本会議

1999-01-22 参議院 全36発言

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会議録情報#0
平成十一年一月二十二日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第三号
  平成十一年一月二十二日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
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○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
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斎藤十朗#1
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。浜四津敏子君。
   〔浜四津敏子君登壇、拍手〕
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浜四津敏子#2
○浜四津敏子君 私は、公明党を代表し、総理の施政方針演説及び外交演説、財政演説、経済演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 政治も経済も教育も国民生活も行き詰まり、未来を見通せない深刻な危機が続いております。バブル崩壊後、総合経済政策として、既に百兆円を超える巨額の資金を投じても一向に景気は回復できなかったことに明らかなように、日本が直面するこれら危機の本質を的確にとらえることなく、小手先のその場しのぎの対応を続けていては、到底危機克服は不可能であります。
 先般、ある著名な医師がこう言われました。今、日本の医療やその技術は最先端にある。しかし、それが本当に患者さんのためになっているかということは考えていない。検査結果の数字や症状しか見ず、大切な人生を生きる一人の人間としての患者さんを見ていないと、現在の医学、医療が本来のあり方を見失っているとの疑問を呈しておられました。これは、医学だけではなく、すべてに通じる話ではないかと思います。
 また、いじめ、インターネットによる毒物宅配、伝言ダイヤル利用の殺人、覚せい剤乱用経験者が二百二十万人にも達する状況などの背景には、物、金優先、人のことより自分の欲得といった社会の拝金主義、利己主義、享楽主義、生命軽視の風潮が大きく横たわっております。
 日本が直面している危機の本質は、根本的には、政治、経済などあらゆるものの根底に本来あるべき当たり前の人間性、精神性、そして真に国民のためとの理念や哲学を欠いているところにあると私は考えます。中でも、政治がパワーゲームや数合わせの党利党略を繰り返していたのでは、到底この危機を克服することはできません。総理のお考えを伺います。
 総理は、施政方針演説の中で、現在の深刻な不況について、まだコップの水は半分あると考えようと言われました。しかし、コップの水が半分になったがためにどれほど多くの国民が失業や倒産、自己破産などで苦しんでいるかということを総理は本当にわかっておられるのでしょうか。しかも、この水は自然になくなったのではありません。バブル崩壊後の政府の無為無策、そして政策の失敗によってなくなってしまったのであります。
 そして、そうした失政の背後には、官僚主導政治の行き詰まりと防衛庁汚職事件などに見られるように、国民の利益のためではなく、一部の人たちの利益のために政策が決められるという政官業癒着の利権構造があるのであります。この構造を壊さない限り、水はこれからも減り続けます。
 「日本は昔から棄民思想がある国です」とは、ある女性映画監督の言葉です。つまり、何かあると日本ではまず国民が切り捨てられるというのです。確かに、今なお仮設住宅に住む阪神・淡路大震災の被災者、ローン返済に苦しむ人たち、突然解雇されるサラリーマンや将来に大きな不安を抱く多くの人たちの姿などは、国民は常に後回し、あるいは切り捨てられてきたこの国の政治の姿勢を明確に示していると思います。この、民を捨てる棄民思想を転換しない限り、日本は希望あふれる社会に再生することはできないと私は思います。
 総理は、現在は明治維新、第二次世界大戦後に続く第三の改革の時期と述べられましたが、今、日本がなさねばならない改革は、この利権構造を壊すことです。そして国民の利益をこそ最優先させる政治への構造改革であります。それは既得権益の喪失を伴う厳しい改革なのです。果たして総理は、本当にその決意がおありなのでしょうか。総理は、現在の危機の本質をどのように認識し、それを克服するための改革をどのようにお考えか、お尋ねいたします。
 さて、昨年の参議院選挙、その後の国会対応でも厳しく対立していた自民党と自由党が連立政権を誕生させました。国民は、さきの参議院選挙での審判は一体何だったのかという思いを募らせているのではないでしょうか。
 自自両党の政策合意は、国民にとって最も切実な現下の不況を乗り越える政策や将来の不安を取り除く政策などが盛り込まれておらず、国民のためとの視点が完全に抜け落ちております。その上、安全保障に関しては、両党の対立点は先送りされ、国民の目には玉虫色の合意と映っております。国民の合意なく成立した自自連立政権は、国民にどう役立とうというのか、総理の答弁を求めます。
 我が国経済は、この一年間、四四半期連続マイナス成長を続け、この間の国内総生産は実に十二兆円も減少しました。このままでは、多くの専門家の指摘どおり、九九年度もマイナス成長となることは避けられないと思います。総理は平成十一年度は〇・五%成長を確信していると言われましたが、しかし、平成十一年度予算を見ると、景気回復が図れるとはとても思えない内容であります。
 中でも政府の四兆円の所得税、住民税減税は、本格的な制度減税にほど遠いものであります。その上、納税者の約八割が負担増になります。これでは不況をさらに深刻化する危険もあり、断じて認めるわけにはいきません。負担増となる年収七百九十三万円以下の中堅所得層に対し、納税者本人に三万円、扶養家族一人当たり一万五千円、総額二兆円規模の戻し税を実施すべきと考えます。総理の答弁を求めます。
 また、平成十一年度の公共事業関係費は依然として配分比率が硬直化しており、現場の真のニーズに合わない従来型公共事業の域を出ておりません。これではせっかく貴重な税金を投じても、砂漠に水をまくようなものです。むだな公共事業でなく、福祉、環境、教育、通信、情報など、ニーズに合った新分野への公共投資への転換を大胆に進めるべきです。
 総理、このような従来型公共事業で景気押し上げ効果が本当にあるとお考えなのか。そして十年度、十一年度の公共事業支出額について配分比率の抜本是正はどう実現されているのか、お答えください。
 次に、地域活性化と内需拡大の即効性ある地域振興券が島根県浜田市の一月二十九日交付、千葉県野田市の二月一日交付を皮切りに、三月中には全国の約八割の自治体で実施されることとなり、既に各地域では商店街を中心にさまざまな取り組みやイベントが計画されております。
 これは、従来型の官の発想でなく民の発想であり、中央の机上の理論でなく草の根の庶民の知恵から生まれた政策であり、日本列島に春一番のにぎやかな話題を提供しながら、必ずや消費拡大の起爆剤になることと思います。こうした庶民の知恵を生かすためにも、万全の体制で取り組むべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 次に、貸し渋り問題について伺います。
 日本経済を支える中核であり、また金融機関を最も支えてきたのも中小企業です。その中小企業を倒産に追いやる貸し渋りや旧債振りかえは著しく不当であり、絶対に認めることはできません。それは、金融機関にとってのみならず、日本経済にとっても自殺行為に等しいと私は思います。前国会で、金融監督庁は、特別保証制度の趣旨に反するような旧債振りかえはなかったと答弁しました。しかし、それは現場の実態と余りにかけ離れた答弁であります。中小企業から直接声を聞くことなく、金融機関だけから幾ら報告をとっても実態がわかるはずがありません。
 我が党は、調査団を組み、現場の声を聞いてまいりました。本気で日本経済を考えるのであれば、中小企業に対する直接調査を国が行い、貸し渋りと旧債振りかえを実際に確実にやめさせる具体的施策を断行すべきであります。総理の御所見を伺います。
 今、永住外国人の大半を占める在日韓国人の方々を中心に、地方参政権を求める声が高まっております。最高裁判決でも、地方参政権の付与は憲法上禁止されておらず、立法府にゆだねられているとの判断です。我が国を人権先進国とするためにも、今実現しなければならないと思います。我が党と改革クラブが昨年十月六日、民主党と共同で永住外国人に対する地方公共団体の選挙権付与法案を国会に提出しております。速やかな成立を望みますが、総理の前向きの御答弁を求めます。
 さて、開かれた政府を実現し、真の国民主権を確立するために、十分な情報開示が保障される情報公開法の早期成立は待ったなしであります。
 そのため、野党案として、知る権利を明記すること、特殊法人も対象とすること、手数料を無料にすること、裁判管轄を原告の住所地に認めることなど、十二項目の修正を求めてきました。国民のためのガラス張りの政治、行政のためには、この十二項目を最大限取り入れた情報公開法の成立が不可欠であります。総理はどの程度この修正要求を取り入れる御用意があるのか、明快にお答えください。
 次に、今国会に提出が予定されている男女共同参画社会基本法についてお伺いします。
 基本法については、私ども公明党もかねてから制定を主張してまいりました。二十世紀は男性優位、男性主導の社会の中で、人間より国家、心より物が大事にされた時代と言えます。その結果として、戦争や暴力が荒れ狂った世紀でもありました。男女共同参画社会基本法は、二十一世紀を人権の世紀へ、生命の世紀へとし行く意義を持つと考えます。同法制定に当たって、総理はどのような意義を見ておられるのか、御見解を伺います。
 少子高齢化社会が進む中で、政府は各省庁の個別の政策でなく、政府一体となって長期的展望に立った総合的な少子高齢化施策大綱及び基本法を早急にまとめるべきであります。御見解を伺います。
 子供が健やかに生まれ育ち、よりよい教育を受ける環境づくりは極めて重要であり、特に子育て家庭の経済的負担を軽減することが急務であります。その一環として、公明党はゼロ歳から大学卒業までの子育て・教育支援トータルプランを提案いたします。
 まず、ゼロ歳から十六歳未満までは現在の児童手当の抜本拡充を図り、第一子、第二子には一万円、第三子以降は二万円の支給を、そして十六歳以上の高校生、大学生には入学金貸与を含め、奨学金を無利子無担保で希望するすべての人に貸与するよう、奨学金制度を抜本的に拡充強化すべきことを提案いたします。総理の御所見を伺います。
 次に、介護保険について伺います。
 二〇〇〇年四月の実施に向け、現在全国地方自治体において真剣な取り組みが進められております。アンケートによれば、実に自治体の九割が取り組むべき最重要課題は介護保険であると答えております。しかし、施設整備のおくれ、マンパワー不足、要介護認定や保険料設定及び財政調整の困難さなどから、多くの自治体は非常に困難な状況に直面しております。このままでは二〇〇〇年四月実施は不可能と言い切る自治体も少なくありません。そうなれば国民にとってはまさに保険あって介護なしという最悪の事態になります。
 総理、こうした自治体の困難な準備状況をどう認識し、その悲鳴にも似た声にどうこたえようとされているのか、施設整備、マンパワー、財政出動の三点につき、それぞれ具体的にお答えください。
 次に、教育についてお伺いいたします。
 戦後の国家、経済に役立つ人材育成を優先してきた管理型教育が今行き詰まり、学級崩壊などをもたらしております。こうした教育の荒廃は人間の荒廃を生み、社会の荒廃へとつながります。
 世界的に有名な写真家オリビューロ・トスカーニ氏は、エイズ患者の写真、パレスチナ難民の写真など、世界の人々に各地の現実の悲劇を知ってもらうために写真を撮り続け、発表しておられます。そのトスカーニ氏が、この春、世界に問う悲劇のテーマは何か。それは、原宿、渋谷など東京の町に集うおしゃれな若者たちでした。なぜ日本の若者たちのこうした姿が悲劇なのか。トスカーニ氏はこう言いました。戦争や貧困などの悩みに直面していないにもかかわらず、この若者たちには生きている実感がない、目的感を喪失してしまっている、現実を見ることを無意識のうちに避けている、貧困や暴力にも増して二十一世紀が直面する新たな悲劇の前触れがここにあるのではないかと。
 また、援助交際と称して売春をする中学、高校の少女たちを、海外では日本には小さな娼婦たちがたくさんいると報じています。国と社会のありようを決めるのは結局は教育であります。その教育において、何のための勉強か、何のための人生か、人間としての歩むべき道も教えないのでは、こうした現象は必然の結果と言えるのではないでしょうか。自己責任の確立、屹立した人格の形成、人を思いやることのできる共生の心をはぐくむことができる人間教育を大きく前進させることが必要と考えます。
 そこで、私は三点の提案をさせていただきます。
 一点目は、大学入試改革についてであります。
 偏差値による大学の序列化が偏った過剰な受験競争を生んできました。そこで、大学入試センター試験を廃止すること、我が党がかねてより主張している人物本位のアドミッションオフィス入試方式を早期に普及させること、大学の学問の自由を守るための財政基盤確保のため、大学への遺贈及び寄附金を完全非課税化することなどにより、大学の個性化、多様化を図るとともに、多くの人が本当に学びたいことを自由に学べる大学にするべきと考えます。
 二点目は、子供たちが社会の多様な分野で活躍する人たちから学ぶ機会を十分にかつ円滑に得られるよう、各県単位に仮称「学校講師派遣人材バンク制度」の創設を提案いたします。
 三点目は、小学校から高校生までの学科に、平和教育、環境教育の充実を、そして国公立大学に平和学、環境学の講座及び学部拡充を推進していただきたいことです。
 以上三点につき、文部大臣の御所見を伺います。
 次に、環境ホルモン疑惑物質であるダイオキシン類の汚染対策について伺います。
 我が国は、他国に比べダイオキシン類汚染度が極めて高いにもかかわらず、対策が大幅におくれております。国民の生命、生活、生存を守るため、国を挙げての本格的取り組みが急務です。
 まず、政府は、排ガスに関する暫定基準に違反している焼却場を公表するとともに、耐容一日摂取量及び暫定基準値を早急に見直し、産業廃棄物焼却施設に対する都道府県等による指導の強化を図るべきです。
 公明党は、ダイオキシン類対策特別措置法案をまとめ、昨年十二月に公表し、間もなく国会提出の運びとなっております。その中身は、ダイオキシン類による環境汚染や人体への被害を未然に防ぐために、環境基準や排出基準を法令の中に明確に定めるとともに、これを達成するために国によるダイオキシン類削減計画の策定を初め、汚染土壌の回復措置、排出者の調査測定義務、実効性確保のための罰則規定などであります。我が国として、包括的なダイオキシン対策法を制定する時期に来ております。総理の御決意を伺います。
 次に、自自連立政権の安全保障政策及び新ガイドライン関連法案について伺います。
 これまでの政府の憲法解釈は、個別的自衛権に基づくもの以外の武力行使は許されず、憲法に違反する武力行使に該当するか否かは武力行使との一体化の有無によるというものでありました。
 他方、自由党は、こうした政府の憲法解釈は近代戦争の実態に合わないと一貫して批判し、国連決議に基づく武力行使を合憲とする憲法解釈の変更を行うべきだと主張してまいりました。
 また、自自両党の政策合意では、武力行使の内容について、直接戦闘行動と戦闘地域への物資輸送・補給は武力行使に該当し憲法違反だが、それ以外はケース・バイ・ケースと、極めてあいまいであります。自由党はこの二項目以外はすべて合憲としているのに対し、自民党はあくまでも例示であると主張し、見解が一致しておりません。
 新ガイドライン関連法案は、自衛隊がこれまでの日本防衛から周辺有事対応へ踏み出すという、これまでの我が国の安全保障、防衛政策を大きく転換する法案であります。当然、その前提として両党間で憲法解釈の明確な一致がなければならないと考えます。これらの憲法解釈についての総理のお考えを明確にお示しいただきたい。
 さらに、自自両党の間で新ガイドライン関連法案の修正が既に合意を見たと報道されておりますが、いかなる内容の修正合意がなされたのか、総理にお答え願います。
 軍事力中心のハードパワーによる安全保障ばかりが熱心に議論されますが、それだけでは決して真に平和を創造する力とはなり得ません。私は、平和な国際社会を築くためには、具体的な内容と長期的な視点を兼ね備えた日本国としての平和戦略が不可欠であり、我が国は世界平和に真剣に取り組む国としての姿勢をそういう形で明確なメッセージとして発信する必要があると思います。
 二十一世紀を目前にした現在も、飢餓や貧困、民族対立などによる虐殺等の人権侵害、女性差別、人口増加、環境変動による食糧や水の不足などがますます大きな紛争の要因となってきており、国際的な対応が求められております。こうした問題への我が国の取り組みの一つとして、日本版平和部隊の創設を提案いたします。
 日本の青年海外協力隊のもとになったケネディ大統領によるアメリカの平和部隊では、制度創設からの三十七年間で約十五万人が派遣されています。それに比べ、我が国では三十年間で約一万五千人と、比較にならないほどの少人数であります。
 同じ人類社会に生きる一員として、より悲惨な、より非人間的な状況にある人々に手を差し伸べ、あるいは持てる知識、技術、経験などを分かち合って、ともに理解し合い、ともに栄える手助けをするのは当然のこととの人道の精神が日本には残念ながら希薄であります。これを広くはぐくむためにも、派遣対象を幅広い年代層に大規模に広げて国民的なものとすることや、訓練センター設置、訓練プログラムの大幅拡充などをすべきと考えます。
 例えば、既に国境なき医師団やアジア医師連絡協議会、AMDAなどの活躍は大変に高い評価を受けていますが、我が国としてこのようなNGOへの積極支援は当然のこととして、それに加え、国として平和ドクター部隊や平和教育部隊、平和環境部隊などの派遣、農業、工業その他の技術者派遣、保健など民生分野の人材派遣などに積極的に力を入れるべきであります。総理の前向きの答弁を求めます。
 二点目に、留学生受け入れの促進は、長期的視点に立った極めて良質な平和貢献になります。中でも、二十一世紀のアジアの指導者となる青年たちが日本での教育を喜んで受け、その成果を高く評価するようになることは、アジアにおける日本への信頼確立に大きく貢献することになります。
 我が党は、これまでODA予算の一〇%を留学生の支援に振り向ける留学生ODA及び私費留学生への奨学金の大幅増額を提言してまいりましたが、これらの早期実現を求めます。
 三点目として、日本がアジアと世界における安全と平和の中心的役割を果たすためには、日本がみずからの歴史を正しく記録し、認識することがどうしても必要であると思います。犠牲を二度と繰り返さないためにも、事実は事実として次の世代に伝えていかなくてはなりません。
 現在、欧米諸国、オセアニア諸国などを初め、全世界的に二十世紀に人類が犯した過ちの歴史を正確に残し、いわば二十世紀の大掃除をして、平和な二十一世紀をともに築こうとの取り組みが活発に行われております。それは、各国の責任追及のためではなく、客観的な証拠に基づく正確な事実を記録し、正しい歴史を残すことが未来の過ちを防ぎ、真の世界の平和を築くことになるとの認識からです。我が国も人類共通の歴史を残すことに真摯に取り組むべきであると思います。
 そこで、小渕総理に提案いたしますが、日本が過去に行ったすべての戦争に関する公文書その他の資料を保存し公開する、仮称「平和資料館」の設置をすべきであります。
 そして四点目に、現在超党派で恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟を設置し、第二次世界大戦における我が国の行為について、客観的な事実の調査をするための委員会の設置を呼びかけております。こういう委員会をこそつくるべきであります。この委員会設置に御協力を総理にぜひお願いいたします。
 日本は、国内外に人道を行う民族であって初めて日本人であることを誇りに思うことができるのではないでしょうか。そして、そうした国にすることが後に続く世代に対する我々の責任ではないかと思います。政治がそういう精神を体現したとき、初めて日本は希望あふれる確かな再生の道を力強く歩むことができると思います。また、世界の人々に対しても信頼と説得力を持つことになりましょう。
 以上の四点につき、総理のお考えを伺います。
 終わりに、自社さの組み合わせによって政権に返り咲いた自民党は、それ以降、他党からの議員引き抜きによる単独政権、そして今回の自自連立と、国民の視点を忘れ、権力を守ることだけにきゅうきゅうとし、目まぐるしく動いてきました。その間に生じたのが現在のさまざまな深刻な危機であります。国民は、なおも続く利権やパワーゲーム、党利党略の政治に、怒りを通り越し、あきらめと不信を強める一方であります。
 新政権の枠組みで今国会に臨まれる総理は、早期に景気回復への道筋を立てた上で衆議院を解散し、国民に信を問うのが政治への信頼回復の第一歩だと考えます。総理の御見解を伺い、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#3
○国務大臣(小渕恵三君) 浜四津敏子議員にお答え申し上げます。
 冒頭、議員から、現在の危機の本質につきまして、理念や道義、倫理、哲学を欠いておることをとらえた上で、政治に深い理念、哲学を取り戻すべきとの御主張がありました。議員のお考えには緊張してお聞きをいたしました。
 私自身の施政方針演説におきましても、従来の形を離れまして、二十一世紀に向けて政治が目指す理念や国のあるべき姿を中心に、私の考えることを率直に述べさせていただいたところであります。
 議員から、すべての政策に国民のためとの視点を取り戻すべきとの御指摘がありました。
 私は、政治の原点は言うまでもなく国家と国民のために何をなすべきかであると信じております。精いっぱい努力してまいったと自負はいたしておりますが、民の声は神の声との信条に立って、中小企業の方々を初め国民の皆さんとの対話に努め、できるだけ生の声を聞く努力をいたし、このことを原点に政治を進めさせていただきたいと思っております。
 次に、私が施政方針演説で述べた第三の改革を引用されました上で、構造改革への決意についてお尋ねがございました。
 私は、現在を明治維新、第二次世界大戦後に続く第三の改革の時期と位置づけさせていただいております。明治維新と第二次世界大戦後の改革の発端が外国からの圧力や強制であったこともあり、いわば社会を挙げての覚悟が定まり、また、先人の大きな勇気と相まって改革を成功に導いたものでございます。現在の改革の難しさは、社会全体の覚悟と勇気が十分存在しているのかという点にあり、その意味で社会を挙げて意識の転換が不可欠だと考えます。
 また、改革に当たりまして、これまで有効であったさまざまな制度や慣行が足かせになっている面があることは事実でありますが、だからといって、単にこれを壊せば足りるというものでなく、新しいシステムをぜひつくり上げていかなければならない、同時に日本が持つすばらしいものを残す、こういう努力も必要であると考えております。
 このような考えに立ちまして、政治はもちろんのこと、あらゆる分野で将来を見据えたビジョンを明確にしていくとともに、これまでの制度や慣行について思い切ってこれを見直し、大胆な構造改革を進めてまいる決意でございます。
 今般の連立内閣につきましては、既に何度かお答えをいたしておるところではありますが、したがって繰り返し多くを申し上げませんが、今般の趣旨を一言で申し上げれば、今日の難局に当たり、時局認識や基本的理念で一致を見ました自由民主党と自由党との両党が政権をともにし、安定的な政権基盤を築き、真に責任ある政治の実現を目指すというものであります。
 この際、次の二点を強調させていただきたいと思いますが、すなわち、自由民主党と自由党との間で、景気回復を初め緊急課題に全力で取り組むとともに、少子高齢化、情報化、国際化が進展する中で、あらゆる分野における改革を断行し、もって国民の将来への不安感を払拭していくとの基本理念で一致した上で、政治、行政改革、安全保障等、多くの課題について真剣な議論を積み重ね、合意した上で連立に至ったこと、第二には、そうであるがゆえにこの連立内閣は確固とした基盤に立っており、国民の期待にこたえ、国民に信頼される責任ある政治を実現できるものと確信いたしておるところでございます。
 次に、税制についてのお尋ねがございました。
 特に所得税、住民税減税でございますが、将来の抜本的見直しを展望しつつ、現下の厳しい経済情勢にかんがみ、定率減税等、期限の定めのない恒久的な減税を実施することといたしたところでございます。
 また、定率減税の実施により、確かに単年度比較で見ますと、昨年より減税額が減少する所得階層が生じることは事実でありますが、一年限りで打ち切られる文字どおり特別な減税と、恒久的に効果が持続する減税を単純に比較することは適当でないと考えます。
 なお、御指摘のような定額方式の減税を行うことは、昨年のような諸外国に比し突出しております高い水準の課税最低限が継続し、納税者が構造的に大幅に減少することとなり、基幹税たる個人所得課税のあり方としても適当でないと考えます。
 今回の見直しにおきましては、中堅所得層に配慮し、定率減税には頭打ちを設け控除率をある程度大きくするとともに、扶養控除額の加算等を行うことといたしております。
 このように大規模な減税を一時的でなくて、期限を定めず継続して実施することによりまして、消費者や企業のマインドを高め、景気に必ず効果的に作用するものと考えております。
 次に、公共事業についてお尋ねがありました。
 公共事業につきましては、従来のように各省庁、各事業のシェアをもとに配分するということでなくして、二十一世紀先導プロジェクトを初めとして、情報通信や福祉、環境など、二十一世紀を展望し、我が国経済の活性化に不可欠な分野に重点化いたしたと考えております。
 従来型の公共事業に景気押し上げ効果があるのかとのお尋ねでありました。
 社会資本の整備は、二十一世紀先導プロジェクトの推進を核といたしまして、民間活力を最大限活用しながら、情報通信、都市・住宅、環境・教育・福祉など我が国経済の活性化に不可欠な分野について戦略的、重点的に行うことといたしておりまして、他の諸施策と相まってその効果が最大限発揮されることを強く期待いたしております。
 次に、地域振興券の実施についてお尋ねがありました。
 この事業につきましては、事業主体である市町村には事務的に大変御苦労をいただいておりますが、一月中にも交付を開始する市町村があるなど、準備は順調に進んでいると聞いておりまして、議員が御指摘のように、三月までにかなりその実効が上がるものと確信いたしております。
 政府といたしましては、事業の目的、内容等につき広く国民の皆様に周知を図るとともに、市町村との連携を密にし、この事業が円滑に実施され、地域振興の効果が上がりますよう万全を尽くしてまいります。
 また、御指摘のように、市町村や商店街等が非常に工夫を凝らしておりまして、さまざまなイベントや地域おこしに結びつけるなどいたしております。地域振興券を大きな施策として育てていただけるのではないか、また、現にそのようになりつつあると聞いておりまして、私としても大いに期待をしておるところでございます。
 貸し渋りの実態についてお尋ねがありました。
 民間金融機関の貸し出し姿勢につきましての実態調査を政府系金融機関を通じまして中小企業に対して行っております。最近の調査結果によりますと、貸し渋り対策の効果により、民間金融機関の貸し出し姿勢に改善の兆しが見えるものの、中小企業にとって依然として厳しい状況が続いておりまして、今後とも一層貸し渋り対策に万全を期してまいりたいと考えております。
 貸し渋り等旧債振りかえの確実な防止策についてお尋ねがございました。
 いわゆる貸し渋りの問題につきましては、これまで信用保証協会等の保証制度の拡充、早期健全化法による新たな資本増強制度の創設、政府系金融機関による中小中堅企業等に対する融資制度の拡充など、さまざまな措置を講じてきたところでございます。
 例えば、信用保証協会の貸し渋り対策特別保証制度につきましては、その承諾件数は既に中小企業の十社に一社に当たる五十七万件に上っておりまして、承諾金額も十一兆七千億に達しておるわけでございます。こうした制度をより一層活用いたしてまいりたいと考えております。
 また、旧債振りかえの問題につきましては、中小企業に対する円滑な資金供給を確保するとの制度の趣旨を関係機関を通じてさらに徹底するとともに、実態調査等を通じて監視を強化いたしてまいります。
 昨年末には、私自身、まず借り手である中小企業団体等の懇談会、さらに、貸し手である金融機関との懇談会を設け、融資の実態や意見等をお聞きするとともに、金融機関に対して改めて適切な対応をお願いいたしたところであり、今後とも旧債振りかえ問題を含め、貸し渋り対策には一層の万全を期してまいりたいと考えます。
 次に、定住外国人に対する地方選挙権付与についてお尋ねでありました。
 御指摘の平成七年二月の最高裁判決につきましては、私も十分承知をいたしております。この問題につきましては、国民主権、地方自治のあり方、国と地方公共団体との関係等の基本的事柄に関係する問題でありまして、さまざまな角度から幅広く検討されなければならないと考えております。各党各会派におきましても十分御議論をいただきたいと考えております。
 情報公開法についてのお尋ねでありますが、政府案は、行政改革委員会におきまして、関係諸方面の意見をも聴取しつつ、熱心に御審議され、作成された要綱案を最大限に尊重して立案したものであります。これまでの国会の御審議に際しましても、政府として誠意を持って対応してまいったところでございます。衆議院内閣委員会におきまして熱心な御議論がされました。与野党の合意で継続審議となったものと承知をいたしております。国民各界の期待にこたえて、国会でも十分御論議をいただく中で、浜四津議員御指摘の十二項目等の問題もあろうかと思いますが、こうしたものを御議論を賜り、速やかに成立させていただきますようにお願いをいたしたいと思っております。
 次に、男女共同参画社会基本法の制定の問題であります。
 少子高齢化など、社会経済情勢が急速に変化する中にあって、男女の人権が尊重され、豊かで活力ある社会を実現し、女性も男性もみずからの個性を輝かせ、生き生きと充実した生活を送ることができることを目指すものであり、二十一世紀のあるべき日本の姿を考え、実現していく上で一つの大きなかぎとなる意義を持つものと考えます。また、政府における体制につきましても、将来、内閣府に男女共同参画を担当する局を設けてまいる方針でもございます。
 少子高齢化対策に対するお尋ねがございました。
 高齢化対策につきましては、平成七年に高齢社会対策基本法が制定されたことを受けまして、その翌年には高齢社会対策の指針としての施策の大綱を定め、政府が一体となった対策の推進に取り組んでいるところであります。
 少子化対策につきましては、先般、少子化への対応を考える有識者会議から、家庭や子育てに夢を持てる環境の整備は、社会全体で取り組むべき課題であるとの提言を受けました。今後は、この問題に適切に対応すべく閣僚レベルの体制も整備し、政府が一体となって総合的に取り組んでまいりますとともに、各界関係者の参加を募りまして国民会議を設け、国民的な広がりのある取り組みにつきましても、全力でこれを進めてまいります。
 次に、児童手当及び奨学金についてでありますが、児童手当につきましては、三歳未満の時期に給付を重点化した改正を既に行ったという経緯や、児童手当のあり方についてさまざまな意見のありますこと、御指摘のような拡充のためには巨額の財源が必要であること等を考えますと、慎重な検討が必要であると考えます。
 また、奨学金制度につきましては、平成十一年度予算におきまして、学生が安心して学べるよう日本育英会の無利子奨学金の貸与月額の増額及び貸与人員増を図るとともに、資金を有効に活用し極力多くの学生を支援するという観点から、有利子奨学金につきましても貸与人員の大幅な拡充や貸与基準の緩和等を行うことといたしておりまして、無利子、有利子をあわせましてその充実を図っていくことが重要であると考えております。
 次に、介護保険についてでありますが、介護保険の市町村における準備状況について、現在、来年四月からの施行に向け大変市町村には御苦労をおかけいたしておりますが、着実に進んでおると認識をいたしておりますが、さらに一層留意をしてまいりたいと思っております。
 このため、国としても施設、マンパワー等のサービス供給体制の整備につきまして、新高齢者保健福祉推進十カ年戦略の達成に全力で取り組むとともに、市町村の施行準備等につきましても、できる限りの財政的支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、ダイオキシン対策でございますが、ダイオキシン対策は、言うまでもなく美しき安定した環境を守り、子孫に引き継ぎ、安全へのかけ橋を築く上でまことに重要であります。既に廃棄物焼却施設に係る排出基準値を設定するなど、対策を推進しておるところでありますが、今後とも科学的知見の集積や国民への適切な情報提供に努めつつ、対策の充実に努めてまいります。
 ダイオキシン対策法についてでありますが、現在、排出削減、汚染実態の把握、汚染土壌対策の検討など、各般の施策を進めておりますが、今後とも既存の法制度を十分活用し、最新の知見も踏まえつつ、対策を講じてまいる決意であります。
 次に、武力行使等に対する憲法解釈についてお尋ねがございました。
 憲法第九条のもとにおきまして、我が国を防衛するための必要最小限度の武力行使は禁止されておりませんが、これを許されるのはいわゆる自衛権発動の三要件に該当する場合に限られると解しております。
 また、補給、輸送協力等それ自体は直接武力行使を行わない活動でありましても、他国による武力の行使と一体となるような行動としてこれを行うことは憲法第九条との関係で許されないものであり、一体化するかどうかは、活動の具体的内容の事情を総合的に勘案いたしまして、事態に即して個々具体的に判断すべきものであると考えております。
 今般、自民党、自由党との合意では従来の政府の憲法解釈を変更しない点で一致しており、政府としても従来の憲法解釈を変更する考えはございません。
 ガイドラインの関係法案につきましてでありますが、本法案は国会における審議の中で、自民、自由両党のみならず他党の御理解も得ていくべき問題でありますが、政府としては、現在国会に提出されている同法案が早期に審議され、今国会において成立または承認されることを強く期待いたしております。何とぞ、国会におきまして十分御審議をいただきたいと存じております。
 次に、青年海外協力隊についてであります。
 協力隊は我が国の顔の見える援助の典型の一つであり、医療、保健、教育、農業、工業等広範な分野におきまして、開発途上国の人々と同じ目線で草の根レベルで行う協力として相手国から高い評価を得ております。このような評価にこたえるために、協力隊事業を拡充すべしとのただいまの浜四津議員の御主張に賛同するものでありまして、今後とも協力隊事業を積極的にさらに進めてまいらなければならない、このように考えております。
 次に、留学生予算についてお尋ねがありました。
 留学生の受け入れは、我が国国際貢献の重要な柱と認識しており、総理就任以来、関係省庁を督励いたしております。
 先般も、神戸に参りました折、留学生会館、新しく建設をされましたが、ここをお訪ねいたしまして、各国からの留学生と懇談する機会を設けまして、いろいろと貴重な意見をお聞きいたしたところでありまして、ぜひこの各国からの留学生を温かく迎えますとともに、日本に参りまして帰国後、いやしくも我が国に対しての御批判等が生まれないように心がけていかなければならないと考えております。
 平成十一年度の留学生関係予算は、対前年度比五・四%増の約四百四十六億円を計上いたしておりまして、ODA予算全体が〇・二%増の中で特段の配慮をいたしたところであります。このうち、私費留学生に対する奨学金の支給人数は、一千二百五十人増と大幅に拡充することといたしております。厳しい財政状況ではありますが、今後とも御指摘のように、留学生関係予算の確保に向けまして最大限の努力をいたしてまいります。
 次に、歴史認識についての御指摘がありました。
 我が国として、過去の一時期、多くの国々の人々に対し、多大の損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受けとめ、歴史を直視することが必要であることは言うまでもありません。
 平和資料館の設置につきましての御提案につきましては、戦争に関する資料については、関係する省庁等においてそれぞれの方法で保存し、資料の取り扱いとして許される範囲で必要に応じ公開を行っているところでありますが、貴重な御意見として承らせていただきました。
 さきの大戦につきましては、これまでさまざまな角度からの研究が行われており、政府といたしましても、過去の歴史を踏まえ、近隣諸国との相互理解と相互信頼を築くため、歴史図書資料の収集、研究者に対する支援等を内容とする平和友好交流計画の進展に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、解散についてお尋ねがありましたが、日本経済の再生を初め内外の重要課題に現在真正面から取り組ませていただいております。迅速的確に施策を実行していくことがこの内閣に与えられた使命であると考えます。改めてこのことに思いをいたすとき、国家と国民のために責任ある政治を実現すべく全力を尽くしてまいる覚悟でありまして、現在解散のことは全く念頭にございません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。拍手
   〔国務大臣有馬朗人君登壇、拍手〕
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有馬朗人#4
○国務大臣(有馬朗人君) 浜四津議員の御質問にお答え申し上げます。
 第一に、大学の個性化、多様化を図るため、大学入試センター試験の廃止、人物本位のアドミッションオフィス入試方式の早期普及について御提案がございました。
 大学入試センター試験につきましては、利用方法を自由に決めることができるアラカルト方式を採用しております。したがいまして、それにより各大学における入試の個性化、多様化が図られてきたところでございます。
 アドミッションオフィスの入試でございますが、いわゆるアドミッションオフィス入試は受験生の能力、適性等を多面的に評価し、受験時の学力に過度に偏重しないきめ細やかな入学者選抜方式であると認識しております。私自身もこの方式を大いに評価しております。平成十一年度予算案におきまして、三国立大学におけるアドミッションセンター新設について所要の措置を講じております。
 現在、中央教育審議会に対しまして、初等中等教育と高等教育との接続の改善について審議をお願いしているところでございまして、御指摘の大学入試センター試験やアドミッションオフィス入試のあり方を含め、大学入学者選抜の改善についても幅広く検討いただくことにいたしております。今後とも、中央教育審議会の審議も踏まえながら、大学入学者選抜の改善に努めてまいります。
 大学への遺贈及び寄附金の完全非課税化などを進めるべきであるとのお尋ねでございますが、大学の財源の多様化を図り、その財政基盤の充実を図ることは極めて重要であり、このため、さまざまの税制上の優遇措置が講じられてきているところでございます。
 文部省といたしましては、こうした優遇措置を十分活用して、各大学がその健全な財政基盤を維持確立することが重要と考えております。今後とも、これらの制度についての充実、活用を促進いたしてまいりたいと存じております。
 地域の社会人を学校教育において活用するための人材バンクの創設について御提案がございました。
 御指摘のことは、文部省、そして私自身も極めて重大な課題であると考えております。学校教育における社会人の活用につきましては、文部省といたしましては、特別非常勤講師の対象教科を全教科に拡大するなど、制度の改善を図るとともに、各都道府県に対し所要の経費を補助し、その促進を図っているところでございます。
 講師等としてふさわしいすぐれた人材をプールする御提案のような人材バンクの創設は、学校教育における社会人の活用の促進に資するものとして極めて有効なものと認識いたしております。文部省といたしましても、可能な支援措置を検討し、各県市教育委員会における積極的な取り組みを奨励してまいりたいと考えております。
 第三に、小学校から高等学校までの教育において平和教育、環境教育を充実すべきであるとのお尋ねでございますが、これからの教育において御指摘の平和、環境などの課題をしっかり教えていくことは極めて重要であると考えております。
 現在、学校教育においては、これらの課題に対し、環境問題についての正しい理解を深めるとともに、環境や自然を大切にする心を育成し、よりよい環境の創造のために主体的に行動する態度や資質、能力を育成していくこと、自他の生命を尊重する心や互いに認め合い、ともに生きていく態度を育成するとともに、異文化を理解し、国際協調の精神を養い、平和的な国家及び社会の形成者として必要な資質を養うことなどの指導を児童生徒の発達段階に応じて展開しているところであります。
 昨年十二月に告示された新しい小中学校学習指導要領においても、改善充実を図ったところであります。今後とも一層の推進に努めてまいりたいと思っております。
 国立及び公立大学に平和学、環境学の講座及び学部拡充を推進すべきとのお尋ねでありますが、現代社会のグローバル化、環境問題の重要性等にかんがみ、大学において国際平和や環境保全に関する教育研究を推進することは意義深いことと考えております。
 御指摘の国立・公立大学における関連の講座等の拡充につきましては、既に環境を名称に含む学科を有する学部や大学がふえておりますが、各大学の検討状況、行財政事情等を総合的に勘案しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上、お答え申し上げました。拍手
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斎藤十朗#5
○議長(斎藤十朗君) 筆坂秀世君。
   〔筆坂秀世君登壇、拍手〕
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筆坂秀世#6
○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、小渕総理に質問いたします。
 まず、日本経済についてであります。
 今、日本経済と国民の暮らしが未曾有の危機に瀕しているという認識について、異論を差し挟む人はいないでしょう。経済であれ財政であれ、その破綻と傷が深ければ深いほど、そこから脱出するためには、その危機をもたらした原因を容赦なく究明し、それを正していく根本的な対策を講じるというのが鉄則であります。
 九〇年代に入っての日本経済を大づかみに振り返ってみると、バブル崩壊後、九三年から九四年にかけては一%以下という低い成長率にあえいでいました。しかし、九五年には一・四%成長、九六年には五・一%成長を遂げたように、大企業と中小企業の格差拡大などさまざまな問題をはらみつつも、日本経済は長い不況のトンネルから脱出しつつありました。それが九七年四月を境に急激に落ち込み、統計史上最悪というマイナス成長の暗いトンネルに入り込んでしまったのであります。
 原因は明白です。第一に、消費税増税を初めとする九兆円負担増によって所得と家計消費を急速に落ち込ませたこと。その結果、総需要が縮小し、需給ギャップが拡大しました。第二に、財政構造改革法などに基づいて、医療、年金、難病対策など社会保障の連続改悪を実行してきただけではなく、将来像はといえば、負担増と切り捨て以外示せないあなた方の貧困きわまる二十一世紀の社会保障像が将来不安を増幅させてきたこと。第三に、失業率が最悪を記録しているにもかかわらず、大企業のリストラ、人減らしをグローバル化への対応という名目で奨励さえして失業増大に手をこまねいてきたこと。このいずれも国民の消費を極度に萎縮させるものでありました。
 今日の不況の原因が需要の低迷、中でもGDP、国内総生産の六割を占める個人消費の落ち込みにある以上、政府が最優先すべきは、それが減税であれ財政の出動であれ、個人消費の拡大に直結する対策、言いかえれば、家計を温め将来不安を取り除く思い切った対策を講じることではありませんか。その基本認識があるかどうか、まず総理の見解を伺います。
 今何よりも問題は、この半年間、小渕内閣が個人消費の拡大につながる有効な対策を何一つとってこなかったことであります。それだけに、これから行う対策は、当然個人消費拡大を最優先する立場に立つものでなければなりません。
 ところが、小渕内閣がやろうとしている減税案なるものはどうでしょう。国民の大多数にはことしより増税をもたらし、その増税分を少数の高額所得者の減税に振り向けようというのが所得減税の中身であります。また、法人税減税も、二兆三千億円の減税総額のうち約五五%に当たる一兆三千億円は、全法人企業の〇・一五%にすぎない資本金十億円以上の黒字大企業三千六百社に集中するものとなっています。
 そこで、何点か伺います。
 第一、大多数の国民にとっては増税にしかならず、個人消費を拡大するどころか減少させることにしかならない対策が、なぜ景気回復に役立つというのですか。
 第二、あなた方は口を開けば、日本は最高税率が高いため国民の勤労意欲を奪っているなどと言い、あたかもそれが日本経済発展の桎梏であるかのように言います。しかし、今最高税率を適用されている国民は、多く見積もっても七万人から八万人程度であります。この一握りの高額所得者の勤労意欲が、なぜ日本経済の活性化に決定的なのですか。
 第三、既に指摘したように、法人税減税の圧倒的部分は、企業数で一%にも満たない大企業向けのものであります。この大企業の生産が落ち込んでいるのは、消費不況のせいではなく、法人税のせいだとでも言うのですか。明確な答弁を求めます。
 日本共産党は、今国会冒頭に、消費税の三%への引き下げ法案を二院クラブの島袋宗康議員、自由連合の石井一二議員とともに本院に再度提出いたしました。この機会に、議員各位の真剣な御審議、御賛同を心から訴えるものであります。
 今、どの世論調査でも、消費税減税を求める声が圧倒的です。多くの経済専門家も、消費拡大に最も効果のある対策として、消費税減税を挙げています。総理自身も、予算委員会での私の質問に対し、消費税減税が消費拡大に効果があることを認めたように、消費拡大に最も即効性があることは常識に属することだからであります。
 ところが、総理、あなた方は、高齢化社会に備えるとか、直間比率の是正だとか、さまざまな口実を持ち出してこれを拒否しています。しかし、国際的に見て決して高いとは言えない所得課税の最高税率や法人課税を引き下げ、わざわざ税収減を図ることが、なぜ高齢化社会に備えることになるのですか。
 また、直間比率の是正を決まり文句のように言いますが、そもそも直接税と間接税の比率について、国際的な基準、理想とすべき基準などありません。もしあるというのなら、その基準を示していただきたい。
 消費税の特性はどこにあるでしょう。それは、何%に引き上げようと、大企業はすべて製品価格に転嫁することにより、ただの一円も負担しない。負担するのは、最終消費者である国民と、価格に転嫁することができない中小業者だけという点にあります。総理の諮問機関である経済戦略会議は、「高齢化社会の到来を踏まえて消費税率の引き上げも視野に入れざるを得ない。」と提言していますが、それは高齢化社会の負担を大企業に対しては免除し、挙げて国民の負担で賄おうということではありませんか。
 結局、あなた方が消費税減税をあくまでも拒否するのは、将来、消費税を増税する計画を持っていること、今引き下げることはその障害になるという、国民的合意のない党略的思惑だけではありませんか。
 総理、あなたがいささかでも国民の暮らしに目を向けようというのであれば、また、不況からの脱出を何よりも重視するというのであれば、過去のいきさつや将来のあなた方の思惑は横に置き、消費税減税にこそ大胆に踏み出すべきではありませんか。
 総理、これはあなたの言う蛮勇、すなわち方向違いの勇気ではなく、国民の切実な要求にこたえた正しい決断、勇気の発揮であります。答弁を求めます。
 次に、財政のモラルハザードともいうべき事態に陥っている財政危機についてであります。
 政府の諮問機関である財政制度審議会が我が国財政の危機克服を訴えたのは九五年度のことでした。それからわずか四年で国、地方の借金は百九十兆円もふえようとしています。また、孫子の代にツケを残さないといって消費税増税を強行し、財政構造改革法で社会保障予算など、国民生活関連予算の連続切り下げを求めたのは九七年度のことでした。それからわずか二年、借金の増加は百十兆円に上ろうとしています。
 私が看過し得ないのは、このような破滅的とも言える財政の危機が、日本経済と国民の暮らしに取り返しのつかない害悪をもたらすからであります。
 第一に、来年度末には国と地方の借金は六百兆円、国内総生産の一二〇%に達しようとしています。これは経済が多少なりとも成長しても、その成果を借金の利払いが食いつぶしていく、こういう事態になっているということであります。
 第二に、国民を増税と負担増の絶えざる脅威にさらすことになり、消費の萎縮を一段と進めることになるでしょう。
 第三に、財政の大きな役割は、所得を再分配し、貧富の格差を是正し、社会的公平を実現することにあります。ところが、膨大な国債、長期債務を抱えているため、その利払い費だけで来年度は十一兆円を超え、このうち七兆円から八兆円が国債を保有している銀行など、金融機関を中心とした大企業に流れることになります。もちろんそれを負担するのは国民であります。こうして財政による所得の逆分配が発生するのであります。
 第四に、地方自治体の財政の深刻な危機です。全自治体の借金は、九〇年代に入って百兆円もふえ、今年度末には百六十六兆円にもなろうとしています。問題は、地方自治体に対する政府・自治省の指導、干渉もあって、それが専ら住民サービス切り捨てという方向で国民にツケ回しされようとしていることであります。
 ところが、総理が今後の経済財政運営のいわばバイブルとみなす経済戦略会議の提言は、消費税の大増税を不可避とみなすだけでなく、国民の暮らし、福祉、教育予算のさらなる切り捨てを迫っています。また、来年度予算案では、公共事業予算を予備費も含めると今年度当初より一〇・五%もふやそうとしています。しかも、その中身はといえば、物流効率化などを重点的にというのです。しかし、この物流効率化なるものこそ、釣り堀と化した港湾、まともに飛行機が飛ばない空港など、浪費とゼネコン奉仕の象徴ともいうべきものではありませんか。
 このような、国民には増税と負担増、その一方では浪費型公共事業は相変わらずというのでは、経済再建も財政再建も遠いかなたに追いやることは、この間の九兆円負担増や財政構造改革法路線の破綻によって、もはや明瞭ではありませんか。総理はこの轍をまたもや踏むつもりですか。財政危機の害悪に対する認識とあわせて、総理の見解を求めます。
 今やるべきことは、こんなことではありません。九〇年代に入って借金が三百四十兆円もふえた最大の元凶は、むだと浪費のゼネコン型公共事業です。特に、九〇年代に入っての巨大開発の特徴は、高度成長時代やバブル時代そのままに、需要がふえ続けるということを前提にした企業呼び込み型の巨大基盤整備だったことであります。しかし、このような巨大開発が借金の増加をもたらすだけで、経済発展への貢献という根拠を失っていることは、苫小牧東部開発やむつ小川原開発、さらには東京の臨海副都心開発、横浜のみなとみらい21、大阪のりんくうタウン、泉佐野コスモポリスなど、全国各地での巨大開発の無残な失敗が如実に物語っているではありませんか。
 総理、あなたの内閣の財政運営が決して後は野となれ山となれ式ではない、二十一世紀に責任を持つものだというのであれば、何よりも公共事業費の大胆な削減に足を踏み出すべきです。そのため、少なくとも次の四点について緊急実施するよう強く求めるものです。
 第一、本当に必要な事業を積み上げたものではなく、総額を先に決め、それを使い切るために不要不急の事業を進めるという初めに総額ありきの方式をやめるため、その大もとにある六百三十兆円の公共投資基本計画や空港、港湾、道路などの長期計画を廃棄し、必要な事業を計画的に進める方式に転換すること。
 第二、首都機能移転や伊勢湾口、東京湾口など六本もの海峡横断道路をつくるという破天荒な浪費計画、五全総を廃棄すること。
 第三、公共事業を景気対策に使うというやり方は、財政制度審議会ですら禁じ手としたものであります。なぜなら、ゼネコン奉仕の論理が優先され、その事業が必要か不要かという判断が排除され、麻痺するからであります。このようなやり方を改めること。
   〔議長退席、副議長着席〕
 第四、地方自治体が巨大開発や豪華庁舎づくりにのめり込み、まるで開発会社のようになっている実情を抜本的に改め、住民の安全、健康及び福祉を保持するという地方自治法に基づく本来の役割を果たすよう、政府・自治省による不当な干渉や誘導をなくすこと。
 以上について、総理の答弁を求めます。
 次に、安保・外交、核問題について質問します。
 昨日の衆議院本会議で、我が党の不破委員長は、アメリカによる国際社会の平和秩序を無視した先制攻撃戦略と新ガイドライン関連法案の関係についてただしたのに対し、総理はまともに答弁することを避けました。しかし、新ガイドラインと関連法案がアメリカの先制攻撃戦略への積極的な加担、協力を含んだものであること、また、それが国連憲章、国際法に照らしても国際的な平和秩序と相入れないものであることは明白であります。
 第一に、新ガイドライン関連法案がアメリカの先制攻撃戦略と不可分のものだということは、政府自身が認めてきたことです。
 既に昨年二月、当時の外務省北米局長は、周辺事態とは武力紛争が発生したときだけではなく、実力の行使を伴う紛争が差し迫っている場合も周辺事態の典型例だと明言しました。自明のことですが、紛争が差し迫っている場合とは、紛争以前の状態である上に、その判断はアメリカや日本の勝手なものにすぎません。この時点でのアメリカの武力行使が、国際法が禁じた先制攻撃そのものであることは明瞭です。新ガイドライン関連法案は、このアメリカの先制攻撃に自動的に参戦、協力する仕掛けをつくるものであり、日本を国際法上のいわば無法国家の位置に追いやるものではありませんか。
 第二に、新ガイドライン関連法案が国会承認を排除していることも、アメリカの先制攻撃戦略と不可分に結びついています。
 最近も、来日したコーエン国防長官らが、日本政府に対し、国会承認の排除による実効性確保を強く迫ったと報じられています。この意味は明らかです。アメリカは、建国以来二百二十有余年の間に、二百回を超える武力行使を行ってきましたが、憲法の規定に基づく議会による宣戦手続を経たのはわずか五回にすぎないと指摘されています。議会の手続を経ようとすれば、相手国に武力行使の意図や規模が伝わり、先制攻撃は成り立たないからであります。先制攻撃を成功させるためには自国の議会にすら諮らないアメリカが、新ガイドライン関連法案で日本の国会承認を強く拒絶しているのは、まさにこの先制攻撃戦略の実効性を確保するためであることは明白ではありませんか。
 第三に、アメリカは先制攻撃戦略を現に実行してきた国だということです。
 我が党はあらゆる種類のテロリズムを断固として拒否するものです。しかし、テロに対しては、その容疑者の引き渡しを求めるか裁判にかけるかどちらかだというのが、日本政府も含めて国連が決めた協定の内容です。テロの疑いがあるからといって、昨年八月のアメリカによるスーダン、アフガニスタンへの攻撃のように、勝手に武力制裁、武力攻撃を行うことを国際法や国連憲章は認めてはいません。だからこそ、アナン国連事務総長は、アメリカの行動は攻撃対象が国家であるなしにかかわらず、解決にならないと厳格に批判したのであります。
 ところが、日本政府がとった態度は、これを理解すると言うにとどまらず、一般論としつつも、アメリカの先制攻撃を自衛権の行使として容認するという、世界に通用しない特異な国際法解釈を展開することでありました。
 アメリカはこれまでも、先制攻撃戦略を我が物顔で実際に行使してきました。一九八三年には、カリブ海に浮かぶ人口十一万のグレナダに対し、アメリカ人の生命が危機にさらされているということを口実に侵略しました。国連総会は国際法及びグレナダの独立、主権、領土保全の重大な侵害としてアメリカを非難しました。一九八六年には、何らの証拠もなしに、テロへの反撃という口実でリビアを爆撃しました。一九八九年には、当時のパナマ政府がアメリカの言いなりにならないとして二万六千人の兵力を投入して侵略し、二千五百人とも四千人とも言われるパナマ人を虐殺しました。いずれも、国連総会がアメリカの無法を非難する決議を行ったことは言うまでもありません。
 国連憲章が認めている武力行使は、国連自身が決定した軍事行動と国連加盟国が他国から武力攻撃を受けた場合の自衛反撃だけです。アメリカが実際に過去行ってきた先制攻撃がこの国連憲章に反することは余りにも明瞭ではありませんか。それとも、国連総会も非難したアメリカの先制攻撃を国際法上許されていると考えているのですか。総理の明確な答弁を求めます。
 さらに重大なことは、アメリカの先制攻撃戦略の中核に核兵器先制使用が据えられていることであります。一九九六年二月九日のアメリカの統合参謀本部文書、統合戦域核作戦ドクトリンは背筋が凍りつくようなアメリカの核作戦を次のように述べています。
 まず、核作戦は、それが適切な状況のもとで行使され、正しく管理されるならばアメリカの軍事目的の達成に成功することができる、武力紛争に関する法は武力紛争における核兵器の使用を禁止していないと述べ、核兵器の使用の意図を公然と表明しています。さらに、敵の大量破壊兵器運搬システムが友好国の軍隊を攻撃する前に、敵の大量破壊兵器運搬システムと支援施設を破壊し、あるいは消滅させるように計画され、実行されなければならない。つまり、核兵器の先制使用もあり得るということの表明であります。
 さらに、九七年十二月七日付ニューヨーク・タイムズ紙によると、クリントン大統領が署名したアメリカの核兵器の攻撃目標設定に関する新たな大統領決定指令について、ロバート・ベル大統領特別補佐官自身が、この指令は核兵器の先制使用を引き続き認めるものだと語ったというのであります。
 問題は、このアメリカの核兵器先制使用戦略に対する日本政府の態度であります。昨年の第五十三回国連総会には、スウェーデンやニュージーランドなど非核保有国八カ国による「核兵器のない世界へ、新たなる課題の必要」と題するいわゆる新アジェンダ連合提案が行われ、圧倒的多数で決議されました。この新アジェンダ連合の提案は、速やかな核兵器の廃絶や核兵器の使用禁止、核兵器による威嚇の禁止を求めたものであります。この新アジェンダ連合決議は、欧州議会でも圧倒的多数の賛成で支持決議がなされました。ドイツ新政権の外相は、NATO、北大西洋条約機構の核兵器先制使用戦略を見直すよう提起し、カナダ、デンマークなどが賛同しています。これが今世界の流れとなりつつあります。
 ところが、この決議に対し、日本政府は棄権の態度をとりました。外務省は、新アジェンダ連合が核兵器の先制不使用を柱とした戦略ドクトリンの再検討を要求しており、それはアメリカの核抑止力を減殺するからだと述べています。
 総理、既に指摘したように、新ガイドラインはアメリカの先制攻撃戦略を大前提にしたものであります。そしてその選択肢には、核兵器の先制使用も含まれています。新ガイドライン関連法案の制定は、このアメリカの核先制使用をも含む武力行使に日本を道連れにするものではありませんか。この道を突き進むことは、日本が唯一の被爆国であるにもかかわらず、核兵器の使用を肯定、支援する国におとしめるものではありませんか。
 今、世界には、南極条約、中南米非核地帯条約、南太平洋非核地帯条約、東南アジア非核地帯条約、アフリカ非核地帯条約の五つの非核地帯条約があります。いずれの条約も、核保有国がその域内で核兵器を使用することを禁止する条項を設け、核保有国にも批准を求めています。
 ところが、アメリカは、東南アジア非核地帯条約だけは批准を拒否し、北東アジア非核地帯条約構想についても妨害役を果たしています。これは、アメリカがアジアでの核先制使用戦略を維持しているからであります。アジアでアメリカの核兵器先制使用は許さない、この先頭にこそ日本は立つべきであり、北東アジア非核地帯条約の制定にこそ全力を挙げるべきではありませんか。被爆国の首相にふさわしい答弁を求めるものであります。
 最近、高知県の橋本大二郎知事が、核兵器を積載していないという非核証明がなければ外国の艦船を入港させないという非核証明方式の条例化提案を行いました。ところが、奇怪なことは、外務省が、外国艦船の入港を認めるかどうかは国の権限であり、港湾管理者である地方自治体にはその権限はなく、許されないとして、この条例提案の成立に不当な圧力をかけていることであります。
 総理、日本は、核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずの非核三原則を国是としている国ではないのですか。そうであるなら、高知県知事の提案は非核三原則の一つ、持ち込ませずを具体化するものであり、心から歓迎すべき提起ではありませんか。かつて神戸市が非核証明方式を採用したとき、当時の中曽根首相は、それは地方自治の本旨に基づいて神戸の市長及び市議会がとっておる一つのやり方でありまして、我々はよく理解できると述べていました。これこそ政府としての当然の態度ではありませんか。
 もしこの条例提案を否定するという態度に立つというなら、新ガイドラインのもとで、日本のすべての港湾や空港にアメリカの核兵器が持ち込まれることを容認するということに事実上ならざるを得ないではありませんか。総理の答弁を求めます。
 今、日本の外交について、日米安保についての立場は我々と異にする人々からも、安保であれ経済であれ、初めにアメリカありきで、余りにも自主性、主体性が欠落しているという指摘が数多くなされています。自主性、主体性を欠いた国の外交がアジアや世界から信頼を得ることは不可能でしょう。また、新ガイドラインの矛先はアジア太平洋諸国に向けられたものであります。軍事的矛先を向けられた諸国が、どうして日本との真の友好関係を望むでしょうか。
 日本共産党は、このような新ガイドライン法案の撤回を厳しく要求するとともに、二十一世紀にはアメリカのくびきから脱出し、外国の基地のない日本、核兵器のない世界を目指して奮闘するものです。そして何よりも、二十一世紀を世界に誇るべき日本国憲法第九条が文字どおり生かされる時代とするよう全力を尽くす決意を述べて、私の質問を終わるものであります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#7
○国務大臣(小渕恵三君) 筆坂秀世議員にお答え申し上げます。
 まず、個人消費拡大に直結する対策が必要との御指摘がございました。
 十一年度予算におきまして、当面の景気回復に全力を尽くすという観点から、個人所得課税の恒久的減税を実施するほか、雇用対策等に最大限配慮いたしておるところであります。
 また、消費税率の引き上げを含む税制改革は、少子高齢化の進展という構造変化に税制面から対応したものであり、また、医療保険制度改革は、医療保険制度の破綻を防ぎ、安定した運営を確保していくために、給付と負担の見直し等を行ったものでありまして、これらの改革は、我が国将来にとって極めて重要な改革であったと理解しております。
 次に、税制改革につきましてでありますが、これまたしばしば申し上げておるところでありますが、将来の抜本的な見直しを展望しつつ、今回の税制改正は、現下の厳しい経済情勢にかんがみまして、早急に税負担の軽減を図る観点から、期限を定めない恒久的な減税を実施することといたしたところであります。
 個人所得課税につきまして、最高税率の引き下げを行うということにいたしておりますが、これは我が国の将来を見据え、国民の意欲を引き出す観点から行うものであります。また、中堅所得者層に配慮し、定率減税には頭打ちを設け控除率をある程度大きくするとともに、扶養控除額の加算等を行うことといたしておりまして、全体としても高額所得者に偏ったものとなっておりません。
 なお、定率減税の実施によりまして、単年度比較で見ますと、昨年より減税額が減少する所得階層が生じることは事実でありますが、一年限りで打ち切られる文字どおりの特別な減税と、恒久的に効果が持続する減税を単純に比較することは適当でないと考えます。
 法人課税につきましては、我が国企業の国際競争力の発揮、企業活動の活性化の観点から、その実効税率を国際水準並みに引き下げるとの趣旨で、法人税及び法人事業税の基本税率を引き下げることといたしております。また、中小軽減税率等も引き下げることにいたしておりますことは極めて重要と考えております。
 したがいまして、今回の恒久的減税が一握りの高額所得者や大企業を優遇したものであるとの御指摘は当たらないと考えており、大規模な減税を一時的でなく期限を定めず継続して実施することにより、消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。
 今回の恒久的な減税は、我が国少子高齢化の進展といった経済社会の構造変化に対応した抜本的な見直しを展望しつつ、現下の厳しい経済情勢にかんがみ、早急に所得課税及び法人課税の負担軽減を図る観点から行うものであり、適切なものであると考えております。
 直間比率の基準についてお尋ねがありました。
 直間比率は、その時々の状況のもとでの税制のあり方を検討する中から結果として出てくる数値でありまして、あらかじめ理想とすべき具体的数値を示し、それに向けて税制改正を行うという性格のものではないと考えております。
 なお、OECDが作成されております歳入統計におきましては、課税ベースの種類によって所得課税、消費課税、資産課税等に分類されておりまして、政府税制調査会の答申におきましても、このような分類に従って、所得、消費、資産に対する課税のバランスの国際比較について議論が行われておるところでございます。
 高齢化社会と消費税増税との関係についてお尋ねがありました。
 消費税率の問題を含む将来の税負担のあり方につきましては、社会経済構造の変化や財政状況などを踏まえ、国民的な議論によって検討されるべき課題であると考えております。
 消費税減税についてでありますが、消費税の引き上げを含む税制改正は、少子高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものであり、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えております。消費税に限らず、税は低い方がいいという面はありますが、税、財政のあり方を考えますとき、消費税の引き下げは困難であり、この点は国民の皆さんにも御理解をいただきたいと思っております。
 次に、破滅的な財政状況と十一年度予算では、経済再建も財政再建も遠いかなたに追いやるのではないかと大変厳しい御指摘ではございますが、十一年度予算につきましては、当面景気回復に全力を尽くすとの観点から、公共事業や中小企業対策、雇用対策に最大限配慮するとともに、科学技術の振興など、将来の発展基盤を確立する施策も十分に取り入れたものといたしております。
 その一方で、財政構造改革の基本的考え方は維持し、限られた財源の中で経費の一層の合理化、効率化を図っておりまして、めり張りのきいた予算配分を行っておると考えております。
 私は、これまでたびたび申し上げてまいりましたが、我が国財政は、十一年度末の公債残高が三百二十七兆円にも達する見込みであるなど、極めて厳しい状況にあり、将来世代のことを考えますと、財政構造改革という大変大きな課題を背負っておると痛感いたしております。日本経済が回復軌道に乗った段階におきまして、財政・税制上の諸課題につき、中長期的な視点から幅広くしっかりとした検討を行い、国民の皆様にそのあるべき姿を示さなければならないと考えております。
 公共事業の進め方についてお尋ねがありました。
 公共事業につきましては、公共投資基本計画や各種の長期計画等を踏まえながら、二十一世紀を展望し、我が国経済の活性化に不可欠な分野について戦略的、重点的な投資を行ってまいります。また、公共事業の効率化を図る観点から、再評価システムの導入等、徹底した見直しも行ってまいりたいと考えます。
 全総計画について御指摘がありました。
 昨年策定いたしました新しい全総計画、二十一世紀の国土のグランドデザインでは、多軸型国土構造の形成を国土政策の基本として掲げ、多様な主体の参加と地域間の連携により自立した地域づくりを進めることといたしておりまして、今後、長期的な投資余力の減少等も踏まえまして、投資の重点化、効率化を図りながら、この計画を効果的に推進してまいります。
 景気対策における公共事業のあり方について重ねて御指摘がありましたが、社会資本の整備は、二十一世紀先導プロジェクトの推進を核といたしまして、民間活力を最大限活用しながら、情報通信、都市・住宅、環境・教育・福祉など、我が国経済の活性化に不可欠な分野につきまして、戦略的、重点的に行うことといたしておりまして、他の施策と相まって、その効果が最大限に発揮されることを期待いたしております。
 次に、自治体への巨大開発促進や住民サービス切り捨ての行政指導はやめるべきであるという御意見でありますが、地方団体は少子高齢化社会に向けた総合的な地域福祉施策の推進や、住民に身近な社会資本の整備等の地域の課題に積極的に取り組むことが求められていると認識しております。
 一方、現在、我が国経済の厳しい状況によりまして、地方財政が極めて厳しい状況にあることは十分承知をいたしております。そうした意味で、このような地方財政の立て直しのためにも、地方財政の運営に支障が生じないよう十分配慮しつつ、緊急経済対策を初めとする諸施策の実施によりまして、景気を回復軌道に乗せるとともに、住民福祉の向上を図っていくことが必要であると考えます。
 次に、外交・安保の問題についてのお尋ねであります。
 まず、周辺事態に対する日米協力についてお尋ねがありました。我が国の平和と安全に重要な影響を与える周辺事態に際し、対米協力を行うか否か、いかなる協力を行うかは、我が国が主体的に判断することになります。また、周辺事態における日米両国の行為は、国際法の基本原則、国連憲章等の国際約束に合致するものであることは言うまでもありません。
 基本計画の国会承認についてお尋ねがありましたが、基本計画の国会報告は、周辺事態への対応が武力行使を含むものでないこと、国民の権利義務に直接関係するものでないことから、迅速な決定の必要性等も含め、総合的に勘案し、国会に遅滞なく御報告し、議論の対象としていただくことが妥当との考えに基づくものであり、先制攻撃の実効性確保のため国会承認を拒絶しているとの御指摘は当たりません。
 米国のスーダン及びアフガニスタンにおける軍事行動に関するお尋ねがありました。
 そもそも米国に先制攻撃戦略というものがあるとは承知いたしておりませんが、これらの行動については、米国は継続的、連続的テロに対して国連憲章第五十一条で認められている自衛権を行使したと説明いたしております。我が国自身は本件の当事者でもなく、個々の事実関係について確認することもできませんので、法的評価について申し上げられませんが、テロに対しては断固たる対応をとるべきとの基本的立場のもと、米国がとったテロに対する断固たる姿勢は十分理解いたしておるところであります。
 米国のグレナダ、リビア及びパナマにおける行動についてお尋ねがありました。
 米国は、これらについて在外自国民保護、自衛権の行使等の説明を行っておりますが、我が国としては、国連憲章のもと、違法な武力行使を慎む義務を負っている同盟国たる米国が違法な武力行使を行うことはそもそも想定いたしておりませんが、これらの行動について、我が国は当事者でもなく、すべての事実関係を把握しておるわけでありません。確定的な法的評価を申し上げることはできません。
 次に、新アジェンダの決議についてのお尋ねがありました。
 同決議は、支持できる部分は多かったものの、やや行き過ぎた点、時期尚早な点があり、棄権をいたしました。なお、同決議は核先制不使用には触れておりません。
 また、周辺事態において我が国がいかなる活動を実施するかについては、国益確保の見地から我が国が主体的に判断を行ってまいりたいと思います。
 次に、北東アジア非核地帯条約の制定についてでありますが、同地域におきましては、非核地帯条約実現のための現実的環境は残念ながらいまだ整っていないと考えております。我が国といたしましては、まずは北東アジアの安全保障環境改善のため、域内の安全保障対話の促進の努力を継続してまいりたいと考えております。
 次に、高知県の条例についてお尋ねがありました。
 外国軍艦の寄港について、高知県より外務省に対し、同県が検討している条例改正案に関連して照会がありましたので、外交関係の処理に当たる事務が地方公共団体によって制約されることがあってはならないとの従来よりの政府の考え方を踏まえ、先般、同省より回答いたしたものでございます。
 この回答が不当な圧力であるとの御指摘は当たりませんし、また、これは当時の中曽根総理の一連の答弁、すなわち一連の答弁を実は筆坂議員からも御紹介をいただきませんと、この中曽根総理の一連の答弁を見ますと、その趣旨にも符合いたしておると私は理解をいたしておるところでございます。
 最後に、米国による核兵器の持ち込みについてのお尋ねでありました。
 日米安保条約上、いかなる核の持ち込みも事前協議の対象でありまして、核の持ち込みにつきましては、事前協議が行われる場合には、政府といたしまして常にこれを拒否する考えであります。非核三原則を堅持するとの我が国の立場は、日米防衛協力のための指針策定後も何ら変わるものではありません。
 以上、御答弁といたします。拍手
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菅野久光#8
○副議長(菅野久光君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
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菅野久光#9
○副議長(菅野久光君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。梶原敬義君。
   〔梶原敬義君登壇、拍手〕
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梶原敬義#10
○梶原敬義君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、小渕総理並びに関係各大臣に質問をいたします。
 あと二年で二十一世紀を迎えます。来る新世紀を日本がどのように生きていくべきか、そのためには過ぎ去ろうとしている二十世紀がどんな時代であったのか、振り返ってみることも大事なことであると思います。
 今世紀の前半は、世界はファシズムが台頭し、二度の大戦を経験しました。我が国においては軍部の独走を許し、アジア諸国を侵略し、太平洋戦争に突入し、沖縄では悲惨な地上戦が繰り広げられ、さらに広島、長崎にはアメリカによる非人道的な原爆の投下を受けて敗戦を迎えました。その間、他国に大きな被害をもたらしましたが、我が国だけでも三百数十万というとうとい命を犠牲にしました。後半の半世紀は、経済万能、物・金優先の方向へと傾斜し過ぎました。
 来る二十一世紀こそ、過去の教訓に学び、いかなることにも優先して平和と民主主義を基調に据え、経済の発展と心の豊かさの面で調和のとれた社会、人々が多様な個性を生かせる社会をつくっていくこと、限られた資源の消費と汚染から国土を守る循環型社会をつくっていくことが必要であると思います。総理の御認識をお聞かせください。
 近年、経済のグローバル化、グローバルスタンダードが声高に主張されておりますが、その実態は、人間味のない、効率と市場万能主義を掲げる米国の都合と戦略による押しつけのグローバルスタンダードであります。欧米とアジアはその文化や風土が違うように、国家のあり方や商習慣、社会のルールも大きな違いがあるにもかかわらず、強引に米国流のルールを押しつけられようとしております。
 しかし、今それに対抗する流れが生まれております。一昨年のイギリス、昨年のドイツを初め、ヨーロッパの多くの国で、効率至上主義から、公正さ、人間らしさを強調する社会民主主義政党が政権を担うようになっており、世界の流れは確実に変わりつつあります。総理はこうした世界の動きをどのように見ておられますか、伺います。
 次に、政治姿勢について伺います。
 この半年の小渕内閣の政策運営を見ますと、大きな危惧の念を禁じ得ません。すなわち、政治観あるいは見識など、みずからの基本理念を示さず、その時々の政治環境により変化するという小渕総理流のやり方についてであります。例えば、ガイドラインやPKFなどの外交・防衛政策、突如として浮上した衆議院議員の定数削減など、政権の維持のためにはどのような妥協もしかねないのではないか、心配であります。総理の言う新保守の理念とはどういうことを言っておられるのか、お聞かせください。
 また、自由民主党と自由党の連立については、総理は政権の安定、国会審議の円滑化を理由にされておりますが、確かに衆議院では圧倒的な過半数がとれても、参議院では過半数に足らないのであります。その点についてはどのように考えておられるのか、総理の御答弁を願います。
 あわせて、総理は土性骨の据わった社会をつくりたいと述べられましたが、土性骨を据え、蛮勇を振り絞って、国民を誤った方向に道連れしないように強くお願いをしておきたいと思います。
 次に、我が国の外交・防衛問題について質問いたします。
 小渕内閣は、今国会において新ガイドライン関連法案の成立を最優先にしていると言われます。また、アメリカも修正なき成立を期待する旨、日本側に伝えてきているようでありますが、本格的な国会審議を前に、アメリカが法案修正を牽制するかのごとき発言をするのは、まさに内政干渉であり、許されざることであります。私は、国際社会の中で我が国がアメリカに追随している自主性のない国であると評価されていることに対して、まことに遺憾に思います。総理の毅然たる対応を求めます。
 ところで、新ガイドラインを初めとする自自両党の安全保障政策の合意を見ると、勝手な憲法解釈を行い、二度と戦争を起こさないという日本国憲法の原点をねじ曲げようとしており、絶対に認めることはできません。
 まず、戦闘状態にある他国の軍隊を自衛隊が後方支援することは、そのこと自体、集団的自衛権の行使につながる明確な憲法違反であり、さらに、いわゆる船舶検査は相手国からすれば敵対行為そのものとなるのであります。また、国連の平和活動への参加という名のもとに多国籍軍に後方支援をしようとさえしております。多国籍軍はそれ自体まさに武力行使を直接の任務、目的とする軍隊であります。加えて、PKFの凍結解除の問題であります。我が社会民主党は、これらのことは絶対に容認をすることはできないのであります。
 そこで、一つだけお尋ねをいたします。
 周辺事態の定義について、自由党の小沢党首は、地理的概念であり、ロシア、朝鮮半島、中国、台湾などの日本に隣接する各国、地域が全部入るとしておりますが、一方、政府は、地理的概念でなく、事態の性質に着目した概念であり、地域的に特定できないとの見解を示しております。この点について、総理と自由党から入閣されている野田自治大臣のお考えをお聞かせください。
 小渕総理、あなたが今政治の最高責任者として行っていることは、平和を希求する日本国民の決意に対し、許されざる挑戦ではないのですか、お尋ねをいたします。あわせて、総理の憲法観をお聞かせください。
 次に、弾道ミサイル防衛、BMDと宇宙の平和利用についてお伺いします。
 政府は、来年度からアメリカとBMDの共同技術研究に着手することを決定し、予算は後年度負担といたしました。もとより、我が国には、宇宙の利用は平和目的に限るとの国会決議があるのでありますが、BMDが宇宙の軍事利用であることはだれの目にも明らかであります。政府が、BMDは平和利用限定の国会決議に反しないと言われる理由を明確に示していただきたい。さらに、中国、ロシアが猛烈に反発をしておりますが、どのように対処するのか、あわせてお尋ねいたします。
 また、朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮に関して伺います。
 この国が依然として開かれた国でないこと、また、百万人の軍隊を持って戦時体制に近い状態にあることは大変不幸なことであります。しかし、何としても我々が防止しなければならないことは、北朝鮮を孤立させ暴発の方向に追い込まないことであると思うのであります。それはすなわち、韓国の金大中大統領が進める太陽政策、北風には断固対決するが暖かい南風を送り続けるという柔軟な北朝鮮政策を強く支持すべきだと思います。
 我が国は独自の対話を再開し、国交正常化交渉、食糧援助を再開するなどして関係を改善し、それを通じて北朝鮮の自主的な改革・開放を望むことこそが大事ではないのですか。総理の御見解を承ります。
 次に、経済問題について伺います。
 堺屋経済企画庁長官は、昨年十二月、景気の一部に改善が見られるとして、変化の胎動が感じられると強調されました。しかし、景気は改善どころか深刻さを増していると考えますが、経企庁長官の景気認識を伺います。
 あわせて、九年度、十年度と二年続けて政府経済見通しが大きく外れた原因と責任について御答弁いただきたいと思うのであります。
 さらに、雇用対策について伺います。
 雇用情勢は極めて厳しく、失業率は四・四%で過去最悪となり、完全失業者数は二百九十万人を超えており、これは広島県や茨城県の全人口に匹敵する数字であります。緊急経済対策では百万人の雇用創出がうたわれていますが、この数字の具体的根拠はあいまいで、実現は困難と言わざるを得ず、実効性のあるさらなる雇用対策を打ち出す必要があります。そのためにも、教育現場や父母から強い要請のある三十人学級制の実現等、やれるものからすぐ手がけるべきであると思います。
 この際、当面する雇用対策については、単に労働省に任せるだけではなく、総理自身が先頭に立って取り組むべき最大の課題であると思いますが、その決意を伺います。
 次に、金融問題について伺います。
 バブルの発生とその破裂は、日本経済の健全性を根底から破壊いたしました。これを進めた当時の政策責任者の責任は極めて大きく、中曽根、竹下、宮澤の三人の総理・大蔵大臣経験者の責任は重大であります。政府はどのように反省をしているのですか。大蔵大臣から答弁をいただきたいと思います。
 また、貸し渋りの状況については、通産省調査によると、依然として中小企業の三割以上が金融機関から貸し渋りを受けたとの調査結果が出されており、いまだ解消にはほど遠い状況にあります。この際、貸し渋り、貸しはがしを行っている不正金融機関の名前を公表し、制裁を厳格に行うべきと考えますが、いかがですか。総理から答弁をいただきたいと思います。
 次に、国際金融に関して伺います。
 一昨年のアジア通貨危機の原因が、ヘッジファンドを含む短期的な資金の移動にあることは明らかであります。これは、本来、経済の円滑な活動に資すべき貨幣が行き過ぎたマネーゲームに陥った結果であります。
 既に、G7やAPECでは、短期的な資金移動に対し、透明性の確保と監視体制の確立などが検討されておりますが、我が国として金融市場のかじ取りをどのように行っていこうとするのですか。アメリカに対しても主張すべきことははっきりと主張すべきと思いますが、市場万能の国際金融のあり方、行き過ぎたマネーゲームに対する反省と今後の対応について、大蔵大臣から御答弁をいただきたいと思います。
 税制問題について伺います。
 今般の税制改革案は、企業重視、高額所得者を優先した改革と言わざるを得ません。今回の改革では、法人税の実効税率を引き下げたり、所得税及び住民税の最高税率を六五%から五〇%へと一気に引き下げる一方、減税の大半を定率方式で実施したため、年収八百万円以下の世帯では逆に増税となっております。これでは、景気にマイナスに働きこそすれ、抜本的な景気対策にはなりません。税制改革の手順が逆ではありませんか。この強い者優先、弱い者たたきの税制改革は認めることができません。撤回を求めます。総理、いかがですか。
 なお、消費税に関しては、我が党は飲食料品にかかる消費税払い戻し制度の創設を一貫して主張しております。所得の低い家計にとって大きな負担になっている飲食料品にかかる消費税額をゼロにすべきではありませんか。総理の御見解を伺いたいと思います。
 福祉・社会保障に関して伺います。
 年金制度について、今年は年金制度見直しの時期ですが、今、年金生活者は自分たちの年金が改悪されるのではないかと大変心配をしております。また、若い世代の人たちは、自分たちが掛けた年金が将来もらえるのかどうなのか、強い不安を持っている。御承知のとおりです。今こそ、総理は年金の現行水準の堅持を国民に強く約束すべきであると思いますが、いかがですか。
 また、一昨年、介護保険法が成立し、いよいよ二〇〇〇年度から介護保険が実施されることとなりますが、スタート時において介護を必要とする人がすべて介護を受けられるように国が責任を持って基盤の整備をすべきと考えるが、総理、厚生大臣、いかがですか。
 総理は、今国会に男女共同参画社会基本法を提出すると明言されました。私は、この基本法は、目的を初め全体にわたって性差別の撤廃の視点を貫徹させるべきと考えます。また、差別の監視と被害の救済を行うために、行政から独立した強力な権限を持つ機関を設けることが不可欠であると思います。法案にはこのような点を盛り込むことを求めますが、総理、いかがでしょうか。
 法務省の法制審議会が、選択的夫婦別姓制度の導入を初めとする民法改正案を答申してから既に三年近くたっております。総理、答申をたなざらしにせず、早急に法案を提出することを明言してください。
 最後に、私は、二十一世紀を展望した際、どうしても気になることが三つあります。
 その第一は、石油とエネルギーの問題です。
 今日の繁栄は、石油の上にぽっかりと浮いた繁栄だと言っても過言ではありません。石油資源の可採埋蔵量は理論的にはあと四十三年となっておりますが、この調子で世界の消費がふえ続けると、我が国の石炭のごとく一瞬にして枯渇するおそれがあります。もっと本腰を入れた省エネルギー対策を行うとともに、石油にかわるエネルギーの問題を解決しないことには、我が国は次世代に明るい豊かなあすを約束できません。地球に優しい新エネルギー開発には、近年予算額はふえているとはいいますが、もともと出発点が少ないので比率が高くなっているのであり、私はもっとここに思い切った予算と人を投入すべきと思いますが、総理いかがですか。
 その第二は、食糧の確保の問題です。
 石油が手に入りにくくなれば食糧も手に入りにくくなり、買う力も恐らくなくなってくるでしょう。二十一世紀には世界の食糧需給が逼迫に向かうと見られております。食糧が少し不足しただけでも社会は大混乱を引き起こし、特に大都市の生活はパニックに陥ることは目に見えております。政府が今検討を進めている新たな農業基本法の柱は、食糧自給率の向上でなければならないと思うのであります。総理の食糧問題に対する将来展望と取り組みの姿勢をお聞かせください。
 その第三は、少子化社会の問題であります。
 我が国の今の合計特殊出生率は一・三九であり、このままで推移をすると、総人口は二〇五〇年には約一億人、二〇八〇年には約七千七百万人に減少すると推定されております。このままでは国力は衰え、社会保障制度は崩れ、社会のあり方が変わってしまうのではないかと大変心配であります。
 私は、昨年の通常国会におけるこの代表質問の折に、橋本前総理に、少子化対策は最も重要な事柄であるから、総理が前面に立つべきだと要請いたしました。橋本前総理は有識者会議をつくられましたが、小渕内閣のその後の取り組みと、少子化問題に対する総理の基本的な姿勢及び決意を承りたいのであります。
 以上、この三点について、山に木を植えて育てる百年の大計のような心境にならなければ私はできないことだと思っております。すぐ結果が出るものでもなく、地道な努力の積み重ねが必要な課題であります。この三つの問題の解決なくして日本のあすはありません。
 政府を代表する総理の責任は、極めて大きくかつ重いことを強調して、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#11
○国務大臣(小渕恵三君) 梶原敬義議員にお答え申し上げます。
 冒頭、議員から、二十一世紀の日本が目指す理念といたしまして、平和と民主主義、経済の発展と心の豊かさの調和、人々の多様な個性を生かす社会、そして循環型社会などを挙げられた上で、感慨につきましてお尋ねがございました。議員の御主張に私といたしましても大いに共感を覚えるものであります。
 私は、内閣をお預かりいたしまして以来、事あるごとに、目指す国の姿として富国有徳ということを申し上げてまいりました。私は、高い志を持った国家でなければ、豊かな国であり続けることは不可能である、こうした観点からこのことを主張させていただいております。
 こうした基本的な考え方に基づきまして、私といたしましても、二十一世紀のあるべき姿を有識者の皆さんとともにこれを検討し、次の世代に引き継ぐべき指針をまとめさせていただき、そして国会におきまして、このことを御議論いただけたらありがたいと考えております。
 次に、グローバルスタンダードというものにつきましてお話がございました。
 この点につきましては、グローバルスタンダードはアングロサクソンスタンダードではないか等々のいろいろ御批判もお聞きをいたしますが、世界に通用する世界的なスタンダードというものについては、私どもこれも大切なものとして取り組まなければならないことはあろうかと思います。
 ただ、世界の流れの中で、御指摘のように社会民主主義の流れがヨーロッパ等におきまして大変多くなっておりまして、EU諸国でも第三の道を掲げる英国のブレア政権など、また、ドイツにおける社会民主党主導の連立政権等、中道左派と言われる政権が多数となっていることは承知をいたしております。さきの訪欧におきましても、競争力を維持しつつも公正さや人間らしさを重視する、こうした考えが主流になっておることは実感いたしております。
 次に、新保守の理念についてのお尋ねもございました。
 私は、今般の連立内閣の発足に当たりまして、記者会見におきまして、新しい保守の理念を持って両党がともに協力をし合う旨お話を申し上げました。私が申し上げましたのは、新しい保守の理念は、両党の連立に当たりまして合意文書など示されておることを、その趣旨を申し述べ、その実行を誠実に履行していきたいということの中で、このことを申し上げさせていただきました。
 そもそも、保守の本質というものにつきましては、いろんな見方もあるかと思いますが、単なる現状肯定でなく、また現状維持であるのでなくして、英国の政治思想家エドモンド・バークの言っておられますように、漸進主義に代表されることでありまして、よき伝統や秩序を維持しつつも常に創造や進歩を求め現状を改革していく、このことをその機会に強調させていただいたものでございます。
 議員御指摘のように、今回の連立によりまして、参議院において両党合わせても過半数に満たないことは厳然たる事実でございます。ただ、今回の連立がそもそも数合わせを目的とするものでないことは私がたびたび申し上げさせていただいておるところでございます。したがいまして、政局の運営に当たりましては、基本的理念、政策で一致した強固な基盤を持つ両党の連立を基軸といたしますが、国家国民のために何をなすべきかとの政治原点に立ちまして、各党各会派に協議、協力、連携をお願いし、国政のこの難局に当たってまいりたいと思います。何とぞ御協力をお願いいたす次第であります。
 次に、日米防衛協力のための指針関連法案に関する日米間のやりとりについてお尋ねがありました。
 先般訪日いたしましたコーエン国防長官からも、指針関連法案の整備は、日本の国会が決定するものと認識している旨発言があり、内政干渉とは考えておりません。
 なお、当方より、今通常国会におきまして早期に成立、承認を得られるよう最善を尽くしたい旨説明申し上げたところであります。
 周辺事態の定義についてお尋ねでございましたが、これまた周辺事態とは、我が国の周辺地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態であり、あくまでもその事態の規模、態様等を総合的に勘案して判断するものでありまして、したがいまして、その生起する地域をあらかじめ地理的に特定しあるいは一概に画定することはできないことは御承知のとおりであります。
 このような政府の考え方について、今回、連立政権発足後も変わりはございません。
 自衛隊による他国軍に対する後方支援についてお尋ねがありました。
 周辺事態安全確保法案に基づいて実施することを想定いたしております後方地域支援は、米軍に対するもののみでありますが、それ自体は武力の行使に該当せず、また米軍の武力の行使との一体化の問題が生ずることも想定されないものであります。したがいまして、憲法との関係で問題が生ずることなく、集団的自衛権の行使につながるものでもありません。
 船舶検査活動についてお尋ねがありましたが、周辺事態安全確保法案に定める船舶検査活動は、国連安保理決議に基づき、経済制裁の実効性の確保を目的として、同法案に規定される範囲内において、船舶の積み荷の検査、確認等を行う活動であり、憲法の禁ずる武力の行使または武力による威嚇には当たらず、憲法上の問題となることはないと考えております。
 多国籍軍への後方支援についてでありますが、政府としては、我が国として武力を行使せず、かつ、対象となるいわゆる多国籍軍の武力の行使と一体化することのないこれまでの憲法解釈を維持しつつ、具体的ケースに即し、後方支援のあり方を判断してまいる考えであります。
 次に、PKFの本体業務への参加についてのお尋ねがありましたが、我が国がいわゆる五原則に沿って立案された国際平和協力法に基づき国連の平和維持隊に参加することは、憲法第九条に違反するものでもありません。
 いずれにしても、我が国が国際社会への応分の貢献を行うことは当然であり、PKF本体業務の凍結解除を含む国連の平和活動への一層の協力につきまして、国会はもとより国民各位の御理解をいただきつつ、積極的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、憲法観についてお尋ねがありました。申すまでもありませんが、憲法の基本的原則であります民主主義、平和主義あるいは国際協調主義、基本的人権の尊重の理念を高く評価し、この理念を将来にわたって堅持すべきものと考えます。内閣総理大臣として、憲法第九十九条に基づき、この憲法を尊重し擁護することは当然であり、従前同様、今後ともこのことを遵守してまいる所存でございます。
 次に、BMDと国会決議に関するお尋ねでございました。
 もとより、国会決議の有権解釈は国会においてなされるべきものでありますが、政府といたしましては、近年の弾道ミサイルの拡散状況や、BMDシステムが純粋に防御的かつ他に代替手段のない唯一の手段であることを踏まえますれば、BMDシステムに関する我が国の取り組みは、本件国会決議の趣旨及びそのよって立つ平和国家としての基本理念に沿ったものであり、国民各位の御理解をいただけるものと考えております。
 また、BMDは純粋に防御的なシステムであり、本来的に軍拡競争を引き起こしたり、地域の平和と安定に悪影響を与えるものでなく、我が国としては今後ともこの点につき、御指摘もありましたが、できる限り透明性を確保して、しかるべき安心をいただけるように努力をいたしていきたいと考えております。
 北朝鮮に関するお尋ねでありました。
 韓国の太陽政策あるいは包容政策と申されますか、これは、私も金大中大統領としばしば会談する機会がありますが、常に申されておることは、韓国としても、安保体制をしきつつ、北朝鮮との間で和解と協力を積極的に進めるということであると認識をいたしておりまして、私は、また我が国はこれを支持いたしておることは申し上げておるとおりであります。
 我が国として、北朝鮮が改革・開放をとることを期待いたしており、また、北朝鮮が国際的懸念や日朝間の諸懸案に建設的な対応を示すものでありますれば、対話と交流を通じ関係改善を図る用意のあることは、しばしば申し上げておるところでございます。
 次に、雇用対策についてのお尋ねでありました。
 政府全体の取り組みといたしまして、百万人規模の雇用の創出・安定を目指し、雇用活性化総合プラン等の対策を強力に推進し実行し、国民の雇用不安を払拭し、再び希望と活力にあふれた経済社会をつくり上げていかなければならないと強く決意いたしておるところであります。
 三十人学級の実現につきましては、現在、児童生徒一人一人の個に応じた多様な教育を展開するための第六次教職員配置改善計画を推進いたしておるところでありまして、この計画の完成に向けて最大限努力してまいります。
 次に、貸し渋りの問題であります。この貸し渋りに関して、金融機関への対応について御指摘がございました。
 金融機関に対しましては、明確なルールに基づく透明かつ公正な金融監督行政を行うことといたしており、貸し渋りに対する監視体制の強化を進めるとともに、金融機関について法令違反等がある場合には、厳正に対応していく方針であります。
 また、信用保証協会等の保証制度の拡充、早期健全化法による新たな資本増強制度の創設、政府系金融機関による中小中堅企業等に対する融資制度の拡充などの措置と相まって、貸し渋り対策にはなお万全の体制を整えてまいりたいと思っております。
 次に、税制改正でございますが、これまたしばしば御答弁申し上げておるところではございますけれども、将来の抜本的な見直しを展望しつつ、現下の厳しい経済情勢にかんがみて、早急に税負担の軽減を図る観点から、期限の定めない恒久的な減税を十二年度におきまして実施させていただくことといたしたところでございます。
 個人所得課税につきましては、最高税率の引き下げを行うこととしておりますが、これは、我が国の将来を見据え、国民の意欲を引き出す観点から行うものであります。また、中堅所得層に配慮し、定率減税に頭打ちを設け控除率をある程度大きくするとともに、扶養控除額の加算等を行うことといたしており、全体としては高額所得者に偏ったものとなっておらないと考えます。
 なお、定率減税の実施によりまして、単年度比較で見ますと、昨年より減税額が減少する所得階層が生じることは事実でありますが、一年限りで打ち切られる文字どおり特別な減税と、恒久的に減税効果が持続する減税を単純に比較することは適当でないと考えます。
 法人課税につきましては、基本税率を引き下げるとともに、中小軽減税率等も引き下げることといたしております。
 したがいまして、今回の恒久的な減税が企業重視、高額所得者を優先したものであるとの御指摘は当たらないと考えており、大規模な減税を一時的でなく期限を定めず継続して実施することによりまして、消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。
 次に、飲食料品にかかる消費税についてお尋ねがございました。
 消費税は、少子高齢化の進展に対応し、消費一般に広く公平に負担を求める税として創設されたものであり、また、対象となる品目の範囲を合理的に定めることは困難であることなど、さまざまな問題があることから、飲食料品にかかる消費税に関して特別な制度を設けることにつきましては、慎重でなければならないと考えております。
 この点につきましては、いわゆる付加価値税を導入しておる国々におきましても、こうした形でそれぞれ税率につきまして変化のあることは承知をいたしておりますが、それぞれの国も税率そのものは相対的に一〇%を超えるような税率の中でいろいろ調整をされておるということは承知をいたしておりますが、我が国といたしましては、申し上げましたように、現段階では慎重に考慮しなければならない問題だと思っております。
 年金に関する御質問でありましたが、今後、少子高齢化の進展に対応するため、給付と負担の均衡を確保し、将来世代の負担を過重なものとしないことが必要であると考えます。こうした観点から制度改革に真剣に取り組み、信頼のできる安定した制度を確立してまいらなければならないことは当然のことと考えております。
 介護サービスの基盤整備についてお尋ねがありました。
 新高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆる新ゴールドプランは、全国の地方自治体が要援護高齢者の実態を踏まえて作成した老人保健福祉計画の集大成であります。この新ゴールドプランの着実な推進によりまして、介護サービスの利用を希望する者に対して介護サービスの利用を確保できるよう、これまた引き続き努力してまいります。
 次に、男女共同参画社会基本法についてでございます。
 昨年十一月に男女共同参画審議会からいただきました答申におきまして、基本法には、性別による差別的取り扱いの禁止等の基本理念、これに反する人権侵害の救済のため必要な措置を講ずる旨盛り込むことが適当と提言されております。政府といたしましては、同答申の趣旨を踏まえ、法案の検討を進めておるところでございます。
 民法改正についてお尋ねがありました。
 選択的夫婦別氏制度の導入についてでありますが、婚姻制度や家族のあり方とも関連する重要な問題として、国民や関係各方面の意見が現在分かれておる状況にありますので、国民各層の御意見を幅広く聞き、また、各方面における議論の推移をも踏まえながら、適切に対処していく必要があると考えております。
 次に、エネルギー対策につきましてでありますが、かねて梶原議員、新エネルギーの問題につきまして深い造詣をお持ちになり、また御主張をされてこられたことに敬意を表しておりますが、そこでお尋ねの点について、地球環境問題への対応及びエネルギーセキュリティーの観点から極めてこれまた重要であり、このため平成九年度に資源エネルギー庁に石炭・新エネルギー部を創設し、取り組みも強化いたしておるところであります。
 議員御指摘のように、予算面でのことをお取り上げなされましたが、確かに平成十一年度におきまして、平成十年度に比べて百二十六億円増額の八百七十五億円を盛り込んでおります。当初が少なかったからというお話もございますが、このエネルギー問題を極めて重要な課題として取り組み、このように額としてはかなりパーセンテージの高い率でこの予算を組ませていただいておりますので、これを積極的に活用して、新エネルギー問題につきましても、一層努力を傾注してまいりたいと思っております。
 次に、食糧問題についてお尋ねがございました。
 世界の食糧需給につきまして、長期的に逼迫する可能性もあると見込まれる中で、食糧を安定的に供給することは国の基本的責務であります。このため、国内生産を食糧供給の基本に位置づけるという考え方のもとに、自給率目標の策定につきましては、消費者ニーズに応じた国内生産の可能な限りその増大を図るという方針で取り組んでまいりたいと思っております。
 最後に、少子化問題についてお尋ねがございました。
 少子化の進行は、社会経済に深刻な影響を及ぼすことが予想され、私といたしましても、家庭や子育てに夢を持てる環境の整備は、社会全体で取り組むべき重要な課題であるとの認識のもとに、真摯に取り組みを進めてまいりました。
 橋本前総理のもとで設置されました少子化への対応を考える有識者会議から、先般、私、具体的施策にかかわる提言をお受けいたしました。今後はこの問題に適切に対応すべく閣僚レベルでの体制をまず整備し、政府が一体となって総合的に取り組んでまいりますとともに、各界関係者の参加を得まして、できれば国民会議というようなものを設けさせていただき、国民的な広がりのある取り組みを全力で進めてまいりたいと思います。
 国家百年の大計として三つのことをお触れになられましたが、いずれも同じような私、考えでございまして、長きにわたっての課題でありますが、まず第一歩からというつもりで取り組ませていただきたいと思っております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。拍手
   〔国務大臣野田毅君登壇、拍手〕
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野田毅#12
○国務大臣(野田毅君) 周辺事態の定義についてのお尋ねでありますが、自由党としては自由党としての考え方を当然のことながら持っております。しかし、連立政権の一員として政府の見解に従うのはこれまた当然でございます。したがって、お尋ねの点については、ただいま総理がお答えになったとおりでございます。拍手
   〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
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堺屋太一#13
○国務大臣(堺屋太一君) 景気の現状認識についてお尋ねがございました。
 私は、昨年九月以来景気は極めて厳しい状況にあるという判断は変えておりません。ただし、昨年十一月末から一層の悪化を示す動きも多い反面、個人消費において、十月の家計調査によると、消費支出の対前年度比はなお減少しておりますが、その幅が小さくなり、対前月比では八月以後少しずつプラスになっている。あるいは白物家電を中心として値ごろ感のある商品の売れ行きが伸びている。また、半導体や住宅に動きが出ている等の現象がございます。公共事業は過去最高のペースで前倒しで執行しておりまして、十年度第一次補正予算等の効果もあらわれておりますので、こういったものをあわせて変化の胎動も感じられると、こういう表現をしております。
 今後もますます悪いような数字が出てくることもございます。夜明けの前は一番暗い、こう申しますけれども、これから企業のリストラあるいは事業の選別等で悪い数字も出てくるでしょうけれども、その反面では新しい動きが出てくる、ちょうどそういう交差した時期がしばらく続くのではないかと考えております。
 それからもう一つ、平成九年度、十年度の二年度にわたって政府の経済見通しが大幅に間違えたのではないかという御指摘がございました。
 確かに、平成九年の初めに短期循環として景気は頂上をきわめて下り坂になっておりました。それに加えましてアジアの経済の問題、あるいは金融の破綻が相次いだものでございますから、平成九年度、一・九%の上昇を見込んでおりましたものがマイナス〇・四%という実績になりました。また、平成十年度につきましても一・九%の上昇を見込んでいたものが、現在のところマイナス二・二%程度というような状況でございまして、二年連続でかなり大幅な見誤りをしたと言わざるを得ません。この点につきましては、予測を誤ったことを率直に陳謝し、予測を変更させていただいております。
 ことしはかなりいろんな対策を打ちながら、予測の方も〇・五%のプラスということで、かなり底がたく予測しているつもりでございます。拍手
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
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宮澤喜一#14
○国務大臣(宮澤喜一君) かつてのバブルの発生と崩壊についての責任についてお尋ねがございまして、この点は昨年の本院の本会議におきまして反省しております点を幾つか申し上げたところでございますが、一九八五年の九月にプラザ合意がございましたときの円は二百四十二円でございますが、そこから何人の予測にも反して円が急上昇を始めまして、その年の暮れには二百円になりました。翌年の七月に私は大蔵大臣を仰せつかりましたが、そのときには百五十円台になっておりました。
 非常に急激な円の上昇でございましたから、我が国の企業は輸出志向が多うございますので、ほとんどパニッキーな状態になりまして、政府はなぜこれを放置するのかというような非常な批判があり、また、企業城下町などでは有効求人倍率が極端に低下するようなことであったわけでございます。
 私どもとしましては、したがって補正予算を組んで財政からの支えをすると同時に、直接マーケットに介入をいたしました。ドルを買って円を売るという支えをしたわけでございますが、大きな日には二十億ドル、当時の金で三千億円に近うございますが、一日に買いましても、当事者からいいますと、本当にブラックホールに金をつぎ込んだように相場は何にも動かない、二、三日するとまた円が上がるというようなことを繰り返してまいりましたから、かなり大きな過剰購買力が放出をされたという、これはもう疑いのないところであります。
 結果といたしまして、だんだん日本経済が対応する、あるいは企業が東南アジアに投資をしたのはこのときでございまして、今日の東南アジアの繁栄のもとともなりましたが、日本としては空洞化するというようなことでございました。
 翌年の、八七年の十月にブラックマンデーがございまして、ニューヨークで動揺しましたときはもうかなり我が国の経済はしっかりしておったように思いますし、少しずつまた税収がふえかかってきたり、この辺のところが私は実は非常に問題であったのだろうと今思うわけでございます。政府は、比較的早くから銀行の融資の規制であるとか、土地取引についての警告を発しておりますけれども、いわば流されるようなことで効果がなかった。
 これだけのことを総括して申し上げますと、後になって統計を見て、マクロの潮目がいつだったかということはわかりますけれども、そのときにはミクロはまだ非常に苦しんでいる。したがって、政府がそこを非常に早く金融規制なりあるいは土地売買の規制なりをすべきであった。マクロの資料がなくてもそこはやはり私は政治の責任であったのだということを強く思っておりまして、そのことを反省しておりますと昨年も申し上げたのでございます。
 このことにつきましては、昨年の暮れに経済企画庁がバブル崩壊の十年という報告をしております。私も、これからいろいろ報告が出ると思いますのでよく勉強をして、二度とこういう過ちが行われないようにという自省をいたしておるところでございます。
 それから、アジアの危機について、通貨のことについてお尋ねがございまして、確かに梶原議員の言われますとおり、一昨年のアジアの危機というものは短期的あるいは投機的な資金の激しい移動が新興市場国を混乱させたということは、マハティール首相の言われるほどでないにしても、事実であったというのが国際的なコンセンサスになりつつあると思います。したがいまして、最近でもこのヘッジファンドをどうするかということは、つい先週の会議でも話題になりましたし、間もなくG7でもまた議論になると思いますが、少なくともそのヘッジファンドに金を貸した、あるいはみずからそれに加入した銀行は、これは規制を受けている業務でございますから、銀行には報告をさせる義務があるというふうに考えられます。
 それから、ヘッジファンド自身は、いかにノンバンクといえ、あれだけのことをして何もディスクローズしないということは、それでいいのかというところぐらいまでが少しずつ国際的なコンセンサスに育ちつつございますので、やがて、ことしはサミットがコロンでございますので、そのころまでには何とか結論を出したいと考えております。
 そのほかには、そういうふうに攪乱されました新興市場について、すぐにもし流動性の付与ができれば、ああいう攻撃を受けないで済むわけでございますから、IMF等あるいは我々も加わって、そういうときに早く流動性を付与できないかといったようなことも、有効な手段としてこれから考えなければならないのではないかと思っております。拍手
   〔国務大臣宮下創平君登壇、拍手〕
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宮下創平#15
○国務大臣(宮下創平君) 梶原議員にお答え申し上げます。
 介護サービスの基盤整備についてのお尋ねでございますけれども、介護保険制度を円滑に導入するためにも、介護サービスの供給体制を整備することは極めて重要であると考えております。
 先ほど総理からも申し上げましたとおり、新ゴールドプランは、全国の地方自治体が要援護高齢者の実態を踏まえて作成した老人保健福祉計画の集大成でございます。この新ゴールドプランを私どもは着実に推進することによりまして、サービスの利用を希望する者に対しまして必要なサービスの利用の確保ができますように、引き続き最大限の努力をしてまいります。
 特に、訪問介護員、ホームヘルパーや特別養護老人ホームに関しましては、平成十一年度予算におきまして、新ゴールドプランの目標値を上回る水準の整備を目指しております。
 いずれにいたしましても、来年四月から円滑なスタートができますように、在宅と施設の両面にわたる介護サービスの基盤整備に向けて、全力を投入してまいる所存でございます。拍手
    ─────────────
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菅野久光#16
○副議長(菅野久光君) 扇千景君。
   〔扇千景君登壇、拍手〕
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扇千景#17
○扇千景君 私は、自由党を代表して、小渕総理大臣の施政方針演説に関して、総理の御所見を伺いたいと思います。
 私は、先日行われました総理の施政方針演説をまことに興味深く拝聴いたしました。それは、これまでの演説に比べ総理自身の言葉で語られたものであると同時に、今日の状況を第三の改革の時期と位置づけ、明治以来の我が国のシステムや意思決定の方法を新しいシステムに変えるというものでありました。我々と問題意識において全く同じであります。
 今回の連立政権が、問題意識を共有する小渕総理・総裁と我が党の小沢党首との党首会談によるものであることを考えるときに、私はそこに歴史の強い意志を感じるのであります。二十一世紀を目前にして我が国が歴史的岐路に立たされている今日、連立政権は、この国を根本から立て直す構造改革を勇気を持ってダイナミックに断行し、この歴史的使命と責任を果たしていかなければなりません。
 自民党と自由党との連立政権に対し、数合わせだ、玉虫色だ、守旧派連立だとためにする批判が行われております。この連立の本質を全く理解していないものと断ぜざるを得ません。かつて基本政策の一致しない政党同士が連立を組み、重要課題の解決はすべて先送りし、事態は一向に改善されない政治が行われたことがありました。
 私どもは、この連立に当たり、一貫して主張したのは、理念と政策によって政界再編は行われるべきだということであり、この見地から政策協議にこだわり続けたのであります。小沢党首が党首会談を延期してまで政策協議で五つの検討チームを発足させ、総理が訪欧前の改造を断念するまで政策の合意にこだわったのであります。その結果、歴代内閣にかつてないほどの政治主導による改革の芽が生まれたと自負するものであります。すなわち、国会で閣僚にかわって官僚が答弁する政府委員制度の廃止、副大臣制の導入、衆院比例代表五十人の削減、省庁再編、公務員削減、そして安全保障での基本原則の確立などが合意されたのであります。
 もし自由党の連立が非難されるとすれば、それは合意した我々の主張が全く実行されないのに、連立政権を続けたときであり、自由党は両党首の合意をそれだけ真剣に受けとめ、断固として政策を実現する決意であります。小渕総理の御決意を、この際改めてお聞きさせていただきたいと存じます。
 総理は、施政方針演説において、「教育の原点は、生きる力、助け合う心、そして自然を慈しむ気持ちにあると信じます。こうした点をしっかりと心に刻み、幅広い視野を養い、個性を大事にして生きるべきこと、ボランティア活動への参画等を通じた地域や社会への貢献は大変に意義深いものであること、人には多様な生き方があり、お互いにそれをたっとぶべきであること、そんな観点に立った心の教育を充実させていきたいと考えております。」と述べられました。私も全く同感であります。同時に、総理は、「今世紀中の課題は今世紀中に解決の道筋をつけることが必要」であるとも述べられております。
 経済は今日大変な不況にありますが、それでも世界第二位の経済大国を築いたことからも明らかなように、国民の必死の努力により今世紀中にその基盤を築くことができました。
 しかし、日本の将来にかかわる教育の場だけがなぜ安定しないのでありましょうか。いまだに校内暴力、登校拒否、自殺、薬物乱用、果ては教師の登校拒否まで、教育は荒廃の度を強めているのであります。この日本の未来を決める教育の改革は、国政の最も重要な課題であり、この国の将来をかけて今世紀中に改革の指針を示さなければならないと思いますが、総理の御見解を伺います。
 現在、文部省は、学習指導要領において、各学校に対し、「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱する」ように指導されております。
 そこで私は指摘したいと思います。それは、国民の代表で構成する国会において、開会式は天皇陛下をお迎えし、この参議院の本会議場で行われております。しかし、どこにも国旗はないし、国歌の斉唱もありません。子供たちには国旗の掲揚と国歌の斉唱を指導していながら、国民の代表である国会の場においてそれがなされていないということは本末転倒であり、国民の代表としてまことに恥ずべきことではないでしょうか。また、開会式は在京の各国の要人をお迎えして開かれます。諸外国に対してもまことに恥ずかしい限りであります。
 私は、せめて通常国会の開会式においては、国旗を掲揚し、国歌を斉唱あるいは吹奏した後、天皇陛下のおことばをいただくべきであると考えます。国会で決めることではありますが、平時も議長のこの席の隣にでも国旗を置かれることはいかがでしょうか。総理自身はこのことをどうお考えになられているか、御見解を伺います。
 諸外国では、国賓をお迎えしたとき、その国の無名戦士の墓あるいは国立墓地に参拝していただくなど、国家のために犠牲になられた人々を尊敬し、長く国家としての誇りとしております。国家として当然のことであります。総理はしばしば外遊をされますが、無名戦士の墓や国立墓地に参拝されたことはあるのでしょうか。また、国内においては、総理は国家のために犠牲になられた人々を慰霊するためにどこにお参りになっておりますか。外国の要人がお見えになったとき参拝を求めることも考えるべきではありませんか。御見解を伺います。
 経済、税財政においては、総理の言われるようにプラス成長を実現し、不況の一日も早い脱却を図り、国民の生活と雇用を守らなければなりません。
 昨年の党首合意に基づき、自由党は自民党とともに平成十一年度予算案を編成いたしました。年末よりの予算編成、税制改革への参加であったにもかかわらず、我が党の主張が取り入れられました。
 税制面では、景気対策として住宅・設備投資促進税制の整備や少子化対策税制の充実が実現をしたこと、また、これらの減税の規模が両党首間合意のとおり十兆円規模になったこと、連結納税制度の導入に向けて端緒が開かれたことなど、また、歳出予算面においては、消費税の福祉目的化が予算の総則に盛り込まれたこと、国家的プロジェクトの充実や事業規模など、公共事業面において特に景気に配慮できたことは評価されるべき成果であったと考えます。
 また、自由党が中心になって取りまとめました中小中堅企業向けの貸し渋り対策のさらなる有効活用とあわせて、昨年成立させた早期健全化法を積極活用し、不良債権の処理、金融機関の再編合理化を促し、金融不安を一掃しなければなりません。
 このような当面の景気対策とあわせ、規制の緩和・撤廃、消費税の改革、行財政改革など、日本経済を立て直す構造改革を進めていかなければなりません。総理の御決意を伺います。
 二十世紀を総括し、二十一世紀の新たな世紀を迎えるに当たって重要な課題は憲法の問題であります。
 現行憲法の掲げる国民主権、基本的人権、平和主義、国際協調の原理は不変であり、それを堅持し発展させていかなければならないことは極めて当然であります。けれども、半世紀にわたり改正することなく来た憲法は、時代の変化により見直しを迫られており、もはや憲法論議をタブー視して済まされる時代ではありません。憲法をよりよいものにするために、この国会では国会に憲法問題を検討する委員会を設置することが論議されようとしております。我々は二十一世紀日本の新しい時代を築くため、この国会の場で政党政派を超えた国民的議論を深めようではありませんか。この際、総理の御見解を伺いたいと思います。
 安全保障においては、自由党は自由民主党との政策協議に当たり、平和主義、国際協調主義の理念に基づいて、平和な国際環境を確保するために積極的な外交努力を行うことを合意いたしました。国連平和活動については、国連総会や安保理決議に基づく要請があった場合、直接戦闘行動を行うことや戦闘地域に直接物資を輸送・補給すること以外の活動は、政治家自身が判断し、積極的に参加、協力することを取り決めたのであります。今後、この趣旨に照らしてPKOなどの活動に積極的に貢献することにより、顔の見える国際貢献を進めるべきであり、そのための法制度を整備していくべきであります。
 日米関係は、我が国の安全にとって最も重要であります。新しい日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの関連法案を自民党と自由党との政策合意に沿って、速やかに今国会で成立させなければなりません。総理の一層の指導力の発揮を求めるものであります。
 総理は、施政方針演説において、「今や大いなる悲観主義から脱却すべきときが来ていると考えます。行き過ぎた悲観主義は活力を奪い去るだけであります。今必要なのは、確固たる意志を持った建設的な楽観主義であります。」と述べられました。私も、総理のおっしゃるように、悲観主義から脱却すべきだと思います。しかし、日本の国民もマスコミも我々自身も、すべてが自信喪失に陥っているのではないでしょうか。
 私は、先日、宇宙飛行士の向井千秋さんにお会いいたしました。総理もお会いになられたと思います。向井千秋さんの宇宙での活躍ぶりのテレビ中継で、向井さんの短歌の上の句に対し、下の句が全国から十四万四千七百八十一首も寄せられたことでも明らかなように、日本の国民が、特に子供たちが、将来に夢と希望と勇気を与えられた証拠ではありませんか。私は、日本人は希望の持てる国民だと確信いたします。
 私たちは、勇気ある希望を持って二十一世紀を迎えたいと思います。与党、野党の垣根を越えて、国民のため、国家のためになる政策であれば、総理の決断と指導力により、堂々と取り上げ、実現し、国民の切なる願いにこたえていかなければなりません。そこにこそ、私たち自由党が連立政権に参加した歴史的意義を感じるものであります。
 総理の一層の御奮闘を期待し、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#18
○国務大臣(小渕恵三君) 扇千景議員にお答え申し上げます。
 議員から、今般の自由民主党と自由党との連立につきまして、歴史の強い意志を感じるとの印象深い表現が用いられ、まことに力強い決意を御披露されました。
 今般の連立の趣旨は、今日の難局に当たり、時局認識や基本的理念で一致を見ました自由民主党と自由党の両党が政権をともにし、安定的な政権基盤を築き、真に責任ある政治の実現を目指すというものでありますが、私は、特に次の二点を重ねて強調しておきたいと思います。
 すなわち、自由民主党と自由党との間で、景気回復を初めとする緊急課題に全力で取り組むこと、少子高齢化、情報化、国際化が進展する中で、あらゆる分野における改革を断行し、もって国民の将来への不安感を払拭していくという基本的理念で一致した上で、さらに政治・行政改革、安全保障等多くの課題について真剣な議論を積み重ね、合意した上で連立に至りましたこと。第二に、そうであるがゆえに、この連立内閣は、確固とした基盤に立ち、国民の期待にこたえ、国民に信頼される責任ある政治を実現できるものと確信をいたしたからでございます。
 教育改革につきましてもお尋ねがありました。
 私は、施政方針で司馬遼太郎氏の言葉を引用させていただき、強調いたしましたように、今日、未来を担う子供たちに、自然に親しむ心、助け合う心、社会的倫理観、生きる力をしっかりと身につけ、心身ともに健康な人間に育てることは極めて重要な課題と考えております。
 このような考え方に立ちまして、心の教育の充実を図りつつ、我が国のすぐれた文化や伝統などを次の世代に引き継ぐ教育の推進に努めてまいらなければならないと考えております。
 国旗掲揚、国歌斉唱についてのお話もございました。
 これからの国際社会に生きていく国民としての基本的マナーとして、我が国の国旗、国歌はもとより、諸外国の国旗、国歌に対して正しい認識と、それらを尊重する態度を育てることは重要と考えます。このような基本的なマナーを子供たちが身につけられるよう、学校における指導の充実にはさらに努めてまいらなければならないと考えております。
 そこで、通常国会の開会式について、議員のお考えは一つの貴重な御意見として承りました。我々も、諸外国の議会等をお訪ねいたしましても、ほとんどの国において国旗が掲げられていることは承知をいたしております。ただ、いずれにせよ国会の問題でございまして、この点につきましては、各党会派において検討をされていくべきものと考えております。
 私の外国訪問に際してお話がございました。それぞれの国におきまする無名戦士等のお墓や国立墓地に参拝したことがあるか、こういうことでございますが、例えば昨年十一月、ロシア訪問の際には、モスクワにおきまして無名戦士の墓に献花いたしましたほか、日本人墓地にも参拝いたしてまいりました。モスクワにおきまして逝去した我が邦人は極めてわずかでございますけれども、ああした厳しい自然の中でいろいろの経過を経てその地で命を失われた方々に対し、改めて敬けんな気持ちを持ちまして参拝をさせていただきました。私自身、常日ごろから国のために犠牲になられた方々のことを心にとめてまいっておりました。昨年の終戦記念日には千鳥ヶ淵にある国立戦没者墓苑にも献花させていただいたところでございます。
 なお、外国要人の訪日に当たりまして参拝を行っていただくかどうかにつきましては、相手国の意向も尊重しつつ、その都度検討させていただいておるところでございます。
 次に、景気回復についてでございますが、緊急経済対策を初めとする思い切った諸施策と民間の真剣な取り組みも相まちまして、平成十一年度には我が国経済の実質成長率が〇・五%程度まで回復するものと確信をいたしております。
 雇用について、政府全体の取り組みとして百万人規模の雇用の創出・安定を目指し、雇用活性化総合プランなど、雇用対策を強力に推進してまいりたいと思います。
 私は、この平成十一年度をぜひ経済再生元年と、こう位置づけられますように、日本経済の再生に全力で取り組んでまいりたいと考えます。
 次に、貸し渋りの問題でありますが、早期健全化法の活用等によりまして、それぞれ金融機関の健全化を図っております過程におきまして、金融機関等のいわゆる貸し渋りの現象が出てきておりますことはまことに残念であり、それに対する対策につきまして種々取り組ませていただいております。信用保証協会の保証制度の拡充や政府系金融機関による中小中堅企業に対する融資制度の拡充など、さまざまな措置を講じておるところであります。
 また、昨年末には、みずから、借り手である中小企業団体の皆さんにもおいでをいただきまして、その実態につきましてお話をお聞きし、またそれを受けまして、金融機関との懇談会におきまして、貸し手に対しましても、その実態について十分これが解消のために努力していただきたい旨申し上げたところでございます。今後とも、貸し渋り対策に万全をこれまた期していきたいと思っております。
 早期健全化法の活用につきましては、資本増強制度を適切に運用することによりまして、金融機関業務の再構築、リストラ、金融の再編を促進するとともに、信用供与の円滑化を図り、金融システムに対する内外の信頼を回復するよう努めてまいります。今後とも、ただいま申し上げました諸施策によりまして、金融不安の一掃に向け、万全を期してまいりたいと思っております。
 次に、行政改革を進めることについてでございますが、行政改革は国政上最重要課題の一つであり、二十一世紀に向けた我が国経済社会の繁栄へのかけ橋の柱となるものであります。橋本前総理が全精力を傾けて取り組まれた課題でもあり、私としてもいささかも退くことなく、その実現のために全力を尽くしてまいりたいと考えます。
 特に、中央省庁等の改革につきましては、今国会におきまして関連法案の提出を予定いたしており、その中で二十一世紀の我が国にふさわしい中央省庁の具体的な姿をお示ししたいと考えております。また、規制の撤廃、緩和についても積極的に取り組んでまいる決意であります。
 消費税の改革につきましては、今般、消費税に対する国民の御理解を一層深めていただくよう、予算総則に消費税収の使途を明記し、広く国民の老後等を支える基礎年金、老人医療及び介護のための福祉予算に使う旨を明らかにいたしたところでございます。
 財政改革につきましては、現下の厳しい経済情勢を踏まえ、日本経済の再生に全力で取り組んでおるところでありますが、将来世代のことを考えますと、財政構造改革という大きな課題を背負っておることにつきましては、いたく痛感いたしております。日本経済が回復軌道に乗った段階におきまして、財政・税制上の諸課題につき、中長期的な視点から幅広く、しっかりとした検討を行い、国民の皆様にもそのあるべき姿を示さなければならないと考えております。
 そこで、憲法につきまして、二十一世紀日本の新しい時代を築くため、国会の場で国民的議論を深めようという御意見でありました。
 現憲法の基本理念であります民主主義、平和主義及び基本的人権の尊重は、憲法が制定されてから今日に至るまでの間、一貫して国民から支持されてきたものであって、将来においてもこれを堅持すべきものと考えております。
 そこで、憲法に関する問題につきまして、これまでも各方面からさまざまな意見が出ておりますが、国会における議論につきましては、これを見守ってまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、憲法はその第九章「改正」の段におきまして、第九十六条におきまして国会がその責を負うものとなっております。したがいまして、今、議員が御指摘のような国会におけるいろいろの委員会のあり方等につきましては、これは国会の問題としてお取り組みいただけるものと考えております。
 次に、PKO等を通じた国際貢献についてのお尋ねでありました。
 国際社会への応分の貢献をすべきであると施政方針演説で申し上げましたが、扇議員の、顔の見える国際貢献、非常にこのことは大切なことでございまして、そういった意味からも、PKO等を通じて国際社会に対して国際貢献の姿として、ぜひこのことにつきましては国民の理解を得て進めていかなければならない、こう考えております。
 我が国といたしましては、国連を中心とする国際平和のための努力に対し、積極的に貢献を行っていく考えでありますとともに、国連の平和活動への一層の協力及び法整備につきましては、国会はもとより、国民各位の御理解をいただきつつ、これを積極的に進めてまいりたいと考えております。
 ガイドライン関連法案等についてでございますが、昨年四月に閣議決定して既に国会に提出をさせていただいております。政府といたしましては、我が国の平和と安全にとって重要なこれらの法案や協定が早期に御審議され、今国会において成立または承認されることを強く期待いたしております。何とぞ国会におきまして十分御審議をいただき、御可決いただくことを心から念願いたします。
 最後に、宇宙飛行士向井千秋さんの短歌の下の句のお話がございました。
 向井さんの「宙返り何度もできる無重力」に対して、全国から十四万首を超える下の句の応募があったことは、向井さんの活躍が、国民全体、特に子供たちに将来への夢と希望を与えたことを如実に物語っていると考えております。たしか昨晩もこの問題を取り上げられた番組がありまして拝見をいたしましたが、子供さん方のみならず身障者の皆さん、あるいはまた老人の皆さんが、みずからの体験に合わせながらいろいろと下の句をつけられ、応募されておった姿を拝見いたしました。やはりこうしたことを考えますと、あの宇宙で発せられた向井さんのメッセージを受けとめたということにおきまして、大変意義が深かったと思っております。
 いずれにいたしましても、私は、二十一世紀を担う子供たちに明るい未来を切り開いていくために、勇気を持って内閣と両党の先頭に立ってこの難局に真正面から取り組んでまいりたいと思いますので、扇議員初め自由党の皆さんとこの難局を乗り越えるためにともどもに力を合わせていきたい、こう願っておりますことを申し上げて、御答弁にかえさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。拍手
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菅野久光#19
○副議長(菅野久光君) 椎名素夫君。
   〔椎名素夫君登壇、拍手〕
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椎名素夫#20
○椎名素夫君 私は、参議院の会同僚諸君のお薦めを得て、総理の施政方針演説について質問をいたします。
 総理は、御自身をボキャ貧と謙遜しておられるように伺っておりますが、施政方針演説を伺う限り、このような形容は全く当てはまらない、この演説にかける総理の意気込みも十分伝わり、立派なものであったと考えております。
 しかしながら、一国の経営は善意や熱意などだけでできるものではありません。政治において最も大切なことは、冷静な事実の分析に基づく行動であり、その行動による結果に対して責任をとるということであります。総理がいたずらな悲観主義を排し、建設的な楽観主義を唱えておられることには全く同感でありますが、今大事なのは、具体的な政策の方向がそれを裏打ちするものでなければならないということであります。
 そこで、総理の見事な文学的表現はありがたく胸におさめ、無味乾燥な言葉で幾つかの点についてお尋ねをいたしたいと思います。時間が限られておりますし、大づかみの話になることを御勘弁願いたいと思います。
 政府は、経済再生を至上課題として、大規模な財政出動により平成十一年度中に〇・五%の経済成長の実現を目指しています。しかしながら、〇・五%成長を回復できたとしても、今のままの経済構造では、その後自律的にプラス成長が続くという見通しはないのが実情ではないでしょうか。
 今回、緊急の大型財政出動を行うことはやむを得ない措置でありましょう。しかし、これに伴う赤字国債発行の急増は、国内の金利上昇を招き、また資金の海外大量流出のリスクも指摘されているところであって、今後繰り返して続けられるものではありません。赤字財政に頼らない構造改革が急速かつ抜本的に行われないと、日本経済は政策の選択肢を失った状態で低迷を続けてしまうことになると考えます。
 総理は、平成十一年度に景気が回復すれば、その後は自律的な成長軌道に乗るとお考えなのでしょうか。また、自律的な成長が継続しない場合には、その後も赤字財政を拡大されるおつもりなのでしょうか。御所見をお聞かせください。
 構造改革という観点から、経済戦略会議の中間取りまとめというものを見ますと、日本の経済社会構造のゆがみを的確に指摘し、各分野の抜本的な構造改革の方向を率直に示唆しています。
 他方、これと現実の対策と照合してみますと、痛みのない従来型予算措置の増額だけが先行して、痛みを伴う構造改革とその実行に不可欠なセーフティーネットへの対応がおくれておるように思います。いわゆるデフレギャップに着目いたしますと、需要を引き上げるべき部分と過剰能力を削減すべき部分、この二つがあるかと思いますが、この二つの間のめり張りがはっきりしていない。
 一例を挙げますと、つい二、三日前にアメリカの大統領が年頭教書の演説をいたしました。その中で、日本からの鉄鋼輸出を非常に激しく攻撃をしております。こういう例は、まさにこのめり張りをどうしておくかという問題でありまして、これをきっちりしておかなければならないと思うわけであります。
 また、小さな政府の実現についても、特殊法人など政府関係機関のスリム化、抜本的な規制緩和、地方分権等の動きは極めて緩慢な状況にとどまっていると言わざるを得ない状況にあります。
 的確な政策のメニューが示されても、実際の予算、政策への反映がつまみ食いになってしまっては、中間報告が危惧している日本経済の長期停滞シナリオが現実になってしまいます。これからの運び方について、総理のお考えをお伺いいたします。
 さて、根本的な経済構造改革を進めるには、今日の経済低迷をもたらした原因と責任を過去にまでさかのぼって明らかにしなければならない。そうでなければ国民及び国際社会の理解と協力は得られません。その意味では、バブル経済とその崩壊を引き起こした不公正な経済構造の最も重大な部分についての認識が欠落していると考えますので、この点について指摘したいと思います。
 バブル経済を生んだ最大の要因は、もちろん御承知のように土地に対する膨大な投機であり、これは悪名高い日本のいわゆる土地本位制の終着点とも言えるわけであります。そしてその背後には、固定資産税が人為的に極端な低水準に抑制されてきたという事実があるというのが私の認識であります。
 数字を御紹介したいと思います。
 東京オリンピックが開催された一九六四年の地価公示価格の総額は五十六兆円弱でありました。しかし、バブル最盛期の一九九一年度にはこれが二千百九十兆円に達した。この間に日本は高度成長を達成しているわけですが、そのGNPの二倍以上のスピードで急上昇をしたわけです。ところが、この間、本来ならば本則で一・四%の固定資産税の実効税率は、人為的、政策的に十分の一の水準に抑えられ続けてきた。これが土地の上昇を生み、また実効税率を実際に上げるということを困難にしたという悪いスパイラルになりました。
 特に、バブル期の一九八六年から八九年までの四年間、土地資産の増加分が千百三十兆円に達しましたが、これはアメリカの国土の三倍近い、異常としか言いようのない高騰でありました。ちなみに、この四年間にGNPの総額は千五百兆円であった。これに対して約二〇%、三百十兆円の税収が上げられていますが、このうち土地の固定資産税から上がったものが八兆五千億円、税収のわずか三%にすぎない。
 この四年間の土地の値上がりによる資産形成額の千百三十兆円、これを普通の経済活動で積み上げると仮定いたします。仮に企業収益及び家計所得の二〇%がこの資産形成額に回ったということにいたしますと、逆算するとこの間に五千六百兆円の所得が必要であったということになりますが、これに対して納められた税金が十兆円に満たないという計算になります。
 この過程で、大きな土地を保有する少数の個人と企業及び金融機関は、極めて低い税負担で、その所得や収益とは比較にならないほどの資産を形成することになりました。その一方で、大土地所有とは無縁の大多数の勤労者が税金の大半を負担した上に、高い住宅取得のためにローンを負担し、さらに、コスト後払いとも言うべき賃金体系と相まって、国民全般の購買力を大きく抑制することになりました。また、高地価は公共事業のコストを通じて税負担の増加をもたらし、その他の分野でも我が国の高コスト構造の基本要因となったわけです。
 土地にまつわるゆがんだ資源配分は、国際経済との関係においてもさまざまな弊害をもたらしました。長期間にわたって抑制された内需は輸出主導型の経済構造を生み、貿易摩擦や円レートの過度の上昇を招いた。また、土地・証券バブルで見せかけの体力が増した企業が国の内外で大規模なエクイティーファイナンスを行い、これが国際金融市場の警戒を招いてBIS規制の強化という形であらわれてきた。他方、このエクイティーファイナンスの片側でありますが、健全な融資先を失った金融機関は住専その他のノンバンクを通じて膨大な土地投機の原資を供給することになります。そしてこれらの債権の多くは、バブルの崩壊に伴って、巨大な不良債権と化して銀行経営を圧迫し、BIS規制の強化と相まって企業への貸し渋りにまで至っているのは御承知のとおりであります。
 全体的な観点から見ても、長年にわたる日本のゆがんだ土地税制に基づく含み経営が、特にバブル崩壊後の日本企業及び日本経済全体のアカウンタビリティーの欠如という形で、国際経済での信頼の急速な低下につながっているということは銘記しなければなりません。
 このように、長期にわたって固定資産税が国際的に見ても、妥当な水準を大幅に下回った水準でしか徴収されなかったことが、少数の大土地所有者及び企業、金融機関と、一般国民、一般企業との間に大きな資源の不公正配分をもたらし、これがバブル経済とその崩壊に象徴される日本経済の国の内外での苦境の根本要因と言えると思います。
 総理は、このゆがんだ資源配分がこれまで放置されてきたことを認識されているでしょうか。もしその認識に立てば、この難局に当たってこれからは、いきなり自己責任だといって政府が責任を放棄するのではなく、新しい経済社会への適切な移行プロセスを明らかにする、そして責任を持ってその実現を図っていくべきだと考えます。この点についての総理の見解をお伺いします。また、徹底的な改革を標榜されている野田自治大臣にもぜひこの点についての御見解を伺いたいと思います。
 これから進められる経済構造改革の重要な一環として、三十年以上続いたこのゆがんだ土地税制を一時に是正することは困難であるにしても、その是正を決断し、日本が土地本位制とそれに支えられる不健全な株価形成などから決別する決意を内外に示すことが不可欠であると考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 安全保障について一言だけ申し上げます。
 この問題は、突き詰めて考えれば、憲法並びに国連と日米同盟との間の関係の二点に絞られるかと思います。仮に、現在のように不明確な点を残したままで緊急事態が起こったとする。そうしますと、そこで国連と日米同盟のどちらに優先度を置くのか、憲法と超法規のどちらを選択するのかなどの極めて難しい選択を即座に行わなければならないという事態に至るおそれがあります。政府は、一体あり得るさまざまなシナリオを本当に考え詰めておられるのでしょうか。総理の御見解をお聞かせください。
 最後に、自民、自由両党の連立について申し上げます。
 参議院の選挙がありましたのはついせんだってのことである。その選挙の結果と一体どう関連するのかが極めてわかりにくい今回の連立は、やはり代議制民主主義のルール違反であることだけは指摘しておかなければならないと思います。その上で、筋ばかりに目くじらを立てるのはこの際やめておきましょう。政治で大事なのは結果責任でありまして、新しい内閣の行動を冷静に問うていくべきだと思います。
 しかし、考えてみると、この問題は衆議院と直結した政党間の参議院での議席数の優劣が引き金です。私どもは、申しておりますように、数の力をもって衆議院と同質の争いを行うのは参議院の使命ではない。力ではなく、個々の議員の見識と判断という権威をもって、抑制と補完の役割を果たすのが使命であると我々は信じております。
 変転する環境の中で、政党間の離合集散はしばらく避けられないでしょう。しかし、その動きに直結して参議院がぐらぐら動くのでは、日本の政治に重心がなくなってしまう。また、参議院の勢力分布に応じていわゆる政局が動くということになると、まさに不安定の増幅になります。
 本来の参議院の姿を取り戻すことこそが我々参議院の会の目標であることを改めて表明して、質問を終わります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#21
○国務大臣(小渕恵三君) 椎名素夫議員にお答え申し上げます。
 お答え申し上げます、こう言いましたが、なかなか難しい問題を提起されておりまして、みずから大変無味乾燥な御提案とおっしゃられましたが、私は、極めてクールな見通しを示されながら問題の本質をつかれたという認識を持ってお聞きいたしておりました。
 十一年度以降の財政のあり方につきましてのお尋ねがございました。
 私自身、しばしば御答弁申し上げておりますように、十一年度の予算につきましては、景気回復という一点に絞りましてあらゆる政策をここに集中的に実行していこう、こういう立場で予算の編成もさせていただきました。したがいまして、これまたしばしば申し上げておりますように、財政再建といいますか、大きな債務を負っておるこの状態について今後どのような考え方にのっとって進めていかなきゃならぬかということは、常に双肩にこの重き荷物をしょいながらもいたしていかなきゃならないという認識はいたしております。
 ただ、十二年度以降いかがなるか、こう言われますと、このことについて今申し上げられることは、十一年度の予算がすべからく効果を発揮し、民間の力も相まって、そして景気を回復し、そのことによって財源も確保できるように最大の努力をする、こう申し上げ、その確信を持って進んでいくということを申し上げざるを得ないと思っております。
 いろいろと諸外国の例等も勉強させていただいておりまして、いわばアメリカにおけるレーガノミックス等がございますが、しかしこのアメリカにおきましても、クリントン政権があの当時の双子の赤字を含めまして大きな財政赤字を抱えながらも今日になっております。もとより、アメリカと日本とを同一視することはできませんけれども、我々としては、そのよき点は学びながら、そして先般のワシントンでの大統領の演説を聞いておりますと、いかに黒字を消化するかという、そういう時代を迎えておることでございまして、いずれ我が日本の国もそう遠くない将来におきまして、財政赤字でなくして、いかに黒字を国民のために使えるか、こういう時代を一日も早く招来するために我々は全力を賭していきたい、こう申し上げさせていただく次第でございます。
 土地本位制といいますか、土地問題について御指摘がございました。
 大変このことも問題の本質に触れてのお話というふうに承らせていただきましたが、日本の経済の苦境の要因として、新しい経済社会について、我が国の経済に対して強気の期待、金融機関の活発な融資活動、長期にわたる金融緩和などが相まってバブルが発生いたし、その後遺症が景気の長期低迷の大きな要因になっていることは御指摘のとおりかと思います。今後は、緊急経済対策を初めとする思い切った諸施策を果断かつ強力に推進し、土地の値上がり益に依存することなく、我が国経済の再生を図っていくことが必要と考えております。
 そこで、固定資産税についてのお尋ねがありました。
 当時、御指摘のように、すべて諸外国のように土地に対する固定資産税を含めました各種の税制、これを賦課するということはなかなか困難な状況ではなかったかと思います。しかしながら、御指摘にもありました固定資産税につきましては、これまで地域による異なる地価高騰のもとで、いかに課税の公平を確保し、土地の適正な利用に資するかについて腐心いたしてきたところでありまして、平成六年度の評価がえにおきましても、地価公示の七割を目途に評価の均衡化、適正化を図る一方、税負担の急増を緩和する措置を講じたところでございます。
 また、平成九年度評価がえにおきましても、評価額に対する課税標準の割合の均衡化を図っていく調整措置を講じたところでありますが、平成十二年度評価がえに向けてさらに均衡化、適正化を進めるべく具体的に検討してまいりたいと思います。
 椎名議員御指摘のように、土地に対する評価というものがいわゆるバブル期に極めて大きなものになり、それに対する課税が適正であったかどうかという御指摘もございます。この問題は、なかなか一挙に大変な負担を所有者にかけるということも難しいことではありますけれども、こうした点につきましては十分注意をしながら、いかなる税率が適正であるかということにつきましては、十分検討していかなければならないことは申すまでもないと考えております。
 土地本位制からの脱却についてでありますが、バブル経済の崩壊後、地価の継続的下落により土地を担保とした債権が不良債権化したことなどから、昨年来、金融システムの再生のための法的整備や予算措置、資金供給チャンネルの多様化などを行ってきたところであります。今後は、緊急経済対策を初めとする思い切った諸施策を果断かつ強力に推進いたしまして、土地の値上がり益に依存することなく、我が国の経済の再生を図っていかなければならないと改めて考えた次第でございます。
 最後に、安全保障についてのお考えを申されました。
 我が国憲法下で日米安保体制を堅持し、節度ある防衛力整備に努めるとともに、国連協力を含めた外交努力を行うことを安全保障政策の基本としてきております。政府といたしまして、このような基本的方針のもと、いかなる事態に対しても万全の体制で対処し得るよう、一層堅固な安全保障体制の構築に努めていく考えであります。
 いずれにいたしましても、安全保障問題は国家にとって最重要な課題であり、この問題に造詣の深い椎名議員の貴重な御意見につきまして、今後とも強い関心を持って拝聴させていただいておるところでございます。
 御指摘のように、最終的には政治は結果責任、こういうことだろうと思います。そういう意味で、結果責任を十分果たし得るように、諸問題につきましても、今、議員の御指摘された諸点につきましても、十分検討させていただきながら誤りなきを期してまいりたいと思っております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせていただきます。拍手
   〔国務大臣野田毅君登壇、拍手〕
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野田毅#22
○国務大臣(野田毅君) 椎名議員の土地問題に関する御見識、お伺いをいたしました。
 御指摘のとおり、確かに土地にまつわるバブル発生の背景の一つに、土地に対する保有課税のあり方ということがあったことは否定できませんし、そういう意味で土地の保有が資産運用面で有利であったということは言えると思います。
 しかし同時に、それだけではなくて、長期にわたる金融緩和やあるいは銀行の融資態度など、金融的な要因によるところがバブル発生の背景としてはより大きなことがあったのではないかとも思います。
 現在の日本経済の低迷の要因というのは、バブル崩壊の後遺症ということだけでなくて、世界的な競争激化やあるいは少子高齢化などの流れの中で、我が国の経済構造あるいは社会構造を含め、あるいは行政、そういったあらゆる仕組みというものが壁にぶつかってきている、それを限られた時間の中できちんと仕組みからやり直さなければならぬ、そういう意味で、各般の構造改革を果断かつ迅速に並行して進めていかなければならぬというところにあると思います。
 そういう点で、この連立政権においてしっかりとその責めを果たして、成果が出るように努力をさせていただきたいと考えております。
 以上であります。拍手
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菅野久光#23
○副議長(菅野久光君) 峰崎直樹君。
   〔峰崎直樹君登壇、拍手〕
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峰崎直樹#24
○峰崎直樹君 私は、民主党・新緑風会を代表し、小渕内閣総理大臣の施政方針演説及び三演説に関連して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 さて、日本経済はいまだ長期の不況から脱却できず、正月明けから証券市場は低迷し、ハローワークには多くの人が押し寄せています。昨年十二月から長期金利も上昇基調に転じ、今後の経済に対する不安がますます高まっています。
 こうした状況が続いている最大の原因は構造的なものであり、国際的、国内的な金融システムの不安を放置し続けてきたことや、適切な産業構造の転換がなされなかったこと、さらに、国民が将来生活に不安を持つ中で生じているデフレスパイラルの存在にあります。
 この間、政府・自民党は、このような構造的な問題に何らメスを入れることなく、先送りや小出しの政策に終始し、従来型の公共事業を中心にした放漫財政を継続させ、雇用不安とともに人口予測の失敗による将来の年金についての不安を増大させてきました。このような構造的課題を何ら改革することなく、従来型の公共事業を踏襲したのが平成十一年度予算と言わざるを得ません。
 さて、総理は先日ヨーロッパ諸国を歴訪されましたが、そのヨーロッパでは、イギリス、フランス、ドイツを初め、次々と中道左派を標榜する社会民主主義政権が誕生しております。八〇年代にイギリスのサッチャー政権などが推し進めてきた新保守主義的な改革は、所得格差の拡大や公的医療、教育などの荒廃を招いたこと、また昨今のヘッジファンドが引き起こした世界的な金融危機の連鎖など、市場経済への信頼を覆す市場の暴力があらわになってきたこと、一国主義的マクロ経済政策の有効性の低下に対応して、EUのユーロのように、国民国家同士のリージョナルな結合が不可避になっていることなどが社会民主主義勢力台頭の要因になっています。
 総理は、こうしたヨーロッパ諸国を初めとする世界の動向について、どのような認識をお持ちになられたかをお尋ねいたします。
 次に、平成十一年度予算及び景気対策についてお尋ねいたします。
 私は、以下三つの点で、平成十一年度政府予算案の内容には重大な問題があると考えております。
 第一に、残念ながら政府予算案では、現下の不況を打開するのは到底不可能です。政府・与党は、必要とされる未来型の積極財政を、なりふり構わぬばらまき財政にすりかえています。予算案では、本格的な恒久減税や二十一世紀に求められる社会資本整備を中心とする財政構造の根本的見直しが先送りになり、最高税率だけの引き下げと上限つきの定率減税、土木事業を中心とした旧来型の公共事業など、効果も少ない、その場しのぎの対策が中心になっています。
 バブル崩壊後、百兆円を超える景気対策を講じながら十分な効果がなかったことについて、何の反省も見られません。これでは〇・五%の経済成長の達成は不可能と言わざるを得ません。総理、いかがでありましょうか。
 第二の問題は、政府予算案がかつてないほどの放漫財政に陥り、国家破産寸前の状態にまで来ていることであります。国債の大量発行によって債券市場の規律問題が生じてくることが懸念されます。
 かつてサッチャーやレーガンの時代に、財政赤字を吸収できなくなった中央銀行がインフレ政策をとろうとした際、債券市場が先に暴落をし、金利が上昇する結果を招きました。その結果、金利の上昇に歯どめがかけられなくなり、財政赤字の解消を大目標にせざるを得なくなったのです。
 不況に伴い、大型財政出動を大量の国債発行に依存するため、市中消化ができにくくなると同時に、郵便貯金の約二百五十兆円の残高のうち、大量に満期の来る西暦二〇〇〇年から二〇〇一年で約五十八兆円が郵貯から流出すると見られており、その分、資金運用部経由の国債引き受け能力が低下をいたします。郵貯の自主運用も始まります。
 そうなると、国債市場が暴落する危険性が増大をし、国債利子の上昇が金利の上昇を招き、企業の経常利益への圧迫という事態に至るおそれがあります。すなわち、国債利回りの上昇は、単に財政赤字がファイナンスできなくなるだけではなく、金利上昇効果を通じて企業倒産の増大を招き、そのことによって銀行の不良債権は再び増大し、金融問題は今後一層深刻化するのではないかという懸念があります。つまり、債券市場の規律問題が最大の焦点になってきているのではないでしょうか。これらの点について、総理の御所見をお尋ねいたします。
 私は、政府がビジョンも見通しもなく財政構造改革法を凍結したことは納得できません。今後五年間程度の財政展望を明らかにするとともに、凍結期間にこれまでの硬直的かつ固定的な手法にかわる新しい財政再建策を取りまとめるべきだと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
   〔副議長退席、議長着席〕
 第三の問題は、地方財政悪化の構造的要因について、政府が何ら対策を講じようとしていないことであります。
 本来、住民密着サービスを維持するためのものであるべき地方財政は、これまで政府が行った景気対策の中で、国の政策に追随すれば補助金の裏負担分の起債を許可され、おまけにその元利償還分まで交付税措置されるというような画一的な手法によって、政府の景気政策や産業政策の下僕の地位におとしめられてきました。その結果、必要性の薄い施策が累増しています。今日の地方財政の悪化は、まさに中央集権的な国家財政への地方財政の従属構造によってもたらされているものと断ぜざるを得ません。
 金融、経済のグローバル化の進展に伴い、もはや国民国家は、これまでのように国境管理を通じて資金の流れや税制をコントロールすることが容易ではなくなってまいりました。
 こうした中で、一方ではヨーロッパのように、国民国家同士がリージョナルな結合を強め、他方では税財源の地方移譲などを通じて地方分権を進めることにより、地方政府による行政サービスの現物給付などの社会的セーフティーネットを確立することが重要な政策課題であると認識されるようになってきました。
 総理は、現在の地方財政悪化の構造的要因についてどのように認識され、また、国と地方の税財源配分をどのように改革すべきとお考えでしょうか。
 さて、先日ある新聞のコラムで、就任直後の宮澤大蔵大臣が、私はにせものを褒める骨とう屋の主人ですなあと語ったことが紹介されていました。大変含蓄に富んだ宮澤大蔵大臣ならではの言葉と理解いたしましたが、大蔵大臣は、ただいま私が申し上げた予算案の三つの問題点についてどのようにお考えでしょうか、御所見を賜りたいと思います。
 次に、私は、政府・与党の税制改正案について、その問題点を指摘し、民主党の考えを申し上げたいと思います。
 政府・与党の改正案は、個人所得課税の減税を除いては、まさに民主党が昨年二月以来主張してきた内容をなぞったものとなっており、政府・与党がようやく我が国経済の深刻な状況と民主党案の正しさを認識し、重い腰を上げたと言えましょう。
 改正案の最大の問題点は、何よりもまず、個人所得課税について高額所得者優遇減税との強い批判を浴びている所得税、個人住民税の最高税率のみの引き下げを基本に据え、中低所得層については一時的な定率減税のみでお茶を濁しているというところにあります。民主党の主張してきた総合課税化による不公平是正など、抜本的な改革はすべて先送りにしております。ほかの先進諸国に比較して、我が国所得税の表面的な最高税率がなお高い水準にあることは周知のとおりでありますが、一方で金融資産からの所得は二〇%という低率分離課税とされています。
 また、我が国では、日銀の支店長の例にも見られるとおり、会社役員等に豪華な社宅が貸与されるなど、いわゆるフリンジベネフィットの多くが課税対象から抜け落ちてしまっております。フリンジベネフィットへの適正な課税など、課税ベースの拡大を図ることなくして最高税率のみを引き下げることは、税の不公平性を一層拡大するものと批判せざるを得ません。
 総理は、定率減税について、納税者ごとの税負担のバランスをゆがめないで減税できるという長所があり、課税ベース等の見直しを伴わずに恒久的減税を行う方式として適当だと表明しておられるようですが、これは、まさに政府の最高税率のみの引き下げが不適当であり、民主党案のように、各段階の税率を比例的に引き下げる方式が当面の是正策として適当であるということを、総理自身がお認めになったものと言えるのではないでしょうか。総理、いかがでしょうか。
 最近、我が国では所得や資産の上下格差が拡大しておりますが、今回の税制改正がこのことをさらに拡大してしまう危険性について、総理はどのようにお考えでしょうか。
 また、景気対策という面から見ても、相対的に消費性向の低い高額所得層に手厚い減税ではなく、民主党案のように、まさに国民の大宗を占める中低所得層の負担を軽減することの方が有効なのではありませんか。総理のお考えをお示しください。
 個人住民減税については、破綻のふちに立っている地方財政の危機的状況を無視するものであり、民主党は強く反対してまいりました。
 また、どうしても納得できないのは、最終段階で子育て減税と称して、扶養控除の十万円の引き上げ、特定扶養控除の五万円の引き上げが追加されたことです。総理は、今回の措置が課税最低限を一律に引き上げるものではないと説明しておられるようですが、従来から、政府自身が課税最低限を説明する際に、サラリーマン夫婦子供二人のいわゆるモデル世帯を用いてきたことを考えれば、全く苦しい詭弁としか言いようがありません。この点についての総理のさらなる明快な御答弁を求めます。
 民主党は、国民の将来不安解消につながる税制の抜本的な構造改革をできる限り前倒しで実現するという観点こそ重要であると考えております。
 個人所得課税については、税制の公平性確保と低中所得層も含めた負担軽減を実現すべきであり、その具体策として、納税者番号制度と総合課税化の三年以内の実施を明確にした上での所得税のすべての税率の引き下げを提案いたしております。中低所得層の負担増を緩和するとともに、税制の簡素化を図る方策としては、所得税の扶養控除の見直しと組み合わせて児童手当の抜本拡充による「子ども手当」の創設を提案しております。また、基礎年金財源の全額税方式導入に向けた消費税の福祉目的税化についても、直ちに実現すべき課題として提案しております。私たちは、今国会にこれらの法案を政府の関連法案への対案として提出する予定であります。
 児童手当の単なる拡充ではなく、これを所得税の人的控除のあり方の見直しなどの改革とセットで進めることは、今後の税制改革を考える上でも不可欠であり、また、それがヨーロッパ諸国などの趨勢であると考えております。児童手当と税制上の控除は、そもそも代替する制度ではないと言うのであれば、政府としてはどのように人的控除のあり方を改革しようとしているのか、きちんと対案を示すべきではないでしょうか。総理及び大蔵大臣の答弁を求めます。
 次に、今国会の大きなテーマである行政改革、地方分権について伺います。
 まずは行政改革の大前提であり、新たな「この国のかたち」を創造するために不可欠である地方分権について伺います。
 端的に伺います。総理は、地方分権を推進する気があるのかないのか。御存じのように、推進委員会は第五次勧告の取りまとめの中で、各省庁、族議員の激しい抵抗に遭い、刀折れ矢尽きてしまいました。さらには、粉骨砕身の努力を重ねてきた西尾座長の辞任という事態まで招いてしまったのです。このように、委員会が苦闘している間、総理は一体何をされていたのでしょう。西尾座長の辞任を引きとどめもせず、沈黙という形で官僚の抵抗を支持していたのではなかったのかという気さえいたします。総理は、このような事態を招いたみずからの責任をどう考えるのか、御答弁をお願いいたします。
 次に、行政改革です。
 昨年明らかになった大蔵省の多数の幹部職員の収賄、汚職問題をきっかけに、中央官庁の公務員人事のあり方も行政改革の大きな課題となっており、公務員の量的削減よりも、中央官庁の縦割りの人事制度、財投制度とともに密接にかかわっている特殊法人などへの天下り問題など、官僚人事システムのあり方を抜本的に見直すべきだと考えますが、総理のお考えをお示しください。
 次に、自民・自由連立協議で議題となった副大臣制度の導入について伺います。
 副大臣制度導入は、我が党の主張する官僚主導国家から国民主導国家への転換を果たすために重要なシステムの一つであり、我が党は一昨年、そして昨年と続けて国会にそのための法律案を提出いたしております。一昨年にこの法案を国会に提出した際には、現在連立政権の一方である自由党の皆さん方とも何度も協議を重ねて共同提案に至った経緯があります。そして昨年は、この皆さんと共同提案を行った法律案をほんのわずか修正したものを提出し、それが今国会においても継続案件として存在しております。この民主党の法案を速やかに成立させるべきと考えますが、総理及び野田自治大臣、いかがお考えでしょうか。
 なお、私は、日債銀問題についてぜひ一点お尋ねをしておきたいと思います。
 周知のとおり、長銀に続いて日債銀が昨年暮れに金融再生法に基づいて特別公的管理に移されました。その決定が公表される直前、それまで一日の売買が百数十万株程度で推移した日債銀株が、最後の二日間は一日で一千万株近く取引されるという状況があらわれました。特別公的管理の決定について、事前に情報を入手し得た者がインサイダー取引によって売り抜けたのではないかという疑念をぬぐうことはできません。この点について、金融再生担当大臣から明確な御答弁をいただきたいと思います。
 昨年末、政府は農政改革大綱を発表し、今国会はそれに基づく新農業基本法案が提出されようとしています。大綱は、今日の我が国農業の危機的状況を招いた戦後農政の総括についてはなされておらず、総花的に政策を並べた感が否めません。現行基本法農政のどこに問題があったのか、そして新たな農政はどのような哲学に基づいて、何を目指すのかを総理にまずお尋ねいたします。
 現行農業基本法にある農業と他産業との格差是正という国の目標は、新基本法の直接的所得補償政策や公益的機能などへの対価としてどのように評価されていくのか、農家の方々は不安な気持ちを強く抱いておられます。その点についての総理の明確な答弁を求めます。
 また、次期WTO交渉を見ながら、食糧生産の維持向上と、地方分権に基づく地域政策の展開を可能とする新しい理念に基づく新基本法を強く求めるものです。総理の御決意を求めます。
 最後に、私は昨年八月十二日、小渕内閣発足の際に代表質問に立たせていただき、総理に、どうか官僚の書いた答弁ではなく、みずからの言葉で答弁をいただきたい旨を求めました。残念ながら、その提案は生かされなかったのですが、民主党も提唱し、自自連立の合意にある政府委員の廃止、政治家同士の討論が実現されればそのことは可能となります。
 その際、ぜひとも改めてほしいことは、この本会議質問のあり方であります。イギリスの議会と同様、総理や各大臣、野党のシャドーキャビネットの担当大臣がまさに真剣勝負で論戦をするようにしていただきたいのであります。残念ながら、今の本会議のやり方では一方通行であり、事前質問通告を受けて、官僚が揚げ足をとられないようにつくった答弁書を読まれることで、論戦は全く迫力がなくなり、味気のないものに終始し、多くの聞いている議員も、思わず睡魔に襲われてしまうのが実情です。
 貴重な時間を浪費することなく、真に国民の負託にこたえるべく全力を挙げていくためにも、本会議の論議のあり方、そのためには議場のつくり方すら大きく変える必要があります。このことを最後にすべての議員の皆様にも御要望を申し上げ、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#25
○国務大臣(小渕恵三君) 峰崎直樹議員にお答え申し上げます。
 最後の点につきましては私がお答えいたすべきことでございませんが、私自身もこの壇上に立ちまして、長い間、従来とも国会のあり方につきましてもいろいろ勉強させていただいてまいりました。今後、この副大臣制度あるいは政府委員制度の廃止等が行われますれば、必ずや様相も変化するのではないかということでありますと同時に、我々政府にある者も心して国会に臨まなければならないという念を深くいたしておるところでございます。
 さて、第一の、ヨーロッパに参りましていろいろとどう考えたか、こういうことでありますが、なるほど社会民主主義の動向につきまして、EUの諸国では、第三の道を掲げましたブレア政権が誕生し、またドイツにおきましてシュレーダー首相ともいろいろお話しさせていただいてまいりましたが、この社民党主導の連立政権等、いわゆる中道左派政権、そう言っておりますが、そうした政権が多数となっていることは事実でありまして、これらの国々で特に教育、職業訓練あるいはまた社会保障の充実など、グローバル化の進展の中で競争力を維持しつつも、公正さや人間らしさを重視する考えが主流となっておるということであります。さきの訪欧におきましても、このことを私なりに実感いたしてまいったところであります。
 次に、十一年度予算についてでありますが、当面の景気回復に全力を尽くすという観点から、公共事業や中小企業対策、雇用対策に最大限配慮するとともに、特に科学技術の振興など、将来の発展基盤を確立する施策も十分取り入れたものと考えております。その一方で、財政構造改革の基本的考え方は維持し、限られた財源の中で経費の一層の合理化、効率化を図って、めり張りのきいた予算配分を行っておると考えます。
 平成十一年度予算案と政府経済見通しにつきましてでありますが、十一年度予算が厳しい経済・金融情勢を踏まえまして、いわゆる十五カ月予算の考えのもとに十年度三次補正の予算と一体的にとらえ、当面の景気回復に全力を尽くすとの観点から編成したものであります。
 具体的には、恒久的な減税を初めとして、国、地方を合わせて九兆円超の減税を実施するほか、公共事業について大幅な伸びを確保するなど、積極的な財政運営を行うことといたしております。これらの諸施策と民間の真剣な取り組みとが相まって、平成十一年度には我が国経済の実質成長率が〇・五%まで回復するものと確信をいたしております。
 次に、国債の大量発行についてでありますが、平成十一年度の国債発行額における民間消化分は総額六十一兆円を予定いたしております。その発行計画につきましては、市場関係者の意見等も踏まえ、償還年限の多様化等の安定消化のための方策を導入しつつ、市場のニーズを踏まえた償還年限別の発行額の設定を行ったところであります。また、実際の発行に当たりましては、市場実勢を反映した適切な発行条件の設定を行い、確実かつ円滑な消化を図ってまいりたいと考えております。
 今後の財政展望を明らかにし、新しい財政再建策を取りまとめるべきではないかとのお尋ねであります。
 財政構造改革法は、我が国の厳しい経済情勢を踏まえ、景気回復に向け全力を尽くすため、これまでこれを凍結いたしたところではありますが、これまたしばしば申し上げておりますように、将来世代のことを考えますと、この財政構造改革という大きな重い課題を背負っておると痛感いたしておりまして、日本経済が回復軌道に乗りました段階に、財政、税制の諸課題につき中長期的な視点から幅広くしっかりとした検討を行い、国民の皆様にそのあるべき姿を示していかなければならないと考えております。
 地方財政につきましての認識と国、地方の税財源の配分についてのお尋ねでありました。
 現在の我が国経済の厳しい状況によりまして、地方財政は巨額の財源不足が続き、借入金などが急増するなど、極めて厳しい状況にあると認識いたしております。したがいまして、地方財政の運営に支障が生じないよう十分配慮しつつ、緊急経済対策を初めとする諸施策を実施することにより、まずは景気を回復軌道に乗せることが必要であると考えます。
 また、地方税財源の充実確保は、地方分権を推進する中で極めて重要な課題であります。今後とも、地方分権推進計画に沿って、国と地方公共団体との役割分担を踏まえた地方税、地方交付税等の必要な地方一般財源の確保に努めるとともに、中長期的に国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら、地方税の充実確保を図るべきものと考えます。
 今回の恒久的減税についてのお尋ねでありました。
 個人所得課税につきまして、将来の抜本的な見直しを展望しつつ、現下の厳しい経済情勢にかんがみ早急に税負担の軽減を図る観点から、最高税率の引き下げ、定率減税等、期限の定めのない恒久的減税を実施することといたしたところであります。
 最高税率の引き下げは、我が国の将来を見据え、国民の意欲を引き出す観点から行うものであります。また、中堅所得者に配慮し、定率減税には頭打ちを設け控除率をある程度大きくするとともに、扶養控除額の加算等を行うことといたしております。
 総合課税化につきましては、今後、納税者番号制度等の取り組みも含め、理論面、実態面から十分検討を進めていく必要があります。
 最高税率の引き下げと定率減税についてでありますが、最高税率の引き下げは、我が国の将来を見据えて、国民の意欲を引き出す観点から行うものであります。また、定率減税は、納税者ごとの税負担のバランスをゆがめないで減税を行うことができるという長所があり、今回のように景気の現状に配慮して、課税ベースや課税方式の抜本的見直しを伴わずに恒久的減税を行う方式として定率減税が適当と考えられます。
 いずれにいたしましても、税率構造のあり方につきましては、課税ベースや課税方式のあり方とあわせて、今後、我が国の経済社会の構造的な変化、国際化の進展等に対応した抜本的改革へ向けて、腰を据えて検討を行っていく必要があると考えます。
 今回の税制改正案で所得や資産の格差が拡大するのではないかとお尋ねであります。
 先ほど申し上げましたとおり、今回の見直しにおける最高税率の引き下げは、我が国の将来を見据え、国民の意欲を引き出し、経済社会の活力を高める観点から行うものであります。また、定率減税には頭打ちを設け控除率をある程度大きくするとともに、扶養控除額の加算等を行うことにより、中堅所得層や子育て、教育等の負担のかさむ世帯に配慮することといたしております。
 今回の減税の影響、効果についてのお尋ねでありました。
 今回の個人所得課税の見直しは、将来の抜本的見直しを展望しつつ、現下の厳しい経済情勢にかんがみ早急に税負担の軽減を図る観点から、最高税率の引き下げ、定率減税等、期限の定めのない恒久的な減税を実施するものであり、このような大規模の減税を一時的でなく期限を定めず継続して実施することにより、消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。
 課税最低限の引き上げについてでありますが、一定の扶養控除額の加算によって、結果として子供を扶養する世帯の課税最低限が若干上がることは事実でありますが、こうした措置は課税最低限を一律に引き上げるものではなく、我が国における少子高齢化の進展という経済社会の構造変化のもとで、現在の景気の状況を踏まえ、子育て世帯への配慮や教育費などもろもろの支出のかさむ所得層への配慮として特定の世帯を対象に行うものであり、適切な措置であると考えております。
 人的控除のあり方についてのお尋ねでありますが、個人所得課税におきまして基礎的な人的控除を差し引くことによりまして、担税力の調整を行いながら課税所得を確定するというのが基本的な考えであり、子供のいる納税者については、子供の数に応じた扶養控除等を設けておるところであります。
 いずれにいたしましても、広く社会の構成員で、それぞれの経済力に応じて公平に負担し合う基幹税たる個人所得課税の課税ベースのあり方につきましては、抜本的改革へ向けて腰を据えて検討を行っていく必要があると考えております。
 次に、地方分権についてでございます。
 地方の自主性、自立性を高め、住民に身近な行政はできる限り住民に身近な地方公共団体が責任を持てる体制をつくるため、地方分権を強力に推進していくことは重要であると考えております。
 地方分権は二十一世紀にふさわしい我が国の基本的な行政システムを構築するものでありまして、地方分権推進計画の内容を踏まえた関連法案を今国会に提出するなど、同計画を着実かつ速やかに実施し、地方分権を積極的に推進してまいります。
 地方分権推進委員会の第五次勧告についてお尋ねがございました。
 第五次勧告につきましては、同委員会におきまして、関係省庁とも十分な議論を経た上で、できる限り努力を重ねた結果、昨年十一月十九日に勧告をいただいたところであります。政府といたしまして、第五次勧告を最大限尊重することとし、平成十年度内にこれに対応する地方分権推進計画を作成することとし、地方分権の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 西尾座長の辞任につきましても御指摘がございました。
 この点につきましては、委員会が自主的に設けました作業班的なグループの一つである行政関係検討グループの座長を退かれたということでありますが、引き続き同委員会の委員として御活躍されておると承知いたしております。
 公務員制度改革についてお尋ねがありました。官僚の人事システムのあり方等抜本的に見直すべきだ、こういう御所見であります。
 行政を支える公務員制度の改革は、行政改革の一環として重要な課題であり、御指摘のように縦割りの弊害是正や退職管理の適正化も重要な視点の一つとして考えております。
 現在、公務員制度調査会におきまして、公務員制度とその運用全般の見直しを行っておりまして、本年度内にその答申を得まして、改革を着実に進めてまいりたいと思います。
 次に、副大臣等の導入につきましてでありますが、与党両党間におきまして、二〇〇一年一月一日の省庁再編にあわせ、政務次官を廃し、新たに副大臣及び政務官を導入することとし、今国会において議員立法を提出し、成立させるとの合意が両党でなされたところでございます。これは、国民に直結した政治に転換し、迅速な政策決定を可能にしたいという考えからであります。
 今後、この合意に基づきまして、与党におきまして議員立法の作業が進められるものと考えておりまして、今国会におきまして成案が得られ、実現することを期待するものであります。
 次に、農政についてお尋ねがありました。
 現行の農業基本法は、消費者の視点が不十分であるなど、経済社会の変化の中で実情にそぐわないものとなっております。このため、食糧の安定供給と農業農村の多面的な機能の十分な発揮を図るという基本的考え方に立ちまして、我が国農業の持続的発展を目指し、新たな基本法の制定等に取り組んでまいりたいと思います。
 農業と他産業との格差是正についてお尋ねがありましたが、生産性の格差是正はなお改善の余地がありますものの、農家と非農家の所得水準の格差はおおむね解消されつつあると考えております。今後、農業の生産性の向上に努めるとともに、意欲ある担い手の農業経営の安定と発展が図られますよう、経営政策の体系的整備に取り組んでまいります。
 食糧生産などについてのお尋ねがありました。
 新たな基本法におきまして、今後の国際化の進展、世界の食糧需給事情等を念頭に置き、食糧の安定供給と農業農村の多面的な機能の十分な発揮を図るという考え方に立ちまして、消費者ニーズに即した国内農業生産の維持増大を図るとともに、地域の条件や特色を生かした農業の展開等により、我が国農業の持続的発展を目指してまいりたいと思っております。
 以上、答弁とさせていただきますが、残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
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宮澤喜一#26
○国務大臣(宮澤喜一君) 私にお尋ねのございました三問は、総理大臣にお尋ねになられましたのと同じ問題でございますが、なるべく重複いたしませんように申し上げますが、今度の予算でやれるかねというお尋ねであったわけです。
 公共事業につきまして、予備費五千億合わせまして一〇%、これは予算ベース、実質ベースとも一〇%でございますから、公共事業はいろいろと言われましてもやはり地方の雇用、景気には相当影響がございます。
 それから、雇用対策に補正と合わせて一兆円というのは、金額としては私はこれは画期的なことだと思いますので、うまくこれが使えるか、実際にミスマッチにならずに使えるかという問題はございますけれども、これも一つの特色と存じます。
 それから、減税の規模、減税に問題はあるとおっしゃいましたが、そうでございますが、九兆円というものはかなり大きな規模があるというようなことが特色と思います。
 それから、しかし何といっても市場経済の国でございますから、いわゆる金融関連の金融システムがうまく動く、そして貸し渋り等が保証などで比較的この間のような詰まりにならないようにいくというようなことをいろいろ考えまして、まあこれでいけるんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。
 それから次に、国債の大量発行についてお尋ねがございまして、ことしの民間消化分が六十一兆でございますが、これはシンジケートの方とお話をして、金額としてはまあ問題なかろう。そこで、あとは条件を実際の金利に従ってクーポンレートなりなんなり無理をしないで発行していけばいいということで、総体については心配をいたしておりません。
 昨年の暮れに、先ほどお述べになられましたように郵便の定額貯金分がかなり来年度、十二年度は外へ出るだろうと、それは私どもも思っておりますから、十二年度の資金運用部の資金量はどうも十一年度のようなふうにはもういくまいと思いまして、十一年度から国債の引き受けを抑えたわけでございます。そういうことがございましたものですから、多少、昨年末に金利が上がりました。こういうことはございましたが、今のところはクーポンレートを二%にしまして出しましたから落ちついておりまして、いっとき一%を割るというようなことは、これは永続するものでもないんだろうと思いますので、今後金利が引き続いて上昇して民間の資金需要とぶつかる、妨げるというようなことはないのではないかと思っております。もちろん、よく気をつけてやってまいります。
 それから、地方財政はおっしゃいますようにこれは実は大変なピンチでございまして、国の財政も悪うございますが、地方も殊に今度は富裕団体が法人税、法人事業税の関連で非常に不振でございますから、このたびは特例としてそういう団体のために地方特例交付金を出したり、あるいはたばこ税を入れかえましたり、法人税の上乗せ、交付税率の上乗せをしたりいたしまして、自治大臣と今度のところのお話はつきましたが、景気が回復をいたしませんと国と同じような実は問題が地方にある、大変これは心配すべき問題でございます。来年度の分はともかく処理をいたしましたけれども、注意していかなければならない問題と思います。
 最後の問題は、これは違いまして児童手当のことについてお尋ねになりました。
 これは難しい問題だと思いますが、我が国などの場合には、所得税はやはり応能負担の能力という観点からいえば、子供さんがいるということはそれだけ負担能力が減るわけでございますから、そういう意味で控除をいたしております。また、別途児童手当というものも支出をしておる。我が国はそういうことでございますけれども、アメリカあたりでございますと、児童手当というものはない。むしろ税金の方で人的控除と扶養子女税額控除という税金の方で処理しておるようでございます。イギリスは、逆に児童手当は歳出面で全部やっておりまして税制面ではない。かなり国によって違っておりまして、我が国は両方やってきたということでございます。
 しかし、おっしゃいますように、これから先のことを考えてまいりますと、その辺の考えは少し整理をしていった方がいいと、きっとそうおっしゃったんだと思いますが、私もその点はそう考えております。拍手
   〔国務大臣野田毅君登壇、拍手〕
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野田毅#27
○国務大臣(野田毅君) 副大臣制度導入についてのお尋ねでございます。
 政府委員制度の廃止と副大臣制度などの導入は、明治以来の官僚主導、行政優位のシステムを国民に直接に責任を負う政治家が国政を決定するシステムに改めるというものであって、画期的な改革であると考えております。今回の自由党と自民党との政策協議において、政府委員制度の廃止と副大臣制度などの導入に合意したことは、政治的に極めて大きな前進であると考えております。
 担当大臣である私としましては、自民、自由両党間の合意として議員立法で行うことといたしておりますし、御指摘ございましたように、民主党の皆さんも同様の提案をされておるわけであります。今後、今国会において一日も早くこの改革が実現されることを強く願うものであります。拍手
   〔国務大臣柳沢伯夫君登壇、拍手〕
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柳沢伯夫#28
○国務大臣(柳沢伯夫君) 日本債券信用銀行の特別公的管理移行決定直前の株式の取引につきましてお尋ねがございました。
 証券市場におきます取引に係るインサイダー規制等、公正に係るルールの遵守状況につきましては、現在は証券取引等監視委員会という機関におきまして日常的に幅広く監視をいたしております。このような監視活動の中で、仮に取引の公正を害する悪質な違法行為が認められる場合には、告発して刑事訴追を求めるなど、厳正に対処することになっております。
 このような行政の性格からいたしまして、私ここで個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただくほかないわけでありますが、この方針の適用につきましては、いずれの事案に対しても例外はないということを申し上げて、答弁とさせていただきます。拍手
    ─────────────
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斎藤十朗#29
○議長(斎藤十朗君) 吉川芳男君。
   〔吉川芳男君登壇、拍手〕
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