佐々木陸海の発言 (憲法調査会)

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○佐々木(陸)委員 日本共産党を代表して、憲法調査会の進め方について意見を表明いたします。
 今回の衆議院憲法調査会は、日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行うことを目的とし、調査を終えたときは調査の経過及び結果を記載した報告書を作成し、会長からこれを議長に提出することを任務とするものであります。この点では、一九五六年の内閣憲法調査会が、日本国憲法に検討を加え、その結果を国会に報告するとされていたのとは根本的に異なるものであります。
 したがって、今回の憲法調査会で、新しい国家像について検討するとか、三年ぐらい調査したら次は憲法見直しの議論をするなどというのは、本調査会の目的と任務を逸脱するものであることを最初に指摘しておくものであります。
 さて、日本国憲法についての広範かつ総合的な調査をいかに行うかという点であります。
 第一に、日本国憲法の先駆的内容を広範かつ総合的に明らかにする調査であります。
 日本国憲法の基本原則、すなわち、国民主権と国家主権、恒久平和主義、基本的人権、議会制民主主義、地方自治という五原則について、世界の主要国の憲法との国際比較で見るとどうか、あるいは、これらの原則が歴史的にどう発展してきたのかという視点での調査を行うべきであります。
 例えば、基本的人権について言えば、十九世紀的な自由権から生存権が明記される形で発展してきていること、世界人権宣言や国際人権規約とのかかわりなども調査に値します。恒久平和主義については、昨年オランダのハーグで行われた世界市民平和会議で日本国憲法第九条が二十一世紀の世界秩序の先駆をなすものとして国際的に注目されていますが、こうした点も大いに調査すべきであります。こうした調査によって、日本国憲法の持つ先駆的意義が浮き彫りになると確信しております。
 第二は、日本国憲法の基本原則に照らして、現実政治の実態を点検する調査であります。
 憲法と現実の乖離が問題にされておりますが、それは憲法の先駆的な諸原則と自民党政治の異常なゆがみとの乖離にほかなりません。憲法が忠実に実行されなかった結果、乖離がもたらされたものであります。憲法十三条の幸福追求の権利、憲法二十五条の健康で文化的な生活を営む権利にしても、その実現を阻んでいる政治の実態を徹底的に調査すべきだと考えます。
 第三に、いわゆる押しつけ憲法論にかかわって、日本国憲法の制定過程とともに、改憲論がどういう経過で出てきたかについての歴史的経緯を掘り下げる調査が必要だと考えます。
 日本国憲法施行の翌年、一九四八年に、アメリカ政府が日本の再軍備のために憲法改悪の方針の検討を開始していたことが、公文書公開によって明らかになっています。改憲論の源流はアメリカにあったというのが歴史的事実であります。こうした点を深く掘り下げて調査すべきだと考えます。
 最後に、最高法規である憲法について広範かつ総合的に調査する機関である本調査会の運営は、各会派の合意に基づく公正、民主的な運営が何にも増して求められている、そのことを強調して、発言を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 佐々木陸海

speaker_id: 9850

日付: 2000-02-17

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会