小渕恵三の発言 (本会議)

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○国務大臣(小渕恵三君) 緒方靖夫議員にお答え申し上げます。
 衆議院における組織的犯罪対策三法案の審議についてであります。
 国会での御審議について意見を申し述べることは差し控えますが、これらの三法案は、組織的な犯罪をめぐる国内外の情勢にかんがみ、この種の犯罪に適切に対処するために必要不可欠な法整備として重要かつ緊急の課題でありますので、できる限り早期にこの法整備を実現させていただきたいと考えております。
 憲法第二十一条の意義についてお尋ねがありましたが、同条第二項の保障する通信の秘密は、個人の私生活上の自由やプライバシーの保護の一環としての意義を有するものであり、十分に尊重されなければならないものであります。しかし、通信の秘密の保障も絶対的なものではなく、犯罪捜査のために必要やむを得ない限度において、しかも厳格な手続の定めのもとで制約を受けることは憲法の認めているところであると考えます。
 通信傍受法案の合憲性についてお尋ねがありましたが、同法案においては、傍受の要件を厳格に定めるなどすることにより、憲法の保障する通信の秘密や国民の私生活上の自由の制約を、必要やむを得ない範囲に限定している上、憲法が定める適正手続の要請や令状主義の趣旨をも満たしており、憲法に反するものではないと考えております。
 諸外国の憲法についてのお尋ねがありました。
 例えば、主要国首脳会議に参加する国のうち、ドイツ、イタリア、ロシア、カナダにおいて、我が国と同様、憲法上、通信の秘密が保障されております。
 なお、こうした国においても、憲法の保障する通信の秘密は、絶対無制限のものではなく、必要最小限の範囲でその制約が許されているものと承知をいたしております。
 いわゆる日本共産党幹部宅盗聴事件についてのお尋ねでありますが、警察におきまして、この事件についての民事訴訟の結果等を厳粛に受けとめ、適正な職務執行に努めているところであると承知をいたしております。
 本法案審議の前提についてお尋ねでありましたが、警察におきまして、いわゆる日本共産党幹部宅盗聴事件についての民事訴訟の結果等を厳粛に受けとめ、適正な職務執行に努めているところであると承知をいたしており、警察が行う通信傍受に歯どめがかからなくなるということはないと確信をいたしております。
 国連の場で出されている批判にどうこたえるのかとお尋ねでありますが、規約人権委員会等におきまして、政府としては必要な説明を行っておると承知をいたしております。
 令状請求権者の限定についてのお尋ねがありました。
 通信傍受という捜査手段を用いることについての判断には特に慎重を期すべきであるとの観点から、傍受令状の請求権者をより高い立場からの判断ができる地位にある者に限定したものであり、検察、警察は、それぞれ慎重かつ適正な判断のもとに法律の要件、手続に従って通信傍受による捜査を行うものと考えております。
 裁判官の令状審査についてのお尋ねがありましたが、令状の却下率が低いのは、捜査機関内部におきましても令状請求に当たりまして慎重な検討を行っていること等によるものであり、裁判官は、関係資料を精査し、法律に定める要件について慎重かつ厳正な令状審査を行っているものと認識をいたしており、御指摘のようなことはないと考えております。
 立会人の役割についてのお尋ねがありました。
 立会人は、通信傍受の実施状況を確認し、記録の封印を行い、傍受の実施に関し意見を述べるなどの役割を担うものであり、傍受した通信はすべて記録され、封印の上、裁判官が保管するなどの手続と相まって、通信の傍受が適正に実施されることを担保することができるものであります。
 通知の対象となる通信当事者の範囲についてのお尋ねがありました。
 該当性判断のため必要最小限度の傍受を行ったにすぎない場合には、傍受記録からその通話の記録は消去して捜査機関の手元に残さないことといたしており、このような犯罪に関係のない通信の当事者にまで通知をすることはむしろ弊害が大きいことなどから、通知を行わないことといたしております。
 以上、お答え申し上げましたが、残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣陣内孝雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114515254X02719990609_011

発言者: 小渕恵三

speaker_id: 19131

日付: 1999-06-09

院: 参議院

会議名: 本会議