本会議

1999-03-24 参議院 全109発言

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会議録情報#0
平成十一年三月二十四日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十号
  平成十一年三月二十四日
   午前十時開議
 第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館
  に勤務する外務公務員の給与に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第二 経済社会の変化等に対応して早急に講ず
  べき所得税及び法人税の負担軽減措置に関す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の
  被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関
  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
  、衆議院送付)
 第四 有価証券取引税法及び取引所税法を廃止
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 関税定率法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第六 国際開発協会への加盟に伴う措置に関す
  る法律及び多数国間投資保証機関への加盟に
  伴う措置に関する法律の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 電子情報処理組織による税関手続の特例
  等に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第八 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原
  諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第九 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一〇 地方税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一一 地方交付税法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第一二 地方特例交付金等の地方財政の特別措
  置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一三 放送法第三十七条第二項の規定に基づ
  き、承認を求めるの件(衆議院送付)
 第一四 雇用・能力開発機構法案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第一五 恩給法等の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一六 中小企業経営革新支援法案(内閣提出
  、衆議院送付)
 第一七 中小企業総合事業団法案(内閣提出、
  衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、北海道開発審議会委員の選挙
 一、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法
  律等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、不正競争防止法の一部を改正する法律案及
  び訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の
  一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、国民年金法等の一部を改正する法律の一部
  を改正する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
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斎藤十朗#1
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 この際、来る四月七日に任期満了となる北海道開発審議会委員二名の選挙を行います。
 つきましては、北海道開発審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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斎藤十朗#2
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、北海道開発審議会委員に中川義雄君及び小川勝也君を指名いたします。拍手
     ─────・─────
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斎藤十朗#3
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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斎藤十朗#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。中川農林水産大臣。
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
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中川昭一#5
○国務大臣(中川昭一君) 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案につき、その趣旨を御説明申し上げます。
 米穀は、国民の主食としての役割を果たすとともに、我が国の農業生産において基幹的地位を占める重要な作物であり、ウルグアイ・ラウンド農業合意におきましては、関税化の特例措置を適用することとしたところであります。
 関税化の特例措置の実施状況について見ますと、ウルグアイ・ラウンド農業合意を受けてミニマムアクセス米の輸入を開始して以来三年余り経過した中で、一部低価格米に対する需要が見られる一方で在庫が増加している等外国産米に対する需要実態がある程度明らかになってきたこと、ミニマムアクセス米の輸入数量が年々増大し、このままの量的拡大が見過ごせない状況となってきていること等の事情にあります。
 このような特例措置の実施状況、国内の米穀の需給状況等を総合的に勘案し、また、次期農業交渉の開始を一年後に控え、関係者間で行われた真剣な議論の結果も踏まえて、我が国の国益にとって最善の選択として、平成十一年四月から関税措置への切りかえを行うこととしたところであります。
 これに関連する国内法律の改正につきましては、関税措置への切りかえに伴う制度改正の全体像を明らかにする観点から、これらを一括法として整理することとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の改正であります。
 米穀の輸出入の許可制を廃止し、これに伴い許可を受けて輸入された米穀の政府への売り渡し義務を廃止するとともに、米穀等を輸入しようとする者から納付金を徴収することができるようにするほか、米穀の輸出入について届け出制を導入することとしております。
 第二に、関税定率法の改正であります。
 米穀等につき、基本税率を設定することとしております。
 第三に、関税暫定措置法の改正であります。
 米穀等について、暫定税率を設定するとともに、特別緊急関税制度の対象とすることとしております。
 以上、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案につき、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。拍手
    ─────────────
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斎藤十朗#6
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。郡司彰君。
   〔郡司彰君登壇、拍手〕
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郡司彰#7
○郡司彰君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 質問に先立ちまして、昨日、日本海において不審船二隻が日本領海を侵犯する事態が発生し、海上保安庁の巡視船が威嚇射撃を行うとともに、海上自衛隊の護衛艦が警告射撃等を行ったとの報道がありましたが、現時点までの経過を報告していただきたい。
 さらに、この事態について超法規的措置がとられたかどうか。今回は海上保安庁と海上自衛隊の連携は緊密にとられていたようですが、以前にこのような事態が生じた場合も、今回同様に海上保安庁と海上自衛隊の連携は緊密にとられていましたか。さらに、今後このような事態が生じた場合の今後の法整備上の問題があるのか、政府の方針を総理及び防衛庁長官より明確に回答していただきたい。
 本論に戻ります。
 本法律案は、昨年十二月十八日の決定に至るまで、九月以降、与党、農林水産省、農業団体の間で協議されてきたと言われています。問題なのは、ウルグアイ・ラウンドのときも、これまでもそうであったように、広く国民の間にすべからく情報公開しない体質にあり、しかも最後の段階でこれ以外の方法はない、これが最善だという手法がとられていることであります。
 もとより、農業予算や食糧に関して、都市と農村、消費者と生産者の間では以前から相反する意見が多いと言われてきましたが、本来、食糧は国民全体の問題であり、今日の現状は農政の軸を示さずに来た不幸な結果ではないでしょうか。
 先般出された基本問題調査会答申の中では、これからは政策決定過程の透明性を確保しなければならないと述べていますが、総理並びに農林水産大臣のお考えを伺います。
 次に、一九九三年十二月のUR農業合意についてであります。
 十五の交渉分野のうち、特に農業に関しては最後まで調整に手間取るなど、各国の利害が真正面から衝突するものでありました。そのような中、日本におきましても三度の国会決議をもほごにし、歴史的にも文化的にも関係の深い主食である米の輸入問題について、最後には苦渋の選択を決断しました。そこでまず、UR農業合意を現在の政府の責任者としてどのように評価しているのか、総理に伺います。
 さらに、農林水産大臣に伺いますが、その後の対策として、我が国農業の体質強化を図る目的で六兆百億円の特別対策費を講ずるとされましたが、予算は専ら既存の公共事業の上乗せに振り向けられ、優良の農地保全や担い手・後継者確保、農家負債対策等の緊急措置に対する重点配分がなされていないため、目立った効果も上げられず今日に至っています。
 農家の方々は農林水産大臣に、この間の農政の見通しの甘かったこと、施策が思うような効果を上げていないこと、今回の関税化への転換は拙速であったことについて率直に申しわけないと言ってほしいと思っています。つまり、これまでの農政に対する総括が一度もされていないことが農政に対する信頼回復や自信がわいてこないことにつながっていると思いますが、どうでしょうか。
 次に、法案の内容について伺います。
 政府は、関税化に当たり、九九年度の二次税率を三百五十一円に設定しようとしていますが、既にアメリカはあからさまな不満を表明しており、現在WTOに対し異議申し立てなどで承認を留保したのは、オーストラリア、ウルグアイ、アルゼンチン、EUの四カ国・地域であります。もとよりアメリカは、二百九十二円のマークアップ分についてもダーティータリフィケーションと言ってきたわけであります。いわば、一連の流れを改革過程の継続だと見ているわけでありますが、農林水産大臣は今回の異議申し立てと見通しについてどうお考えでしょうか。
 高関税率の維持についても、かつての牛肉自由化とその後の経過を見るならば、大いに疑問であります。九一年四月に牛肉が自由化されたとき、当初、関税率は七〇%でした。翌九二年には六〇%、九三年には五〇%と、猛烈な勢いで引き下げられました。その結果、八五年当時七二%という高い自給率だった我が国の牛肉生産は、現在三六%にまで落ち込んでいるのであります。関税化に移行した品目の国内生産が破綻した典型的な例がここに示されています。このような例を見るならば、政府の見通しは余りにも楽観的に過ぎるのではないでしょうか。
 関税化に移行した場合のMAの継続も大きな問題です。今回、政府が関税化に踏み切ろうとしている主な理由がMA米の過剰にあることは、これまでの説明でも明白であります。MAがなくなるか段階的に削減されるならばまだしも、関税化受け入れ後もMA米の輸入量は二〇〇〇年まで増加し続けることが確定している上に、その後も消費量の七・二%で固定化されるのであれば、我が国農業に与える影響は極めて深刻であります。
 本来、MAはアクセス機会の提供であり、輸入義務を課しているわけではありません。MA制度の見直しについてどのような展望をお持ちでしょうか。農林水産大臣の答弁をお願いいたします。
 次に、関税化の議論と並行して生産調整、いわゆる減反政策のあり方が問われています。
 いざというときの食糧供給体制は農政の基本であります。そのためには、生産を食糧農産物にシフトさせることが重要であり、ふだんから優良農地を確保していくことが重要であります。農地の中でも、大切な役割が水田にあります。つまり、栄養バランスにすぐれた米で、少なくとも一定のカロリーを確保するということであります。当然、現在の一千万トン体制から三、四割くらいは増産可能な農地を確保しなければなりません。生産調整は食糧安保の観点から国民のための施策であるとの認識に立ち、農家のためだけではないことを明言すべきと思いますが、農林水産大臣の明確な考えをお示しいただきたい。
 次に、次期WTO農業交渉に臨む政府の態度についてお伺いいたします。
 次期農業交渉では、米国等の輸出国は、我が国に対して国家貿易の廃止や高関税率の引き下げなど、強く迫ってくるものと思われます。一方、我が国は、総理の諮問機関である基本問題調査会の答申においても、「国際的なルールの形成に当たっては、我が国の立場や主張を最大限反映させる」と述べるにとどまり、何ら方針を示していません。
 今国会では新たな農業基本法案の審議が予定されていますが、我が国の態度を明らかにするためには、法律の前文に、食糧自給政策の確立は主権国家としての当然の権利であることを明記すべきであり、あわせて交渉に臨む我が国の姿勢や農産物貿易に対するルールのあり方についてもこの際徹底的に議論すべきと考えますが、総理並びに農林水産大臣はいかがお考えでしょうか。
 次に、農業に対する国民的な合意形成についてお伺いいたします。
 今回の新農業基本法の中には、中山間地に対する直接所得補償など、国民合意が必要となる政策が見られます。日本では、他の先進諸国に比べて農業や農業従事者に対する国民の意識がかなり違ったものとなっております。行政としても、日本型食生活のよさや、本当に必要な食べ物は何かということを啓発してこなかった。つまり、消費者と生産者を結びつける政策が縦割り行政の中でうまく機能してこなかったのではないでしょうか。
 例えば、食生活が子供の成長過程でどのような影響を及ぼすのか、昭和六十年に厚生省が作成した健康づくりのための食生活指針に書かれていることが現在の行政の中にどう活用されているのでしょうか。
 また、今年度の農林水産省予算の中で、食生活の啓発に関する予算はわずかに三千五百万円であります。食生活が社会的な諸問題の底にあるとはよく言われていることであります。厚生大臣並びに農林水産大臣はどうお考えか、お聞かせ願います。
 次に、環境保全型農業についてお伺いします。
 一方では、市場原理、効率的な農業をうたいながら、もう一方では、環境保全型農業への転換を目指すとしていますが、環境保全型は、自然循環を重視した生産方法をとれば、当然生産コストがかかって高い農産物にならざるを得ません。そのときにどうするかを、UR農業合意では、生産者の所得安定は消費者負担ではなく財政負担で行うべきとしています。我が国においても、この考えを政府が生産者と消費者に明らかにすることなしに環境保全型農業は育たないと思いますが、農林水産大臣の考えをお伺いいたします。
 次に、遺伝子組みかえ食品についてお伺いします。
 現在、輸入が認められている品目についてはせめて義務表示をすべきとの声が出ていますが、厚生大臣の考えをお伺いいたします。
 最後に、農業と環境及び生態系とのかかわりについてお伺いいたします。
 先日の新聞報道では、メダカが絶滅のおそれのある生物に指定されたということであります。河川が農薬、工場排水、生活排水等で汚染され、ふるさとの小川もコンクリートで固められ、山村の水田は過疎化や減反で荒廃してしまい、メダカに限らず、多くの生物が生きる場所を追われつつあります。本来、農業は生産、消費、廃棄が無理なく循環をしていました。今、米の関税措置への切りかえでますます稲作が後退し、水田が姿を消すことになると、環境の連環の輪が断ち切られることになります。
 日本は経済大国に成長しましたが、その裏で失ったものも非常に多いと感じているのは私だけではないでしょう。真の豊かさとは、自然と常に接する機会を持ち、健康で、精神的にもゆとりのある生活を送ることであると考えます。そのために、失われていく生態系を守る決意をすべきと思いますが、総理はいかがお考えでしょうか。
 二十一世紀を迎えて、農林水産省の果たす役割は一層重要となります。大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#8
○国務大臣(小渕恵三君) 郡司彰議員にお答え申し上げます。
 まず最初に、能登半島沖の不審船事案についてお尋ねがございました。
 本事案につきましては、海上保安庁の能力では対応できない事態に至りましたため、私として安全保障会議及び閣議を開催いたしまして、今朝零時四十五分に、防衛庁長官が自衛隊の部隊に対し、海上における警備行動を命ずることを承認いたしました。これを受けまして、防衛庁長官より、零時五十分、同行動を命じたところであります。
 不審船発見以来、海上保安庁の航空機及び巡視船艇によりこれを追跡し、まず現場に到着した航空機より停船命令を実施するとともに、さらに、追尾した巡視船艇からも再度停船命令を実施いたしましたが、これに応じなかったことから、巡視船艇による威嚇射撃を実施する等、必要な措置を講じたものでありますが、速度を上げたため、海上保安庁の巡視船艇等による追尾が困難となりました。
 これを受けまして、政府におきまして検討を行った結果、海上における人命もしくは財産の保護または治安の維持のため、特別の必要があると判断いたしまして、自衛隊法第八十二条に基づき、海上における警備行動をもって対処することといたしたものであります。
 その後の経過につきましては、今朝までの詳細の経過について防衛庁長官から御報告をさせたいと思います。
 それから、先ほどお尋ねいただきました点で、この事態に対して超法規的措置がとられたかというお尋ねでありましたが、そのような措置はとっておりません。いずれも法に基づいて対処いたしたところであります。
 次に、海上保安庁と海上自衛隊との連携についてお尋ねがございましたが、平素から緊密な連携を図っておりまして、今回も一体的な対応を行ったと承知いたしております。
 第三点は、今後の法整備上の問題についてお尋ねがございましたが、今回の対応も踏まえまして、必要がありますれば検討いたしてまいりたいと考えております。
 さて、本案につきましてのお尋ねでございましたが、昨年、関係閣僚会議で本法案を決定するに至る間、与党、農水省、農業団体、三者の協議をされたこと、また、その後の政策決定について、関税措置への切りかえという点についてのお尋ねがございました。
 米の関税措置への切りかえにつきましては、農業団体のみならず各方面における議論を踏まえまして判断したところでございまして、政府といたしましては、今後とも一丸となって国民合意の形成に向けて最大限の努力を行ってまいりたいと思っております。
 ウルグアイ・ラウンドの農業合意の評価についてのお尋ねでありました。
 我が国では、米の関税化に強い拒否感があった中、交渉の最終段階で提示された関税化の特例措置をぎりぎりの決断として受け入れたものであります。
 ただ、関税化した場合と比べ毎年のミニマムアクセスの増加幅が二倍に加重されたこと等から、我が国にとって大きな負担となっていると認識をいたしております
 食糧自給政策の確立についてのお尋ねがありました。
 食料・農業・農村基本法案におきまして、基本理念として、国民に対する食料の安定供給につきましては、国内の農業生産を基本とする旨を明確に規定いたしておるところであります。
 次に、次期WTO農業交渉に向けた議論に関するお尋ねでありました。
 政府といたしましては、次期農業交渉に臨むに当たり、国会での御議論を十分踏まえることはもちろん、関係者が一体となって協議検討を進め、農業関係者のみならず、消費者団体、経済団体を初め、幅広く理解を得ながら、国民合意のもとで交渉方針を構築してまいりたいと考えております。
 次に、米の関税措置への切りかえと水田生態系との関連についてお尋ねがありました。
 今回の関税措置への切りかえによりまして、稲作に悪影響を及ぼすことはないものと考えておりますが、今後の農政の推進に当たりましては、自然循環機能の維持増進に留意した農業生産活動を通じまして、自然環境の保全等の多面的機能が適切かつ十分に発揮されるよう努めてまいる所存でございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
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中川昭一#9
○国務大臣(中川昭一君) 関税措置への切りかえに関する政策決定過程についてのお尋ねですが、次期WTO交渉の開始を控え、与党、農協系統組織を初め、各方面で現行農業協定の分析、検証が行われ、農林水産省におきましても、中央、地方も含め、さまざまな機会を通じ、農業協定の内容等について説明を行ってきたところであります。
 このような議論を経て、農林水産省、与党、農業団体は、認識が一致するに至り、これを踏まえ、政府としての意思決定を行ったところであります。その後も、全国消費者団体連絡会において、私から関税措置への切りかえに関して説明を行う等、広く情報を公開し、御理解を得るべく努力をしているところでございます。
 次に、これまでの農政に対する総括についてのお尋ねがありました。
 我が国の急速な経済成長、国際化の著しい進展等による変化の中で、現行基本法に基づく農政では、国民からの期待にこたえていくことが困難になっているとの総括の上に立ち、農政全体の見直しを行い、再構築をした結果であります。
 新たな基本法では、従来の基本法には位置づけられていなかった国内農業生産を基本とした食料の安定供給の確保、農業農村が有する多面的な機能の十分な発揮、その基盤となる我が国農業の持続的発展、さらには農村の振興を政策推進の基本理念としております。これまでの農政の総括を踏まえ、新たな政策体系のもとで、農業者は将来に自信と誇りを持って農業経営に取り組めるようになるものと考えております。
 なお、ウルグアイ・ラウンド合意関連対策については、農業生産基盤や生産高度化施設の整備、農家負担軽減対策等を通じ、農業の体質強化の推進等着実な成果が上がっていると考えております。
 次に、関税措置への切りかえに対する異議申し立てについてのお尋ねでありますが、今回の米の関税措置への切りかえは、二次税率の設定方法も含めて農業協定の規定に忠実に従って、加盟国の権利として実施するものであります。このことは、関係国に対し繰り返し説明してきたところであり、大部分の国からは理解が得られている一方、一部の国、地域から異議が申し立てられたことは極めて遺憾と言わざるを得ません。
 今後、各国の申し立ての内容や根拠について確認した上で対応していくこととなりますが、今回の米の関税措置への切りかえは、農業協定の規定に忠実に従ったものであることを再度説明し、申し立てが撤回されるよう努力してまいります。
 次に、関税率及びミニマムアクセス制度についてのお尋ねですが、次期農業交渉は改革過程の継続のための交渉と位置づけられており、輸出国は関税率の大幅引き下げ、アクセス機会の拡大等を主張することも予想されます。継続のための交渉においては、農業の多面的機能や食糧安全保障等の非貿易的関心事項についても考慮に入れて交渉を行うことが合意されています。
 我が国としては、我が国における米及び稲作の重要性等にかんがみ、将来にわたり安定的に営まれ、国民の主食である米の需給と価格の安定が図られるよう、農業の多面的機能や食糧安全保障等の非貿易的関心事項等が十分反映された内容の合意が得られますよう、次期交渉に当たってまいります。
 なお、米のミニマムアクセス機会の法的性格については、平成六年五月二十七日の衆議院予算委員会において出された政府統一見解のとおりであり、今回の関税措置への切りかえ後もその法的性格は変わらないものと考えております。
 次に、米の生産調整につきましては、国民の必要とする食糧の安定供給の確保は農政の最も重要な課題であります。
 米の生産調整は、大幅な需給ギャップが存在する中で、需要に見合った生産誘導することにより、米の需給、価格の安定を図り、生産者の経営の安定と消費者の生活の安定に貢献してきたと評価しております。同時に、自給率の低い麦、大豆、野菜などの他作物の生産への転換を誘導することにしており、国民の必要とする食糧の安定供給に寄与してきたと考えております。
 今後とも国民の需要に応じた食糧の安定供給の確保のため、稲作を中心とする我が国の土地利用型農業の発展に努めてまいります。
 次に、食糧自給政策の確立についてのお尋ねでありますが、食料・農業・農村基本法案においては、第二条に食料の安定供給の確保についての基本理念を規定しており、その第二項におきまして国民に対する食料の安定的な供給については国内の農業生産を基本として行われなければならない旨を明確に規定しているところであります。したがいまして、改めて前文を設け、こうした考えについて重ねて明らかにする必要はないと考えております。
 次に、WTO農業交渉に向けた議論に関するお尋ねですが、次期農業交渉において、我が国の立場を強力に展開し、我が国の考え方が十分反映された交渉結果を獲得するためには、広く国民的合意を形成することが重要であります。
 このため、次期農業交渉に臨むに当たっては、先ほど総理からもお答えしたとおり、国会での御議論を十分踏まえることはもちろん、関係者が一体となって協議検討を進め、農業関係者のみならず消費者団体、経済団体等幅広く理解を得ながら、国民合意のもとでの交渉方針を構築していきたいと考えております。
 次に、食生活についてのお尋ねですが、国民生活の食生活の状況を見ますと、脂質の摂取割合が適正範囲を上回る世代が見られることや、食べ残し、食品の廃棄などの諸問題が顕在しています。
 農林水産省におきましては、これまでも消費者に対し食に関する情報の提供に努めてきたところでありますが、食生活の状況を踏まえ、食料・農業・農村基本法案において、食料消費の改善及び農業資源の有効利用に資する観点から、健全な食生活に関する指針の策定、食料の消費に関する知識の普及や情報提供等を推進することとしております。
 今後、食糧を生産する場である農業農村への理解の促進を図りつつ、関係省庁及び食にかかわる関係者とも連携し、食生活を見直す国民的な運動の展開などにより健全な食生活の実現を図りたいと考えております。
 次に、環境保全型農業についてのお尋ねでありますが、環境保全型農業につきましては、これまで積極的にその普及、定着に努めてきたところであります。しかし、化学肥料、農薬を節減するための奨励すべき生産方式が明確にされていなかったこと、農業者に減収、労働過重等の経営上の問題が生じるとの懸念があること等から、その取り組みは不十分な状況にあります。
 このため、農業改良資金助成法の特例、租税特別措置法による所得税、法人税の特例による支援等を内容とする持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案を本国会に提出するとともに、予算措置を通じて有機物供給施設等の整備等を積極的に図ってまいります。
 最後に、米の関税化への切りかえと水田の生態系を守るための決意についてのお尋ねですが、今回の関税措置への切りかえについては、ミニマムアクセス数量の当面の増加を抑えるという利点があることに加え、ミニマムアクセス数量を超える部分については、農業協定に基づき適切な二次税率を設定することとしており、米の輸入増は見込みがたいことから、この関税措置への切りかえにより、我が国の稲作に影響が及ぶものとは考えておりません。
 他方、今後の農政の展開においては、食糧の安定供給のほか、国土の保全、水源の涵養、生態系の保全を含めた自然環境の保全等の多面的機能の十分な発揮を確保していくことが極めて重要な課題であります。そのためには、その基盤として農業の持続的な発展と農村の振興を図ることが肝要であり、今後ともその施策の充実を図ってまいる所存でございます。拍手
   〔国務大臣野呂田芳成君登壇、拍手〕
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野呂田芳成#10
○国務大臣(野呂田芳成君) 能登半島沖の不審船舶に対する防衛庁の対応、その経過等についてのお尋ねでございますが、昨日、警戒監視活動実施中の海上自衛隊の航空機P3Cが二そうの不審船舶を発見いたしました。このため、訓練に向かっていた護衛艦を現場に向かわせ、不審船舶を確認し、海上保安庁に通報した概要は以下のとおりであります。
 まず、海上自衛隊の航空機P3Cが午前九時二十五分ごろ、能登半島東方約二十五海里の領海内において漁船二そう、これは第二十八信盛丸、第二大和丸でございますが、これを発見、以後、現場に進出した護衛艦「はるな」が午前十一時ごろ船名を確認、直ちに海上保安庁に連絡したところであります。
 海上自衛隊の航空機P3Cがさらに午前六時四十二分ごろ、佐渡島西方約十海里の領海内において漁船一そう、これは第一大西丸でございますが、これを発見、以後、現場に進出した護衛艦「はるな」が十二時十分ごろ船名を確認、十三時ごろ海上保安庁に連絡をしたところであります。
 九時二十五分から飛行機で確認し不審に思ったんですが、さらに艦艇を使って、「はるな」が接触をし船名を確認したところであります。
 また、第一大西丸につきましては、午前六時四十二分ごろ、かなりの船舶の中に不審船らしいものを発見しましたが、これを確認するために「はるな」が接近しまして、十二時十分ごろ、船名を確認したところであります。
 その結果判明したことは、第二十八信盛丸は、現に我が国で実在する船であるということが判明いたしました。しかしながら、第二大和丸につきましては、実在の船が別にありまして、この不審漁船は名前を詐称しているという事実が判明いたしました。それから第一大西丸は、既に平成六年に廃船をしておりまして、我が国にさような船は存在しないということが判明した次第であります。
 私どもは何でこのような船が不審船と考えたかということでありますが、第一は、大変漁船にふさわしくないアンテナなど、高度の情報収集の機能を備えていることが判明したということが一つであります。
 それからもう一つは、漁船の格好をしながら漁具、漁網というものを一切持っていないということが不審の原因であります。
 そしてまた、漁船は通常十ノット程度のスピードしか有しないのでありますが、これは最大三十五ノットの大変な機能のいい高速機能を持っているということであります。
 それからもう一つは、私どもが常習的に行っている監視によりまして類似の不審船が何度か確認できているということであります。
 こういうことで、私どもは、第一義の責任者である海上保安庁に不審の情報を詳細に送ったわけであります。
 さらに、お尋ねは、超法規的措置がとられたかとか、あるいは今後の法整備の問題についてお尋ねでございましたが、私どもは自衛隊法の八十二条を適用いたしまして、「長官は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。」という規定を適用した次第であります。
 まず、本日の零時三十分ごろ、運輸大臣から、海上保安庁ではなかなか対応が難しい状況にあるから海上自衛隊の方に出動をお願いしたいという要請を正式に受け取りました。零時四十五分に、安全保障会議や閣議決定がなされました。そして零時五十分には、海上警備行動の命令を発信したところであります。
 第二大和丸につきましては、私どもも必死に追跡し、停船命令あるいは警告射撃もしたわけでありますが、それにもかかわらず防空識別圏を越えまして北朝鮮方向に逃走した次第であります。
 これ以上の追跡は相手国を刺激し、事態の拡大を招くおそれがあると判断したので、午前三時二十分、追尾を中止したところであります。
 その際、第二大和丸に対し海上自衛隊の護衛艦「みょうこう」は五インチ砲による警告射撃を十三回、それから百五十キロ爆弾四発をもって警告を発したわけであります。
 また、第一大西丸に対しては、我が国の護衛艦「はるな」が追跡、停船命令あるいは五インチ砲を六回にわたって警告射撃を行ったところであります。
 その後、第二大和丸を追尾していた「みょうこう」を「はるな」、「あぶくま」とともに第一大西丸の追尾に当たらせ、全力を挙げて停船の実施に夜を徹して当たらせましたが、その際、合計十二回二十二発を発射する警告射撃を行い、百五十キロ爆弾を二回計八発を投下し、全力を尽くして停船を求めましたが、第一大西丸はこれを無視し、午前六時六分、我が国の防空識別圏を越えて北朝鮮方向に逃走しました。
 これ以上の追跡は、第二大和丸の場合と同じ観点から、追尾を中止するのやむなきに至ったところであります。
 昭和二十九年に自衛隊が発足後、四十五年を経過しましたが、今回初めて自衛隊法八十二条の海上における警備行動を発動したところであり、結果は十分に武器の使用ができない等の法律上の制約が厳然としてありますので不審船の逃走を許したが、この種の事案に対し、海上保安庁の対応だけでは不十分な場合には自衛隊がこれに当たるという断固たる我が国の決意を内外に示したことは、今後、この種の事案の発生に対する極めて大きな抑止力になるものと確信しております。
 最後に、海上保安庁と海上自衛隊の連携の緊密化の問題についてでありますが、私どもは平素からその緊密化を図っているところでありますが、この第一義の所管官庁である海上保安庁と防衛庁の緊密な連携のあり方等については、今後さらに、今回の経験を踏まえ、遺漏のなきよう万全を期してまいりたいと思っているところであります。拍手
   〔国務大臣宮下創平君登壇、拍手〕
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宮下創平#11
○国務大臣(宮下創平君) 食生活についてのお尋ねでありますが、肥満や高脂血症、高血圧症等の生活習慣病を予防するためにも、幼少期から正しい食習慣を身につけることが重要であると認識しております。
 このため、厚生省におきましては、昭和六十年に国民一人一人が食生活改善に対する自覚を持ち、実践できるように、健康づくりのための食生活指針を策定、公表したところであります。また、平成二年には、さらに成長期の子供、女性、高齢者などにきめ細かく焦点を合わせた食生活指針を策定しております。これらの指針は、関係省庁の協力を得て、地域における栄養指導や学校、職場における栄養教育等に活用されているところであります。
 また、現在、厚生省におきましては二十一世紀における国民健康づくり運動、いわゆる健康日本21の策定作業を進めており、平成十二年度の実施を目指しておりますが、この中でも食生活の改善を重要な柱として位置づけ、国民の皆様にわかりやすい形で食生活指針の普及を図ってまいりたいと考えております。
 次に、遺伝子組みかえ食品の安全性の評価についてでございますが、これにつきましては、世界保健機関、WHOや経済協力開発機構、OECD等において科学的知見に基づいてその評価の考え方が取りまとめられており、我が国におきましても、それらを踏まえ、安全性評価指針を策定しております。
 この指針におきましては、遺伝子組みかえ食品について既存の食品とその成分を比較し、たんぱく質等の食品成分の割合が同程度であることや、組みかえにより新たなアレルゲンや有害物質が生み出されていないことなどを確認しております。また、遺伝子が組みかわるという点におきましては、従来の品種改良品と同様であることから、現行の食品衛生法において、公衆衛生上、他の食品と区別して表示を義務づけることは難しいと考えております。
 しかしながら、食品の表示をめぐりましてはさまざまな御意見もありますことから、現在、食品衛生調査会の表示特別部会におきまして、遺伝子組みかえ食品を含め、食品の表示制度全般について検討を行っておるところでございます。
 以上でございます。拍手
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斎藤十朗#12
○議長(斎藤十朗君) 木庭健太郎君。
   〔木庭健太郎君登壇、拍手〕
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木庭健太郎#13
○木庭健太郎君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました主要食糧需給安定法改正案につきまして、総理大臣及び関係大臣に質問いたします。
 質問に先立ち、二点伺います。
 本日、日本海で、不審船に対して自衛隊が初めて海上警備行動を行いました。その経過につきましては、ただいま総理及び防衛庁長官から御報告をいただきましたので、私は、総理として今回の対応にどういう認識を持っているのか、その見解だけを伺っておきたいと思います。
 また、緊迫するコソボ問題に対して、NATOがけさ武力行使を決定いたしました。日本政府としてこの決定にどう対応するか、この点も総理の見解を伺っておきたいと思います。
 さて、本法律案につきまして、私は、まず関税措置への切りかえを決定した経過について、一言申し上げておきたいと存じます。
 国民の主食であり、我が国農業の根幹であります米の輸入問題につきましては、国会における三度の決議に象徴されますように、国論を二分する議論の上に、苦渋の選択の結果として関税化の特例措置を受け入れました。
 この経過を顧みますとき、政府、与党、農業団体という直接の関係者だけで、しかも六カ月に満たない拙速な議論で唐突に関税措置への切りかえを決定したことは、多くの国民の思いを無視し、国会を軽視するもので、極めて遺憾であります。
 総理は、過般の衆議院本会議において、衆参両院の農林水産委員会における議論の機会を提供しており、立法府を無視したわけではないと答弁されておられますが、それは三者合意が成立した翌日であり、政府決定が行われた十二月十八日に、しかも野党の強い要求によって衆参半日ずつの質疑がようやく確保されたにすぎません。
 この問題が強く指摘されているにもかかわらず、WTO次期農業交渉に対する対応を依然として三者協議で進めようとしていることは、国民的視点に立って農政を展開しようとする姿勢と相入れないことはもとより、民主主義の原点を無視したものと言わざるを得ません。
 私は、まず、この点について、総理及び農林水産大臣の反省を求めるとともに、公明正大な今後の対応について所信を伺いたいと存じます。
 次に、法律案とそれに関連する具体的な問題について伺います。
 第一は、関税措置への切りかえに伴う稲作に対する農家の不安にどうこたえるかという問題であります。
 農水大臣は、今回の関税措置への切りかえは、当面現行農業協定のもとでとり得る最善の選択と述べておられます。自画自賛されるのは結構ですが、多くの稲作農家は、関税化への移行は今後我が国がとめどもない関税率の引き下げを迫られることを意味し、いずれ我が国の稲作も終えんを迎えるのではないかという深刻な思いでこの決定を見詰めているのであります。
 常識的に考えて、今回設定された二次関税率は、六年間に一五%引き下げるという最低基準が次期ラウンドでも継続されたとしても、今回のマークアップ金額程度のレベルにダウンするのに十年とかからないのであります。政府は、仮定の話には答えられないと言われるでしょうが、これは容易に予測されることでありますので、稲作農家の不安にこたえる意味から、このような事態は引き起こさないという明快な答弁をいただきたいと思います。
 第二は、去る十二月二十一日のWTOへの通告から三カ月が過ぎましたが、WTO加盟国のオーストラリア、EUなど四カ国から異議等の申し立てが先週提出された中で、四月一日からの関税化が予定どおり実施できるのかどうか、総理にお聞きしたいと思います。
 また、政府は、これまでの論議において、たとえ異議申し立てがあったとしても、関税措置への切りかえは、WTO農業協定の定めるところに従って進めてきているので、国内法を整備すれば関税化へ移行できると答弁してこられました。
 しかし、ケアンズ・グループの議長国であるオーストラリアが正式に異議を申し立て、EU、アルゼンチン、ウルグアイが承認を保留している状況の中で、それを無視して譲許表の改正が行えるのかどうか。そして外務省は、譲許表を改正するための承認案件を提出する予定と伺っておりますが、四月一日までに譲許表の改正が行えなくても関税措置への切りかえは実施可能なのかどうか、外務大臣の所見を伺いたいと思います。
 第三にお聞きしたいのは、関税化に移行した後のミニマムアクセス米の取り扱いについてであります。
 関税化へ移行したからといって、このラウンドの継続中、ミニマムアクセス米の輸入を行わざるを得ないことは協定の定めるところであり、容認せざるを得ませんが、二〇〇〇年から始まる交渉が三年間で妥結し、二〇〇三年以降の次期ラウンドにおいても八十万トンを上回るようなミニマムアクセス米の輸入が行われるのであれば、何のための関税化であったかわかりませんし、我が国の農業にとって依然として厳しい状況が続くことに変わりがありません。この点についてどのように対応していかれるつもりか、農水大臣の見解を伺いたいと思います。
 第四に、政府は、次期WTO農業交渉において、農業の多面的機能や食糧安全保障などの非貿易的関心事項について、我が国のかねてからの主張を強力に展開するという姿勢を明らかにしています。私もこの政府の方針を評価したいと思いますが、次期農業協定に食糧の安全保障や農業の多面的機能に配慮する程度の文章が抽象的な配慮事項として挿入されたところで何の意味があるのか、お考えいただきたいと思います。
 すなわち、我が国の水田が緑のダムとして土砂崩れの防止や洪水調節、気候の緩和、生態系の維持等の機能を発揮するためには、国内で稲作が営まれていることが必要であり、稲作経営を崩壊させるような米の輸入が行われてはならないのでありまして、農業の多面的機能の重要性が協定文に書かれているだけでは意味がなく、実際の米の貿易ルールで裏打ちされたものでなければならないということであります。この点について、農水大臣の所見を伺いたいと存じます。
 WTO農業協定が強大な輸出国の利益を代表する仕組みになっていることは、多くの識者が指摘するところであり、その端的な例が、輸出国は、関係国への通達や協議のみの手続で自国の都合により輸出を制限ないしストップできる反面、輸入国は、原則として厳しいセーフガード協定をクリアしなければならない点であります。このような不平等な扱いを改めることも次期交渉の大きな課題でなければならないと考えますが、我が国政府の対応方針について、総理の御見解を伺いたいと存じます。
 次は、関税化に伴う生産調整への影響であります。
 平成十一年産米は、昨年に引き続き史上最高の九十六万三千ヘクタールの生産調整が実施されますが、昨年の段階で既に十四の目標未達成県が出ており、関税化への移行という事態を背景に、この傾向は加速すると私は見ております。
 昭和四十六年以降続いている米の生産調整は、政府自身が稲作経営の将来像として描いている大規模経営農家の生産性向上を著しく阻害する結果を生んでいます。農水省は、新しい基本法案においても、効率的かつ安定的な農業経営の育成をうたっていますが、その足かせとなっている生産調整を続けていかなければならないこの農政の矛盾をどのように解決されるのか、お答えいただきたいと思います。
 二十世紀は戦争の世紀と言われてまいりましたが、恐らく二十一世紀は食糧の世紀になると私は確信しております。ワールドウオッチ研究所の見通しがやや過激であるとしても、農水省が独自に開発した世界食糧需給モデルの生産制約シナリオからもそれはうかがえるのであります。
 このような中で、今私たちが考えなければならないことは、九六年の世界食糧サミットにおけるローマ宣言において、現在及び将来世代の食糧安全保障を達成する責任は各国政府にあるとうたわれておりますし、我が国も持てる能力を最大限に発揮して、この課題の達成のために努力しなければならないということであります。
 政府は、世界の食糧安全保障と人類生存の基盤である農業が環境と調和する中で多面的機能を遺憾なく発揮し続けることができるよう、食糧輸出大国とその背後に存在する穀物メジャーの覇権を確実なものとさせるようなWTO農業協定を、良識ある多くの国々と力を合わせ、改める努力をすべきであり、その決意を総理に伺い、私の質問を終わります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#14
○国務大臣(小渕恵三君) 木庭健太郎議員にお答え申し上げます。
 まず最初に、能登半島沖の不審船事案についてでございますが、先ほど私並びに防衛庁長官から御答弁申し上げたことでございますので、この点については御理解をいただきたいと思います。
 つきましては、本件についての見解について申し述べろということでございますが、昨日の不審船舶の発見以来、政府といたしましては、海上保安庁及び防衛庁、自衛隊を中心に関係省庁が協力してあらゆる措置をとることによりまして不審船への対処につきましては万全を尽くしてきたところであります。
 今回の事案にかんがみまして、海上保安庁による警告措置を含む対応や海上における警備行動の発令を行ったところでありますが、残念ながら不審船に対する停船命令の実施や立入検査に至らなかったところでございまして、このような措置は、我が国としての安全の確保に対する意思を明示するものとして重要なものと考えております。
 なお、この間、政府として関係省庁からそれぞれの関係国にも通報するなど、措置の実施に当たりましては十分理解が得られるよう配意いたしたところでございます。
 いずれにいたしましても、この種の事案はいつ再発するかもしれず、これに対して政府が一丸となって対応することが重要であると考えております。今回の教訓を謙虚に整理しつつ、今後の我が国の安全の確保及び危機管理に万全を期するよう努力をいたしてまいりたいと考えております。
 次に、主要食糧安定法についてのお尋ねにつきましてお答えをいたします。
 まず、WTO次期農業交渉への対応についてお尋ねがありました。
 次期農業交渉につきましては、国会でのこれまでの御議論を十分踏まえることはもちろんでございますが、関係者が一体となって協議検討を進めまして、農業関係者のみならず消費者団体、経済団体を初め、幅広く理解を得ながら国民合意のもとで交渉方針を構築していきたいと考えております。
 米の関税措置への切りかえについてのお尋ねでありました。
 関税措置への切りかえにつきましては、二次税率の設定方法も含めまして農業協定の規定に忠実に従ったものであり、農業協定の基本原則にかなうものであることから、国内法の改正によって四月一日から実施できます。
 なお、豪州、EUなど四カ国に対しまして、申し立てが撤回されるよう最大限の努力もいたしてまいりたいと考えます。
 次に、次期農業交渉に向けた我が国の対応方針についてお尋ねでありますが、食糧安定供給と農業農村の持続的発展を図り、二十一世紀に向け農業者が明るい展望を持って農業に取り組めるよう、次期交渉では、農業の多面的機能や食糧安全保障、輸出入国間の貿易関連措置の状況等を踏まえた貿易ルールの確立を積極的に主張してまいりたいと考えております。
 次に、食糧安全保障や多面的機能の観点からの農業協定改定に関するお尋ねですが、国民への食糧の安定供給、農業の多面的機能の重要性等につきましては、政府としても十分認識し、これらに対する国際的理解が深まるよう努力してきたところであり、次期農業交渉におきましても適切に対応していく考えであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
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中川昭一#15
○国務大臣(中川昭一君) お答え申し上げます。
 最初に、次期農業交渉への今後の対応についてでありますが、我が国の主張を強力に展開し、我が国の考え方が十分反映された交渉結果を獲得するためには、広く国民的な合意を形成することが重要であります。この考えのもとで、次期農業交渉に臨むに当たりましては、国会での十分な御議論を踏まえることはもちろん、関係者が一体となって協議検討を進め、消費者団体、経済団体を初め、幅広く国民各界の御理解を得ながら、国民的な共通認識に基づいた交渉方針を築いてまいる所存でございます。
 次に、関税化の切りかえの影響、あるいは次期WTO農業交渉におけるMA米の扱い並びに非貿易的関心事項等の御質問がございました。
 関税率及びミニマムアクセス米の取り扱いについてのお尋ねですが、次期農業交渉は改革過程の継続という位置づけにありますので、その観点から輸出国もさまざまな主張をすることも予想されます。一方、その継続のための交渉においては、農業の多面的機能や食糧安全保障等の非貿易的関心事項についても考慮に入れて交渉を行うことが合意されております。その場合には、国土の保全、自然環境の保全、地域社会の維持、活性化といった多面的機能や食糧安全保障等の非貿易的関心事項が適切に反映され、また、輸出国と輸入国との権利義務のバランスがとられるように、例えば輸出規制あるいは輸出補助金に対しても適切な規律を課すこと等が必要であるというふうに考えております。
 非貿易的関心事項の反映につきましては、緑の政策の範囲等国内助成のあり方、関税に対する規律のあり方について、国内農業生産に支障が出ないよう十分配慮することが必要であります。
 我が国といたしましては、我が国における米及び稲作の重要性等にかんがみ、将来にわたり稲作農業が安定的に営まれ、国民の主食である米の需給と価格の安定が図られるよう、多面的機能や食糧安全保障等、非貿易的関心事項が十分反映された内容の合意を目指し、次期交渉に当たってまいる考えであります。
 最後に、米の生産調整についてのお尋ねでありますが、米の生産調整は、大幅な需給ギャップが存在している状況のもとで避けて通ることのできない課題であり、農業経営の安定を図る上でのいわば前提条件と認識をしております。生産調整の推進に当たっては、米だけでなく土地利用型農業全体を展望して、需給動向に即した良質米の生産、生産性の高い営農を推進するとともに、麦、大豆等の作物について効率的な生産体制の整備等の各種対策を講じているところであります。
 今後とも、稲作を中心とする我が国の土地利用型農業の発展が図られるよう努めてまいる所存でございます。拍手
   〔国務大臣高村正彦君登壇、拍手〕
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高村正彦#16
○国務大臣(高村正彦君) 譲許表の修正についてのお尋ねでありますが、農業協定附属書は、加盟国は実施期間中のいずれの年の開始時においても特例措置の適用を終了させることができる旨定めているわけであります。譲許表の修正については、他国からの異議が撤回されるまでは確定いたしませんが、農業協定上、四月一日までに譲許表の修正手続を終了しなければならないとの規定はありません。
 したがいまして、四月一日までに譲許表修正手続が終了しない場合でも、加盟国による特例措置の適用の終了は関税化という農業協定上の基本原則にかなうものであり、国内法令により関税措置への切りかえを実施することができるわけでございます。拍手
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斎藤十朗#17
○議長(斎藤十朗君) 答弁の補足があります。小渕内閣総理大臣。
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#18
○国務大臣(小渕恵三君) 失礼をいたしました。
 木庭議員のお尋ねの中で、コソボの武力行使の決定をNATOがいたしたが、これに対する日本政府の見解を問う、こういうことでございました。
 欧米諸国の粘り強い努力にもかかわりませず、ユーゴ政府のかたくなな態度によりまして政治解決の道が断たれつつあることは極めて残念でございます。最悪の事態を回避すべく、ユーゴ政府が和平合意案を直ちに受け入れることを強く日本政府としては求めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。拍手
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斎藤十朗#19
○議長(斎藤十朗君) 須藤美也子君。
   〔須藤美也子君登壇、拍手〕
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須藤美也子#20
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題になりました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部改正案に対して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 本法案は、国民の主食である米を関税化、つまり輸入自由化する法案であります。言うまでもなく、米の輸入自由化問題は、日本の食糧と農業の将来にとって重大な影響を与える問題です。だからこそ、この参議院でも三度にわたって反対決議が行われたのです。
 ところが、それほど重要な関税化への移行を政府は四月一日から実施するとして、あとわずか一週間余りしかない日程の中で強行しようとしています。政府自身、九四年の国会で、六年間の特例措置の扱いについては、終了の時点で慎重に検討していくと述べていたではありませんか。
 また、直接影響を受ける生産者に関税化を決める意見集約を求めた期間は、年末のわずか十八日間であります。こうした中で、どうして生産者はおろか、国民の声を集約することができたでしょうか。一たん関税化を決めてから、国民合意に努めるといっても、国民の不信感が募るばかりではありませんか。
 総理、余りにも唐突、拙速という国民や各党の批判を真剣に受けとめるべきではありませんか。なぜ、十分な国会会期があるのに、無理に日切れ扱いにして関税化をあくまで強行するのですか。先に三月末の期限ありきではなく、徹底的な審議を行うべきであります。まず、総理の見解を求めるものであります。
 政府は、関税化の移行が次期交渉に有利と言いますが、果たしてそうでしょうか。
 第一に、今般、オーストラリア、EUなど諸外国からWTOに対して、日本政府の関税化措置に対して異議申し立てが行われました。それは、高関税という政府の案すら認めず、関税率を引き下げ、一層輸出国に有利にすることをねらったものです。政府は、高関税で米は守れると生産者や国民に幻想を与えてきましたが、もう始める前から早くもつまずいているではありませんか。総理、どうですか。この新しい事態のもとでも関税化措置が次期交渉に有利と言えるのですか。お答えください。
 第二に、そもそもWTO協定前文は、「関税その他の貿易障害を実質的に軽減し」と関税を引き下げていくことを明記しています。政府自身、審議の中で、二〇〇一年以降の関税水準については何らかの見通しを申し上げることは困難と、高関税を維持することは難しいと認めているではありませんか。これでは、農業団体が求める稲作の将来を展望する関税水準の確保と継続が保障されないことは明らかではないでしょうか。農水大臣の見解を求めます。
 牛肉、オレンジも、輸入自由化後ほぼ十年がたちました。牛肉について見ると、関税率の相次ぐ引き下げで、肉牛農家は九〇年の二十三万二千戸から九八年の十三万三千戸へと九万九千戸が減少、離農に追い込まれています。
 米の場合、輸入自由化されると、今でも米価暴落、輸入米による減反で苦しむ米作農家の生産意欲と展望をますます失わせ、牛肉以上のはかり知れない影響を与えることは明らかです。それでも、米の生産、需給に影響を与えるとは考えておりませんなどと言えますか。農家や国民が安心できる見通しなど全くないではありませんか。農水大臣、はっきりとお答えください。
 また、政府自身国会答弁で、例外なき関税化という農業協定の枠組みを変えることは困難としているもとでは、次期交渉での我が国の選択肢は関税率の引き下げしかないではありませんか。それでどうして農業の多面的機能や食糧安全保障の立場で努力するなどと言えるでしょうか。総理の見解を求めるものです。
 政府は、本当に真剣に国民の食糧、農業再建に取り組んでいるのでしょうか。例えば、農家に非常な苦難を与えているミニマムアクセス米について、政府は全量輸入が義務だと言って、需要がないのに無理やり輸入しているではありませんか。WTO農業協定のどの条文に書かれているのか、外務大臣、その根拠を示してください。答弁を求めます。
 そして、政府は、必要としないミニマムアクセス米の押しつけをやめるべきではありませんか。農水大臣、はっきりとお答えください。
 ウルグアイ・ラウンド合意以降、世界の食糧問題は深刻化しています。世界食糧サミットでは、二〇一五年までに飢餓人口を半減することを世界共通の課題として宣言しました。しかし、FAOの報告によれば、食糧援助を必要とする国は世界全体の二割、三十七カ国に及び、栄養不足人口は八億二千八百万人に増加しています。しかも、このうちアジアが六二%を占めています。
 日本は世界でも最高水準の生産力を持ちながら、水田の四割近くが減反を強制され、世界六位の米輸入国となり、食糧自給率は低下する一方であります。総理、米関税化はこうした世界の食糧問題の解決に逆行するものではありませんか。見解をお聞きします。
 そして、今在庫がふえる一方のミニマムアクセス米は、世界の食糧難に役立つよう食糧援助に回すようにすべきと思いますが、外務大臣の答弁をお願いいたします。
 次に、次期交渉の問題について質問いたします。
 今求められているのは、米、農業を守るための改正交渉であります。もともとWTO農業協定は、輸出国や巨大穀物メジャー、多国籍企業の利益を優先させ、気候や地理的条件の制約を強く受ける農産物の特性を無視して、一律に貿易自由化を押しつけたものです。
 日本は食糧自給率が四一%、穀物自給率は二八%と世界最低の水準であり、これでは食糧安全保障など成り立たないことは明らかです。唯一自給できる米は食糧自給の根幹をなすものです。総理、日本の食糧安全保障にかかわる根本的課題として、我が国は今こそ米は自由化の対象から外すなど、実効ある輸入規制が行われるよう断固として要求すべきと思いますが、いかがですか。
 また、WTO農業協定は、前文で環境保護に配慮すると規定しています。日本、韓国を初めアジア・モンスーン地帯では、手間をかけて水田を維持し、農業生産を続けることが環境と国土の保全に大きな役割を果たしています。WTOでも認める環境のための施策に、水田とそこでの農業生産の維持を加えるように改めさせるべきです。
 さらに、農業協定は、アメリカなどの輸出補助金を残す一方で、各国に一律に価格政策など生産に対する助成、農業保護の削減を義務づけています。これでは自給率の向上はできません。このような条項を削除すべきと思います。この二点についても総理の見解を求めます。
 最後に、私は、国民に安全な食糧を安定して供給し、国土・環境を保全し、さらに、世界の食糧問題を打開していく立場から、本法案を徹底して審議をし、廃案すべきものと強く主張して、質問を終わります。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#21
○国務大臣(小渕恵三君) 須藤美也子議員にお答え申し上げます。
 まず、米の関税措置への切りかえ期限についてお尋ねでありました。
 関税措置への切りかえにつきましては、できるだけ早く行った方がミニマムアクセス数量の増加がより少なくなるメリットがあること、また、農業協定上、各年度の開始時においてのみ行うことができるとされておること等を考慮いただき、何とぞ御審議の上、本法案に速やかな御賛同をいただきますようお願いいたします。
 次に、米の関税措置への切りかえについてお尋ねですが、今回の切りかえに当たりましては、農業協定に基づき適切な二次税率を設定いたしておりまして、稲作の重要性を十分認識した上で、国益にとって最善の選択として決定いたしました。このことは大部分の国からは理解を得ていると考えておりますが、豪州等の国に対しては異議等の申し立てが撤回されるよう努力してまいります。
 次に、次期交渉での米の関税率に関する対応についてお尋ねですが、二〇〇一年四月一日以降の関税率につきましては、次期農業交渉の結果によることとなります。
 政府といたしましては、将来とも稲作農業が安定的に営まれ、米の需給と価格の安定が図られるよう、農業の多面的機能や食糧安全保障等の非貿易的関心事項等が十分反映された内容の合意が得られるよう、次期交渉に当たってそのように努力をいたしてまいります。
 次に、世界の食糧問題への影響についてお尋ねでありました。
 今回の米の関税措置への切りかえに際して設定をいたしました二次税率のもとで、米の輸入増によりまして国産米の需給や自給率に影響が出るとは考えておりません。したがいまして、世界の食糧情勢に悪影響を与えるものではないと考えております。
 WTOの農業協定の改定についてお尋ねですが、重要なことは、まず初めに協定の改定ありきということではなく、関係者が一体となりまして、国民的理解を得ながら揺るぎなき交渉方針を築いた上で、二十一世紀に向け農業者が明るい展望を持って農業に取り組むことができるような交渉結果を獲得するよう努めることであると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
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中川昭一#22
○国務大臣(中川昭一君) まず、関税につきましては、今回の米の関税措置への切りかえに当たりましては、農業協定の規定に忠実に基づき、基準期間における実際の内外価格差を用いて適切な二次税率を設定することとしております。
 現行農業協定実施期間終了後の二次税率の水準につきましては、次期農業交渉の結果によることとなりますが、次期農業交渉は、改革過程の継続のための交渉と位置づけられていると同時に、農業の多面的機能や食糧安全保障等の非貿易的関心事項についても考慮に入れて交渉を行うことが合意されております。
 我が国としては、我が国における米及び稲作の重要性等にかんがみ、将来にわたり稲作農業が安定的に営まれ、国民の主食である米の需給と価格の安定が図られるよう、農業の多面的機能や食糧安全保障等の非貿易的関心事項が十分反映された内容の合意を目指し、次期交渉に当たっていく考えであります。
 次に、ミニマムアクセス機会の法的性格と我が国農業への影響のお尋ねですが、米のミニマムアクセス機会の法的性格については、平成六年五月二十七日の政府統一見解のとおりであります。今回の関税措置への切りかえ後も、その法的性格は変わりません。国家貿易制度をとる我が国においては、通常の場合にはミニマムアクセス数量の輸入を行うべきものと考えています。
 また、ミニマムアクセス米の取り扱いにつきましては、引き続き、平成五年十二月十七日の閣議了解におけるミニマムアクセス導入に伴う転作の強化は行わないとの趣旨を踏まえて対応することとし、従来どおり食糧庁における国家貿易制度のもとで、国内産米の需給にできるだけ影響を与えないよう、国内産米で対応しがたい加工用等の需要を中心に供給することとしております。拍手
   〔国務大臣高村正彦君登壇、拍手〕
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高村正彦#23
○国務大臣(高村正彦君) ミニマムアクセス米の輸入義務についてのお尋ねでありますが、平成六年五月二十七日のウルグアイ・ラウンド農業協定における米のミニマムアクセス機会の法的性格に関する政府統一見解のとおり、米について、農業協定附属書五に基づきミニマムアクセス機会を設定する場合、我が国が負う法的義務の内容は、米の国内消費量の一定割合の数量について輸入機会を提供することであります。
 その際、米は国家貿易品目として国が輸入を行う立場にあることから、ミニマムアクセス機会を設定すれば、通常の場合には当該数量の輸入を行うべきものと考えております。
 ミニマムアクセス米を食糧援助に回すべきとの御意見でありますが、我が国は従来より食糧援助にミニマムアクセス米を含む政府保有米を活用してきております。さらに、政府保有米を貸し付ける仕組みを昨年創設し、そのもとでもミニマムアクセス米を用いております。
 なお、ミニマムアクセス米を食糧援助に活用するに際しては、WTO協定を初めとする国際ルールを遵守しつつ行う必要があります。拍手
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斎藤十朗#24
○議長(斎藤十朗君) 谷本巍君。
   〔谷本巍君登壇、拍手〕
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谷本巍#25
○谷本巍君 社会民主党・護憲連合を代表し、食糧法等の一部改正案について、総理と関係大臣に質問いたします。
 私たち社民党は、昨年秋、突然政府が示した米の関税化移行に対し、一年間、国民的論議を行った上、結論を出すよう提案いたしました。
 政府はこれまで食糧安全保障にかなう新たな国境措置を強調してまいりました。米関税化移行は、これとは全く異なる自由化への領域に踏み込むわけでありますから、論理的にも実際的にも逆行的矛盾が生じてまいります。
 また、政府は高率関税を課すことができると言ってきました。確かに当面はそれで稲作を守ることはできます。しかし、その先は日本政府と米国などの意向次第でありまして、例えば関税額算定の基準年や関税引き下げ率のとり方等で、関税化は稲作農業つぶしと化してまいります。
 日本の関税化移行に対し、早速オーストラリアなどが異議の申し立てを行いました。この先WTO提訴ともなれば、米関係国の協議となるでありましょう。
 総理も御存じのように、かつて日本列島の平野部の多くは人の住めないところでありました。急峻な山が多く、雨が季節的に集中することから、平場が常襲災害地であったためであります。平野部に多くの人が住めるようになったのは、私たちの先祖が、米をつくる水を確保するため、営々と山に木を植え、川を整え、そして水田農業を維持するための水の共同管理等々を通じ、相互扶助的地域社会を形成してきたことにあります。この国土が生んだ木を使い、米を主食とすることが国土と環境を守る基礎であり、日本の文化が米と木の文化と言われるようになったのも実にそのためであります。
 関税化移行が本当に稲作と国民を守るためのものなら、政府はまず国民の意見を聞き、それに即した方針と体制を固めることで、強い外交交渉の展開と、政府がかわっても方針は一貫して貫き得る体制を築くべきであります。
 まず初めに、総理に伺いたいのは、今冒頭に指摘した関税化移行の問題点と、高額関税維持の可能性と総理の決意、また、今回のオーストラリアなどの異議申し立て等への対処、そして稲作を守ることの重さについての認識と、なぜ拙速に決めようとするかについてお考えを示していただきたいのであります。
 次に伺いたいのは、次期WTO交渉に臨む基本姿勢についてであります。
 次期交渉は、農業協定第二十条により、改革過程の継続という性格を持つとされております。この点が貫かれるなら、日本のみか多くの輸入国の農業の存立が危うくなってまいります。
 ウルグアイ・ラウンドの場合は、食糧生産が大過剰と言われた時代でありました。次期交渉は世界的食糧不足、それも構造的不足の時代を迎えるに当たっての交渉となります。それからすれば、次期交渉は、ウルグアイ・ラウンドの継続ではなく、一変しつつある世界の食糧事情に見合う新しいルールづくりの機会にされなければなりません。
 一昨年の国連食糧農業機関による食糧サミットを初め、多くの国際機関が二十一世紀の食糧不足への早期対策を訴えております。また、米国を含む家族農家の団体や消費者、環境団体から自然保護団体なども立ち上がっております。世界的気象変動や水飢饉が進み始めた中で、世界の食糧をアグリビジネスなど国際的巨大資本の手にゆだねる自由化に反対して、地球環境と農村社会を守る運動と結合的に取り組みつつあるのであります。
 ウルグアイ・ラウンドで主導的であったのは米国とEUですが、次期交渉で輸入国でもあるEUと環境問題の視点からの連携も含め、輸入国農業も存立し得る新ルールづくりの道を開くことは、世界の食糧問題解決にとって不可欠であります。世界最大の食糧輸入国であり経済大国でもある日本が、その先頭に立たずしてだれが立つのでありましょうか。世界の食糧事情の変化に見合うルールづくりについてどう考えるか、総理と通産大臣、農水大臣の所見を承りたいのであります。
 続いて、総理並びに農水大臣にWTOのルール改革と国内農政について伺います。
 新基本法づくりと関連し、政府が進めてきた農政改革に多くの農家が強い不安を抱いております。それは、WTOの貿易ルールを変えるのではなくて、WTOの体制のもとに農政のあり方を組みかえていくのではないかと見られるからであります。今政府に求められるのは、貿易ルール改定への構想を大胆に示しながら、主権国家としての主体性を発揮した農政のあり方を示すことであります。
 また、政府は、食糧安全保障や農業の持つ多面的役割を次期交渉で強力に主張すると言っておりますが、それによってどうWTOのルールを変えるのかが示されておりません。例えば、緑のボックスに水田農業を入れるとか、新たに食糧安全保障ボックスを設けるなど、創意ある提案を具体的に行っていくべきであります。同時に、輸入国が輸出国と同等の農業助成金を削減させられる不公正さの是正を初め、これまで政府も指摘してきた輸出補助金や輸出規制の廃止なども含め、改革への実践的展望を示すことです。総理、農水大臣、いかがでしょうか。
 また、それとあわせ、国内農政を充実していくことであります。新たな基本法の中に、稲作を中心に麦、大豆、飼料作物など土地利用型農業の位置づけを図るとともに、農家が切望してやまない価格支持政策にかわる直接所得政策にしても、中山間地域だけに限定することなく、平場であっても環境保全にかなうものなら対象とするなど、その充実を期すべきであります。農水大臣のお考えをお聞かせいただきたいのであります。
 次に、外交交渉のあり方について、総理並びに外務大臣の御所見を伺います。
 ウルグアイ・ラウンドでの外交交渉は、その経過の事実さえ知ることのできない極端な秘密に閉ざされたものでありました。既に、西欧などで見るなら、環境問題等々の国際会議に臨む代表団が政府とNGOによって構成される例も珍しくありません。今回の米の関税化移行は、野党との事前協議もなければ、自治体や消費者、市民団体等もすべて事後扱いでありました。
 外交は、国民の合意に支えられてこそ大きな力を発揮するものであります。そのため、合意形成を可能とするWTO改革への構想づくりとともに、情報公開はもとより、透明性のある外交を心がけるべきであります。総理、外務大臣、いかがお考えでしょうか。
 最後に、昨日の不審船の件について伺います。
 今回のような事態に備えるため、海上保安庁による沿岸警備は体制をさらに充実すべきであろうと思います。この点についての総理の見解を伺います。
 また、今回の事案に対して、国民各層への十分なる説明を行うことを要望し、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
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小渕恵三#26
○国務大臣(小渕恵三君) 谷本巍議員にお答え申し上げます。
 まず、関税措置への切りかえと今後の関税率についてお尋ねがありました。
 今回の切りかえに際しまして設定いたしました二次税率のもとで、米の輸入増によりまして国産米の需給や自給率に影響が出るとは考えておりません。今後とも、我が国の米及び稲作の重要性にかんがみ、非貿易的関心事項等が十分に反映された内容の合意が得られますよう、次期交渉に当たってまいる所存でございます。
 関税措置への移行に対する異議申し立てとそれへの対処等についてのお尋ねでありました。
 今回の切りかえは、農業協定の規定に忠実に従っているにもかかわらず、一部の国から異議申し立てが行われたことは極めて遺憾であります。今後とも、我が国の今回の措置が農業協定に従っている旨を説明し、異議等の申し立てが撤回されるよう努力する考えであります。
 稲作の重要性の認識と決定過程についてお尋ねですが、今回の切りかえは、農業団体のみならず、各方面における議論を踏まえまして、稲作の重要性を十分認識した上で国益にとって最善の選択として決定をいたしました。なお、米は国民の主食であり、稲作は我が国農業の基幹であることは何ら変わりないところでございます。
 次期WTO交渉での新たなルールづくりについてのお尋ねでありました。
 食糧安定供給と農業農村の持続的発展を図り、二十一世紀に向け農業者が明るい展望を持って農業に取り組めるよう、次期交渉では各国の農業の実情、農業の多面的機能や食糧安全保障、輸出入国間の貿易関連措置の状況を踏まえた貿易ルールの確立を積極的に主張していきたいと考えております。
 次に、次期WTO交渉において主体性のある農政を示すべきとのお尋ねでございますが、新しい基本法案におきまして基本理念として掲げた食糧の安定供給の確保や農業の多面的機能の十分な発揮という考え方、並びにこれに基づく施策が国際ルールの中で正当に位置づけられるよう、積極的に主張してまいりたいと考えております。
 WTOの改革についてのお尋ねでありました。
 二〇〇〇年からのWTO次期交渉の一環といたしまして、WTOの活動の透明性の向上についても議論の対象となっております。政府といたしましては、国民各界各層からの意見を参考にしつつ、また、各国との調整を図りながら、この問題を含め、次期交渉へ向けて引き続き主導的な役割を果たしてまいりたいと思っております。
 次に、外交における情報公開及び透明性についてお尋ねでありましたが、私は、外交には究極のところ国民の皆様の理解が必要不可欠であると考え、国民とともに歩む外交の推進を提唱してまいっております。昭和五十一年に始まった外交記録公開及び既に経済や環境分野の交渉で実施している民間の意見の聴取に加え、新たな情報公開法のもとでの努力を払うよう、引き続き外務省を指導する考えであります。
 なお、本案に対する残余の質問については関係大臣から答弁いたさせますが、最後に今般の能登半島の不審船事案に関してお尋ねがございました。海上保安庁による沿岸警備の体制についてお尋ねでありました。
 今回の事案に対応しての政府の対処につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますが、今回の事案を踏まえまして、必要がありますれば、その体制のさらに充実強化につきまして検討いたしてまいりたいと思います。
 なお、本件につきまして、国民各界各層に対する説明を十分行うようにという谷本議員の御指摘につきましては、十分心得て対処いたしてまいりたいと思っております。
 以上、御答弁とさせていただきます。拍手
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
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中川昭一#27
○国務大臣(中川昭一君) お答え申し上げます。
 まず、次期WTO交渉における新たなルールづくりにつきましてのお尋ねですが、先ほど総理よりお答えした基本的な認識のもと、次期交渉では次のような論点を強力に主張し、最終合意内容に我が国の考え方を十分反映させてまいりたいと考えております。
 第一に、農業の多面的機能、食糧安全保障の重要性、さらに、国内の農業政策の円滑な実施や農業生産の文化への十分な配慮がなされること、第二に、真に公正な農産物貿易ルールを確立するため、輸出入国間の権利義務のバランスを確保すること、第三に、各国の農業が共存できるような国際規律とすることであります。
 私といたしましては、このような基本的な姿勢のもと、関係者一体となって国民的共通認識を得ながら、揺るぎない交渉方針を築き、後世に悔いのない交渉結果を獲得すべく全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。
 次に、WTO交渉において主体性のある農政を示すべきだとのお尋ねですが、二十一世紀に向け農業者が明るい展望を持って農業に取り組むことができるような交渉結果を得るためには、食料・農業・農村基本法案に掲げられた考え方や、これに基づく施策が国際規律の中で正当に位置づけられることが必要と考えております。
 このような観点から、次期交渉においては、新たな基本法案の基本理念である国内農業を基本とした食糧の安定供給の確保、農業農村の有する多面的機能の発揮等が十分反映された内容の合意が得られるよう、我が国の立場、考え方を積極的に主張していきたいと考えております。
 次に、次期農業交渉で具体的な提案を行うべきとのお尋ねでありますが、次期交渉においては、二十一世紀に向け農業者が明るい展望を持って農業に取り組めるような交渉結果を獲得することが必要であると考えております。
 このためには、先ほど申し上げた次期交渉に向けての基本的考え方のもと、国民的な共通認識を得ながら、早急に交渉方針を構築した上で、関係国とも連携をとりながら、それを強力に主張していくことが必要であると考えており、これを通じて最終合意に我が国の考え方が反映されるものであると考えております。
 次に、土地利用型農業の位置づけについてのお尋ねでありますが、稲作を中心とした土地利用型農業につきましては、食料・農業・農村基本法案におきましても個別作目について特記はしておりませんが、安定的な食糧供給と我が国農業の持続的発展の上から、重要な部門として位置づけられるものであることは言うまでもありません。このため、土地利用型農業の振興を念頭に置いて、食糧自給率目標の設定、農地の確保及び有効利用、農業生産基盤の整備、人づくり、技術開発等、基本的施策として明示しているところであります。
 最後に、直接支払いについてのお尋ねでありますが、直接支払いについては、我が国農政史上初めてのことであり、その制度内容は国民の理解を得られるものであることが必要であります。このため、WTO協定上削減対象外の緑の政策として導入することを前提に、公益的機能の確保を特に図る必要がある中山間地域等に対する直接支払いの具体化について検討を進め、これにより国民の理解を得ていくことが最重要課題であると考えております。
 なお、平場における直接支払いについては、環境に着目した制度とするとしても、汚染者負担原則との関係あるいは環境に対する負荷軽減義務の取り扱いをどうするか、さらには直接支払いを広範囲に適用することには、農業構造の改善をおくらせる面があるのではないか等の懸念があります。このため、今後十分な時間をかけて検討していく必要があると考えております。拍手
   〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
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与謝野馨#28
○国務大臣(与謝野馨君) 谷本議員にお答え申し上げます。
 御質問は、世界の食糧事情の変化に見合うルールづくりについてどう考えるか、こういう御質問でございました。
 次期WTO交渉について、我が国としては、既に交渉を開始することが決まっております農業、サービス分野といった既存の交渉分野に加えまして、鉱工業品関税や投資ルール等の幅広い項目を対象とした包括的交渉とすることを提唱しているところであります。
 農業分野については、これまでAPEC閣僚会議や先般の訪豪の際にも関係国から高い関心が表明され、私自身も農業問題は交渉全体にとって重要なものと承知をしております。農業分野に関する次期交渉においては、農業の多面的機能への配慮等、我が国の立場を十分に反映させたものとすべく、政府一体となって対処してまいる考えであります。拍手
   〔国務大臣高村正彦君登壇、拍手〕
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高村正彦#29
○国務大臣(高村正彦君) WTO改革及び情報公開、透明性のある外交についてのお尋ねでありますが、二〇〇〇年からのWTO次期交渉の一環として、WTOの活動の透明性の向上についても議論の対象となっております。
 政府といたしましては、国民各界各層からの意見を参考にしつつ、また、各国と調整を図りながら、この問題を含め、次期交渉へ向け引き続き主導的な役割を果たしてまいります。
 なお、WTO次期交渉に向けて、外務省では、NGOへの説明やインターネットを通じた情報提供及び意見受け付けを行っているところであります。
 さらに、WTO以外でも、主として経済や環境の分野での交渉の際に、必要に応じ行っている民間意見の聴取や、昭和五十一年に始まった外交記録公開に加え、新たな情報公開法のもとでの努力を払ってまいります。拍手
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