宮澤喜一の発言 (大蔵委員会)
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○宮澤国務大臣 ただいま議題となりました「預金保険法等の一部を改正する法律案」及び「保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案」につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
この二つの法案は、金融システムの一層の安定化と利用者の保護を図るため、国民の基本的な貯蓄であり生活保障の手段でもある預金及び保険について、ともに、破綻処理制度の拡充、セーフティーネットの財源の充実及び経営基盤の強化手段の整備を行うものであります。
まず、預金保険法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
我が国の金融システムは、預金保険法、金融機能再生法及び金融機能早期健全化法の枠組みを用いて官民一体となって不良債権の処理や金融機関の再編整理等に集中的に取り組んだ結果、安定化してきております。
このような状況のもと、金融機関の破綻処理のための恒久的な制度を整備するとともに、交付国債の増額及び預金等全額保護の特例措置の一年延長等を行うことに加え、当該特例措置終了に向けての環境整備の一環として協同組織金融機関の経営基盤の強化のための措置をあわせて講ずることにより、我が国の金融の機能の一層の安定化及び破綻金融機関の的確な処理を図るため、この法律案を提出することとした次第であります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、平成十三年四月以降の金融機関の破綻処理制度として、破綻処理の迅速化、多様化を図るため、破綻金融機関に係る合併等に対する資金援助の適用範囲を拡大するとともに、破綻金融機関に対する金融整理管財人による管理、破綻金融機関の業務承継、金融危機に対応するための措置等の制度を設けることとしております。また、金融機関について民事再生手続の特例等を設けることとしております。
第二に、預金保険機構に交付する国債を、既に交付している七兆円に追加して六兆円増額するほか、平成十三年三月末までとなっている預金等全額保護の特例措置を一年延長し、平成十四年三月末までとするとともに、流動性預金につきましては、当該特例措置終了後も、平成十五年三月末までの一年間、全額保護することとしております。
第三に、協同組織金融機関の経営基盤の強化を図るため、個別の協同組織金融機関による優先出資の発行を可能とし、これらの金融機関について、金融機能早期健全化法に基づく資本増強の適用要件を見直した上で、その適用期限を一年延長するとともに、平成八年の預金保険法改正前の破綻処理に伴う債権回収事務を整理回収機構に円滑に一元化するための措置を講ずることとしております。
次に、保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
我が国の保険業を取り巻く環境は厳しいものとなっており、各保険会社にあっては、競争力の強化、事業の効率化と同時に、一層の経営の健全性の確保が必要な状況にあります。
このような状況のもと、相互会社から株式会社への組織変更に関する規定の見直しを行うほか、保険契約者等を保護するための特別の措置等を整備するとともに、相互会社の更生手続の特例等を設け、さらに、生命保険契約者保護機構の借り入れに対する政府保証を可能とする措置の恒久化を図ること等により、保険会社の経営基盤の強化及び破綻保険会社の的確な処理を図るため、この法律案を提出することとした次第であります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、保険相互会社について自己資本の充実、再編等が円滑に行われ得るよう、相互会社から株式会社への組織変更に関する規定を見直し、端株の一括売却制度の導入により売却代金の交付による社員への補償を可能とすることとしております。また、組織変更と同時の株式発行等による資本増強を可能とすることとしております。
第二に、破綻処理の迅速化、多様化を図るため、保険契約者保護機構の子会社である承継保険会社による保険契約の承継等を可能とすることとしております。また、株式会社のみを対象としている更生手続について相互会社への適用を可能とするとともに、保険会社の更生手続の特例として、監督庁による更生手続開始の申し立て等を可能とすることとしております。
第三に、これまでの破綻処理により基盤の揺らいだ生命保険契約者保護機構のセーフティーネットとしての機能の維持を図るため、生命保険会社各社の負担能力を超える等の場合には、平成十五年三月末までに破綻した生命保険会社の破綻処理費用について政府による補助を可能とするとともに、生命保険契約者保護機構の借り入れに対する政府保証を可能とする措置の恒久化を図ることとしております。
以上が、「預金保険法等の一部を改正する法律案」及び「保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案」の提案理由及びその内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。