清水澄子の発言 (本会議)

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○清水澄子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、ただいま議題となりました内閣法の一部を改正する法律案外十六本の中央省庁等改革関連法案につきまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 社会民主党は、分権、透明、公正の視点を基本に、憲法の理念を生かした市民のための行政改革の必要性を強調してまいりました。明治以来の中央集権、官主導の行政から、地方分権、情報公開を徹底的に進め、国民に開かれた主権在民にふさわしい行政に転換することが必要との立場から、橋本内閣当時には与党行政改革協議会における中央省庁等改革基本法案の準備作業に参画し、独立した環境省の創設や男女共同参画会議の設置等の成果を上げるなど、国民のための行政改革に力を尽くしてきたところであります。
 しかしながら、十七本の膨大な法案には多くの問題点があります。衆議院の審議時間だけでは到底国民の疑問や期待にこたえ切れているとは言えません。本院における法案審議に当たり、十分な審議時間と実りある議論が必要と考えます。国民に身近でわかりやすい行政改革を実現するため、本院の良識を発揮すべきときであります。
 社会民主党は、本院における法案審議に当たっては、問題点を明らかにしつつ、国民の理解と納得に資する論議を展開していく所存であります。
 今回の中央省庁等の改革のベースとなっている中央省庁等改革基本法は、その目的において、内閣機能の強化、国の行政組織及び事務事業の減量・効率化ばかりが語られ、本来的な理念は全く語られておりません。戦後の経済中心主義、生産中心主義のあり方を見直し、人々の福祉、人権の擁護、社会的公平公正の確保が中心に据えられるべきではなかったのでしょうか。
 行政の縦割りを排し、無理、むら、むだを徹底的に省くことは当然のことでありますが、何でもスリムにすればいいというものではなく、二十一世紀の社会とそこにおける行政の役割を展望し、必要な部分はむしろ充実すべきであります。国民はめり張りのある行政改革を求めております。
 少子社会、高齢社会を迎える中、従来のような一部の人に恩恵としての福祉を与えるような手法やすべてを市場にゆだねるような弱者切り捨て型の手法でもなく、だれもが、いつでも、どこでも必要なサービスを受けることができるような人間の権利性を明確にした創造的福祉社会の実現が図られるべきと考えます。
 その場合、公的責任の明確化はもちろんのこと、サービス提供は行政が一元的に行うのではなく、NPOなども役割を果たし、同時に地域において人々が支え合う参加・分権・連帯型の社会づくりが必要であります。このような分野こそ最優先で充実を図るべきです。
 さらに、性別役割分業や大量生産、大量消費、大量廃棄に基づく経済社会構造を、男女平等社会、資源循環型社会に転換していくことが必要であります。
 二十一世紀の我が国にふさわしい中央省庁の具体的な姿は、このような理念に基づき、国民とのパートナーシップを基本としたものであるべきです。
 総理、今般の中央省庁等の改革は、参加・分権・連帯型の社会づくりに資するものでなければならないと考えますが、明確な御答弁をお聞かせいただきたいと思います。
 さて、二十一世紀は人権の世紀としなければなりません。そのためには、理念だけではなく、あらゆる差別の撤廃を目指した人権行政の展開、とりわけ人権侵害の被害救済や人権教育・啓発、行政に対するチェック機能の確立に向けた具体的な取り組みが必要であります。そのためには、高い独立性と第三者性を確保した新たな機関の確立が不可欠であると考えますが、総理の御見解を伺います。
 また、男女平等社会を実現するためには、政治、経済、社会のあらゆる分野のあり方の見直しが必要であり、すべての省庁にわたる取り組みが求められております。内閣府設置法案では、内閣府に調査及び監視機能を持つ男女共同参画会議が設置され、また、閣議決定された中央省庁等改革の推進に関する方針では、男女共同参画局の設置が示されています。これらについて大いに評価するものであります。しかし、推進体制には十分な人員と予算の裏づけが不可欠であり、この際、専任の担当大臣を置くべきであると考えます。総理の御決意と具体策を明確にお示しください。
 環境省の創設についてお尋ねいたします。
 わずか千人余で発足する環境省は、屹立する巨大省の谷間でひときわ小さいのであります。環境省がその本来の目的を的確に達成できるよう、環境省に環境関係行政の統合一元化を行い、体制強化を図るべきであります。具体的には、水道行政については一元化を図り、環境省の所管とすることも必要であると考えます。総理の御所見をお聞きいたします。
 また、環境省が国土交通省などの巨大省を初めとする各省庁をチェックし、環境保全のための主導権を発揮するためには、人的にも予算的にも強力な基盤を整えることが不可欠でありますが、総理の御決意をお聞かせください。
 定員削減についてお尋ねいたします。
 我が国の人口千人当たりの公務員数は、アメリカやイギリスの約半数、フランスの約四割であり、我が国の公務員数は欧米諸国と比べ少ないのが実情であります。
 今後十年間で四分の一の国家公務員を削減するという方針では、行政サービスの低下が憂慮されます。無定見な大幅人員削減計画は撤回すべきです。国民向けのパフォーマンスとして、行政改革を単なる人減らしに矮小化することは断じて許されません。このことについて総務庁長官に説明を求めます。
 さらに、行政改革は一方で公務員の雇用・労働条件の向上を図るものでなければなりません。定員削減に当たってはいささかの雇用不安があってはなりませんし、労働条件の向上も重要であります。これらが保障されなければ、国家公務員全体の士気が低下することは必至であります。万全の配慮が必要であると考えますが、総務庁長官、いかがお考えでございましょうか。
 次に、副大臣制度の導入に当たっては、族議員の量産、利権政治の拡大が懸念されております。政官業の癒着の土壌を今度こそ根絶しなければなりません。政治家みずからも高いモラルを示さなければ、信頼される行政改革にはなりません。国会議員等のあっせん利得行為の処罰の法制化等、政治倫理の確立と政治腐敗防止の実現が緊急の課題であると考えますが、総理はどのように対処されるのでございましょうか。
 行政改革には誠実かつ不断に取り組まなければなりません。行政機関の再編成の具体化に当たっては、我が国を取り巻く経済、社会、国民生活の変化に柔軟に対応することが求められます。また、国から地方への分権や、官から民への役割分担の見直し、情報公開の進展などによる情勢変化等を踏まえ、適宜見直しを行っていくべきであります。総理の御所見をお伺いいたします。
 最後に、国民本位の行政改革に資する実りある論議が本院において行われることを期待し、社会民主党もそのために全力を尽くすことを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114515254X02819990611_024

発言者: 清水澄子

speaker_id: 32435

日付: 1999-06-11

院: 参議院

会議名: 本会議