野呂田芳成の発言 (本会議)

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○国務大臣(野呂田芳成君) 能登半島沖の不審船舶に対する防衛庁の対応、その経過等についてのお尋ねでございますが、昨日、警戒監視活動実施中の海上自衛隊の航空機P3Cが二そうの不審船舶を発見いたしました。このため、訓練に向かっていた護衛艦を現場に向かわせ、不審船舶を確認し、海上保安庁に通報した概要は以下のとおりであります。
 まず、海上自衛隊の航空機P3Cが午前九時二十五分ごろ、能登半島東方約二十五海里の領海内において漁船二そう、これは第二十八信盛丸、第二大和丸でございますが、これを発見、以後、現場に進出した護衛艦「はるな」が午前十一時ごろ船名を確認、直ちに海上保安庁に連絡したところであります。
 海上自衛隊の航空機P3Cがさらに午前六時四十二分ごろ、佐渡島西方約十海里の領海内において漁船一そう、これは第一大西丸でございますが、これを発見、以後、現場に進出した護衛艦「はるな」が十二時十分ごろ船名を確認、十三時ごろ海上保安庁に連絡をしたところであります。
 九時二十五分から飛行機で確認し不審に思ったんですが、さらに艦艇を使って、「はるな」が接触をし船名を確認したところであります。
 また、第一大西丸につきましては、午前六時四十二分ごろ、かなりの船舶の中に不審船らしいものを発見しましたが、これを確認するために「はるな」が接近しまして、十二時十分ごろ、船名を確認したところであります。
 その結果判明したことは、第二十八信盛丸は、現に我が国で実在する船であるということが判明いたしました。しかしながら、第二大和丸につきましては、実在の船が別にありまして、この不審漁船は名前を詐称しているという事実が判明いたしました。それから第一大西丸は、既に平成六年に廃船をしておりまして、我が国にさような船は存在しないということが判明した次第であります。
 私どもは何でこのような船が不審船と考えたかということでありますが、第一は、大変漁船にふさわしくないアンテナなど、高度の情報収集の機能を備えていることが判明したということが一つであります。
 それからもう一つは、漁船の格好をしながら漁具、漁網というものを一切持っていないということが不審の原因であります。
 そしてまた、漁船は通常十ノット程度のスピードしか有しないのでありますが、これは最大三十五ノットの大変な機能のいい高速機能を持っているということであります。
 それからもう一つは、私どもが常習的に行っている監視によりまして類似の不審船が何度か確認できているということであります。
 こういうことで、私どもは、第一義の責任者である海上保安庁に不審の情報を詳細に送ったわけであります。
 さらに、お尋ねは、超法規的措置がとられたかとか、あるいは今後の法整備の問題についてお尋ねでございましたが、私どもは自衛隊法の八十二条を適用いたしまして、「長官は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。」という規定を適用した次第であります。
 まず、本日の零時三十分ごろ、運輸大臣から、海上保安庁ではなかなか対応が難しい状況にあるから海上自衛隊の方に出動をお願いしたいという要請を正式に受け取りました。零時四十五分に、安全保障会議や閣議決定がなされました。そして零時五十分には、海上警備行動の命令を発信したところであります。
 第二大和丸につきましては、私どもも必死に追跡し、停船命令あるいは警告射撃もしたわけでありますが、それにもかかわらず防空識別圏を越えまして北朝鮮方向に逃走した次第であります。
 これ以上の追跡は相手国を刺激し、事態の拡大を招くおそれがあると判断したので、午前三時二十分、追尾を中止したところであります。
 その際、第二大和丸に対し海上自衛隊の護衛艦「みょうこう」は五インチ砲による警告射撃を十三回、それから百五十キロ爆弾四発をもって警告を発したわけであります。
 また、第一大西丸に対しては、我が国の護衛艦「はるな」が追跡、停船命令あるいは五インチ砲を六回にわたって警告射撃を行ったところであります。
 その後、第二大和丸を追尾していた「みょうこう」を「はるな」、「あぶくま」とともに第一大西丸の追尾に当たらせ、全力を挙げて停船の実施に夜を徹して当たらせましたが、その際、合計十二回二十二発を発射する警告射撃を行い、百五十キロ爆弾を二回計八発を投下し、全力を尽くして停船を求めましたが、第一大西丸はこれを無視し、午前六時六分、我が国の防空識別圏を越えて北朝鮮方向に逃走しました。
 これ以上の追跡は、第二大和丸の場合と同じ観点から、追尾を中止するのやむなきに至ったところであります。
 昭和二十九年に自衛隊が発足後、四十五年を経過しましたが、今回初めて自衛隊法八十二条の海上における警備行動を発動したところであり、結果は十分に武器の使用ができない等の法律上の制約が厳然としてありますので不審船の逃走を許したが、この種の事案に対し、海上保安庁の対応だけでは不十分な場合には自衛隊がこれに当たるという断固たる我が国の決意を内外に示したことは、今後、この種の事案の発生に対する極めて大きな抑止力になるものと確信しております。
 最後に、海上保安庁と海上自衛隊の連携の緊密化の問題についてでありますが、私どもは平素からその緊密化を図っているところでありますが、この第一義の所管官庁である海上保安庁と防衛庁の緊密な連携のあり方等については、今後さらに、今回の経験を踏まえ、遺漏のなきよう万全を期してまいりたいと思っているところであります。(拍手)
   〔国務大臣宮下創平君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114515254X01019990324_010

発言者: 野呂田芳成

speaker_id: 8267

日付: 1999-03-24

院: 参議院

会議名: 本会議