筆坂秀世の発言 (本会議)

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○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、小渕総理に質問いたします。
 まず、日本経済についてであります。
 今、日本経済と国民の暮らしが未曾有の危機に瀕しているという認識について、異論を差し挟む人はいないでしょう。経済であれ財政であれ、その破綻と傷が深ければ深いほど、そこから脱出するためには、その危機をもたらした原因を容赦なく究明し、それを正していく根本的な対策を講じるというのが鉄則であります。
 九〇年代に入っての日本経済を大づかみに振り返ってみると、バブル崩壊後、九三年から九四年にかけては一%以下という低い成長率にあえいでいました。しかし、九五年には一・四%成長、九六年には五・一%成長を遂げたように、大企業と中小企業の格差拡大などさまざまな問題をはらみつつも、日本経済は長い不況のトンネルから脱出しつつありました。それが九七年四月を境に急激に落ち込み、統計史上最悪というマイナス成長の暗いトンネルに入り込んでしまったのであります。
 原因は明白です。第一に、消費税増税を初めとする九兆円負担増によって所得と家計消費を急速に落ち込ませたこと。その結果、総需要が縮小し、需給ギャップが拡大しました。第二に、財政構造改革法などに基づいて、医療、年金、難病対策など社会保障の連続改悪を実行してきただけではなく、将来像はといえば、負担増と切り捨て以外示せないあなた方の貧困きわまる二十一世紀の社会保障像が将来不安を増幅させてきたこと。第三に、失業率が最悪を記録しているにもかかわらず、大企業のリストラ、人減らしをグローバル化への対応という名目で奨励さえして失業増大に手をこまねいてきたこと。このいずれも国民の消費を極度に萎縮させるものでありました。
 今日の不況の原因が需要の低迷、中でもGDP、国内総生産の六割を占める個人消費の落ち込みにある以上、政府が最優先すべきは、それが減税であれ財政の出動であれ、個人消費の拡大に直結する対策、言いかえれば、家計を温め将来不安を取り除く思い切った対策を講じることではありませんか。その基本認識があるかどうか、まず総理の見解を伺います。
 今何よりも問題は、この半年間、小渕内閣が個人消費の拡大につながる有効な対策を何一つとってこなかったことであります。それだけに、これから行う対策は、当然個人消費拡大を最優先する立場に立つものでなければなりません。
 ところが、小渕内閣がやろうとしている減税案なるものはどうでしょう。国民の大多数にはことしより増税をもたらし、その増税分を少数の高額所得者の減税に振り向けようというのが所得減税の中身であります。また、法人税減税も、二兆三千億円の減税総額のうち約五五%に当たる一兆三千億円は、全法人企業の〇・一五%にすぎない資本金十億円以上の黒字大企業三千六百社に集中するものとなっています。
 そこで、何点か伺います。
 第一、大多数の国民にとっては増税にしかならず、個人消費を拡大するどころか減少させることにしかならない対策が、なぜ景気回復に役立つというのですか。
 第二、あなた方は口を開けば、日本は最高税率が高いため国民の勤労意欲を奪っているなどと言い、あたかもそれが日本経済発展の桎梏であるかのように言います。しかし、今最高税率を適用されている国民は、多く見積もっても七万人から八万人程度であります。この一握りの高額所得者の勤労意欲が、なぜ日本経済の活性化に決定的なのですか。
 第三、既に指摘したように、法人税減税の圧倒的部分は、企業数で一%にも満たない大企業向けのものであります。この大企業の生産が落ち込んでいるのは、消費不況のせいではなく、法人税のせいだとでも言うのですか。明確な答弁を求めます。
 日本共産党は、今国会冒頭に、消費税の三%への引き下げ法案を二院クラブの島袋宗康議員、自由連合の石井一二議員とともに本院に再度提出いたしました。この機会に、議員各位の真剣な御審議、御賛同を心から訴えるものであります。
 今、どの世論調査でも、消費税減税を求める声が圧倒的です。多くの経済専門家も、消費拡大に最も効果のある対策として、消費税減税を挙げています。総理自身も、予算委員会での私の質問に対し、消費税減税が消費拡大に効果があることを認めたように、消費拡大に最も即効性があることは常識に属することだからであります。
 ところが、総理、あなた方は、高齢化社会に備えるとか、直間比率の是正だとか、さまざまな口実を持ち出してこれを拒否しています。しかし、国際的に見て決して高いとは言えない所得課税の最高税率や法人課税を引き下げ、わざわざ税収減を図ることが、なぜ高齢化社会に備えることになるのですか。
 また、直間比率の是正を決まり文句のように言いますが、そもそも直接税と間接税の比率について、国際的な基準、理想とすべき基準などありません。もしあるというのなら、その基準を示していただきたい。
 消費税の特性はどこにあるでしょう。それは、何%に引き上げようと、大企業はすべて製品価格に転嫁することにより、ただの一円も負担しない。負担するのは、最終消費者である国民と、価格に転嫁することができない中小業者だけという点にあります。総理の諮問機関である経済戦略会議は、「高齢化社会の到来を踏まえて消費税率の引き上げも視野に入れざるを得ない。」と提言していますが、それは高齢化社会の負担を大企業に対しては免除し、挙げて国民の負担で賄おうということではありませんか。
 結局、あなた方が消費税減税をあくまでも拒否するのは、将来、消費税を増税する計画を持っていること、今引き下げることはその障害になるという、国民的合意のない党略的思惑だけではありませんか。
 総理、あなたがいささかでも国民の暮らしに目を向けようというのであれば、また、不況からの脱出を何よりも重視するというのであれば、過去のいきさつや将来のあなた方の思惑は横に置き、消費税減税にこそ大胆に踏み出すべきではありませんか。
 総理、これはあなたの言う蛮勇、すなわち方向違いの勇気ではなく、国民の切実な要求にこたえた正しい決断、勇気の発揮であります。答弁を求めます。
 次に、財政のモラルハザードともいうべき事態に陥っている財政危機についてであります。
 政府の諮問機関である財政制度審議会が我が国財政の危機克服を訴えたのは九五年度のことでした。それからわずか四年で国、地方の借金は百九十兆円もふえようとしています。また、孫子の代にツケを残さないといって消費税増税を強行し、財政構造改革法で社会保障予算など、国民生活関連予算の連続切り下げを求めたのは九七年度のことでした。それからわずか二年、借金の増加は百十兆円に上ろうとしています。
 私が看過し得ないのは、このような破滅的とも言える財政の危機が、日本経済と国民の暮らしに取り返しのつかない害悪をもたらすからであります。
 第一に、来年度末には国と地方の借金は六百兆円、国内総生産の一二〇%に達しようとしています。これは経済が多少なりとも成長しても、その成果を借金の利払いが食いつぶしていく、こういう事態になっているということであります。
 第二に、国民を増税と負担増の絶えざる脅威にさらすことになり、消費の萎縮を一段と進めることになるでしょう。
 第三に、財政の大きな役割は、所得を再分配し、貧富の格差を是正し、社会的公平を実現することにあります。ところが、膨大な国債、長期債務を抱えているため、その利払い費だけで来年度は十一兆円を超え、このうち七兆円から八兆円が国債を保有している銀行など、金融機関を中心とした大企業に流れることになります。もちろんそれを負担するのは国民であります。こうして財政による所得の逆分配が発生するのであります。
 第四に、地方自治体の財政の深刻な危機です。全自治体の借金は、九〇年代に入って百兆円もふえ、今年度末には百六十六兆円にもなろうとしています。問題は、地方自治体に対する政府・自治省の指導、干渉もあって、それが専ら住民サービス切り捨てという方向で国民にツケ回しされようとしていることであります。
 ところが、総理が今後の経済財政運営のいわばバイブルとみなす経済戦略会議の提言は、消費税の大増税を不可避とみなすだけでなく、国民の暮らし、福祉、教育予算のさらなる切り捨てを迫っています。また、来年度予算案では、公共事業予算を予備費も含めると今年度当初より一〇・五%もふやそうとしています。しかも、その中身はといえば、物流効率化などを重点的にというのです。しかし、この物流効率化なるものこそ、釣り堀と化した港湾、まともに飛行機が飛ばない空港など、浪費とゼネコン奉仕の象徴ともいうべきものではありませんか。
 このような、国民には増税と負担増、その一方では浪費型公共事業は相変わらずというのでは、経済再建も財政再建も遠いかなたに追いやることは、この間の九兆円負担増や財政構造改革法路線の破綻によって、もはや明瞭ではありませんか。総理はこの轍をまたもや踏むつもりですか。財政危機の害悪に対する認識とあわせて、総理の見解を求めます。
 今やるべきことは、こんなことではありません。九〇年代に入って借金が三百四十兆円もふえた最大の元凶は、むだと浪費のゼネコン型公共事業です。特に、九〇年代に入っての巨大開発の特徴は、高度成長時代やバブル時代そのままに、需要がふえ続けるということを前提にした企業呼び込み型の巨大基盤整備だったことであります。しかし、このような巨大開発が借金の増加をもたらすだけで、経済発展への貢献という根拠を失っていることは、苫小牧東部開発やむつ小川原開発、さらには東京の臨海副都心開発、横浜のみなとみらい21、大阪のりんくうタウン、泉佐野コスモポリスなど、全国各地での巨大開発の無残な失敗が如実に物語っているではありませんか。
 総理、あなたの内閣の財政運営が決して後は野となれ山となれ式ではない、二十一世紀に責任を持つものだというのであれば、何よりも公共事業費の大胆な削減に足を踏み出すべきです。そのため、少なくとも次の四点について緊急実施するよう強く求めるものです。
 第一、本当に必要な事業を積み上げたものではなく、総額を先に決め、それを使い切るために不要不急の事業を進めるという初めに総額ありきの方式をやめるため、その大もとにある六百三十兆円の公共投資基本計画や空港、港湾、道路などの長期計画を廃棄し、必要な事業を計画的に進める方式に転換すること。
 第二、首都機能移転や伊勢湾口、東京湾口など六本もの海峡横断道路をつくるという破天荒な浪費計画、五全総を廃棄すること。
 第三、公共事業を景気対策に使うというやり方は、財政制度審議会ですら禁じ手としたものであります。なぜなら、ゼネコン奉仕の論理が優先され、その事業が必要か不要かという判断が排除され、麻痺するからであります。このようなやり方を改めること。
   〔議長退席、副議長着席〕
 第四、地方自治体が巨大開発や豪華庁舎づくりにのめり込み、まるで開発会社のようになっている実情を抜本的に改め、住民の安全、健康及び福祉を保持するという地方自治法に基づく本来の役割を果たすよう、政府・自治省による不当な干渉や誘導をなくすこと。
 以上について、総理の答弁を求めます。
 次に、安保・外交、核問題について質問します。
 昨日の衆議院本会議で、我が党の不破委員長は、アメリカによる国際社会の平和秩序を無視した先制攻撃戦略と新ガイドライン関連法案の関係についてただしたのに対し、総理はまともに答弁することを避けました。しかし、新ガイドラインと関連法案がアメリカの先制攻撃戦略への積極的な加担、協力を含んだものであること、また、それが国連憲章、国際法に照らしても国際的な平和秩序と相入れないものであることは明白であります。
 第一に、新ガイドライン関連法案がアメリカの先制攻撃戦略と不可分のものだということは、政府自身が認めてきたことです。
 既に昨年二月、当時の外務省北米局長は、周辺事態とは武力紛争が発生したときだけではなく、実力の行使を伴う紛争が差し迫っている場合も周辺事態の典型例だと明言しました。自明のことですが、紛争が差し迫っている場合とは、紛争以前の状態である上に、その判断はアメリカや日本の勝手なものにすぎません。この時点でのアメリカの武力行使が、国際法が禁じた先制攻撃そのものであることは明瞭です。新ガイドライン関連法案は、このアメリカの先制攻撃に自動的に参戦、協力する仕掛けをつくるものであり、日本を国際法上のいわば無法国家の位置に追いやるものではありませんか。
 第二に、新ガイドライン関連法案が国会承認を排除していることも、アメリカの先制攻撃戦略と不可分に結びついています。
 最近も、来日したコーエン国防長官らが、日本政府に対し、国会承認の排除による実効性確保を強く迫ったと報じられています。この意味は明らかです。アメリカは、建国以来二百二十有余年の間に、二百回を超える武力行使を行ってきましたが、憲法の規定に基づく議会による宣戦手続を経たのはわずか五回にすぎないと指摘されています。議会の手続を経ようとすれば、相手国に武力行使の意図や規模が伝わり、先制攻撃は成り立たないからであります。先制攻撃を成功させるためには自国の議会にすら諮らないアメリカが、新ガイドライン関連法案で日本の国会承認を強く拒絶しているのは、まさにこの先制攻撃戦略の実効性を確保するためであることは明白ではありませんか。
 第三に、アメリカは先制攻撃戦略を現に実行してきた国だということです。
 我が党はあらゆる種類のテロリズムを断固として拒否するものです。しかし、テロに対しては、その容疑者の引き渡しを求めるか裁判にかけるかどちらかだというのが、日本政府も含めて国連が決めた協定の内容です。テロの疑いがあるからといって、昨年八月のアメリカによるスーダン、アフガニスタンへの攻撃のように、勝手に武力制裁、武力攻撃を行うことを国際法や国連憲章は認めてはいません。だからこそ、アナン国連事務総長は、アメリカの行動は攻撃対象が国家であるなしにかかわらず、解決にならないと厳格に批判したのであります。
 ところが、日本政府がとった態度は、これを理解すると言うにとどまらず、一般論としつつも、アメリカの先制攻撃を自衛権の行使として容認するという、世界に通用しない特異な国際法解釈を展開することでありました。
 アメリカはこれまでも、先制攻撃戦略を我が物顔で実際に行使してきました。一九八三年には、カリブ海に浮かぶ人口十一万のグレナダに対し、アメリカ人の生命が危機にさらされているということを口実に侵略しました。国連総会は国際法及びグレナダの独立、主権、領土保全の重大な侵害としてアメリカを非難しました。一九八六年には、何らの証拠もなしに、テロへの反撃という口実でリビアを爆撃しました。一九八九年には、当時のパナマ政府がアメリカの言いなりにならないとして二万六千人の兵力を投入して侵略し、二千五百人とも四千人とも言われるパナマ人を虐殺しました。いずれも、国連総会がアメリカの無法を非難する決議を行ったことは言うまでもありません。
 国連憲章が認めている武力行使は、国連自身が決定した軍事行動と国連加盟国が他国から武力攻撃を受けた場合の自衛反撃だけです。アメリカが実際に過去行ってきた先制攻撃がこの国連憲章に反することは余りにも明瞭ではありませんか。それとも、国連総会も非難したアメリカの先制攻撃を国際法上許されていると考えているのですか。総理の明確な答弁を求めます。
 さらに重大なことは、アメリカの先制攻撃戦略の中核に核兵器先制使用が据えられていることであります。一九九六年二月九日のアメリカの統合参謀本部文書、統合戦域核作戦ドクトリンは背筋が凍りつくようなアメリカの核作戦を次のように述べています。
 まず、核作戦は、それが適切な状況のもとで行使され、正しく管理されるならばアメリカの軍事目的の達成に成功することができる、武力紛争に関する法は武力紛争における核兵器の使用を禁止していないと述べ、核兵器の使用の意図を公然と表明しています。さらに、敵の大量破壊兵器運搬システムが友好国の軍隊を攻撃する前に、敵の大量破壊兵器運搬システムと支援施設を破壊し、あるいは消滅させるように計画され、実行されなければならない。つまり、核兵器の先制使用もあり得るということの表明であります。
 さらに、九七年十二月七日付ニューヨーク・タイムズ紙によると、クリントン大統領が署名したアメリカの核兵器の攻撃目標設定に関する新たな大統領決定指令について、ロバート・ベル大統領特別補佐官自身が、この指令は核兵器の先制使用を引き続き認めるものだと語ったというのであります。
 問題は、このアメリカの核兵器先制使用戦略に対する日本政府の態度であります。昨年の第五十三回国連総会には、スウェーデンやニュージーランドなど非核保有国八カ国による「核兵器のない世界へ、新たなる課題の必要」と題するいわゆる新アジェンダ連合提案が行われ、圧倒的多数で決議されました。この新アジェンダ連合の提案は、速やかな核兵器の廃絶や核兵器の使用禁止、核兵器による威嚇の禁止を求めたものであります。この新アジェンダ連合決議は、欧州議会でも圧倒的多数の賛成で支持決議がなされました。ドイツ新政権の外相は、NATO、北大西洋条約機構の核兵器先制使用戦略を見直すよう提起し、カナダ、デンマークなどが賛同しています。これが今世界の流れとなりつつあります。
 ところが、この決議に対し、日本政府は棄権の態度をとりました。外務省は、新アジェンダ連合が核兵器の先制不使用を柱とした戦略ドクトリンの再検討を要求しており、それはアメリカの核抑止力を減殺するからだと述べています。
 総理、既に指摘したように、新ガイドラインはアメリカの先制攻撃戦略を大前提にしたものであります。そしてその選択肢には、核兵器の先制使用も含まれています。新ガイドライン関連法案の制定は、このアメリカの核先制使用をも含む武力行使に日本を道連れにするものではありませんか。この道を突き進むことは、日本が唯一の被爆国であるにもかかわらず、核兵器の使用を肯定、支援する国におとしめるものではありませんか。
 今、世界には、南極条約、中南米非核地帯条約、南太平洋非核地帯条約、東南アジア非核地帯条約、アフリカ非核地帯条約の五つの非核地帯条約があります。いずれの条約も、核保有国がその域内で核兵器を使用することを禁止する条項を設け、核保有国にも批准を求めています。
 ところが、アメリカは、東南アジア非核地帯条約だけは批准を拒否し、北東アジア非核地帯条約構想についても妨害役を果たしています。これは、アメリカがアジアでの核先制使用戦略を維持しているからであります。アジアでアメリカの核兵器先制使用は許さない、この先頭にこそ日本は立つべきであり、北東アジア非核地帯条約の制定にこそ全力を挙げるべきではありませんか。被爆国の首相にふさわしい答弁を求めるものであります。
 最近、高知県の橋本大二郎知事が、核兵器を積載していないという非核証明がなければ外国の艦船を入港させないという非核証明方式の条例化提案を行いました。ところが、奇怪なことは、外務省が、外国艦船の入港を認めるかどうかは国の権限であり、港湾管理者である地方自治体にはその権限はなく、許されないとして、この条例提案の成立に不当な圧力をかけていることであります。
 総理、日本は、核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずの非核三原則を国是としている国ではないのですか。そうであるなら、高知県知事の提案は非核三原則の一つ、持ち込ませずを具体化するものであり、心から歓迎すべき提起ではありませんか。かつて神戸市が非核証明方式を採用したとき、当時の中曽根首相は、それは地方自治の本旨に基づいて神戸の市長及び市議会がとっておる一つのやり方でありまして、我々はよく理解できると述べていました。これこそ政府としての当然の態度ではありませんか。
 もしこの条例提案を否定するという態度に立つというなら、新ガイドラインのもとで、日本のすべての港湾や空港にアメリカの核兵器が持ち込まれることを容認するということに事実上ならざるを得ないではありませんか。総理の答弁を求めます。
 今、日本の外交について、日米安保についての立場は我々と異にする人々からも、安保であれ経済であれ、初めにアメリカありきで、余りにも自主性、主体性が欠落しているという指摘が数多くなされています。自主性、主体性を欠いた国の外交がアジアや世界から信頼を得ることは不可能でしょう。また、新ガイドラインの矛先はアジア太平洋諸国に向けられたものであります。軍事的矛先を向けられた諸国が、どうして日本との真の友好関係を望むでしょうか。
 日本共産党は、このような新ガイドライン法案の撤回を厳しく要求するとともに、二十一世紀にはアメリカのくびきから脱出し、外国の基地のない日本、核兵器のない世界を目指して奮闘するものです。そして何よりも、二十一世紀を世界に誇るべき日本国憲法第九条が文字どおり生かされる時代とするよう全力を尽くす決意を述べて、私の質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114515254X00319990122_006

発言者: 筆坂秀世

speaker_id: 4295

日付: 1999-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議