本岡昭次の発言 (本会議)

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○本岡昭次君 私は、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合の三会派を代表して、ただいま議題となりました内閣総理大臣小渕恵三君に対する問責決議案について、提案の趣旨を説明いたします。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、内閣総理大臣小渕恵三君を問責する。
  右決議する。
 昨年の七月三十日に小渕内閣が発足して以来、一年が経過しました。この間、国民の間には将来の生活への不安と現状に対する閉塞感、政治不信と無力感が急速に広がっております。わずかこれだけの期間で、経済・雇用情勢をここまで急速かつ著しく悪化させ、国民生活を崩壊させ、社会のモラルを低下させ、子供や若者の夢を奪い、日本の国際的信頼を失墜させた内閣があったでしょうか。
 小渕内閣は、歴史的にも希有な無為無策内閣であります。この小渕政権の存在を許すことは、政治家の良心にも恥じるものであります。国民生活を立て直すために、私たちは小渕内閣の打倒に全力を尽くさねばなりません。
 以下、問責決議案を提出する具体的理由について申し上げます。
 不信任の第一の理由は、小渕内閣は議会制民主主義、国会での論議より数の論理に固執した内閣であることであります。
 昨年の参議院選挙において、国民は、自民党を敗北させ、小渕内閣を信任せずとの審判を下したのであります。その結果、総理大臣を選ぶ首班指名選挙では、この参議院では民主、公明、共産、社民、自由、無所属の非自民の野党の力で民主党の菅直人君が首班として指名されたのであります。
 参議院選挙前から与野党間で大きな政策的論争となっていた金融問題への対応について、内閣総理大臣となった小渕総理は、まず民主党など野党の提案の丸のみに走りました。すなわち、昨年秋に成立した金融再生法案は、政府・自民党の提出した大手銀行には適用できないブリッジバンク法案を取り下げ、我々野党の共同提案した金融再生法案を丸のみして成立したものであります。
 念のために、昨年秋に成立した金融再生法案の概要を申し上げますと、まず第一に、六つの明確な原則により、不良債権問題を先送りせず、二〇〇一年三月までに金融機関の破綻に対する施策を集中的に実施する旨宣言していることです。
 六つの明確な原則とは、破綻した金融機関の不良債権等の財務内容その他の経営の状況を開示すること、経営の健全性の確保が困難な金融機関を存続させないものとすること、破綻した金融機関の株主及び経営者等の責任を明確にするものとすること、預金者等を保護するものとすること、金融機関の金融仲介機能を維持するものとすること、金融機関の破綻処理に係る費用が最小となるようにすることです。これらの原則は、情報開示の徹底、市場原理の尊重、モラルハザードの回避、セーフティーネットの構築、国民負担の最小化という、いずれも重要な要素から成り立っており、我が国金融システムに対する内外の信頼を取り戻すためにも、どれ一つとして欠くことのできないものであります。
 とりわけ、金融機関の安易な延命、救済につながるおそれがあるとして国民の大きな批判を招いた金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律は、本法律案の成立とともに、完全に廃止されることとなります。
 第二に、金融機関の破綻が金融システムに与える影響を可能な限り小さくし、信用システムの破綻が起こるのを防ぐため、金融機関の破綻処理スキームとして三種類の枠組みを用意していることです。
 三種類の枠組みとは、金融整理管財人による管理、公的ブリッジバンク及び特別公的管理のことですが、このうち、特別公的管理はまさに危機管理対策とも言うべき究極の選択であり、大手銀行の連鎖破綻の危機に対しても対応できるものであります。これらの破綻処理スキームは、いずれも存続不可能な金融機関の延命、救済には使われず、その上で、モラルハザードを防ぎつつ、金融システムを守ることができます。また、金融機関の規模やその営業地域、分野におけるポジションに応じて三種類の破綻処理スキームを用意すること等により、国民負担を最小化することが可能となるのであります。
 この法案が成立したことにより、日本の金融危機、ひいては日本発の世界恐慌は回避されました。もちろん、これは、小渕総理が無為無策であったゆえに野党がイニシアチブを発揮した結果であります。また、与野党逆転の参議院の力でもありました。
 こうした状況から、小渕総理にとって最重要課題は参議院での与党を多数にすることとなっていったと言えます。昨年十一月十九日には、小渕総理と小沢自由党党首との間に自自連立内閣の合意が取り交わされ、さらに自自公連立の枠組みがつくられると、小渕内閣は数の力によって野党の意見には全く耳をかさず、猛牛のごとく突き進む恐怖内閣へと変貌いたしました。
 まず、ガイドライン関連法案では、小渕総理の外交日程、いわゆる日米首脳会談のために委員会での真摯な論議を踏みにじり、自自公による秘密協議により法案を強行可決させております。これは、国会での論議を否定した議会制民主主義への冒涜であります。このような民主主義の王道を捨て、しゃにむに法案の通過のみを優先させる小渕内閣の政治姿勢は、国会の権威を形骸化するばかりでなく、ひいては日米の信頼関係をも損なうことは自明であります。
 民主党は、防衛指針関連三法案のうち、周辺事態法案については独自の修正案を提出し、自民、自由、公明三党が合意した修正案と政府原案には反対いたしました。我々は、ガイドラインの実効性を高めるための法整備を進めることは、我が国の安全保障上重要であるとの基本認識に立っております。その上で、我が国の主体性確保と国民生活に対する配慮を法律面で担保することが必要だと考え、政府提出法案に対する修正を求めてきました。
 しかし、自民、自由、公明党が合意した修正案に基づき成立した法律は、以下の点を初め、看過できない重大な問題点を抱えており、この内容では国民の利益に反し、日米防衛協力の実効性確保にむしろ逆行しかねないものと言わざるを得ません。
 第一に、自衛隊の一部活動のみを国会承認事項とし、シビリアンコントロールが不十分であるのみならず、地方自治体や民間協力に対する国会のチェックがきいていないことであります。
 第二に、周辺事態の定義や政府統一見解は拡大解釈の余地が大き過ぎ、専守防衛を大きく超えて自衛隊の活動領域が世界に広がる懸念が払拭できないことであります。
 第三に、ガイドラインで日米合意した国連決議に基づく船舶検査に関する項目をすべて削除し、法律として未完成のものとなっていることであります。
 衆議院で三党が修正合意に至る過程は、山崎拓委員長のもと、委員会の中で協議を進めるという合意を踏みにじり、国会で積み重ねられてきた政策論議を土壇場で旧来の国対政治でひっくり返したものであります。三党はそれぞれの党利党略を最優先するためにガイドラインを政争の具としたのであります。
 こうした姿勢は、国民を冒涜し、議会制民主主義を否定するだけでなく、結果的には日米関係をも傷つけるものであり、大変遺憾と言わざるを得ません。また、このことについて小渕総理の責任も重大であると考えます。
 加えて、ガイドライン関連法案の船舶検査活動に関する条項は、自自公の枠組みを優先し、先送りにしたまま今なおたなざらしになったままであります。特別委員会で自民党と自由党の発議者は、今国会中に必ず提案し、成立させると胸を張って私に答弁したことを今も忘れることができません。まさに小渕連立内閣は、政策合意よりも数の論理を優先した内閣であると断ぜざるを得ません。
 このような小渕内閣の政策より単なる数の論理を優先した手法には限界があることは、今の私が申し上げました船舶検査活動の棚上げのみでなく、衆議院定数削減問題について自自合意が何ら実現していないことからも明らかであります。
 また、昨年の第百四十二通常国会に提出され、問題法案として継続審議になっていた盗聴法案等三法案や住民基本台帳法の一部改正案など、国民の権利やプライバシーを侵害するおそれが強い法案についても、憂慮する各界有識者や国民の声を一顧だにせず、圧倒的な数の論理で強行成立させようとしているのであります。(発言する者多し)
 とりわけ、いわゆる盗聴法案等三法案については、八月九日の参議院法務委員会において、政府・自民党は審議打ち切り動議を一方的に採決したばかりか、混乱と喧騒の中、委員長の声も聞こえず、委員の賛否も確認できないにもかかわらず法案採決を強行しました。否、可決したのだと強弁しております。ところが、このような動議や法案可決の事実は、テレビ中継の録画を見ても、あるいは当の法務委員会の速記録を見ても、何ら明らかではありません。法務委員長が可決したと言っているにすぎません。ただでさえ慎重に審議しなければならないこのような法案を、これまた、国会での論議を無視し、数の論理で押し切ろうとしております。(発言する者多し)
 すなわち、九日の法務委員会の経過を見てもよくわかるわけであります。午後八時過ぎ、民主党・新緑風会の円より子議員が質疑に立ち、まず委員会の強行開会に強く抗議し、私たちの意思に反した委員会だが、委員長が強行採決などをしないよう、国民の怒りを代表して出席したと表明しました。

発言情報

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発言者: 本岡昭次

speaker_id: 10540

日付: 1999-08-12

院: 参議院

会議名: 本会議