林義郎の発言 (決算行政監視委員会第一分科会)
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○林(義)分科員 きょうは、会計検査院の会計検査報告八年版、九年版、それから十年版がもう出ておりますから、そのことにも関連しましてお話をさせていただきたいと思います。
毎年のように税の徴収額の過不足に関するものが項目として出ているんです。先ほど大野政務次官からは、これはしかと受けとめて改善をしていかなくちゃならない、こういうふうな話がありましたが、実際問題として、私は、所得金額や計算はなかなか大変なことだと思いますし、それから税の徴収の資料がない、またそれがなかなか収集できなかったという指摘もありますが、これも職員がやる話でありますから、全知全能の神様がやるわけじゃないんだから、時には手落ちがあってもしようがないことだと思います。もちろん、国税庁として、そんなものを見落としてやっていいということじゃありませんし、また役所の方も十分に注意はしてやっておられると思いますが、やはりこうした事態が起こるということについてはいろいろなことを考えていかなくちゃならない。会計検査院が二重のチェックをする、こういうふうなことは一つの方向としていい方向だ、私はこう思っておるところでございます。
きょうは、実は、その中で消費税の問題に絞っていろいろとお話を聞かせていただきたい、こう思っておるところであります。
昭和六十三年に抜本的税制改革議論がありまして、国民的な議論を経て消費税が導入されました。以前から自民党の税調で立案に参画した者として、消費税の創設及びその後の経緯を見ますと、いかに国民の信頼を得ることが大切かというのを本当に痛感しているところであります。
消費税はまさにこれからの高齢化社会を支える重要な税制でありますし、その増税というのが各方面から今言われてきています。しかしながら、私は、ここでその話をしようとは思いません。しかし、一番税制で大切なのは国民に信頼を受けるということだ、こう思いますので、まず最初に、消費税の中小企業者に対する特例措置というのがありました、その問題についてお話を聞いてみたいと思います。
消費税というか付加価値税でございますけれども、これも長い歴史があって、昭和五十三年には一般消費税ということで導入が検討された。その後、昭和六十二年に、最終的には廃案となったものの、売上税法案が国会に提出されました。しかし、なかなか問題がたくさんあった。一方では、間接税でありますから大衆課税だ、だから、国民一般からは、そんな大衆課税をやるのは困る、所得税は金持ちから取るんだからそれから取ったらいい、法人税は法人で事業をやっているんだからそこから取ったらいい、一般大衆から取るのはという反発が非常にあったことも事実でありますし、産業界からは、事業者の事務負担や適切な転嫁などについての懸念があった。特に中小企業者からそういったような問題がありまして、なかなか大変だったということであります。
その当時の財政需要に対応していくために、やはり従来の個別間接税制度、例えば、今でもまだありますけれどもゴルフ施設利用税であるとか、ガス税であるとか電気税であるとか、そういった個別の間接税制度がありました。しかしながら、そういったものを一括してやはり世界的な潮流でもあった付加価値税に改めていくということについて合意をして、消費税が導入されたのであります。そのときに考えておったのは、やはり中小企業者の団体の意見を踏まえて、事務負担を配慮してやらなくちゃいかぬだろうと。
いわゆる中小企業者の特例制度といいますと、中小企業者に対しての益税ではないか、こういうふうなことまで言われたような制度をやったわけです。それまでしてでもやはりこの税を全体としては導入すべきだろうということでやったわけです。
三つありまして、一つは事業者免税点制度です。これは、消費税ではすべて原則として事業者が納税義務者になりますけれども、事務処理能力の乏しい小規模事業者については、三千万円以下の事業者については納税義務を免除することとした。
二つ目が簡易課税制度です。これは、消費税の仕入れ税額の計算において、さまざまな仕入れについて課税仕入れか否かの区分が必要となりますけれども、こうした事務負担に配慮しまして、課税売上高五億円以下の事業者については、事業者の選択によって、売り上げに係る税額に業種ごとに法定されたみなし仕入れ率を乗ずることによって簡易に仕入れ控除税額の計算ができる制度を一つつくりました。そのときのみなし仕入れ率については、卸業者は九〇%、その他の事業者は八〇%という、二つの区分になっておりました。
三つ目が限界控除制度でありまして、これは、三千万円の免税点を境に納税義務の有無が異なるということに伴う課税の影響を緩和する観点から、課税売上高六千万円までの事業者について、本来納付すべき税額の一部を軽減するという制度をつくったわけであります。これは、最初に申しました事業者免税点制度の上のところの段階について、比例的にいくところの免税制度をつくろう、こういうことであります。
この三つをやったんですが、消費税を実際に実行してみるとなかなかはっきりいかない。特に主婦層を中心に、今申し上げた中小企業特例というのによって、自分たちが消費税を払っているにもかかわらず、その部分が国庫に入っていない、税金ですから国庫に入るのが当たり前です、入っていないで、むしろそういった途中の業者のところへ行っているという批判が非常に強くなった。中小企業者に対してサービスをしようと思えば一般の消費者から怒られるし、どういった制度をつくるかねというのが当時の我々の偽らざる気持ちでありました。しかしながら、そういった形で不信感というものが、益税という言葉で今でもまだ残っているんじゃないかなと私は正直言って思っているところであります。
導入時には事業者の事務負担についてやる、その後、公平性という観点から大幅な見直しをしてきたところであります。平成三年には、簡易課税制度の適用上限を五億円から四億円にし、また、みなし仕入れ率を、従来の区分が九〇%、八〇%というようにありましたのを、四区分にした。卸が九〇、小売が八〇、製造業が七〇、その他事業を六〇に細分したほか、限界控除制度の適用上限を、改正前の六千万円を五千万円に引き下げるようなことを行ってきたのであります。
さらに、平成六年の改革におきましては、限界控除制度を廃止した。それから、簡易課税制度の上限をさらに、五億円、四億円に下げたものを二億円に下げた。サービス事業等のみなし仕入れ率を五〇%とする見直しをしました。資本金一千万円以上の新設法人に対する免税点制度の不適用というような形で、特例措置全般にわたって大改革を行った。
これは、やはり国民の間に、消費税というものは国民皆さんが最終的には負担をするんだということが出てきたから、そういうことがやられたんだ、できたんだろうと私は思う。確かに中小企業にも配慮しなくちゃならない、中小企業の方からはいろいろな反発がありましたが、一般大衆、納める人からすれば、やはりそういった形でやる方が正しいんだ、こういうふうなことでやってきたところであります。まだまだその辺の理解等をやはり考えていかなくちゃならない。
私たちは、六十三年に消費税をつくったときから考えると、一体なぜあんな免税点制度をつくったのかね。しかし、その当時の最初のことから考えると、免税点制度でもつくらなかったら国民全部の反発を受けてとても通らなかった。せめてそこぐらいやって、うまくやれるようなことを考えてということでやったわけであります。そのやった趣旨がこういうふうな形で、益税といって、これは税を取らないむだだ、こういうふうに言われたということがありますから、税法をやるのはなかなか難しいものだなということを私は改めて実感をしておるところでございます。
そこで、議論を整理する意味も込めまして、政府の見解をちょっとお伺いしておきたいと思っております。
限界控除制度の廃止につきましては、益税は完全に解消したことになっていますが、小規模事業者には定着していた制度であって、こうした事業者にとっては痛みを伴う改正だけあって相当思い切った措置であったものと思いますが、この限界控除制度を廃止した理由を改めてお伺いしたいし、また、この制度の廃止によって増収額は一体どの程度になったのか、過去のことですが、お答えいただきたいと思います。
政務次官来ておられますが、細かな話ですから——やってもらえればやってください。足りないところは事務局の方からやってもらって、また別に、こんな事務的な話ですから、わざわざ大政務次官に御答弁を全部細かくやっていただくこともないと思いますが、よろしくお願いします。