国井正幸の発言 (農林水産委員会)
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○国井正幸君 それは、いろいろ理由があるのは私も承知をするんです。こういうふうになったという状況の分析は十分できているように思うんですが、原因というんでしょうか、ここに対する掘り下げがどうも足らないのではないかな、私はそういう気が今もって率直のところしております。
しかし、そうはいいながらも、今、大臣がおっしゃられたように、それなりに成果を上げてきたところもある。我が国としても無防備で来たわけではないわけです。特に、所得との関係ということで見ると、いかにして所得を確保するか、そういう観点からすると、一つは新品種や新技術を開発して、単位面積当たりの収量を上げる、こういう努力もされてきました。これは、数字で見ても、例えば米については大体三割ぐらいふえているし、あるいは麦については七割ぐらいふえているんです。三十五年当時と現在を見ると、ほかに比べてはまだまだ少ないと言われながらも、しかし七割ぐらいふえている。あるいは牛乳の搾乳量です。一頭当たりの搾乳量なんか見ても七割ぐらいふえている。そういう意味では、そういう努力をしてきたのは一つはわかります。
それからもう一つは、所得を確保するという意味で価格支持政策もとってきた。つまり、数量掛ける単価、これがいわゆる農業生産額の総量になるわけですから、そういうことをやってきたわけです。したがって、数字で見てみますと、もちろんこれは物価の上昇というのもあるわけでありますが、昭和三十五年当時は農業生産高が二兆一千億程度であったわけでありますが、平成八年度では十一兆六千億になった。これは一つはそういうことだと思うんです。
それからもう一つは、やっぱり流通政策等もそれなりにやってきて、いかにして生産コストを下げるか、こういう努力もやってきたというふうに思うんです。しかし、結果としては、ほかの産業の伸びが大きかったということもあるんでしょうが、昭和三十五年当時はGDPに占める農業のシェアというのが九%あったけれども、八年度には一・四%ということで、減少したということなんです。やっぱりほかの産業と比べるとなかなか生産性の伸びがそこまで追いつけなかった、こういうことになるんだろうというふうに思うんです。
それはそれとして、所得との関係で見てきますと、さっき大臣は農家所得を言いました。大臣がおっしゃられたとおり、農家所得は、それは兼業農家のいわゆる他産業で働いていただく賃金等も入っているわけですから、農家所得だけではなかなかきちっとした比較にならぬと思うので、昭和三十五年当時の農業就業者一人当たりの農業所得、これが幾らあったのかなと、こういうふうに見てみますと、一日五百三十九円だったんです。この当時の製造業労働者、これは規模によってありますけれども、一番小さい区分である五人から二十九人という区分で見てみると五百四十二円でありました。ほぼ遜色がない状況でありました。ところが、それを同じとり方で、平成八年度で見ると、農業者の農業所得というのは五千六百四十六円、一日。ところが、製造業労働者の賃金というのは一万三千四百五十二円だということで、製造業労働者の賃金というのは農業者の二・四倍。逆に製造業労働者を一〇〇とした場合はどの程度かというと、四二%。半分にも満たない、こういう状況なんです。
いろいろ何だかんだ言ってみても、要はやっぱり所得があるのかないのか、その職業についておって、しかも専らそれに従事をしている者がそれだけの所得が確保できたのかできなかったのかというのが私は大きな問題だろうというふうに思っているんです。したがって、これから農業の振興を図る、農業離れを食いとめる、いろんなことを言うんですが、こういうふうな状況が続くとなると、なかなかその後に続く者が少なくなるのではないか、こういうふうに思うんですが、大臣としての御所見はいかがでしょうか。