石田勝之の発言 (憲法調査会)
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○石田(勝)委員 発言の機会をお与えいただきましてありがとうございました。
この調査会におけるこれまでの論議、参考人の先生方のお話では、日本国憲法がGHQの押しつけであったという御意見が大勢を占めたわけであります。私もそのように思います。しかし、だからといって、押しつけだから改正する、私はそういう考えではございません。
参考人の陳述の中で、高橋香川大学教授は、講和条約の締結をきっかけとして、日本国憲法は押しつけの憲法ではなく、それを支える意思と諸力によって国民の憲法として認知されたと主張されました。講和条約の締結で一挙にそうなったかどうかは別としても、少なくとも我が国の高度経済成長時代までは、日本国憲法は、出生の事情にかかわらず、ほとんどの国民と政党に受け入れられ、国民の間に定着したと考えてよいと思います。
高度経済成長によって、我が国は経済大国となりました。我が国の経済は、その後も安定成長に入り、バブルの発生とその崩壊も経験をいたしました。その間にも、コンピューター技術を中心とする高度情報通信産業の発展により、経済、社会のグローバル化が一挙に進展をいたしました。さらには、地球環境問題の深刻化、国際的には、ベルリンの壁の崩壊による東西冷戦の終結、米ソの二大超大国のバランスが崩れたことにより、世界各地での民族紛争の勃発など、さまざまな環境や条件の変化の中で、さまざまな日本国憲法に対する意見が出てきたのは確かであります。特に、湾岸戦争における我が国の対応について、憲法とのかかわりがいろいろ議論されました。
戦後五十数年、二十一世紀を目前とするこの時期に、私は、各種新聞の世論調査で憲法改正の意見が多数を占めつつある現状から、憲法改正の機は熟していると判断をいたしております。そういう立場からいたしますと、これまでの日本国憲法の制定過程に関する議論、参考人陳述はそれなりに意義があったと思いますが、制定過程についてこれ以上議論を続けることはそれほど意味のあることではない、むしろ、次の段階に進むべきだというふうに思っております。
衆参の両院で憲法調査会が設置され、それぞれで議論を始めて約四カ月経過をいたしました。国民の間にも憲法に対する関心が急速に高まってきたと私は思います。読売新聞も、五月三日の憲法記念日に合わせて、憲法改正の第二次試案を発表いたしました。この機をとらえて、我々も、護憲派や改憲派という立場に固執せず、現実的で前向きの、改正に向けた建設的な議論を進めるべきだと思います。
以上でございます。