山本正和の発言 (本会議)

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○山本正和君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、平成十一年度予算三案に対し、反対の討論を行います。
 今日、我が国の置かれている状況について、国内外を超えてさまざまな意見が交わされています。二十一世紀日本は消えるなどと論じている学者もいます。経済の混迷とともに、国民の間に我が国の未来についての不安が広がりつつあるのではないでしょうか。
 一方、国際社会においても、アメリカの異常とも言える株式の高値に対する警戒感、ヨーロッパにおけるユーロ経済圏の将来についてのさまざまな議論、そして各地における民族、宗教が絡んだ武力紛争、飢餓、悪疫の流行と、まさに世紀末的現象と言える状況にあります。
 我が国が敗戦の荒廃の中から平和国家日本の道を歩んで半世紀を超えました。国民のたゆまなき勤労がGDP世界第二位の国を築き上げたのであります。また、我が国は世界最高の外貨準備高を持ち、最大の対外純資産を保有し、規模は縮小したとはいえ貿易黒字は拡大し続けています。
 しかし今日、バブル経済の崩壊、莫大な不良債権、さらにはデフレスパイラルとさえ言われる困難な状況を迎えています。しかも、この数年間の総額百兆円を超える景気対策にもかかわらず、なお不況の状況があるのであります。
 平成十一年度国家予算は、こうした状況に対して、我が国がどう対処するのかということが問われていると言わなければなりません。また、二十一世紀を展望しつつ、国民に対して、また、国際社会に対して大きな責任を持つものでなければならないと思います。今は、二十一世紀に向けて日本の構造転換の時期であります。この経済の大変動期にこの予算はこたえていると言えるのでありましょうか。その場しのぎの従来型からの脱皮はほとんどなされていないと言わなければなりません。
 振り返りますと、我々は今日まで大きな経済危機、構造転換を乗り越えてまいりました。一九六〇年代、七〇年代における繊維業界の構造転換期には、我が国はいわゆる繊維新法と特繊法によって構造改善を行い、この二法の関連予算として当時の額で三千五百億円、平成十一年度の予算に換算すると二兆三百三十億円という予算を費やして産業の振興を図ったのであります。
 また、一九六〇年代のいわゆるエネルギー革命の時代、我が国は大変な努力をして石炭産業の合理化を進めながら、エネルギー供給の中心を石炭から石油へと転換していったのであります。三次にわたる石炭対策だけでもおよそ二千八百億円、今年度予算に換算いたしますと三兆円という膨大な予算をつぎ込んだのであります。
 政府は、産業構造の変化とその未来展望のもと、大胆にその予算を振り分ける勇気を持たなければなりません。このように、我が国においては大きな産業の転換期に当たり、新産業の勃興を促進し、また旧産業の補助、整理を援助してまいりました。
 我が国の製造業の水準は、今日まで国際的に高い地位を占めてきました。自動車、電機、半導体、さらに素材産業等がそれであります。しかし、二十一世紀に入ろうとしている今日、これらを含めて抜本的な構造改革が迫られています。製造業を初め、今日我が国が抱える基幹産業の構造改革の支援、新エネルギーの開発に対して大胆な予算措置を講ずべきであります。そしてそのことが、新しい企業が起こり経済の活性化につながることは明らかであります。
 新しいエネルギーや環境の問題は、地球における人類生存の大きな課題となっています。二十一世紀は、従来の石炭、石油、原子力に依存したエネルギーからの新たなる飛躍が求められる時代であります。なかんずく、太陽エネルギーの普及促進は重要課題であります。
 我が国は、原発には三十年で三十兆円の予算を講じてまいっておりますが、太陽エネルギー関連予算は二十五年間にわずか一千三百億円にすぎません。アメリカでは、クリントン大統領が百万棟の建築物に太陽光発電装置を設置するミリオン・ソーラー・ルーフ計画を発表し、既に太陽エネルギー関連予算を前年度より二〇%増額しております。しかるに本予算案では、太陽光発電関係予算は前年度比わずかの増額にすぎず、国際的にも立ちおくれている状況であります。
 太陽光発電、風力発電を初めとする再生可能エネルギーの導入が進めば、新規雇用が創出され、景気対策となるだけでなく、CO2排出量の削減にも貢献し、環境問題にも効果があることは明らかであります。足りないのは実行せんとする政治的意欲のみであります。
 政治は、現実を直視し、実態に即したものでなければなりません。しかし同時に、理想を掲げ、国民に対して未来への展望を示すものでなければなりません。
 予算は政治の反映であります。本予算案は、税制、年金、防衛その他多くの問題を抱えているのみならず、以上申し上げました未来への展望を示していない予算案と言わざるを得ません。
 平成十一年度予算案は抜本的に組み替えるべきであることを強調して、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 山本正和

speaker_id: 17315

日付: 1999-03-17

院: 参議院

会議名: 本会議