三浦一水の発言 (農林水産委員会)

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○三浦一水君 第二班につきまして、委員派遣の御報告を申し上げます。
 岩永理事、佐藤委員、長峯委員、森下委員、小川委員、久保委員、大沢委員、梶原委員、阿曽田委員及び私、三浦の十名は、食料・農業・農村基本法案の審査に資するため、去る十五日、福岡県に派遣され、福岡市におきましていわゆる地方公聴会を開会し、四名の公述人から意見を聴取した後、質疑を行いました。
 まず、公述の要旨につきまして申し上げます。
 最初に、宮崎県酪農業協同組合連合会専務理事の殿所啓男公述人からは、食料・農業・農村基本計画について、食料の需給や国内生産の目標等は長期的かつ具体性を持ったものであるべきである、食料自給率の目標を明確にしてほしい、農産物価格の安定は最重要課題であり、農産物価格が急落した場合の緊急措置についてセーフティーネットの設定を強く求める、中山間地域対策は原則として地域機能集団を対象にするのが望ましい、九州は台風常襲地帯であるので、災害対策に対する特段の強化・充実をお願いしたい旨の意見が述べられました。
 次に、福岡県食とみどりの会副会長の林宏公述人からは、食料自給率の向上や国内農業生産の増大という明確な農政の方向性を示したことの意味は大きいが、具体化への道が全く見えてこない、担い手の確保・育成のため、幅広く多様な担い手を対象に施策を講ずべきである、厳しい農地転用の規制、耕作放棄地の活用等により、少なくとも五百万ヘクタールの優良農地を確保すべきであり、また、株式会社の農業参入は認めるべきではない、地域への直接支払いの導入に当たっては、地域農業の振興、農村の活性化を目的とし、中山間地域及び平地を含めた地域を対象として、農業・農村振興計画に基づく一括交付金方式とすべきである旨の意見が述べられました。
 次に、九州大学農学部教授の村田武公述人からは、多面的機能の発揮が第三条に明記されたが、中山間地域等にとどまらず、農地と景観の保全に大きな役割を果たしている平たん地を含め、各種政策を具体化する関係法の整備を進めるべきことが課題となっている、最も危惧するところは農産物の価格の形成と経営の安定に関する第三十条であり、生産費を補てんする最低価格保証がないことが担い手に展望を失わせている、農産物の輸出入に関する第十八条は、その趣旨において、ガットのセーフガード条項さえ発動できなかった現行農業基本法第十三条と変わらない旨の意見が述べられました。
 最後に、九州大学農学部教授の横川洋公述人からは、生物多様性に関する規定が不十分であること、直接支払いの対象になる農業とそうでない農業とを区分する境界として基準値という考え方が必要であること、生物多様性の計量評価手法の開発が我が国でも必要であることの三つを留保条件として、農業が発揮する生物多様性の機能が人類存続のために果たす役割の重要性等にかんがみ、その確保について条文に書き加えるべきである、また、国は第三条の農業の多面的機能に対する直接支払いと、第四条の農法の改善、転換に対する政策的支援を積極的に行うべきである旨の意見が述べられました。
 これらの公述人の意見に対し、派遣委員より、農業基本法に対する評価、新基本法による新たな食料・農業・農村政策の実効性、食料自給率の低下要因、安全な食料供給を実現するためのあり方、市場原理の導入と経営安定方策、株式会社の農地取得に対する考え方、多面的機能に対する国民の期待、中山間地域等に対する直接支払いのあり方等、広範多岐にわたり質疑が行われました。
 なお、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれによって御承知願いたいと存じます。
 以上で報告を終わります。

発言情報

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発言者: 三浦一水

speaker_id: 21438

日付: 1999-06-29

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会