佐々木陸海の発言 (本会議)
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○佐々木陸海君 私は、日本共産党を代表して、第二次補正予算、財政演説について質問をいたします。
今、日本経済と国民生活が直面しているのは、雇用不安のかつてない広がりであり、中小企業の最悪の倒産、廃業であります。財政演説で宮澤大蔵大臣も、所得が低迷し、殊に企業のリストラが雇用に与える影響等を考えると、消費が持続的に回復する状況には至っていないと述べているのであります。国民が今切実に求めているのは、まさに生活の安定であり、個人消費の拡大を通じた景気の回復であります。
ところが、政府が経済新生対策の実行と銘打って提出した第二次補正予算案には、景気回復にとって最も肝心な、個人消費を刺激し、拡大する対策がほとんどないのであります。
首相にお聞きしたい。なぜ国民の個人消費を直接刺激する方向に踏み出そうとしないのですか。それを拒否し続ける理由は何ですか。明確に答弁していただきたいのであります。(拍手)
今度の補正予算は、経済新生対策のうちの実に六八%がゼネコンと大銀行に振り向けられており、浪費の蛇口は拡大する一方であります。
社会資本整備三・五兆円の大半は、相も変わらない従来型の大型公共事業、波及効果が低下する中で規模ばかり膨らんできた大型公共事業であります。国際拠点と称する空港や港湾、整備新幹線、大都市環状道路などがそれですが、例えば中部国際空港計画は、関西空港や成田空港の利用者までが利用することを前提にして採算の予測を立てており、関連事業を含めた事業費は一兆五千億円を超えるものであります。これまでに建設した多くの港湾が釣り堀と化しているのは周知の事実であります。
首相、これらは国民の必要にこたえるというものではなく、結局ゼネコンへの大盤振る舞い、浪費の拡大でしかないのではありませんか。これでは、これまで何度も何度も失敗してきた景気対策の上に、さらに失敗の上塗りをするだけではありませんか。
また、金融システム安定化の名目で、大銀行支援のために九千二百億円、NTT株の売却益分を含めると、総額で一兆九千億円もの財政資金を投入することも極めて重大であります。
中小企業への貸し渋りを続けつつ商工ローンに巨額の融資をして社会的糾弾を受けている銀行に対して、その責任を問いもしないで、また銀行業界の一円の負担さえ求めもしないで、最終的に税金にはね返る公的資金をなぜ湯水のように投入しなければならないのですか。首相の見解を問うものであります。
しかも、本来国の借金の返済に充てるべき九八年度の剰余金約六千億円を銀行支援の財源に充てるなどというのは、財政法の解釈をも逸脱するものではありませんか。蔵相の答弁を求めます。
政府の経済対策は、浪費を無制限に拡大する一方で、肝心かなめの国民向けにはほとんど内容がありません。雇用対策では、失業増大と収入低下の元凶となっている大企業のリストラを野放しにしている上、失業給付の改善、職業訓練の充実など切実な要求には全くこたえていません。中小企業対策も、融資以外はほとんどありません。これで消費の回復にどう役立つというのですか。首相の見解を求めます。
次に、介護保険問題について聞きます。
政府は、この保険の見直し策を突如として打ち出し、その費用を補正予算に盛り込みました。見直し策の中心は、六十五歳以上の被保険者からの保険料徴収を半年間延期し、その後一年間は半額徴収にすることなどであります。それは、介護サービスの基盤整備などで国民的大事業のスタートにふさわしい国の責任を果たさないまま、保険料、利用料など過重な負担を国民に押しつけ、介護サービスについては保障がないという政策が、国民の批判の前に行き詰まったことを示すものであります。
厚生省の発表によれば、九八年度の数字で、特別養護老人ホームに入所できる資格がありながら入所できない待機者が九万人、在宅で約四万七千人に上ります。現在ある特養ホームの増床計画を達成したとしても、なお待機者が多数に上ることになります。これを放置すれば、国を挙げての契約違反になることは必至であります。
政府は、保険料を徴収しないというその期間に、この特養ホームの具体的な不足を解消するつもりがあるのですか。その問題を含めて、介護サービスの基盤整備をどこまで進めるのですか。また、保険料、利用料の引き下げ、低所得者、高齢者への減免制度をどうするのですか。認定制度をどう改善するのですか。それらを具体的に示していただきたい。見直しが単なる問題先送りでないとすれば、これらは避けて通れない問題のはずであります。首相の明快な答弁を求めます。
最後に、財政危機の打開についてお聞きしたいと思います。
今回の国債発行の規模は、七兆五千億円となり、その結果、今年度の国債依存度は過去最高の四三%になります。国、地方を合わせた債務の総額は、六百兆円から六百八兆円に膨れ上がります。小渕内閣が発足して一年余りで、何と約六十四兆円も借金をふやしたことになります。首相は、その痛みを本当に感じているのでしょうか。率直にお聞きしたいのであります。
九五年十二月、我が国の債務残高がGDPの八八・九%に達していたとき、財政制度審議会は、発達した資本主義諸国の中で最悪であるということで、ヨーロッパの基準である六〇%を目指すべきことを蔵相に報告しました。それから四年たって、債務残高は何とGDPの一二三%にも膨張しています。
首相は、景気が回復の軌道に乗ってから財政再建を考えるという答弁ばかりを繰り返してきました。しかし、既にその四年前の財政審報告で、景気が急回復しても巨額の歳入歳出ギャップをすぐに埋めることは困難であると指摘していたのであります。首相は、今この指摘をどう受けとめるのでしょうか。
ことし一月に発表された大蔵省の中期財政試算では、今後も毎年三十兆円程度の国債発行が必要であると述べているではありませんか。将来の見通しもなしに借金だけ膨らませるやり方は、全く無責任ではありませんか。答弁を求めます。(拍手)
日本共産党は、国、地方合わせて公共事業に五十兆円、社会保障に二十兆円という財政の大きな枠組みを変え、社会保障中心の予算、財政に切りかえる方向を提案してきました。財政の浪費構造に徹底的にメスを入れ、こうした転換を実現することによって、国民の暮らしと営業、社会保障を守ることと財政再建の道筋をつけることとは、立派に両立させることが可能であります。
自自公連立政権、小渕内閣への国民の評価は、日増しに低下をしています。どの世論調査でも、評価をしないという声が評価する声の二倍、三倍になっています。
この内閣、この政権は、存続すること自体が害悪であります。私は、衆議院の解散と総選挙を一刻も早く行うことを首相に要求して、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕