三重野栄子の発言 (本会議)
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○三重野栄子君 三重野栄子でございます。私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました産業活力再生特別措置法案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
本法案は、我が国産業の活力再生を速やかに実現し、豊かな経済社会を構築していくため、企業の事業再構築の支援を目的としていると政府は説明していますが、企業が抱えております雇用、設備、債務の三つの過剰の解消を国として後押しをするという内容は、まさに企業、事業者を中心としたものであり、労働者、生活者の視点に立ったものではないことは明らかであります。
現下の我が国経済は依然として厳しい状況にありますが、この原因をつくったのは、バブルの発生を防げず、またその崩壊後における政府の政策対応の誤りに基づいたものであり、その結果として多くの国民が今後の我が国経済の行く末に大きな不安を抱えているためであると考えております。
社会民主党はかねてより、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せるために、一、安心できる生活展望を示し生活の不安を解消する、二、健康、福祉、老後の不安を解消する、三、共生の地域社会づくりで地域の不安を解消する、四、雇用対策の拡充で失業不安を解消する、五、中小企業対策、貸し渋り対策の充実で不安を解消するという五つの不安打開策を主張してきましたが、今回の法案はこうした国民の不安にこたえるものではなく、企業のリストラ強化を支援するというものでありまして、国民の不安をますます増大するものではないでしょうか。
まず、この点につきまして総理の御見解をお伺いいたします。
今回論議を呼んでおります過剰設備の廃棄、過剰債務の圧縮、過剰雇用の整理は、言うまでもありませんが、バブル経済の清算にほかなりません。過剰設備や過剰債務をもたらした原因はまさしく経営者の重大な判断ミスによるものでありまして、そのツケを国民、労働者に押しつけようとすることには到底納得することができないのであります。経営者の責任を問うこともなく、設備廃棄を国として支援しようとすることは、企業経営者のモラルハザードをいたずらに助長する以外の何物でもないのでありませんか。
事実、当の産業界からも特定の業界や企業に優遇税制を設けることに対して反対の声が強いと聞いております。経営上の失敗からもたらされた過剰設備や過剰債務につきまして、当然、企業経営者の責任が問われてしかるべきであると考えますが、あわせて総理の御見解を伺いたいと思います。
法案に盛り込まれております事業再構築の支援策が企業のリストラを一段と加速させることは否定できません。企業のリストラの拡大は雇用問題だけにとどまらないことは言うまでもありません。設備の廃棄が工場の撤退に結びつき、地域経済に重大な打撃を与えるものだと言わざるを得ないのであります。
企業城下町と言われるような地域の商店街などが受ける影響について、政府はどのように考慮しているのでしょうか。総理、通産大臣の御見解をお伺いいたします。
〔議長退席、副議長着席〕
次に、今回の法案には、創業者・中小ベンチャー支援策が盛り込まれております。環境や福祉分野など二十一世紀を見据えた新規産業の創出、育成は極めて重要な政策課題であると認識しておりますけれども、今回いち早く取りまとめられました事業再構築の枠組みや支援策に比べまして、新規産業の支援策は極めて不十分であり、この問題に取り組む政府の真剣さは疑問であります。
中小企業やベンチャー企業の創出につきまして、人材、資金、技術面にわたる総合的な支援体制の確立が急務であると考えますが、通産大臣の御見解を伺いたいと存じます。
加えて、今回の法案におきましては、優遇税制などの恩典を受ける企業をどのように認定するかにつきまして、施行日までに通産省令を策定する予定であると聞いていますが、この規定があいまいなままでは裁量行政そのものになりかねません。そのためにも明確かつ客観的な基準を策定するべきであると思いますが、通産大臣の御所見をお伺いいたします。
最後に、雇用問題に関連して伺います。
本年六月の完全失業率は四・九%と、再び史上最悪の状況にあります。小渕総理は、今国会の冒頭の施政方針演説におきまして、百万人規模の雇用創出を目指し、雇用対策を強力に推進してまいりますと述べておられますが、また、先般の平成十一年度補正予算におきましても、緊急雇用対策費が大きな柱であると言っております。しかし、五千億円程度という極めて不十分な雇用対策であり、雇用不安の解消を図るという観点とはほど遠い内容となっていると言わざるを得ません。
政府がこれから推し進めようとしています補正予算緊急雇用対策と法案による事業再構築支援策という二頭立ての政策でもって我が国経済の建て直しと雇用不安の一掃が本当に可能なのでしょうか。史上最悪の状況にある雇用情勢を一段と増大させ、リストラの加速が失業率の一層の悪化を招き、雇用不安の高まりから、景気回復のかぎを握っている個人消費の回復をおくらせるばかりではないでしょうか。
総理の御所見を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕