小渕恵三の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(小渕恵三君) 福島瑞穂議員にお答え申し上げます。
いわゆる共産党幹部宅電話盗聴事件についてのお尋ねでありました。
警察におきましては、過去の判例において警察官による盗聴行為があったと推認されたことなど、厳粛に受けとめているところであると承知をいたしております。また、警察におきまして既に関係者の処分等必要な措置が講ぜられており、その後二度とこのような事態が生じないよう適正な職務執行に努めているところであり、今後とも国民の信頼を裏切ることのないものと確信をいたしております。
警察官の不祥事について御指摘がありましたが、厳正な規律は警察の生命であると認識いたしております。いやしくも国民から誤解を招くことのないよう警察庁及び都道府県警察において必要な指導をしていると承知をいたしております。
通信傍受制度の必要性についてのお尋ねがありましたが、近年、我が国では、薬物・銃器関連犯罪、組織的な殺人、集団密航事件が少なからず発生し、憂慮すべき状況にあります。これら犯罪は、その実行が密行的に行われ、証拠隠滅工作等が行われることが少なくなく、これら犯罪の事案の真相を解明して首謀者等を検挙し、国民の平穏な生活を確保し、法秩序を維持するためには、従来の捜査手法に加えて通信の傍受という新たな捜査手段がぜひとも必要であると考えております。
傍受令状により傍受ができる通信の範囲についてお尋ねがありました。
本法案による通信の傍受は、既に犯罪が行われていることについて十分な嫌疑があることを前提として、厳格な要件のもと裁判官の発する令状に基づき必要最小限の範囲において適正かつ厳格な手続に従って行うものであり、その範囲が広過ぎるという問題はないと考えております。
通信当事者に対する通知についてお尋ねがありました。
傍受すべき通信に該当するか否かを判断するために必要最小限度で傍受を行ったにすぎず、傍受記録の作成にも至らなかった通信の当事者に通知を行わないのは、その記録が消去されるなど、通信の秘密を制約する程度が極めて小さく、また通知を行うことの弊害が大きいこと等によるものであり、これが憲法等に抵触することはなく、また適当なものと考えます。
記録の消去について、お尋ねがありました。
本法案において傍受記録を作成した場合には、傍受の原記録を除き、傍受記録に残された記録以外はすべて消去しなければならないといたしておるところであり、これを怠った場合には監督者も含めて懲戒処分の対象となるものであることから、その確実な履行が期待できるものと考えております。
立会人の制度についてお尋ねがありました。
立会人は傍受令状に記載されている事項が遵守されているか等をチェックする役割を担っており、通信傍受の適正は十分に確保できるものと考えております。
弁護士等の立ち会いについては、常時立ち会いを確保することの困難性に加え、捜査内容の詳細を知らせたり、通信の内容を聞かせること自体、関係者のプライバシーの観点等からも問題があると考えられます。
通信傍受制度の必要性についてお尋ねがありました。
検証許可状による傍受は、主として覚せい剤の密売用の電話について傍受が許されるもので、首謀者の特定や大規模な密輸等の犯罪の捜査については効果を上げることが困難であり、また立ち会い、記録の作成、保管等、関係者の権利保護等に関する規定がなく、これらの規定の整備を図るため本制度を設ける必要があるものと考えられます。
報道関係者の通信の傍受等についてお尋ねがありましたが、報道関係者につきましては、刑事訴訟法上、押収、証言の拒絶が認められていないことに倣ったものであり、電子メール等の傍受につきましても電話と同様に厳格な要件、手続に従って行われるものであり、御懸念は当たらないと考えます。
次に、通信傍受の実施場所、方法及び立会人についてお尋ねがありました。
通信傍受の場所、方法は令状の記載事項であり、裁判官が適当と認めて令状に記載した場所において通信手段の傍受を実施する部分を管理する者等の立ち会いのもとに行われることとされており、傍受自体を警察施設内において行い、また警察官が立会人となることは想定されておりません。
警察が通信傍受により得た情報を恣意的に使用するのではないかとのお尋ねでありますが、本法案による通信傍受は、具体的な犯罪がある場合に、厳格な要件、手続のもとで裁判官の発する令状に基づきその犯罪を捜査するために実施するものであり、いわゆる情報収集の手段としてこれを行うことはあり得ず、御懸念は当たらないと考えます。
次に、犯罪収益規制に関する法整備についてお尋ねがありました。
これは、犯罪収益等の保持、運用が合法的な経済活動に重大な悪影響を与えること等にかんがみこれを規制するものであり、その前提犯罪の範囲を薬物犯罪以外の重大犯罪に拡大することなどが国際的な要請にこたえるものであります。
犯罪収益等収受罪の成否に関してお尋ねがありましたが、この罪が成立するためには、収受した財産が客観的に犯罪収益等に当たるだけではなくて、それが犯罪収益等であることの情を知っていることが必要であり、単に犯罪収益等であるかもしれないという一般的、抽象的な危惧、懸念を抱いているだけでは足りません。この罪の成立範囲が不当に広がることにはならないものと考えております。
最後に、組織的犯罪対策三法案の必要性に関してお尋ねがありました。
この三法案は、組織的な犯罪に適切に対処することにより、国民の平穏かつ安全な生活を確保し、法秩序を維持するために必要不可欠な法整備を図るものであり、人権を不当に侵害することのないよう十分な配慮をしておりますので、この点を御理解いただき、できる限り早期に実現をさせていただきたいと考えております。
以上、御答弁申し上げます。(拍手)
─────────────