児玉健次の発言 (本会議)

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○児玉健次君 私は、日本共産党を代表して、国民年金法等三法案に対する反対討論を行います。(拍手)
 現在、高齢者世帯の所得に占める公的年金の比率は七八・九%、年金のみで生活する世帯は五八・〇%に達しています。年金は、老後の生活の支え、命綱です。それだけに、本法案の審議は、広く国民に意見を求めながら慎重に徹底して行うことが、国会の当然の責務です。
 ところが、自民、自由、公明三党は、衆議院、参議院の委員会審議において、必要な審議を尽くすこともせず、多数の傲慢さで三たびにわたり採決を強行しました。議会制民主主義を踏みにじるこの暴挙を、私は、怒りを込めて糾弾します。
 昨年十一月十六日、私は、本会議の代表質問で、今厳しく問われているのは、小渕首相が負うべき国民生活に対する責任である、みずからの責任に対して真剣に思いをいたすなら、この年金改悪を撤回すべきではないかと小渕首相にただしました。小渕首相は、私の質問に、高齢者の生活をほぼ賄えるものと考えているなどと国民生活の実態を無視した答弁に終始し、その後は、民主党、日本共産党、社会民主党が再三にわたって求めた委員会出席を拒否し続けて今日に至りました。小渕首相の無責任きわまる態度を、国民は決して許さないでしょう。
 本法案に反対する第一の理由は、今日の異常な解雇、リストラの横行による高齢者の深刻な雇用状況を無視して、厚生年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げたことです。
 昨年一月から本年一月まで、六十歳から六十四歳までの有効求人倍率は〇・〇六から〇・〇七と固定しています。退職と年金受給の間に空白期間を置かないことが世界の趨勢です。医療機関で国民の命と健康を守るために献身している看護婦さんの、六十五歳まで働き続けることなど夜勤に追われる私たちには考えられない、この切実な声を政府・与党は真摯に受けとめるべきです。
 一九九四年に、我が党の反対を押し切って、厚生年金定額部分の支給開始年齢引き上げが決定され、明年から実施されます。これに追い打ちをかける報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げは、国民の生存権を事実上否定するに等しいもので、断じて容認できません。(拍手)
 反対理由の第二は、賃金スライドの凍結と五%カットによって、国民一人一人が生涯に受け取る年金を全世代にわたって大幅に削減したことです。
 削減額は、支給開始年齢の引き上げと合わせて、厚生省の試算によっても、夫七十歳の夫婦三百万円、五十歳の夫婦五百万円、三十歳夫婦千百万円に達します。
 賃金スライドは、経済成長の成果、国民の生活水準の向上を年金受給者に及ぼすものです。そのゆえに、これまで年金再計算に際して必ず賃金スライドが実施されてきました。今回の改悪は、国民一人一人が将来に描く生活設計を破壊し、公的年金制度に対する国民の信頼を根底から失わせるものです。
 第三の反対理由は、基礎年金に対する国庫負担の二分の一への引き上げを実施しなかったことです。
 周知のごとく、前回の改正時に、全会派一致の附帯決議で、国庫負担金を「二分の一を目途に引き上げることを検討する」とし、法の附則では、平成七年以降において初めて行われる財政再計算の時期を目途として必要な措置を講ずるものとすると明記しました。これは、国民に対する厳粛な公約ではありませんか。国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げることによって、保険料を厚生年金で一%、国民年金では月額三千円を直ちに引き下げることができます。これを実施しなかったことは許すことのできない公約不履行であり、政府・与党の責任はまさに重大です。
 反対理由の第四は、厚生年金、国民年金で百六十七兆円に達する積立金とその運用責任の問題です。
 積立金の総額は、年金再計算の都度、合理的な説明のないまま一方的に上積みされてきました。運用で損失が生じた場合も責任は問われず、プライス・キーピング・オペレーション、株価買い支えのための政治的介入を防止する保障はありません。厳しい生活の中からみずからが拠出した保険料の積立金を、政府、官僚によるマネーゲームの原資とすることを国民は絶対に容認しません。世界に例のない過大な積立金は計画的に取り崩し、給付の充実と保険料負担の軽減に充てるべきです。
 反対理由の第五は、無年金障害者の問題が今回も無視されたことです。
 一九九四年、厚生委員会の附帯決議に、無年金である障害者の所得保障については、福祉的措置による対応を含め速やかに検討する、このことを全会派が一致して盛り込みました。それから既に六年が経過しました。本法案の審議で、政府・与党は無責任な態度を押し通しました。全国の障害者の祈るような期待を裏切るものです。
 日本共産党は、基礎年金に対する国庫負担を引き上げ、巨額の年金積立金のあり方を抜本的に見直し、女性や高齢者が働きやすい環境をつくり上げて年金の支え手をふやすなどの年金改革に着手することを具体的に提起しています。これを実施するなら、年金給付引き下げ等の改悪を行う必要は全くありません。
 この年金改悪は、四月から始まる介護保険における保険料、利用料の過重な負担、政府・与党が計画している高齢者の医療費の大幅な引き上げと合わせて三重苦となり、老後への不安から国民の消費をさらに冷え込ませるものです。日本が本格的な高齢社会に向かおうとするとき、公的年金を国民の期待にこたえる制度に充実させ、社会保障を日本国憲法第二十五条が示す方向に前進させることこそ、不況の打開と日本経済の再建に直結する大道であります。日本共産党は、多数の国民とともに、この大道を踏み締め、二十一世紀に向けた国づくりを進める決意です。
 本法案の廃案を要求し、自民、自由、公明三党の悪政に対して、速やかな解散・総選挙によって国民に信を問うことを厳しく求めて、反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 114705254X01620000328_009

発言者: 児玉健次

speaker_id: 15994

日付: 2000-03-28

院: 衆議院

会議名: 本会議