宮澤喜一の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(宮澤喜一君) よく御承知のように、日本経済というのは非常に大きな経済でございますから、これが停滞しているのを前へ引っ張るだけでも相当な力が要ると思いますけれども、実際上は御承知のように停滞しているわけではありませんで、後退を続けているわけでございます。
一昨年の十—十二月期から昨年の一—三、昨年の四—六、昨年の七—九まで四期マイナスが続いておりますから、とまっているものを前へ出すのは大変ですが、後退しているものを前へ出すということは余計容易なことではないというのがマクロの見方でございます。
したがって、これがプラスの成長になりますためには、少なくとも後退をやめる時期というのがないとおかしい。ゼロでもよろしゅうございます。プラスならなおよろしい。ともかく後退をとめて前へ〇・五でもどうやって引っ張るかということだと思いますが、全般的に一言で申せば在庫が過剰な経済と思います。いわゆる企業の在庫はもとよりそうでございますが、設備投資にしましても過剰でございますから、いわゆる在庫の過剰である。あるいは家庭の貯蓄にしましても、在庫というのはおかしゅうございますけれども、持つものは大体持っていてなかなか消費というものに出てこないという、どれだけ在庫の過剰の深さがあるかということが実は的確にはかれない、マクロモデルでもはかれませんので、それでどれだけやったら前に動き出すかという計量ができないというのが実態ではないかと思います。
したがいまして、先ほど総理の言われましたように、経済にあらわれております現象を子細に見て、動き出している部分がある、あるいはそうでない部分がある、それに対応するということになると思いますが、先ほどお話しのように、とにかく財政はあらゆることをしてここを脱却しなければ、財政自身も毎年税金が減りますのでやってまいれません。それはそれに努めておりますし、それから昨年の秋から顕著になりましたいわゆる貸し渋りが中小企業のもうぎりぎり底辺まで行きましたので、そこは信用保証ということでとにかく年末には一息ついてもらった。通産大臣のお話ですと一月に入って申し込みは減っておるということでございますから、一息つかれたのだと思いますが、しかし、次には今度年度末がございますからこれは油断をするわけにいきませんし、その問題と雇用の問題とが一—三で一番注意すべきところだと思っております。
東南アジアの方は、この間もG7がございましたときに、昨年の十月に比べるとかなり落ちついてきたなという認識が一般でございました。多少、そういう意味で東南アジアがよくならないと日本もよくなりませんし、そういう相互の関係でございますから何ぼか手伝いをしていて、それはわかってもらえるように思っております。三百億ドル予定しておりまして、ここで五カ国百五十億ドル約束をいたしましたので、あと残り半分ございますので進めていこうと。
そういうことでございますので、ともかく後退している日本経済を少なくともとめて前進させなければいけないというのが今の時期だろうと思っております。