小渕恵三の発言 (本会議)

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○国務大臣(小渕恵三君) 渕上貞雄議員にお答え申し上げます。
 周辺事態安全確保法案の審議についてのお尋ねがございました。
 本法案は、昨年四月に国会に提出いたしました後、本院におきましてもさまざまな場で御議論をいただいてきておるところでございます。
 本法案は、我が国の平和と安全の確保のための非常に重要なものであり、本院におきましても積極的に御審議をいただき、できるだけ早期に成立することを期待いたしております。
 周辺事態安全確保法案に対する地方自治体や国民の関心についてのお尋ねでありましたが、本法案には地方自治体や民間の協力に関する規定も含まれ、国民の関心も高いものと当然承知をいたしております。
 政府としては、従来より法案の理解を得るため努めてまいりましたが、今後とも、我が国の平和と安全にとって重要な本法案につきまして、機会をとらえ適切に御説明し、御理解を深めていただけるよう努めてまいる考えであります。
 周辺事態安全確保法案における国会の関与についてお答え申し上げます。
 衆議院での修正では、後方地域支援及び後方地域捜索救助活動の実施については、周辺事態に際しての実力組織たる自衛隊の部隊等が新たに実施できるようになるものであることから、国民の十二分な理解を得ることが望ましいことにかんがみ、原則として事前、緊急の必要がある場合には事後に国会の承認を求める枠組みが設けられたものと承知をいたしております。
 政府としては、原則はあくまでも事前承認であり、可能な限り国会の事前承認を得るよう努めてまいることは当然と考えます。
 また、武器使用に係る衆議院の修正は、後方地域支援につきまして万が一の不測の事態が生ずる可能性を全く否定することができないことから、慎重の上にも慎重を期して、自衛官の生命または身体を防護するための必要最小限の武器使用規定を設けることといたしたものと承知をいたしております。
 政府としては、これを誠実に受けとめ、可決、成立の際には、対応に遺漏なきを期す所存でございます。
 周辺事態に係る修正案についてのお尋ねでありましたが、御指摘の文言は、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態を例示的に丁寧に説明したものと承知いたしております。
 また、法案が想定する自衛隊の活動は、それ自体武力の行使に該当せず、米国の武力の行使と一体化するものではなく、そもそも集団的自衛権の行使には当たらないと考えます。
 地方公共団体の協力についてお答えいたします。
 本法案に基づく協力は、あくまでも協力を求めるということでありまして、強制するものでもなく、地方公共団体の長は、正当な理由があるときにはこれを拒むことができます。地方公共団体の長の対応がその権限につきまして定めた法令に違反するような場合、国として地方自治法等に基づく措置をとることも法律論としては考えられますが、地方公共団体の長は求めに応じて権限を適切に行使していただけるものと考えます。
 地方公共団体や民間の協力の行われる地域についてでありますが、地方公共団体や民間に協力を依頼する場合には、安全性について慎重に判断し、およそ不測の事態が起こり得ない、そのような危険性がないと考える状況において協力の依頼を行うことを想定しているものであり、自衛隊が活動を行わないような危険な地域における協力を依頼することはありません。
 周辺事態の範囲についてでありますが、周辺事態とは、我が国周辺の地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態であり、ある事態が周辺事態に該当するか否かは、その事態の規模、態様等を総合的に勘案して判断いたします。したがって、その生起する地域をあらかじめ地理的に特定することはできません。他方、周辺事態が我が国の平和と安全に重要な影響を与える以上、現実の問題としてこのような事態が生起する地域にはおのずと限界があり、無限に広がりかねないということはあり得ないと考えます。
 周辺事態への対応措置についてお尋ねですが、御指摘の対応措置が後方地域支援、後方地域捜索救助活動その他の周辺事態に対応するため必要な措置を指すものであることは法案第二条に明記されており、周辺事態への対応措置について何らの定義も限定もないとの御指摘は当たりません。
 基本計画について法案の規定が不明確との御指摘でありました。本法案におきまして、基本計画に定める事項につきその項目を詳細に定めており、また基本計画を変更する場合の手続も定めているところであり、御指摘は当たらないと考えます。
 国以外の者の協力について法案の規定が不明確との御指摘もありますが、本法案第九条は、国以外の者に対して必要な協力を求め、または依頼することを定めているものでありまして、強制するものではなく、従わない場合に本法案に基づきいかなる制裁的措置をとることもございません。
 周辺事態安全確保法案の政令委任規定についてでありますが、本法案第十二条に基づき政令で定めることが必要となった場合、そこに規定される内容は、当然、本法案の実施のために必要な手続等の範囲内のものとなり、新たに国民の権利を制限し、または国民に義務を課するような規定を設けることはない旨は既に御答弁申し上げているところであり、国民の権利義務に係る重要事項まで白紙委任されるとの御懸念は当たりません。
 周辺事態安全確保法案は欠陥法案であるという御指摘でありますが、本法案に基づく対応措置が国民の権利義務に直接関係するものでないこと、地方自治体や民間への協力を強制するものでないこと、さらに本法案に基づく政令により新たに国民の権利を制限し、または義務を課するような規定を設けることはないことは累次御答弁申し上げているところであり、本法案が基本的人権、地方自治権、立法権を侵害する欠陥法案との御指摘は当たりません。
 国以外の者の協力に係る財政上の措置についてお答えいたします。
 協力を行う場合、対価が支払われるべきものについては正当な対価が支払われるものであり、損失が一般に想定されるわけではありませんが、万一損失の生じた場合には、国が必要な財政上の措置を講ずることといたしております。いかなる予算措置を講ずべきかについては、その必要が生じた時点において適切に対応してまいりたいと考えております。
 周辺事態安全確保法案が我が国の軍事大国化につながるおそれはないかとのお尋ねでありますが、本法案は、あくまでも我が国の平和と安全の確保に資することを目的といたしております。また、政府は従来より日本国憲法のもと専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本理念に従い、日米安全保障体制を堅持し、節度ある防衛力の整備に努めるとともに、我が国を取り巻く国際環境の安定を確保するための外交努力を行うことを安全保障政策の基本方針としてきたところでありまして、このことは本法案の成立により何ら変更されるものではなく、本法案の制定が軍事大国化などにつながるとの御指摘は当たりません。
 最後に、さきの大戦の反省とアジアの平和についてのお尋ねでありました。
 政府といたしましては、一九九五年の内閣総理大臣談話を基本とし、我が国が過去の一時期に植民地支配と侵略により、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受けとめ、これらに対する深い反省とおわびの気持ちに立って、アジア太平洋地域、ひいては世界の平和と繁栄に向かって力を尽くす考えであり、そのため各界の御協力を得ていきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣高村正彦君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114515254X01719990428_028

発言者: 小渕恵三

speaker_id: 19131

日付: 1999-04-28

院: 参議院

会議名: 本会議