小渕恵三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小渕恵三君) 佐々木陸海議員にお答えいたします。
景気回復のための個人消費拡大策を打ち出すべきとの御指摘がありました。
個人消費は、GNPの約六割と大きなウエートを占める重要なものと認識をいたしており、政府といたしましては、十一年度予算におきまして、個人所得課税の恒久的減税を実施いたしているほか、公共事業や中小企業対策、雇用対策に最大限配慮するとともに、住宅ローンの減税を行うなど、人々の生活基盤の安定化につながる施策を積極的に講じているところであります。
今回の経済新生対策におきましては、事業規模十七兆円程度、さらに介護対策を含めれば十八兆円程度の事業を早急に実施し、公需から民需への円滑なバトンタッチを図ることといたしており、第二次補正予算において、この対策を実現するため必要な措置として、社会資本整備費について、情報通信、科学技術の振興、生活基盤の充実強化、少子高齢化、教育、環境特別対策といった、将来の我が国経済の発展基盤の確立に不可欠な分野を中心に総額三兆五千億を計上しているのを初めとして、中小企業対策、雇用対策といった国民生活に直結した分野に重点的配分を行っております。
これらの施策により、有効需要が創出され、国民の購買力の向上につながるものと考えております。
経済新生対策中の社会資本整備が国民の必要にこたえていないのではないかとのお尋ねでありました。
政府におきましては、九〇年代に入って以降、累次の経済対策を講じてきたところでありますが、これら対策による公共投資の増加については、バブル崩壊後の民需の落ち込みを相殺する形で、景気がスパイラル的に悪化していくのを防止し、その下支えに貢献してきたものと考えております。
今回の経済新生対策の取りまとめに当たりましては、従来の概念や計画あるいは省庁の枠組み等にとらわれない新たな構想と目標を策定し、投資効率と利用者の使いやすさを考えたハード、ソフト、制度改革の実施に最大限配慮しており、社会資本整備について、二十一世紀の新たな発展基盤を築くため、情報通信、科学技術の振興、生活基盤の充実強化、少子高齢化、教育、環境特別対策といった分野を中心に整備を進めることといたしております。
政府といたしましては、本対策の推進を図ることにより、公需から民需へのバトンタッチを円滑に行い、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せていくよう努めてまいります。
銀行に対する公的資金投入についてのお尋ねでありますが、金融システムはしばしば経済の動脈に例えられており、経済の基盤をなすものであり、その安定は我が国経済が景気回復軌道に復帰するためには必要不可欠なものであり、このような観点から、金融機関の破綻処理について公的資金での対応をお願いいたしておるところであります。
経済新生対策に関し、雇用対策及び中小企業対策を例に、消費の回復に役立つのかとのお尋ねがありました。
本対策におきましては、雇用対策として、地域特性を生かし雇用機会の創出を行う先導的な中小企業への支援、大規模なリストラの実施により大きな影響を受ける地域における雇用創出、中小企業の発展を担う人材の育成などのための施策を盛り込んでおります。
また、中小企業対策に関しては、日本経済がダイナミズムを発揮するための重要な施策と位置づけ、このたび成立いたしました中小企業基本法の改正と並んで、関係法律の改正を図りたいと考えております。また、御指摘の中小企業金融対策に加え、中小企業の多様なニーズに対応して、人材、技術、知識、情報などのソフトの経営資源の円滑な確保をきめ細かく支援するなど、総合的な政策を進めることといたしております。
以上のような雇用対策により雇用不安を払拭するとともに、日本経済の牽引車となることが期待される中小企業の活性化により、公需から個人消費を初めとする民需への円滑なバトンタッチを図っていくよう努めてまいります。
次に、介護サービスの基盤整備、保険料等の減免及び認定制度についてのお尋ねでありますが、特別養護老人ホームを初めとする介護基盤の整備を引き続き推進していくほか、介護保険法の円滑な実施のための特別対策において、高齢者保険料についての軽減等の措置や、訪問介護、ホームヘルプサービスについての低所得者の利用者負担の軽減措置を講ずることといたしております。
また、要介護認定につきましては、三年間にわたる試行的事業を経て実施しているところであり、今後とも、実施状況を踏まえつつ、必要に応じ、適切に対処いたしてまいりたいと考えております。
今回の補正予算を含め、我が国の財政状況に対する認識及び財政再建の見通しについて、御指摘の上、お尋ねがありました。
我が国財政は、歳入歳出ギャップ、すなわち公債依存度が第二次補正後に四三・四%、十一年度末の国、地方の長期債務残高が六百八兆円にも達する見込みである等、極めて厳しい状況にあることは十分認識をいたしております。その認識の上に立って、将来世代のことを考えるとき、財政構造改革という大きな重い荷物を背負っていると痛感いたしております。
ただ、せっかく上向きになりました我が国経済をさらに大きく前進させることによりまして、税収の増加等を通じ、財政状況の改善が図られるような時点をしっかりと見きわめる必要があり、その見きわめを誤り、景気後退といった流れになってしまってはいけないと考えます。
したがって、我が国経済が回復軌道に乗り、足元がしっかり固まった段階において、財政、税制上の諸課題につき、中期、長期的な視点から幅広くしっかりとした検討を行い、国民の皆様にそのあるべき姿を示すというのが順序でないかと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕