二階俊博の発言 (運輸委員会)
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○二階国務大臣 ただいま倉田委員から、「鉄道員」、「沈まぬ太陽」、最近大変注目を浴びておりますそうした著作から引用されましてお話がございました。私も、いずれも同感の思いをいたしております。
私は、就任早々、官邸での記者会見の際にも、運輸行政の要諦は安全が第一だということを申し上げました。その当時はJR西日本の事故も、小さいのは幾つかあったかと思いますが、目立つような大きなものはまだなかった時期でございます。私の念頭には、東海村の原子力の事故、これを他山の石として、我々運輸行政の中にも東海村と同じようなミス、あるいはなれからくる怠慢、そういうことがあってはならないという思いから、安全について大いに努力をしていかなくてはならないと。
時間と競争する仕事であると同時に、特にJRの場合は民営化をして、企業のコスト、そして収益を上げるということにそれぞれ力を注いでいることには間違いありませんし、同時に、株式上場等を目指しますときに、当然その利益がどうだということに重きを置かれることは、これは自然の成り行きのようなものでございます。しかし、それだからこそ安全の問題をなおざりにしてはならないということを、私は、運輸関係の皆さんや三万七千の運輸省の職員全体にその考えが及ぶように申し上げてまいりました。
そこで、早速、ただそれを会見で申し上げただけではなくて、運輸省の事務当局とも相談いたしまして、梅崎事務次官をキャップにいたします今御指摘の安全戦略会議を設置したわけでございますが、それと並行して次々にJR西日本のああいう事件といいますか事故が発生したわけで、私は新幹線非常事態だということを申し上げて、これらに対する基本的な立場に立ち返って一から出直すぐらいの気持ちを持ってやるべきだと。
私は、当然そうした工事あるいはトンネルの問題等については素人でございますが、素人でも素人なりの考えがある、そういう思いから、先般も私自身、作業車に乗ってトンネルの中をずっと見てまいりました。それだけではなくて、朝、始発が出発する直前にもう一度点検をするための確認車というトロッコのようなものを、前に三人、後ろに三人乗れる程度のそういう列車をどこのJRでも出しておるわけでございますが、私もそれに乗せてもらいまして現場を確認してまいりました。朝三時四十分ぐらいに出発して、両方から行き来して検査をやっておる実態、それから一つ一つを点検している実態等も見てまいりました。
そこで、私は、JRの幹部にも申し上げていることは、これからはトンネルの中の点検だとか確認に際してJRの幹部も参加してやるべきだ、同時に運輸省も、ただ警告書を出したりそういうことだけではなくて、今申し上げた非常事態に対してみずからも現場に赴いて対応すべきである。したがって、今運輸省の運輸局のそれぞれの担当者が現場に赴いて、今一緒になって問題の解決、原因の究明に取り組んでおるところでございます。基本的に、今倉田委員御指摘のように、私は安全の問題というものは何よりも優先すべきものだというふうに考えております。
したがいまして、先ほど申し上げましたが、運輸省のそれぞれの職員、すべての職員を総動員すると同時に、運輸省の関係の会社は大体二十万社ございます。そのうち、特に安全に関係があるのは十七万社ぐらい、こういうことでありますが、いずれにしましても、二十万社の関係者、そこに働く人たち、三百五十万人と言われておりますが、すべての皆さんの御協力を得て、安全についての徹底した出直し、認識に対して反省の上に立って再スタートを期したいというふうに考えている次第でございます。