石井啓一の発言 (大蔵委員会)
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○石井(啓)委員 公明党・改革クラブの石井啓一でございます。
今回の預金保険法、保険業法の改正案の審議が開始されているわけでありますけれども、私は個人的に大変感慨深いものがございます。
といいますのは、私、この大蔵委員会の理事を平成十年の通常国会からさせていただいているわけですが、前年の秋の山一証券、拓銀の破綻の大変な金融危機を迎えて、ジャパン・プレミアムも大変なプレミアムの量になりまして、この十年の通常国会は、大変異例なことでありましたけれども、予算の審議の前に金融二法を審議しまして、交付国債十兆円で、七兆円を預金の全額保護のために、また三兆円は、このとき初めて資本注入を行う枠組みをつくったわけでございます。佐々波委員会をそのときつくったわけでありますが、そういうことがございました。また、その通常国会では、金融システム改革法もやはり審議を行いまして、その中で保険のセーフティーネットも充実をさせたわけでございます。
その後、平成十年の春から長銀問題が出てまいりまして、御承知のとおり、この年の夏から秋にかけて金融国会が開かれました。金融再生法、金融早期健全化法、こういう大きな法律を成立させました。また、今回のこの預金保険法の改正法、保険業法の改正法ということで、恐らく今後の預金あるいは保険のセーフティーネット、あるいは破綻処理の仕組みについては恒久的な仕組みができる、こういうことになると思いますので、ある意味では金融システム安定化のための初めから中間、そして最後まで、一連ずっと担当させていただいた、非常に貴重な経験をさせていただいているということで、非常に感慨深いものがございます。
預金、保険ともに非常に国民生活に密接に関係する問題でございますから、この大蔵委員会でも、充実した中にも円滑な審議で、ぜひ法律の早期制定ということで期待をしているところでございます。
それでは、今回の預金保険法の改正案でございますけれども、まず、ペイオフ解禁の一年延期について私どもの立場を申し上げておきたいと思いますけれども、昨年末、与党三党の政策責任者の間で、今後、中小企業対策に万全を期すなど、我が国の経済を確実な安定軌道に乗せるためには、一部の金融機関においてはさらに改善を必要とするところがある等の理由によりまして、ペイオフについては、さらに一年これを凍結することが適当である、こういうふうに合意をしたわけでございます。
私もこの検討の中に一員として入らせていただきましたけれども、最終的にはやはり信用組合の問題が焦点になりました。
ことしの四月から信用組合の監督権限が国に移る。当然のことながら、これまでも都道府県で検査をやってきたわけでありますが、やはり、国に監督権限が移るという中で、国がきちんと検査をもう一度全部やり直さなければいけない、こういうことでございまして、信用組合の三月末決算がまとまるのが大体六月ということで、七月から一斉に財務局あるいは金融監督庁で検査を行う。
お話を聞きますと、平成十二年度中に大体検査は全部終わるということのようでございますけれども、検査をした後に、その検査結果を踏まえて、場合によっては早期是正措置を出す。あるいは、経営の健全化、立ち直る可能性がもうない、こういうところについては破綻処理を行う。また、場合によっては、今回の改正案の中で措置されましたように、公的な資本注入を行う。こういった処置を行って、信用組合まで含めて金融システムをきちんと健全化させようということですが、それが平成十三年の三月末までに時間的に間に合うかどうか、これが焦点の議論になりまして、議論の結果、信用組合まで含めて金融システムの安定化に万全を期すためには、やはり一年間さらに必要であろう、こういう結論になったものでございます。
当初のペイオフを予定していた平成十三年の四月からこれが実施できればそれにこしたことはないわけでございまして、私どもも当初そういうふうに主張してきたわけでございますけれども、このペイオフを解禁するということのためには、それまでにやはりきちんと準備を万端に整えておかなければならない。もしその準備が整わない段階でペイオフを迎えるということになると、預金者に不安を抱かせる、ひいては経営不安を抱えるような金融機関から預金が流出することがあり得る、それは小さな金融機関のみならず日本の金融システムにも波及するかもしれない、そういうことの懸念は否定できなかったわけでございまして、やはり、預金者、国民の皆様に安心してペイオフ解禁を迎えていただくためには準備を万全にしなければならない、そのための一年間の延期はやむを得ない、最終的には私どももそういうふうに判断をしたところでございます。
このペイオフ解禁を一年間延期したことについてはいろいろな批判があることも承知をしております。代表的な批判は、これによって政府への信任が落ちるといいますか、我が国の経済金融行政に対する信頼が失墜する、こういう批判もございましたけれども、その後のマーケットの反応を見ますと、これは非常に冷静な反応を受けておりまして、そういう心配は杞憂に終わった。現段階でいうと、むしろ、ペイオフ解禁を一年前倒しといいますか、もとどおりやりますよ、そういうふうにした方が恐らくマーケットは非常に混乱するんじゃないかな、現時点ではそういうふうに思います。
また、一年延期したことによりまして国民負担が多くなるんじゃないか、こういう指摘もございますけれども、よく考えてみますと、まず都銀それから地銀、第二地銀については、これは当初予定どおり平成十三年三月末までに公的資本注入の仕組みは終わる。これに象徴されますように、当初の予定どおり大体健全化は達成させる、こういうことでございますので、第二地銀までは大体問題ないと思う。あと協同組織金融機関、これは経営の強化、再編淘汰というのはこれから行うわけでございますけれども、これに要する公的資金はどれぐらい必要なのか。これは、一年間延期することによって公的資金がふえるということではなくて、どこまで徹底して淘汰再編を行うか、このことによって公的資金の投入量というのは結果として決まってくるわけですから、延びたということによって公的資金がふえるということは、これはもうないと思うのですね。
もう一つ、ペイオフ解禁を延長した一年の間に破綻する金融機関、これは、ペイオフを超えて預金を全額保護する分、公的資金がふえるのではないか、こういう主張もあると思うのですけれども、先ほども申し上げましたように、ペイオフというのは当然それまでに準備を万端にして迎えるということですから、ペイオフ解禁後早々、金融機関が相次いで破綻するというようなことは余り考えられないわけでございます。そういった意味からも、一年延期により国民負担が大幅にふえるということはないのであろう、私はこういうふうに思っているところなのでございます。
政府のかわりに私がいろいろと言うこともないのですけれども、これから質問に入らせていただきます。
まず、金融再生委員長にお伺いをいたすわけでございますが、ペイオフ解禁を一年間延期したということによりまして、金融システムを健全化しよう、安定化しようというような金融改革の機運が緩むのじゃないのか、こういう懸念がございます。私は、これは決してあってはならないことだと思うのですね。
当然のことながら、金融機関は、金融ビッグバンという厳しい環境を生き延びるために、みずから経営努力をやっていかなければならないと思いますし、政府においても、金融機関の健全化に対する監督指導というのは、決して手を緩めることなく、やはりきちんとやっていかなければならないと思います。金融再生法の趣旨にございますように、経営の健全性の確保が困難な金融機関は存続させない、こういう厳しい手で監督指導をきちんとやっていただきたい。金融システムの構造改革、安定化にやはり全力で取り組まなければならない、こういうふうに考えているわけでございまして、具体的なお取り組みについて、ぜひお伺いをしたいと思います。