石毛えい子の発言 (憲法調査会)

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○石毛委員 おはようございます。民主党の石毛えい子でございます。
 前回、私は、日本国憲法を、制定の経緯をめぐっての歴史的経過の中で見ることの意義と、それから、今の国際関係の中で日本国憲法がどういう有効性を持ち得ているかという、そうした横の関係の中でも検証すべきだろうというような趣旨の発言をさせていただきました。
 今回は、憲法が保障する三つの原理、平和主義、主権在民、基本的人権の享有のうちの、基本的人権の享有をめぐりまして多少の発言をしたいと思います。
 基本的人権の享有は、制定過程の議論の中でも多くの方の御意見に触れられておりましたように、私も、太平洋戦争を経て本憲法によって実現したというその意義をまず確認したいと思いますが、その点を確認した上で、さらに検討すべき二つの点について触れたいと思います。
 一つは、現代の国際的な人権認識からいって、憲法の人権に対する規定が十分であるかどうか、そういう検証が必要ではないかと考えているということです。
 例えば、日本は既に子どもの権利条約を批准しています。この権利条約の中では出生による差別の禁止を規定していますが、憲法の第十四条の法のもとの平等に規定されている人種、信条、性別等々というその差別禁止規定の中に出生による差別の禁止というようなことは含まれていないという、そうした事態があります。また、一九八一年の国連国際障害者年以降、障害を持つ人たちの市民としての完全参加と平等、差別の禁止が国際的にも課題になっておりますし、多くの文書にもこうしたことが規定されるようになっておりますし、先ほど触れました子どもの権利条約にもこのことが述べられております。しかしながら、第十四条の法のもとの平等規定にはこうしたことが含まれていないという事実があります。
 ちなみに、前回の自由討議の際にカナダの国歌についてお触れになられた御意見がございましたが、私は憲法を世界の諸国それぞれについて知っているわけではありませんけれども、カナダの憲法は、憲法の中で障害による差別の禁止規定を持っておりますし、また、憲法を踏まえてと理解してよろしいかと思いますが、多民族国家を反映して、多様化文化大臣を置いているというような閣議の機能もあるということもつけ加えさせていただきたいと思います。
 以上が、現在の国際的な人権認識からいって、憲法の人権認識をもっと深め、膨らませていく必要があるのではないかということのおおよその内容でございます。
 このことに関連しまして、もう一つは、基本的人権の享有が国民という規定に限定されていて、日本は今多くの外国籍を持つ方々がこの国で暮らし、働くようになっておりますけれども、そうした基本的人権の規定の内容がこの国で暮らすあらゆる人々に普遍化するような制定のされ方になっていないというところも議論を尽くすべき点であるというふうに考えます。
 以上、憲法の基本的人権に関して申し上げましたが、私は、憲法の論議を進めるときに非常に大事であるのは、関係する個別法の検討も同時にしなければならないということを強調させていただきたいと思います。
 詳しく申し上げる時間はございませんけれども、例えば、心身障害者対策基本法が障害者基本法に改正されたときにもこういう議論は除外されて今に至っております。環境権についても多くの方から御指摘がございました。個別法の検討とあわせて十分に憲法論議を進めていかなければ、十分な議論になり得ないということを申し上げ、であるからこそ論憲を徹底していくべきだということを述べさせていただきまして、私の発言を終わります。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 石毛えい子

speaker_id: 30719

日付: 2000-05-11

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会