中村鋭一の発言 (憲法調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○中村(鋭)委員 保守党の中村鋭一でございます。
初めに、石毛委員が先ほどカナダ国歌について言及をなさいましたが、先ごろのこの会議でカナダ国歌について言及したのは私でございます。正確に申し上げますと、今あなたがおっしゃったそのカナダの憲法についての規定、これは私は、何も問題とするに当たりませんし、それは結構なのですが、その前にカナダ国歌を引用なさったことについては、これは全く関係のないことでありますので、なぜカナダ国歌を、私が言ったことを引用なさったのか、ちょっと理解に苦しむわけでございます。
念のために申し上げておきますと、先日私が申し上げましたのは、カナダ国歌の中に「おおカナダ われらの故国 祖先の大地。…はるかな広野 われらはこの国を守る。」とある、このくだりを指摘させていただきました。
我が国には君が代という天皇の長寿をお祈りする立派な国歌がある。イギリスにはゴッド・セーブ・ザ・クイーン、女王の全からんことを祈るこれまた立派な国歌がある。そのような国柄でありますから、我が日本の国も、カナダと同じように、国歌にうたわれているように、国を守るという気概のあふれた憲法を持つことが望ましいという私の意見を申し上げた次第でございますので、再度そのことを指摘させていただきたいと思います。
今また佐々木委員の御意見を伺いながら、憲法に対する見方というのは、それぞれ人によって随分違うのだなということを改めて痛感いたしました。
五月三日に大阪の神社庁でたまたま憲法のシンポジウムがございました。ここにおいでの左藤委員も御出席でございましたし、中野委員も御出席でございましたけれども、国会議員五人がそれぞれ二十分ずつ意見を申し上げて、その後で、聴衆の中から御意見のある方と質疑をさせていただいたのです。その中に、京都の大学の名誉教授をしていらっしゃる方がありまして、私の名前を挙げて、中村さんの意見はなかなかよかったけれども、二つ難点があると。
一つは、あなたは太平洋戦争とおっしゃったが、あれは太平洋戦争ではないのであって、あれはアジア解放のための大東亜戦争である、正確に戦争の名前を大東亜戦争と言ってもらいたい、それが不満である、こうおっしゃいました。また、私が、日本人の手による日本人のための新しい憲法をつくりたい、その道をともに歩もうではないですかと言ったことをとらえられまして、新しい憲法をつくる必要は全くない、我々は既に明治に制定された立派な憲法を持っているのであるから、その憲法を再び我々は手にする必要があるのだ、そのことを申し上げたい、こうおっしゃいました。
これは立派な大学の教授で、憲法学者であります。これは佐々木委員の御意見とまあ随分違うなということを痛感いたしました。だから、百人いれば百通りの憲法観があってしかるべきでありますし、一万人いれば一万通りの憲法観があって、それはそれでしかるべきものだと思います。
ただ、私はその背景として、昭和一けた、我々世代から大正二けた、その辺までは、まさに敗戦の現実を体験して、その中でつくられた憲法を、いわば強いられた形で受けざるを得なかった、そういう体験をしておりますので、戦後に生まれた皆さんとは随分やはり憲法の受けとめ方が違うということを指摘しておきたい、こう思います。
これからまたさらに議論が深まり、ディベート、ディスカッション、討論等を通じまして新しい憲法の形ができることを心から念願いたしまして、私の意見発表を終わらせていただきます。