予算委員会

1999-02-24 参議院 全291発言

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会議録情報#0
平成十一年二月二十四日(水曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十三日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     狩野  安君
     斉藤 滋宣君     世耕 弘成君
     寺崎 昭久君     柳田  稔君
     浜田卓二郎君     木庭健太郎君
     市田 忠義君     大沢 辰美君
     泉  信也君     入澤  肇君
 二月二十四日
    辞任         補欠選任
     鈴木 正孝君     吉村剛太郎君
     広中和歌子君     櫻井  充君
     木庭健太郎君     浜田卓二郎君
     阿部 幸代君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                鴻池 祥肇君
                竹山  裕君
                林  芳正君
                矢野 哲朗君
                今井  澄君
                平田 健二君
                山下 栄一君
                笠井  亮君
                大渕 絹子君
    委 員
                市川 一朗君
                岩井 國臣君
                大野つや子君
                狩野  安君
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                世耕 弘成君
                常田 享詳君
                長谷川道郎君
                松谷蒼一郎君
                溝手 顕正君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                若林 正俊君
                海野  徹君
                江田 五月君
                郡司  彰君
                櫻井  充君
                内藤 正光君
                広中和歌子君
                福山 哲郎君
                円 より子君
                柳田  稔君
                加藤 修一君
                木庭健太郎君
                浜田卓二郎君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                小池  晃君
                須藤美也子君
               日下部禧代子君
                照屋 寛徳君
                入澤  肇君
                月原 茂皓君
                奥村 展三君
                菅川 健二君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小渕 恵三君
       法務大臣     中村正三郎君
       外務大臣     高村 正彦君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       有馬 朗人君
       厚生大臣     宮下 創平君
       農林水産大臣   中川 昭一君
       通商産業大臣   与謝野 馨君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      川崎 二郎君
       郵政大臣     野田 聖子君
       労働大臣     甘利  明君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  関谷 勝嗣君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野田  毅君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       野中 広務君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    柳沢 伯夫君
       国務大臣
       (総務庁長官)  太田 誠一君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  野呂田芳成君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  真鍋 賢二君
        ─────
       会計検査院長   疋田 周朗君
        ─────
   政府委員
       内閣審議官
       兼中央省庁等改
       革推進本部事務
       局次長      松田 隆利君
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房内政審議室
       長        竹島 一彦君
       内閣官房内閣安
       全保障・危機管
       理室長
       兼内閣総理大臣
       官房安全保障・
       危機管理室長   伊藤 康成君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       金融再生委員会
       事務局長     森  昭治君
       金融監督庁長官  日野 正晴君
       防衛庁長官官房
       長        守屋 武昌君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛庁運用局長  柳澤 協二君
       経済企画庁調整
       局長       河出 英治君
       経済企画庁国民
       生活局長     金子 孝文君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       経済企画庁調査
       局長       新保 生二君
       科学技術庁長官
       官房長      興  直孝君
       法務省刑事局長  松尾 邦弘君
       法務省矯正局長  坂井 一郎君
       外務省北米局長  竹内 行夫君
       外務省条約局長  東郷 和彦君
       大蔵大臣官房長  溝口善兵衛君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵省主計局長  涌井 洋治君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       大蔵省金融企画
       局長       伏屋 和彦君
       大蔵省国際局長  黒田 東彦君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省高等教育
       局長       佐々木正峰君
       文部省学術国際
       局長       工藤 智規君
       文化庁次長    近藤 信司君
       厚生大臣官房総
       務審議官     真野  章君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
       農林水産大臣官
       房長       高木  賢君
       農林水産省経済
       局長       竹中 美晴君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     樋口 久俊君
       農林水産省食品
       流通局長     福島啓史郎君
       食糧庁長官    堤  英隆君
       通商産業省産業
       政策局長     江崎  格君
       資源エネルギー
       庁長官      稲川 泰弘君
       中小企業庁長官  鴇田 勝彦君
       郵政省通信政策
       局長       金澤  薫君
       郵政省電気通信
       局長       天野 定功君
       労働大臣官房長  野寺 康幸君
       労働大臣官房政
       策調査部長    坂本 哲也君
       労働省労働基準
       局長       伊藤 庄平君
       労働省女性局長  藤井 龍子君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設省住宅局長  那珂  正君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十一年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
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倉田寛之#1
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十一年度総予算三案の総括質疑に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 残余の総括質疑は五日間分とすること、質疑割り当て時間の合計は七百分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党百五十分、民主党・新緑風会二百十七分、公明党八十六分、日本共産党八十六分、社会民主党・護憲連合六十五分、自由党三十一分、参議院の会四十三分、二院クラブ・自由連合二十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。
    ─────────────
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倉田寛之#2
○委員長(倉田寛之君) 平成十一年度一般会計予算、平成十一年度特別会計予算、平成十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、総括質疑を行います。市川一朗君。
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市川一朗#3
○市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございます。
 きのうまでの二日間でこの予算委員会も一通り一巡いたしまして、きょうから第二ラウンドでございまして、重複する問題が多いかと思いますが、いろいろと内容を突っ込んでいきたいと思っておりますので、閣僚の皆さん、よろしくお願いしたいと思います。
 まず初めに総理に、大変申しわけございませんが、事前の通告はしておりませんでしたけれども、承りますと、本日朝、第一回のダイオキシン対策関係閣僚会議が開催されたと。多分今終わったばかりではないかと思う次第でございますが、やはりダイオキシン対策は私ども参議院におきましても、昨年の九月、参議院国土・環境委員会におきまして集中審議をいたしまして、非常に関心を持っておったところでございます。最近の所沢の問題等も含めて、国民の関心も高いところでございますので、非常にホットなところで大変恐縮でございますが、きょうの模様等を総理の方から御報告いただきたいと思います。
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小渕恵三#4
○国務大臣(小渕恵三君) 今朝、ダイオキシン対策関係閣僚会議を、ただいま第一回を開催いたしたところでございます。
 ダイオキシン問題につきましては、私自身も今国会の施政方針演説におきまして、安全へのかけ橋ということで、このダイオキシン問題につきまして、環境を保全し国民の健康を守るという点で大変大切な、かつまた緊急に取り組まなきゃならない課題だという認識をいたしておりまして、今般この会議を開催いたしたところでございます。
 特に昨今、所沢市周辺で見られたような問題につきまして国民の皆さんも大変この問題に関心を深くいたしておりますし、かつまたその一刻も早い解決を大変待ち望んでおられることも痛感いたしておりまして、政府一体となりましてこの対策を強力に推進していかなければならない、この認識に立ちましてただいま会議を開催いたしたような次第でございます。
 この会議では、ダイオキシンによる環境汚染などの実態を十分把握いたしますとともに、施策全般にわたりまして政治主導の立場に立ってダイオキシン対策に関する総合的施策について検討を深めまして、実施のできるものにつきましては直ちに実施をしていきたい、このように考えておるところでございます。今日は、そうした立場に立ちまして、以下のような諸点につきまして措置をまずは講じていきたいということで決定をいたしました。
 その第一は、ダイオキシン対策に対する基本指針を策定いたすべきということでございます。
 第二は、耐容一日摂取量の見直しでございまして、ダイオキシン対策の基礎となる我が国の耐容一日摂取量、いわゆるTDIを早急に見直していきたい。
 第三には、ダイオキシンに関する検査体制の整備でございまして、ダイオキシンの単位そのものが大変極小のものでございますだけに分析もなかなか大変だというようなお話も聞いておりますので、適切な対策を実施いたしますに不可欠な正確なダイオキシンの分析を行える機関の整備や分析技術の向上を図っていきたいということでございます。
 第四には、実態の把握及び国民への的確な情報を提供いたさなければなりませんが、環境汚染や人の健康への影響の実態把握等の各調査研究等を進め、それらの結果を公表するとともに、ダイオキシンに関する正確な情報が伝達されるような適切な措置を講じまして国民の不安の解消に努めていきたい。特に所沢のダイオキシン問題につきましては来月中にも調査結果を公表できるように努力する。
 それから五番目には、機動的な対応、すなわちダイオキシン問題について閣僚会議の機動的な運営を図りまして、迅速かつ的確に対応するということを決定いたしました。
 本問題につきましては、各党間、あるいは公明党のように法律案につきまして既に検討を始めておられるところもございまして、喫緊の課題でございます。政府といたしましても一体となりまして、各省庁間で連絡、協調してこの問題に取り組んでいかなきゃならないということで第一回の会議を開催いたしたところでございますが、極めて重要な課題でございますので、引き続いて政府として万遺漏なきを期して対応いたしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
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市川一朗#5
○市川一朗君 突然のお尋ねでございましたが、大変丁寧に御答弁いただきましてありがとうございました。
 先ほど申し上げましたように、私どもも委員会審査でも取り上げておった問題でございますが、ただいたずらに国民の不安をかき立ててまいりますことは、非常に長い目で見ましてもまた短期的に見ましても大変ゆゆしい問題であるというふうに思っております。特に私、国土・環境委員会で議論しましたときに痛切に感じましたのは、このままでいきますと、日本じゅうにごみ、特に産業廃棄物がたくさん出るわけですが、それを焼却する施設をもうつくることはできなくなってしまうのではないかといったようなおそれすら感じているわけでございまして、そういった実態の解明、そしてそれに対する早急にして機動的な対応ということが非常に強く叫ばれておったところでございますが、早速関係閣僚会議を開いていただき、そして関係各機関でよく御討議いただいて、また我々政治の世界でも党派を超えてこの問題に取り組んでいく必要があるというふうに思っておりますので、きょうは御報告をお聞きして、あとしっかりよろしくお願いしますということで、予定の質問の方に移らせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 引き続き総理にお伺いしたいと思いますが、平成十年度は既に、私が申し上げるまでもなく、財政につきましては思い切ったギアチェンジを行いまして、第三次補正予算の編成、それから平成十一年度の予算編成も含めましてかなり景気対策に焦点を置いて思い切った予算編成がされたわけでございまして、この点につきましては、もう既に衆議院の予算委員会、そしてきのうまでの参議院の予算委員会、当委員会におきましても議論がいろいろなされておりまして、関係閣僚の見解も発表されておるところでございますが、改めて総理に、こういった思い切った予算編成を組まれたお立場で、現在の日本経済の景気の動向についてどういう基本的な認識を持っておられるかをお聞きしたいと思います。
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小渕恵三#6
○国務大臣(小渕恵三君) 我が国の経済の最近の動向を見ますと、景気、経済の動向を示す一つの指標といたしまして個人消費があるわけでありますが、この点、全体として残念ながらまだ低調であります。ただ、住宅建設は低水準が続いておりますけれども、販売や受注が一部で回復をしてきておるという背景でございまして、ややこの点については持ち直しの兆しが見られるのではないか。それから、設備投資は大幅にこれまた減少したままになっておりまして、依然としてこの点は留意をしなきゃならない点かと思います。公共投資は上半期への前倒しが過去最高ベースで行われたこともありまして、事業の実施はある意味では進んでおると認識してよろしいのではないか。生産は依然として低い水準にあります。したがいまして、全般、雇用情勢は依然として厳しい状況でございます。
 以上のような観点から、景気の低迷状態が長引いておりまして極めて厳しい状況にあるものの、一層の悪化を示す動きと幾分かの改善を示す動きとが入りまじりまして変化の胎動が感じられるという認識でございます。
 ただ、一部いろいろな指標を見ますと、中小企業も含めました企業の倒産件数という数字を見ますると、倒産いたしました件数並びに負債金額も減少の傾向でございます。依然として倒産が存在するということ自体大変厳しい環境でありますけれども、数字的に見ますると、九八年の十月期、一千六百八十五件でありましたものが、昨年十二月には一千百二十三件になり、今年になりまして一月には九百七十六件、すなわち一九九三年一月以来満六年ぶりで三けたに減少してきたということであります。
 申し上げましたように、倒産件数がこうした形でまだ存在することは残念でありますけれども、件数そのものが減少傾向にあるということは、ある意味では、経済のこうした状況の中でも経営につきましてある種の前向きの姿勢が示されておるのではないか、こういう認識をいたしております。
 この点につきましては、さらに経企庁長官から詳細な御説明をお聞きいただければありがたいと思います。
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堺屋太一#7
○国務大臣(堺屋太一君) ただいま総理大臣からかなり突っ込んだ御説明がございました。総理大臣のおっしゃったとおり、現在の景気はなお引き続き極めて厳しい状況にあります。
 個人消費は、ボーナス等が減少した所得減少と、それから個人のマインドが冷え切っているということで、依然として前年を下回る水準にあります。設備投資はやはり大幅な減少が続いておりまして、中小企業から大企業へ設備投資の減少という傾向が広がっております。また、輸出でございますが、これもやはりアジア景気あるいはアジアの為替変動等もございまして、いま一つ伸び悩んでいるということで全般的に低迷しております。
 ただし、そういった反面で、全体に生産、消費とも下げどまりという傾向はあらわれておりまして、十二月から一月にかけて下げどまり現象は見られると思います。前年あるいは前期に比べまして下がり幅が減ってきたということは全面的に見られるところであります。
 また一方で、一層の悪化を示す数字もありますが、改善しているところもございます。先ほど総理もおっしゃいました公共事業でございますが、発注高は秋にどっと出まして下がってきておりますが、施工高は依然として高水準を保っております。それから、個人消費でも自動車販売等、一部に明るさがあらわれてきております。また、ことしに入ってから住宅販売なども好調でございまして、それを見越して十二月からは着工面積も着工戸数もいささかふえてきております。
 なお、最近、一部に長期金利の値上がり等を懸念する向きもございましたし、円高等についても懸念がございましたが、こういった金融政策の面でも政府は迅速な対応をしていると私は思っております。したがいまして、その点でも国民の皆様にある程度の安心感を持ってもらえるのじゃないかというふうに考えております。
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市川一朗#8
○市川一朗君 基本的認識をお伺いしたわけでございますが、ちょっと同じようなテーマでもう一度角度を変えて大蔵大臣にお尋ねしてみたいと思います。
 昨年十二月四日の本会議の大蔵大臣の御答弁の中で、緊急経済対策に基づく補正予算の具体化に当たって三つの系列に配慮したということで、一つは金融システムの再生、信用収縮対策の問題、二つ目が社会資本整備の問題、三つ目が東南アジアを中心とした世界経済リスクの問題というふうなお話がございました。
 今、総理及び経企庁長官の御答弁にもいろいろございまして、私どもも実感として思っていますのは、昨年の暮れごろまでの金融不安がやっと落ちついたなという感じを選挙区なんかを通じましても肌で感じておるような次第でございますし、またこの一両日の新聞等でも、東南アジアの各国首脳から宮澤構想三百億プランに対する大変高い評価の報道もございまして、それぞれ順調に推移しているなという感じは持っているわけでございますが、改めまして、そういった点についての現時点における大蔵大臣としての効果測定をお伺いしたいと思います。
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宮澤喜一#9
○国務大臣(宮澤喜一君) よく御承知のように、日本経済というのは非常に大きな経済でございますから、これが停滞しているのを前へ引っ張るだけでも相当な力が要ると思いますけれども、実際上は御承知のように停滞しているわけではありませんで、後退を続けているわけでございます。
 一昨年の十—十二月期から昨年の一—三、昨年の四—六、昨年の七—九まで四期マイナスが続いておりますから、とまっているものを前へ出すのは大変ですが、後退しているものを前へ出すということは余計容易なことではないというのがマクロの見方でございます。
 したがって、これがプラスの成長になりますためには、少なくとも後退をやめる時期というのがないとおかしい。ゼロでもよろしゅうございます。プラスならなおよろしい。ともかく後退をとめて前へ〇・五でもどうやって引っ張るかということだと思いますが、全般的に一言で申せば在庫が過剰な経済と思います。いわゆる企業の在庫はもとよりそうでございますが、設備投資にしましても過剰でございますから、いわゆる在庫の過剰である。あるいは家庭の貯蓄にしましても、在庫というのはおかしゅうございますけれども、持つものは大体持っていてなかなか消費というものに出てこないという、どれだけ在庫の過剰の深さがあるかということが実は的確にはかれない、マクロモデルでもはかれませんので、それでどれだけやったら前に動き出すかという計量ができないというのが実態ではないかと思います。
 したがいまして、先ほど総理の言われましたように、経済にあらわれております現象を子細に見て、動き出している部分がある、あるいはそうでない部分がある、それに対応するということになると思いますが、先ほどお話しのように、とにかく財政はあらゆることをしてここを脱却しなければ、財政自身も毎年税金が減りますのでやってまいれません。それはそれに努めておりますし、それから昨年の秋から顕著になりましたいわゆる貸し渋りが中小企業のもうぎりぎり底辺まで行きましたので、そこは信用保証ということでとにかく年末には一息ついてもらった。通産大臣のお話ですと一月に入って申し込みは減っておるということでございますから、一息つかれたのだと思いますが、しかし、次には今度年度末がございますからこれは油断をするわけにいきませんし、その問題と雇用の問題とが一—三で一番注意すべきところだと思っております。
 東南アジアの方は、この間もG7がございましたときに、昨年の十月に比べるとかなり落ちついてきたなという認識が一般でございました。多少、そういう意味で東南アジアがよくならないと日本もよくなりませんし、そういう相互の関係でございますから何ぼか手伝いをしていて、それはわかってもらえるように思っております。三百億ドル予定しておりまして、ここで五カ国百五十億ドル約束をいたしましたので、あと残り半分ございますので進めていこうと。
 そういうことでございますので、ともかく後退している日本経済を少なくともとめて前進させなければいけないというのが今の時期だろうと思っております。
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市川一朗#10
○市川一朗君 ありがとうございました。特に東南アジアの問題は、私が申し上げるまでもなく、東南アジア自身の問題だけじゃなくて日本経済にそのままはね返る問題でございますので、ぜひともさらなるお取り組みをお願いしたいと思うのでございます。
 今までのお話をお聞きいたしまして、その中にもいろいろと御示唆がございましたが、企画庁長官は公共事業に関しまして施工高は伸びているよというお話がございましたのですが、建設大臣、最近建設省が昨年十二月の公共工事の着工額を発表されましたですね。それが新聞報道でもされておりますが、何と前年同月比で一六・七%減と。しかも、これで二カ月連続で減少したということでございまして、分母が大きくなりましたから契約率とか発注率が落ち込んでいるというのはわかる、そういう話だったらわかるんですが、前年ですと平成九年でございましょう。平成九年度の予算と、第三次補正の予算は十二月ですからほとんど影響ないにしても、第一次補正まで入れますと相当分母は違うわけでございますが、その着工額で一六・七%減というのは非常に何といいますか心配でございまして、まさに新聞報道もされておりますが、民需回復までの景気下支え役のはずの公共事業がこれではちょっと問題ではないかというふうに思うわけでございますが、その点につきましていかがでございましょうか。
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関谷勝嗣#11
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のように、地方の機関で見ますと、市区町村で十年の十二月がマイナス一六・四という数値が出ておるのは事実でございます。しかし、先ほど総理が述べていらっしゃいましたように、平成十年度の建設省所管の事業につきましては上半期の契約目標を過去最低に設定したのは委員御承知のとおりでございまして、今一番新しいところの数値で見てみますと、平成十年十二月末の当初予算の所管事業の契約状況というのは八六・六%、それから第三次補正予算も含めた全体の契約状況を見ますと七〇・四%となっておるわけでございまして、そういう意味におきましては順調に進んでいるところでございます。
 しかし、そういう契約率は、その第三次が、これが昨年の末の十二月に急いで議会を開いていただいて入っていただいたわけでございますから、その三次補正だけを見ますとこの契約率がまだ三・四という小さな数字になっておるものですから、それが足を引っ張りましてマイナス一六・四というようなことにもなっておるわけでございます。
 ただ、国の直轄の事業でまいりますと、昨年の平成十年十二月は、直轄だけ見ますとマイナス〇・一というところではあるのでございます。
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堺屋太一#12
○国務大臣(堺屋太一君) ちょっと補足させていただきます。
 先生御指摘になったのは着工件数でございますが、施工の方の工事請負代金がどうなっているか、着工したものは今やっておるものがございます。それを見ますと、十—十二月で前年同期に比べて一〇・四%の増、十二月で四・三%の増、一月ぐらいでとんとんになろうかというところでございまして、契約、発注は前倒しで終わったんですが、工事は今どんどん進んでいるという状況でございます。
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市川一朗#13
○市川一朗君 両大臣からのお話が大体そのとおりなのかなと思いながらお聞きしたんですが、実感として感じますのは、国の直轄事業が伸びているというのは実は肌でも感じております。
 ただ、都道府県や市町村の財政事情からいいまして、やはり自治体の財政事情が悪いために、結局のところ、例えば国の補助事業がぼんと出てきても、やりたい事業があって、それをやってやると国が認めるような傾向を示していただいても、裏財源がないためにそれを引き受けられないという実態がいっぱいございまして、私自身も選挙区で本当に苦しい思いをしているわけでございます。
 それから、地方単独事業はもうほとんどこれはとまってしまったような感じですね。もともと緊急経済対策でも地方単独事業をカウントに入れていませんね。やっぱりそういう実態はあるわけでございます。
 きょうもある新聞に出ていましたが、やはり各ところで相当厳しい状況だそうでございまして、私の選挙区の宮城県もそれから広島県も、これは期せずして政令市を抱えた県なんですが、ことし宮城県は四十四年ぶり、広島県は十六年ぶりのマイナス予算であると。そういった中で頑張っているのは宮崎県、奈良県、新潟県、もっと頑張っているところがあると思いますが、新聞報道ではそういう表示がされておりまして、なかなか地方自治体の現在の財政事情からいたしますと、国が相当頑張ってもこのままじゃうまくいかないんじゃないかなという不安感を、頭の体操としてもわかりますし、肌で感じている部分もあるわけでございます。
 この辺はやはり自治大臣にお聞きした方がいいと思いますが、その辺の実感と、それに対して何ら国として打つ手はないのかどうか、そういったようなことについて、それじゃいけないと思いますが、その辺の取り組みの方針等もお聞かせいただければと思います。
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野田毅#14
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、このところの経済の低迷を反映して地方税自身も落ち込んでおりますし、また国税収入の落ち込みを反映して交付税そのものも落ち込んでいく、そういう中で、相次ぐ景気対策に協力をするという形でどんどん借金もふえていくということで、地方財政が非常に険しい、厳しい状況に立ち至っておるわけです。
 そういう背景の中ではあるんですが、昨年の四月の総合経済対策で、公共事業の追加とあわせて一兆五千億規模の地方単独事業の追加要請を行ったわけであります。この単独事業が円滑に行われるために、交付税総額を四千億円増額するということで財政措置を一応やったわけです。
 その結果どういう状況になったかということで調べてみますと、九月の補正までに一兆五千五百億が計上されておるわけでありまして、厳しい状況の中ではあるけれども、それぞれ地方自治体に大変協力もしていただいたと思いますし、またそれはそれで、国に対する協力ということも大事だが、やはり地域経済の活性化であったりあるいは地域住民にとって必要な社会資本の整備という、そのニーズも両々相まっての話でありますけれども、精いっぱいの努力をしていただいているのではないか、こういうふうに判断はしておるんです。
 しかし、いずれにせよ、もう限界のところまで来たということも事実でありまして、そういう意味では、昨年秋の緊急経済対策のときにはこの単独事業についての追加要請をしないという形の中で行われたわけでございます。
 先ほど、大蔵大臣もデフレギャップについて言及がございました。しかし、そのデフレギャップを埋めるために公共事業だけで、言うなら需要追加と有効需要を、その分だけギャップを埋めるんだということだけではもはや限界があるのではないかということで、さまざまな角度からの施策を現に経済対策として講じていただいておる。
 そういうことを考えますと、公共事業を追加することだけで景気を乗り越えることはとても難しい、いわんやその中で地方財政に今まで以上に負荷を加えるということも大変難しい状況になっている。しかし、そうはいいながらも、国、地方を通じてのそういう景気への配慮ということは共通項でもありますので、いろいろ税制面における取り扱い、あるいは公共投資の世界においても今年度も昨年同額の交付税措置をやったわけでありまして、その中で景気対策分として、昨年同額の八千億を地方財政計画では計上したという実情にございます。
 国、地方両々相まって、一刻も早くこの景気を回復するための努力を全力を挙げてしてまいりたいと思います。
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市川一朗#15
○市川一朗君 今の最後の部分は私も同感でありまして、地方団体の財政構造が結局税収の落ち込みが最大の原因でございますから、要するに景気が回復しなけりゃいけないし、回復すれば何とかなるんじゃないかなという気持ちがあるわけでございます。
 そういった中で、公共事業にもいろいろそういった問題もありますが、昨日の議論では消費の問題があるということが中心で議論されておりますが、私はもう一つ、やはり設備投資の問題をしっかり見ておかなきゃいけないんじゃないかと思うのでございます。こういったような状況の中で、民需の回復というのがどうなってくるのかというところがやはり非常に重要なテーマだと思いますが、通産大臣、どうなんでしょう、設備投資というのはどんな状況でございますか。
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与謝野馨#16
○国務大臣(与謝野馨君) 景気の認識は小渕総理、堺屋経済企画庁長官が言われたと同じような認識を持っておりますが、暗い話ばかりではなくて、実際はいろいろな面で改善の兆しもある分野がありますので、それをまず御紹介申し上げます。
 例えば小売販売額を見ますと、スーパーでどういうことになっているかといいますと、九カ月間前年同期比プラスというのを示しておりますし、またコンビニは四月から調査を開始しておりますけれども、これも九カ月連続で四%超の伸びを示しております。大変好調であるわけでございます。
 それから、平成十年十月—十二月期の例えばノート型パソコンというのを見ますと、国内出荷台数というのは二〇%増加しておりまして、これは大変な伸びであるわけでございます。
 それから、十二月の携帯電話の生産は七十カ月連続で前年同月比プラスということでございますし、一月の軽乗用車販売は四カ月連続の大幅プラス、これは前年同月比でプラス五〇・九%という驚異的な伸びを示しております。
 それから、住宅については、一月の首都圏マンション販売が前年同月比プラス六二・五%という大変大幅なプラスとなっておりまして、この分野では持ち直しの兆しが見られる。
 こういう明るい材料もございますが、私どもとしては、公共投資については、今、建設大臣を初め皆様方から御説明があったように、ぜひ景気を引っ張っていく力を発揮していただきたいと思いますし、また住宅投資は、住宅減税等ができますし、いろいろな施策をやっておりますのでこの伸びは期待できると思います。ただ、長期金利上昇ということについては我々懸念を持っております。
 そこで、設備投資でございますが、GDPの中に占める設備投資というのは政府の支出よりもはるかに大きいわけでございまして、個人消費が回復するということのほかに、やはり民間の設備投資が回復しなければなりませんが、まだ経営者は現在の状況を様子見をしておりまして、設備投資自体は全く回復の兆しを見せておりません。これは大変憂慮すべきことでございまして、私どもとしては、今後設備投資を誘引するようないろいろなことを考えていかなければならない、そのように思っております。
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市川一朗#17
○市川一朗君 どうもありがとうございました。
 言葉は悪いんですが、日本の場合は、製造業は強いが金融で失敗したといったようなこともあるくらいでございますので、私、ちょっと金融の問題で少し最近不安な部分が出てまいっておりますので、きょうは日銀の総裁にもお出ましいただいておりますが、今、通産大臣のお話でもございましたように、長期金利の問題ですね。昨年の暮れごろに上がりまして、ちょっと落ちつくかなと思ったら、またことしに入ってからぐっと上がってきて、かなりいろいろと大騒ぎになったわけでございますが、ここへ来て少し落ちついてきているというような状況でございます。
 いろいろお聞きしたい点もございますが、まず総裁、この辺につきまして、日銀として現象をどう分析して、大体、こういうことをやったからこういうふうになったんだというようなことについての、経過的な意味も含めて御説明いただきたいと思います。
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速水優#18
○参考人(速水優君) 長期金利につきましては、基本的に先行きの景気や物価に対する市場の見方というものを反映して決まってくるものだと思います。例えば、中央銀行が長期国債の購入をふやしたり、それが財政赤字のファイナンスにつながる、悪性インフレをもたらすといったような認識が出てきますと、長期金利はむしろ上がっていくわけでございます。
 このように、長期金利というのは中央銀行が自由に上げたり下げたりすることはできないものでございます。中央銀行の役割としてできますことは、その時々の経済の必要性に応じまして、短期の調節手段を使いながら市場に流動性を供給していくことであるというふうに思います。また、長い目でインフレを起こさないという姿勢を堅持することも、先行きの金利上昇に関する市場の無用な不安感を取り除く上では重要なことだと思っております。
 私どもは、先々週、二月十二日でございますが、一段の金融緩和措置を実施いたしました。これは、昨年末からの長期金利の上昇や円高ぎみの傾向が経済の先行きに対してマイナスの影響を及ぼす可能性が出てきはしないかということを配慮した措置でございます。
 今回の措置のもとで、日本銀行はより潤沢な流動性を市場に供給することにいたしました。これがどのように長期金利に影響しているか、影響していくかということは必ずしもまだ明確に出てきておりません。長期金利は、そのような常にふんだんに資金を抱えた状態となる短期金融市場や経済のファンダメンタルズを踏まえまして市場で自然に形成されていくものだというふうに思います。
 金融緩和措置の実施に引き続きまして、大蔵省の方で国債の年限別発行額の振替措置などもなさいまして、長期金利は全般に低下傾向をたどってきたように見られます。しかしながら、きのう、きょうの動きを見てみましても、依然極めて神経質な展開を続けているように思います。また、為替相場は円安方向に振れてきておりまして、株価も幾分持ち直してきているように思います。
 こういった市場の動きを引き続き注意深くウオッチしてまいりたいという考えでございます。
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市川一朗#19
○市川一朗君 若干書生論を展開するようで申しわけないんですが、景気対策として国債を発行すれば、やはりある程度資金的な面での吸い上げになる部分がありますので、クラウディングアウトという言葉もありますが、ぎりぎり議論していくと、国債発行による景気対策はむしろ本当の意味で有効ではないというような経済学者の議論もあるくらいでございますから、国債を発行した場合に市場の資金ショートをどういうふうにやるかというところで、中央銀行による買いオペとか、そういったようなところでうまくやっていくというのが経済政策の基本ではないかなというふうに私なんかは思っておったんです。もちろん、短期金利の操作によって長期金利の引き下げの効果を期待するという今回の金融緩和措置は十分評価できるわけでございますけれども。
 したがって、それ以上の先の議論はする必要はないのかもしれませんが、基本的になぜ国債を発行するかというと、景気対策のために発行すると。そこで資金的な逼迫感が出て長期金利が上がるとなると、これはそれがストレートに景気の足を引っ張るわけでございますから、何かそこのところをうまくやるのがまさに政策ではないかというふうに思います。
 日銀総裁、まことに恐縮でございますが、今の御答弁の中にも入っていますけれども、もう一つ改めて焦点を絞って、やはり長期金利の動向ということも中央銀行の役割としては極めて重要であって、そのことについて私どもが発言したりすることが決して政治的圧力をかけたとかそういったことにならない、非常に真っ当な政策論じゃないかというふうに思うわけでございますが、その辺のもう一度御見解を承りたいと思います。
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速水優#20
○参考人(速水優君) 政策決定に当たりまして、圧力がかかったとかあるいは追い込まれたとか、海外からのプレッシャーがあったとかいうようなことは、日本銀行、今回の決定につきまして全くございません。日本銀行政策委員会が独自の判断で、今短期金融市場をもう一段潤沢に緩めていくことが必要であるというふうに政策委員会の全員の決定で決まったわけでございます。
 国債の引き受けの問題につきましては、いろいろ御議論もございますのですが、日本銀行としては国債を新規に引き受けるという考えは全く持っておりません。御存じのように、財政法の五条、日銀法の三十四条には、日本銀行による国債の引き受けは禁止されております。これは、中央銀行が一国の国債を引き受けるとその国の財政節度が失われてしまう、また悪性のインフレを招く原因をつくってしまう、これには内外に非常に苦い経験がございますわけで、そういうことで、国や中央銀行に対する内外からの信認もそういうことによって失われていくということでございます。
 長期金利は、むしろこういう場合には上昇していく可能性が多いのではないかと思います。主要国におきまして中央銀行による国債引き受けが禁止されておりますのも、そうした考え方に基づくものであると考えております。
 したがいまして、日本銀行としては、国債の引き受けということを選択肢としては全く考えておりません。
 また、私どもが日々の金融調節運営の中で行います長期国債の買い切りオペというのがございますが、幾らでもどんどんこれを買っていけば確かに当面金利は下がるかもしれない、価格が上がって金利が下がるということになるのかもしれませんけれども、これは国債の直接引き受けと結果としては同じことになってくるわけでございます。
 そうしたことも勘案しまして、日本銀行は、長期国債の買い切りオペにつきましてはあくまでも長い目で見て、私どもが発行しております銀行券の増加に大体見合った金額を買い切りオペで資産として持っていく、銀行券に見合う資産として持っていく、そういうルールをつくりまして、それを一つのチェックの機能とし、長年これを守ってきておるわけでございまして、そういう意味では慎重に実施してきておるというふうに申し上げられると思います。
 こういう基本的な方針を今ここで変えるつもりは全くございません。前回の政策委員会・金融政策決定会合におきましてもこの方針が確認されております。そしてまた、週末のG7におきましても、私からこのことは各国の代表者によく御説明をいたしまして、何の御質問も御反論もございませんでした。
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宮澤喜一#21
○国務大臣(宮澤喜一君) したがいまして、ただいまのお尋ねの主たる部分は私がお答えをしなきゃならないということだと思いますが、昨年は非常に長期金利が閑散でございまして、たしか一番低いときには〇・六なんという金利があったと思います。それはいかにも異常でございましたが、現実そうでございました。
 年末に、来年度予算で政府がたくさんの国債を出すというようなことが明らかになったと同時に、資金運用部が資金の原資の関係から毎月の買い入れを今度は行わないという決定をいたしましたことがきっかけになりまして、幾らか過剰反応ではあったと思いますけれども、私どももう少しその発表を用心すればよかったと思いましたが、金利が二をちょっと超えましたので、これはやはり発行者としての心構えに私は帰するんだという感じがいたしました。
 それで、その後に発行の長さの条件を変えていろいろバラエティーをつけることと、それから二月、三月はもう一遍資金運用部で利付十の買いに出るというふうに方針をその部分改めまして、いろいろありましたけれども、その後、二を割りまして一・七とか八とか、きのうは八であったと思いますが、その結果として三月分の十年物はクーポンレートは一・九で発行することができましたので、ここで一落ちつきしたと思っております。
 しかし、総裁が言われましたように、昨年がそういう異常な低金利であったこともございますけれども、まだ神経質なマーケットであることは間違いないと思いますから、それは発行者としてやっぱりこれだけ大きな国債を発行するときにはそれなりの工夫がなければならないと考えております。それは、民間の資金需要が期待するほど多くございませんからクラウディングアウトということにはなっておりませんけれども、そうなればそれはまたそれでよろしいというところもございますけれども、それだけに発行者としては注意をしてまいるつもりでございます。
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市川一朗#22
○市川一朗君 私も、景気回復の途上で資金需要が高まってクラウディングアウト的な効果が出て、それで長期金利が上がっていくというんでしたら大変喜ばしいことだなとは思うのでございますが、現状はとてもそういう状況でないという中で、やはり非常に心配だなと思った次第でございます。
 特にこういう問題になりますと、財政政策と金融政策、いろいろ金融機関の監督行政も含めましてやはり私は緊密な連係プレーが必要だと思います。いろいろな経緯の中で財政と金融の行政の完全分離という方向で各党間の合意もできて進んでおる今の状況でございますから、私がとやかく言う筋合いではないわけでございますが、私もちょうどそのころは選挙をやっておった立場で、こういった微妙な変化というのを余りタッチもしておりませんでしたので、今になって思いますと、日本経済のかじ取りという点で考えますと、本当に真剣な意味で財政政策、金融政策の連携といいますか、私の言葉で言えば一体感といったことが必要じゃないかなと思うんです。
 大変答えにくいと思いますけれども、私どもの大先輩でもございますので、今後のことも含めまして、もし少しでもお答えいただけるなら、宮澤大蔵大臣に、私のようなこういう考え方はもう君、古いよということなのか、そういった点も含めまして御示唆いただければと思う次第でございます。
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宮澤喜一#23
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も申し上げましたんですが、何しろ我が国の経済を動かす一番の大きな部分は消費でございますし、次に設備投資でございますから、やはりそういう方に経済を持っていくために今財政がこれだけのことをしているわけでございますので、財政だけではとてもこの大きな経済をどうもできるものじゃございません。
 その点はよく心得まして、民間の企業設備活動、それは通産大臣のおっしゃるように余り有望な芽は出ておりません。やむを得ないんだと思いますが、しかし、やがては在庫が減ってそういうことになっていかなきゃなりませんし、家庭の消費もそうでございますから、財政は本当に一生懸命なことはいたしますが、そういう動きを逆に妨げないような配慮は常にしてまいるつもりでおります。
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市川一朗#24
○市川一朗君 最後に、一点お聞きしたいと思います。
 総理、生活空間倍増戦略プランというのが今進んでおります。実は御記憶にあるかどうかわかりませんが、先々の百四十三臨時国会の当委員会で、私調べておりましたら、生活空間倍増の話が出ておりまして、これは大変重要だなと、当時、堺屋長官にお尋ねした記憶があるわけでございますが、今我が国でやらなきゃいけないのはやはりこういった問題なのではないかなというふうに思っております。
 特に、都市地域の住宅政策はもう発想の転換が必要なんじゃないか。今までは低所得者向けの住宅中心にのみやっておりましたが、これから自分でつくれる人たちに対しても政策的にいろいろ誘導していって、できればかつての西ドイツみたいに、一世帯一住宅が実現した時点で住宅問題は解消した、ああいった政策を展開すべきだったなという反省も含めまして、これをぜひ進めてもらいたいと思っている次第でございますが、その辺についての総理としての御認識と、建設大臣も住宅問題に触れましたので一言御発言いただきまして、私の質問を終わりたいと思う次第でございます。
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小渕恵三#25
○国務大臣(小渕恵三君) 生活空間倍増戦略プランにつきまして述べてまいりますと大変時間も必要かと思いますが、今、委員が御指摘の点、お考えも我々は十分受けとめてこの戦略プランをつくっておると認識いたしております。
 いずれにいたしましても、ハイクオリティー・オブ・ソサエティーといいますか、日本の各空間は必ずしも諸外国に比べましても十分でない。そういう意味で、やはりゆとりのある生活、そして豊かな生活をいたしていくためには、あらゆる意味での空間というものをもう少し余裕のあるものにしていかなきゃならぬということでございまして、住宅につきましても同様の考え方をいたしておりますので、これから大いに推進いたしてまいりたいと思っております。
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関谷勝嗣#26
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のいわゆる既成市街地における住宅市街地整備の強力な推進ということ、そして職住近接を可能とする、そういう都市居住の推進ということがまた大きな課題になってくると思います。
 したがいまして、先生の御指摘のように、国民のライフスタイルそれからライフステージというのが時代とともに大きく変わってきておるわけですから、それに応じた良質な住宅の供給を可能とする市場環境の整備ということに力を入れていきたいと思っております。
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市川一朗#27
○市川一朗君 終わります。
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倉田寛之#28
○委員長(倉田寛之君) 以上で市川一朗君の質疑は終了いたしました。拍手
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倉田寛之#29
○委員長(倉田寛之君) 次に、内藤正光君の質疑を行います。内藤正光君。
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