に対する対応について万遺漏なきを期してまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。
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