樋渡利秋の発言 (法務委員会司法制度改革審議会に関する小委員会)
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○樋渡政府参考人 司法制度改革審議会事務局長の樋渡利秋でございます。
司法制度改革審議会は本年七月二十七日に発足し、その日に総理大臣官邸におきまして第一回会議が開催されました。当審議会は、司法制度改革審議会設置法によりまして、この日から二年間にわたって調査審議を行い、その結果に基づいて内閣に意見を述べることとされております。
当審議会の委員は、当審議会の設置法案の国会審議におきます衆参両議院法務委員会の附帯決議に従い、広く国民各層の御意見が審議に十分反映されるように配慮の上、国会の同意を得て選任されました学識経験者等十三名の委員より構成されておりますが、その委員の名簿はお手元の資料の五ページにおつけしておりますので、御参照ください。
当審議会は、これまでに十二月八日の会議に至るまで計八回の会議が開催されておりますが、以下、お手元にお配りしております「司法制度改革審議会のこれまでの議事の概要」に沿いまして、当審議会のこれまでの審議の状況について御報告申し上げます。
第一回会議におきましては、冒頭、小渕総理大臣からあいさつを賜り、その後、各委員の自己紹介及び抱負の披瀝が行われました。続きまして、委員の間での意見交換により会長の互選と会長代理の指名が行われ、京都大学法学部教授の佐藤幸治委員が会長に選出され、駿河台大学長の竹下守夫委員が会長代理に指名されました。
また、第一回会議では、議事の公開につきましても意見交換がなされ、会議終了後、会長等が記者会見を行い、議事内容を説明すること、会議終了後速やかに議事概要を作成し、公表すること、会議議事録(発言者氏名入り)につきましては、その作成後これを公表することなどが審議の上、決定されました。なお、現在、議事概要につきましては会議後二、三日で、議事録につきましては会議後約三週間で作成し、公表をしております。
本年九月二日に開催されました第二回会議から十二月八日に開催されました第八回会議までは、月二回ずつのペースで審議が行われました。各委員には、御多忙の中最大限の御努力をいただいており、各回おおむね四時間程度、第五回以降は各回四時間半に及ぶ審議時間を確保し、有識者等からのヒアリングを行うとともに、二十一世紀の我が国社会において司法が果たすべき役割等についての意見交換、論点整理に向けての意見交換を行うなど、極めて活発に充実した審議を進めていただいております。
政府側等からのヒアリングといたしましては、まず、陣内前法務大臣から、司法制度改革審議会設置法の国会における審議経過等につきまして御説明をいただきました。次に、太田前総務庁長官からは、今般の司法制度改革の議論の端緒の一つが一連の行政改革の流れにあることを踏まえまして、司法改革と行政改革との関連を中心に御説明をいただきました。また、房村法務大臣官房司法法制調査部長から、臨時司法制度調査会における議論とその後の司法制度に関する改革などについて説明がなされました。
お手元の資料の4と5に掲げておりますのは、現在法務省において検討が進められております民事法律扶助制度の改革に関連いたしまして、法務省人権擁護局長及び財団法人法律扶助協会専務理事から、民事法律扶助制度の概要、運営の現状、改革の必要性などについて説明がなされたものでありまして、後に御説明いたしますが、これらの説明を受けて審議が行われ、各委員の間で得られた合意を踏まえ、民事法律扶助についての会長談話が公表されました。
6から8に掲げておりますのは、現在審議が進められております論点整理に関連いたしまして、法曹三者から、司法制度をめぐる現状、課題などについてのヒアリングが行われたものでございます。その際の説明内容につきましては、お手元にお配りしております封筒の中の資料をごらんいただければと存じますが、そのあらましを申し上げますと、法務省の原田事務次官からは「司法制度の現状と改革の課題」との論題で、司法の現状と将来についての認識、司法の基盤整備の必要性、司法に携わる人材確保の基本的視座などについて、最高裁の泉総長からは「二十一世紀の司法制度を考える 司法制度改革に関する裁判所の基本的な考え方」との論題で、我が国の司法制度の特徴、我が国の司法の現状と問題点、改革の方向性などについて、日弁連の小堀会長からは「新しい世紀における司法のあり方と弁護士会の責務」との論題で、司法改革と弁護士の自己改革、これからの社会と司法制度のあり方、司法改革の方向性、司法改革の具体的提言などについて、それぞれ約四十分にわたり説明が行われました。
学識経験者等からのヒアリングといたしましては、グレゴリー・クラーク多摩大学長から、近年の我が国における伝統的モラルの崩壊とこれにかわるモラルを打ち立てるための基盤としての法制度の整備の必要性などについて、島田晴雄慶応義塾大学経済学部教授から、明治以降の近代化や戦後の経済発展などに伴う我が国司法制度の整備拡充の歴史的経過などを踏まえた司法制度改革の必要性と法曹養成制度についての具体的な提案について、佐々木毅東京大学法学部長から、二十一世紀の我が国の統治システムとその中での司法の果たすべき役割などについて、佐伯啓思京都大学人間・環境学研究科教授から、現代日本社会と西欧社会における市民概念の相違とそのことに根差す公の意識の相違について、藤倉皓一郎帝塚山大学法政策学部教授から、アメリカなどを中心とした法文化の比較について、それぞれ説明がなされました。また、青山善充東京大学副学長からは、現在、東京大学において検討中のロースクール構想を中心とした法学教育に関する説明がなされました。
これら学識経験者からのヒアリングのほか、司法のユーザーである市民団体にかかわる有識者である庫山恆輔氏や消費者関係団体にかかわる有識者である藤井教子氏、また、マスコミ関係の有識者である松尾龍彦氏や米澤進氏など幅広い分野の方々から、さまざまな御経験や知見の披瀝、御意見の開陳が行われるとともに、委員各位との間で活発な意見交換が行われました。
お手元の資料の三ページに、別紙一といたしまして、「今後のおおよそのスケジュール」をおつけしております。これは、本年九月二日に開催されました第二回の会議におきまして審議の上決定されたものでございまして、そのあらましを申し上げますと、審議の主要な柱として制度的インフラと人的インフラの二つを据え、本年十二月中に論点を整理決定の上公表すること、平成十二年中は、整理された論点について一通りの審議を行った上で、しかるべき時期に中間報告を公表すること、その後、平成十三年四月ごろまでに、中間報告に対する国民の反応等を踏まえながら、さらなる調査審議を行うこと、同年七月に最終意見書を審議の上、内閣へ提出することなどでございます。
ただいま説明いたしました今後の審議スケジュールのとおり、本年末には論点を整理決定の上公表することとされましたことから、第六回会議において行われました各委員からの論点整理に関するプレゼンテーション、これはお手元にお配りしております「各委員の論点整理に関する意見書」によるものでございますが、これを踏まえて会長及び会長代理が相談の上作成した「司法制度改革に向けて 論点整理」と題する会長試案に基づき、第七回会議及び第八回会議において審議が行われ、各回とも委員各位の間で活発な意見交換が行われました。
お手元にこの論点整理に関する会長試案もお配りしておりますが、その概要は、まず、当審議会の設置と審議の経過が記述され、次に、明治維新後の我が国の近代法制史や、戦後から現在に至る日本社会の変容と我が国経済社会の国際化をも踏まえた今般の司法制度改革の史的背景と意義が記述され、さらに、今般の司法制度改革の要諦として、司法の現状と改革の方向、当審議会において取り上げ審議すべき具体的論点とその要点及び趣旨などが記述されているのでございます。今後、十二月二十一日に開催される予定の第九回会議におきまして、この会長試案に修正を加えた上、論点整理について最終的な審議を行い、論点を確定した上でこれを公表することとされております。
先ほど申し上げましたが、第六回会議におきまして、現在政府において検討が進められております民事法律扶助の改革に関連いたしまして、法務省人権擁護局及び財団法人法律扶助協会からヒアリングをした上で審議が行われ、国民に身近で利用しやすい司法制度を実現するための諸方策の一つとして重要な意義を有することから、当審議会としましても何らかの見解を示すべきとの趣旨で合意がなされました。
これを受けまして、十一月二十四日に開催された第七回会議におきまして、審議の上、文案を確定し、同会議終了後、お手元の資料の四ページに別紙二としておつけしておりますとおり、「民事に関する法律扶助について」と題する会長談話が公表されました。その要旨は、当審議会としては、国民が十分な資力を有しない場合においても裁判等において自己の正当な権利の実現、保護を図ることを可能とするための支援体制の整備について今後とも総合的、体系的に審議を深めていく予定であるが、政府において現在進められている民事法律扶助制度の改革については、このような支援体制整備に向けての第一歩として緊急性があることから、早急にその実現を図ることを政府に期待するというものでございました。
議事の公開に関しましては、先ほど申し上げましたとおり、第一回の会議において、議事概要や議事録などにより議事の内容を公表することが決定され、既にインターネット等を通じてそのとおりの公開が実施されております。これに加えて、マスコミ等の傍聴をどうするかにつきましては、委員の間にさまざまな意見があることから、会議の開催状況を踏まえながら改めて検討することとされており、年内には最終的な結論を得ることとされております。
司法書士、弁理士、税理士及び行政書士の隣接法律専門職種に関しましては、弁護士との関係につきまして、お手元の論点整理に関する会長試案の中でも論点項目の案として掲げられておりますように、今後の審議の対象となることが確実でございます。このため、これら隣接法律専門職種にかかわる専門的な調査を実施することを目的といたしまして、審議会の了承をいただきました上で、本年九月、それぞれの分野について専門的知識を有する者に対する調査嘱託を行ったところでございます。
以上が、当審議会の第一回から第八回までの審議の概要でございます。