小渕恵三の発言 (本会議)

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○国務大臣(小渕恵三君) 角田義一議員にお答え申し上げます。
 日米首脳会談に臨みます基本的立場に関してお尋ねがありました。
 私は、大統領と二十一世紀に向けた中長期的な日米協力のあり方を大所高所から議論し、今後の国際社会の諸課題に日米両国が主要な役割を果たしていくことを確認することといたしております。また、アジア等の地域情勢や世界経済の回復等、国際社会が抱える重要問題につきましても幅広く意見交換を行ってまいりたいと考えております。
 コソボ問題についての我が国の立場、貢献等についてのお尋ねでありました。
 今回のNATOによる武力行使は、ユーゴ政府が和平合意案をかたくなに拒否し、他方で国連安保理決議に反した行動をとり続ける中で、さらなる犠牲者の増加という人道上の惨状を防止するために、やむを得ずとられた措置であったと理解しております。我が国は、コソボ問題の政治解決のため、あらゆる外交努力を支持するとの立場であり、これまでのロシアの外交努力を高く評価いたしております。我が国も、G8の一員として政治解決のために貢献していく考えであります。
 また、大量の難民がコソボから流出している現状に迅速に対応することが国際社会の責務であるとの認識に立ちまして、昨日、難民支援、周辺国への支援、和平達成後の復旧や難民帰還への支援から成る総額約二億ドルの支援を行うことを決定いたしたところであります。クリントン大統領とは、このような立場から、コソボ問題につきましても議論してまいりたいと考えております。
 今般の周辺事態安全確保法案の修正についてお尋ねがありました。
 当該修正につきましては、自民党、公明党・改革クラブ及び自由党との間で精力的な御議論の上、三会派で合意されたものと承知をいたしております。政府としては、今般の三会派の修正を誠実に受けとめ、参議院での御議論を経て、これが可決、成立された際には、本法案に基づく対応に遺漏なきよう万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
 周辺事態における対米協力についてのお尋ねでありました。
 周辺事態安全確保法案は、日米安保条約により効果的な運用を確保し、我が国に対する武力攻撃の発生等を抑止することに資するものであります。また、同法案に基づく対米協力は、まさに我が国の平和と安全を確保するとの観点から、我が国自身の主体的政策判断に基づき、憲法の範囲内において実施するものであります。したがって、同法案及びそれに基づく対米協力は憲法の精神にもとるものでは決してありません。
 法案に基づく自衛隊の活動と専守防衛に関するお尋ねでありました。
 後方地域支援等は、それ自体武力の行使に該当せず、米軍の武力行使と一体化の問題も生じません。また、武器使用は、自衛官の生命・身体の防護という自己保存のための必要最小限のものであり、武力の行使には該当しないと考えております。したがって、法案に基づく自衛隊の活動は専守防衛を超えるものではないと考えます。
 周辺事態安全確保法案における国会の関与についてのお尋ねでありました。
 政府としては、本法案に基づく自衛隊の活動の性格等にかんがみれば、本法案につきシビリアンコントロールが十分機能しないとの指摘は当たらないと考えております。
 なお、衆議院での修正により設けられた国会承認の枠組みは、新たに認められる後方地域支援及び後方地域捜索救助活動の実施につきまして、国民の十二分な理解を得ることが望ましいことにかんがみ、設けることとされたものと承知をいたしております。
 なぜ「事前協議」の字句が削除されたかということでありますが、新旧の日米防衛協力のための指針での事前協議への言及の差異についてのお尋ねと理解しますが、新指針では、基本的な前提及び考え方として、日米安保条約及びその関連取り決めに基づく権利及び義務を変更しない旨明記いたしておりまして、ここで言うその関連取り決めにはまさに事前協議に関する岸・ハーター交換公文が含まれているため、文面上は「事前協議」という字句を用いませんが、事前協議制度は日米両国政府が安保条約締結以来確認してきているものであり、今後とも適切に対処いたしてまいる考えであります。
 戦闘作戦行動に関する事前協議についてのお尋ねでありますが、これは、米軍が戦闘作戦行動のための基地として我が国の施設・区域を使用する場合には、我が国が国益確保の見地から自主的にその諾否を判断する権利を留保するものであります。また、このことはいわゆる朝鮮半島有事の場合であっても変わりはありません。
 いずれにせよ、事前協議の対象となる主題に該当する場合があれば、米側の条約上の義務として当然事前協議が行われ、その場合、我が国としても適切に対処することとなります。
 周辺事態安全確保法案の真意についてお尋ねがありました。
 本法案は特定の地域を念頭に置いたものではなく、また、周辺事態の生起する地域をあらかじめ特定できないことは累次申し上げてきておるところでございます。
 また、本法案は我が国の平和及び安全の確保に資することを目的といたしておりまして、したがって、本法案が御指摘のような朝鮮有事を想定して米軍への後方支援態勢を確立しようとするものであるとの御指摘は当たらないと考えます。
 沖縄における米軍施設・区域に関する問題につきましてお尋ねでありました。
 政府といたしましては、SACOの最終報告に盛り込まれた返還事案を着実に実施してきておるところでありまして、日米防衛協力のための指針のゆえに返還の努力がおろそかになることはありません。政府としては、今後とも同報告の着実な実現に向けまして、稲嶺知事のお考えを十分に拝聴しつつ、沖縄県の理解と協力のもと最大限努力していく考えであります。
 周辺事態の認定についてのお尋ねですが、まず周辺事態の発生を未然に防ぐため、我が国として種々の外交努力を行うべきことは言うまでもありません。また、ある事態が周辺事態に該当するか否か及びその事態に対応するためいかなる措置をとるかにつきましては、我が国の国益確保の見地から、その時点の状況等を総合的に見た上で、我が国として主体的に判断いたしたいと思います。
 我が国及び朝鮮半島を含む地域の平和と安定を確保していくための我が国の外交戦略についてのお尋ねでありますが、政府といたしましては、同地域における米国の存在と関与を前提とした上で、ASEAN地域フォーラム等の多国間の枠組みや域内各国との二国間の安保対話、防衛交流を通じた安全保障環境の向上が重要であると考えておりまして、今後ともこのような努力を継続してまいる考えであります。
 最後に、北朝鮮についてのお尋ねがありました。
 我が国は、北朝鮮がミサイル問題等の国際的な懸念や日朝間の懸案に建設的な対応を示すのであれば、対話の再開を通じ関係改善を図る用意がある旨繰り返し明らかにいたしております。残念ながら、これまでのところ北朝鮮側より十分に前向きな対応が示されておりませんが、政府としては、北朝鮮の建設的な対応を得て関係の前進を図っていきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣野中広務君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114515254X01719990428_015

発言者: 小渕恵三

speaker_id: 19131

日付: 1999-04-28

院: 参議院

会議名: 本会議