松本善明の発言 (政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)

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○松本(善)議員 私は、日本共産党を代表して、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容について御説明申し上げます。
 本法案は、金権腐敗政治を一掃するため、その根源である企業・団体献金を全面的に禁止するとともに、政治資金の収支に関する公開性、透明性を高めることによって、我が国政治及び行政の公正と公平を確立し、もって政治に対する国民の信頼を回復し、我が国民主政治の健全な発展を図ることを目的とするものであります。
 日本共産党は、金権腐敗政治の根源である企業・団体献金の全面禁止を繰り返し強く主張し、みずからもかたくこれを実行してまいりました。ところが、厳しい国民の批判にもかかわらず、企業も社会的存在であるなどと称して企業・団体献金が存続され、これが相次ぐ政治腐敗の温床となっていることは、ロッキード事件、リクルート事件、ゼネコン疑惑など数々の金権腐敗事件が発覚する都度、繰り返し指摘されてきたところであります。
 政治献金は国民の浄財であり、主権者たる国民一人一人に憲法で保障された国民固有の権利である参政権の行使の一形態にほかなりません。選挙権、参政権を有しない企業に政治献金が容認されるいわれはそもそもないのであります。それどころか、営利を目的とする企業が、個人をはるかに超える強大な財力で政治的影響力を特定政治勢力に対して行使するなら、国民の参政権の公平、平等な行使をゆがめ、政治が大企業、財界に目を向けたものになることは明白であります。企業の政治献金は、本質的にわいろ性を有しており、国民の参政権を侵害するものであります。
 だからこそ、内閣総理大臣の諮問機関として一九六一年に発足した第一次選挙制度審議会が「会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄附をすることは禁止すべきものである。」と答申して以来、同趣旨の答申が繰り返し出され、いわゆる政治改革関連法案の土台となった第八次選挙制度審議会も、将来の姿として「政党の政治資金も個人の拠出により支えられるようになることが望ましい。」と答申したのであります。企業・団体献金から個人献金への転換は、この四十年来の政治資金をめぐる議論の到達点であります。
 九四年のいわゆる政治改革立法において、小選挙区並立制、政党助成法の導入とあわせて企業・団体献金の禁止、見直しが提案されました。政治家個人に対する企業・団体献金の禁止は、細川・河野、いわゆる総総合意により五年後に先送りされ、同時に、今問題になっている政治資金規正法の附則第十条で、法施行後五年を経過した時点で、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党に対する企業・団体献金の見直しを国会に義務づけたのであります。自民、公明、自由三党が提案している附則第十条の削除は、法律に明記された見直し義務を果たさず、国民に対する公約自体を一方的にほごにするものであるばかりか、見直し条項そのものの削除によって、企業献金の縮小、禁止への努力を放棄し、企業・団体献金を将来にわたって容認し続けようとするものであります。そもそもの立法趣旨への重大な逆行であり、断じて認められません。
 次に、法案の内容を御説明申し上げます。
 第一は、企業・団体献金の全面的禁止であります。
 企業、労働組合その他の団体は、政党であれ政治家個人に対してであれ、政治活動に関する寄附を一切してはならないものといたします。何人も、企業、団体に対して、政治活動に関する寄附をすることを勧誘したり、要求してはならないものとし、また、何人も、これに違反して企業、団体からの献金を受けてはならないものとしております。
 また、政治資金パーティーの対価の支払いも政治活動に関する寄附とみなし、企業、労働組合その他の団体が政治資金パーティー券を購入することを禁止いたします。
 第二は、政治資金の透明性の確保であります。
 国民個人が浄財として拠出する政治活動に関する寄附は、政党及び政治団体に対してするものとし、政治家個人はみずからの政治資金を扱う指定政治団体を一つに限って設けることができることとし、政治家が寄附に係る金員の授受にかかわることを原則的に禁じております。このもとで、政治団体は、経理における寄附勘定を設け、他の勘定と区別してすべての寄附を経理しなければならないことといたします。さらに、寄附勘定から政治活動に関する支出以外の支出を禁止し、政治家に対しては、みずからの指定政治団体の役職員や構成員への監督義務を課すこととしております。経理上の責任を明確にすることは、政治資金の透明性を確保する上で不可欠であります。
 第三は、政治活動に関する寄附の公開性と量的制限の強化であります。
 同一の個人からの寄附の公開基準は、現行の年間五万円超から一万円超に引き下げます。
 同時に、同一の個人が行う寄附の量的制限を現行の二分の一に引き下げ、政党に対しては年間一千万円、その他の政治団体に対しては年間五百万円とし、指定政治団体に対しては年間百五十万円の制限を設けます。また、寄附者の氏名の公開を免れる目的で二以上の政治団体に寄附を分散させることを禁じております。その他、政治団体間の寄附を禁止しております。
 第四に、政治資金規正法違反に対する罰則の強化であります。
 まず、政治家が国民の浄財たる政治資金を私的に流用しまたは蓄財するような行為は政治に対する国民の信頼を著しく踏みにじるものであることから、かかる不正行為に対する罰則を新設し、十年以下の懲役に処するとともに、十年間の公民権停止といたします。
 また、企業・団体献金の禁止に対する違反者は、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処するものとし、五年間公民権を停止いたします。このほか、寄附の量的制限違反などについても、現行に比べ厳しく処罰することとしております。
 以上、政治資金規正法の一部を改正する法律案の提案理由及びその概要を御説明いたしました。本法案は、金権腐敗政治の一掃という国民の願いにこたえ、企業・団体献金の見直しという、国会の国民に対する公約を確実に果たすものだと確信しております。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

発言情報

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発言者: 松本善明

speaker_id: 33168

日付: 1999-12-14

院: 衆議院

会議名: 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会