深田肇の発言 (憲法調査会)

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○深田委員 私は、社会民主党・市民連合の深田肇でございます。社会民主党・市民連合を代表いたしまして、これまでの憲法制定過程についての調査を受け、今後の憲法調査会の運営に絞りまして発言をいたしたいと思います。
 十人の参考人の諸先生の御意見を拝聴いたしました。これを受けての質疑も拝聴いたしました。その上で、押しつけがあったことを重視して改憲に結びつけるという、いわゆる押しつけ改憲論は問題にならないんだなというふうに、このことを明らかにされたことが大変大きな成果であったというふうに考えております。そこで、最も大切なことは、憲法の精神の政策化、具体化をすることが大切なことだというふうに強く確信をしたところでございます。
 さて、解散・総選挙も間近でございますし、突っ込んだ深い議論は総選挙後の新しい政治勢力で行うべきと考えておりますが、これまでの論議を踏まえて、今後の調査の進め方について次の四点を社民党として提案をいたしておきたいと思います。
 その一つは、調査の進め方についてでありますが、日本国憲法について調査するというその重要性にかんがみ、無所属の方やその会の方やさきがけの方も含めた少数会派にも委員を割り当てた方がいいのではないかと思います。委員数や各党の発言時間も可能な限り公平にするように、御配慮のほどをお願いいたしておきたいと思います。
 二つ目は、戦後五十年が過ぎて、憲法にかかわって起こった訴訟がございます。社会問題を洗い直してみることが必要ではないかというふうに思っております。
 例えば、二十五条の生存権を求めた朝日訴訟、九条とのかかわりを求めた自衛隊の訴訟、政教分離のかかわりを求めた訴訟など、数多くの訴訟が憲法との関係で起きていることは御案内のとおりであります。これらの訴訟を真摯に見詰め直すことが、憲法の精神の具体化を考える上で最も重要なことだと考えております。
 三つ目は、憲法上、法律の制定や政策の立案に当たって何かの制約になったことがあったんだろうかというふうに思います。
 最近、地方分権や環境権、知る権利、プライバシーの権利など新しい人権が今の憲法に規定されていないといった主張もなされておりますけれども、それらは、官僚の方からの抵抗や、率直に申し上げますが、自民党政権が消極的であったからではないかというふうに思っているところであります。むしろ、憲法をよりどころとして、それを工夫してきたからこそ、今までここまでやることができたのではないかというふうに私どもは考えております。
 憲法が新しい人権の足を引っ張ったことがあっただろうか。私は、それはなかったと思います。本当に憲法によってそれらが進まなかったのかということについて、検証してみる必要があると考えていることを申し上げておきたいと思います。
 さて、最後の四つ目は、今までの政権が憲法にどう対応してきたかということであります。
 政府の憲法記念日の取り組みについては、本当にここ数年寂しいものがあるというふうに思います。憲法と現実の矛盾をなくする努力が政権の側でどれだけ真剣になされてきたかを問い直してみる必要が、この機会にあるというふうに思っております。
 現実に憲法を合わせろというのではなくて、憲法が十分に機能していない部分はどこで、それは何が原因であったのかを客観的に明らかにすることが本委員会の大きな任務だろうというふうに思っているところでございます。日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行う本委員会の任務でございますから、憲法の尊重擁護義務を持つ国会議員による調査であることから、現行憲法の理念の実現のための調査を、客観的に公正に、事実に即して実施するところに本委員会の役割があると思いますので、会長におかれましては、どうぞ御配慮のほどをお願い申し上げておきたいと存じます。
 現憲法は、二度の世界大戦という戦争の時代の多くの犠牲の上に立ってつくられたものであり、二十一世紀の時代を先取りする価値を持っているというふうに思います。我が社民党は、その憲法の持つ価値を現実の中で実現していく積極的な取り組みを展開していくことをもう一度申し上げまして、私の発言を終わりたいと存じます。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 深田肇

speaker_id: 23928

日付: 2000-05-11

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会