田中慶秋の発言 (本会議)
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○田中慶秋君 私は、民主党を代表して質問をさせていただきます。
議題とされておりました法律の質問に入る前に、北海道の地震、火山等の問題について、有珠山の問題について一言触れたいと思います。
このたびの有珠山の火山活動の活発化に伴いまして、避難され、不自由、不安な生活を送っている、被災、避難されている皆さん方に、一万人を超える皆さん方でありますが、大勢の方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
噴火の危険性は刻々と迫っていると予測されるようでありますが、政府においては、避難されておられる方々への支援、地震・噴火情報の伝達などの各般にわたって万全の対応で臨むよう強く要望する次第であります。
さて、ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法案について質問をいたします。関係大臣の皆さん方の具体的な答弁を求めるものであります。
今回の都市計画法の改正は、実に三十二年ぶりの大改正であります。都市計画法制定以来今日に至るまで幾多の改正がされてきましたが、いずれも小幅な改正にとどまり、その間に我が国の都市開発のあり方は、現状にそぐわないミスマッチな状況が続いてきました。線引きや用途指定の実態についても、秩序ある姿とはかけ離れた、理念なき継ぎはぎ状態が全国の都市で見られているのであります。
確かに今回の法改正は、線引き選択制の導入や準都市計画区域の指定などの点において従来にない画期的な内容となっており、都市計画制度の抜本的改革につながる内容となっておりますが、都市計画の現状をかんがみると、いささか遅きに失した感があります。その点について、官房長官の答弁を求めるものであります。
さて、今回の法改正では、線引きの実施の適否の都道府県への委任、非線引き白地地域における特定用途制限地域制度の創設、都市計画区域外における準都市計画区域の指定や開発許可制度の適用など、まちづくりのあり方における地方自治体の裁量を大幅に認める内容となっております。住民に密着した存在である自治体がみずからの判断によるまちづくりが実施しやすくなったという点では、地方分権の趣旨に合致したものであるとまず一応の評価をいたします。
しかし、地方自治体の裁量の幅が広がったということは、それだけに地方自治体の責任が重くなるということであります。確固たるグランドデザインに基づき、住民や関係権利者の意思を総合的に判断し、ダイナミックな施策を実行する、まさに自治体の力量が問われる時代なのであります。しかし、自治体によっては必ずしもこのような力量が備わっていないことも想定され、整合性を欠いた都市計画のあり方が継続される事態も予想されます。
国は、そのような事態を防止し、自治体独自のまちづくりが適切なものとなるためにも、自治体にとって指針となるべき青写真を示した上で、ふさわしいまちづくりの適切な実施のための環境整備を行う責任と義務があると考えます。この点について、建設大臣の見解をお伺いいたします。
次に、今回の改正案では、自治体の裁量の幅が広がる一方で、都市計画事業の財源に関する改革は全く手をつけられておりません。
都市計画事業の多くは補助金がつきますが、使途を特定され、補助金に縛られていて、自治体独自の創意工夫あふれるまちづくりを行うことはできません。
補助金によるコントロールを通じて政府が個別事業の細かい点まで影響力を行使する現在の体制を改めなければ、本当の意味での地方分権とは言えません。
例えば、自治体にその使途をゆだねる統合補助金の対象を拡大するなどの改革が求められておりますが、この点について、自治大臣及び建設大臣に明快な答弁を求めるものであります。
さて、今日の都市計画の課題として、都市空間の有効利用のあり方が大きな課題になっております。
地区によっては、狭い道路が網の目のように街区に入りまじっていたり、駅前の一等地に大きな空き地がぽかりと存在するなど、都市環境の有効利用の観点から、大きなむだが生じている箇所が全国に数多くあるのであります。
新たな開発が困難な現在、都市の効果的再開発が重要であります。今こそ、大胆な発想が必要ではないんでしょうか。
例えば、鉄道の駅から半径十キロの範囲や、幹線道路、すなわち国道、地方道から数百メーターの範囲は原則として市街化区域にするなど、限られた土地資源を有効活用する視点から重要であります。
また、魅力ある都市の形成のために、適切なレベルでの都市空間の利用が強く求められているのであります。
例えば、東京の山手線の内側には建築物に低さ制限を設けることによって都市空間の有効利用を図り、さらに、昼夜間人口の平均化や都市空間の有効利用とあわせて、都心部の混雑緩和、環境整備、公園などにつなげていくような思い切った政策が必要であります。
また、都市再開発事業のあり方にも大きな問題があります。
現在、都市再開発事業の抱える最も大きな問題は、事業計画から施行、完成まで二十年から三十年といった気の遠くなるような時間を要するケースが多いことであります。
このような時間のロスは、都市空間の有効利用の観点からは大きなむだであり、膨大な費用がかかります。早急に対策を講ずる必要があります。
確かに、基盤整備などの措置を講じられない状況で都市空間の高度利用を促進する施策は、過密による環境悪化などの点が懸念されるところでありますが、しかし、これらの対策を万全に講ずる一方で、ある地区については都市空間の有効利用を図り、またある地区においては公園などの整備により良好な都市環境を配慮することなど、めり張りのきいたまちづくりを行うことが重要であります。
このような自治体の活動がより円滑に進むように、国が都市計画の基本方針を示すことも一案だと思います。この点について、建設大臣の見解を求めるものであります。
さらに、住居専用地域においては、住民各自、それぞれのニーズに適合した自己責任に基づく住宅建設が可能になるようにしなければなりません。
例えば、高齢化社会の到来が目前になった今日、高齢者がより快適な居住ができるようにバリアフリーが求められております。
在宅介護により、廊下を広げるなどの住居増改築が不可欠であります。このための補助金や融資制度など行政による各種優遇策が創設されております。
しかし、現在、その優遇制度を活用して増改築を行おうとすると、建ぺい率や容積率の建築基準法上の規制が邪魔になり、思うような増改築ができないといったケースが多々あります。まさに縦割り行政の弊害としか言えません。仏つくって魂入れずとはこのことであります。
住宅専用地域におけるこのようなケースには、住民の自己責任と社会的責任に基づいて柔軟な対応ができるようにすべきであると考えますが、建設大臣の答弁を求めます。
また、現在の都市計画法は、農地の保全という観点からも大きな問題があります。他の先進国では、都市計画の中に農地の保全が明確にされておりますが、我が国は残念ながらそうでありません。いわゆる市街化調整区域が、開発規制とは名ばかりで、事実上の宅地化予備地域として位置づけられ、なし崩し的な乱開発が進められているのであります。
農村地域を訪れるとだれしもが目にするのは、農村の風景とは相入れない住宅、娯楽施設、看板などが無秩序に建っていることであります。私は、このような景色を見るにつけ、かつての美しい農村風景はもう見られないという悲しい思いがわくのであります。
なぜこのような事態になっているのか。私は、その問題が一方では都市計画法、もう一方においては農地法、農振法という、土地利用にかかわる別個の法体系が併存してきたことにあると思います。このようなダブルスタンダードが、結果的に農村地域のスプロール化を招き、農村の景観を破壊してきたのであります。
今回、都市計画法の見直しを行う過程で、こういった問題を政府レベルでどのように認識され、今回の法案ではどのように改革が行われようとしたのか、建設大臣に答弁を求めます。
また、今回の法改正では、線引きの適否は都道府県が判断できるようになり、従来の市街化区域、市街化調整区域の区分にとらわれない開発のあり方が可能になります。その結果、地域活性化などを目的として多数の自治体が線引きの廃止に踏み切ることも予想されます。
しかし、これまで市街化調整区域であったところを、用途指定のない、いわゆる白地地域に切りかえることによって、今までにも増して郊外の乱開発促進がされるおそれが懸念されるのであります。
確かに、今回の法改正では、いわゆる白地地域において特定用途制限地域を定めることによって、郊外における乱開発に歯どめをかけようとしておりますが、しかし、法改正に当たり当初検討されておりました大規模建築物を対象にした届け出制度の創設はなぜ見送られてしまったのか、実効ある施策を行う姿勢に欠けているのではないかと思います。建設大臣の答弁を求めます。
最後に、郊外の開発促進に伴って、中心市街地から人口が流出する可能性があわせて指摘をされております。
今日においても、中心市街地の空洞化、いわゆるドーナツ現象は全国の地方都市において大きな問題となっており、中心市街地活性化のための方策が強く求められているのは周知のとおりであります。
モータリゼーションの進展とともに、郊外の国道沿いには大型のショッピングセンターやパチンコ店が建ち並び、住民の流れが、中心市街地から郊外へと大きく流れようとしております。中心市街地はまさにゴーストタウン化しているのが、今日の地方の都市の現状であります。
今回の法改正が、ますますの郊外部の開発促進につながり、その一方では、中心市街地からの人口流出をますます加速させてしまうのではないかという懸念があります。
この点、中心市街地活性化に向けてどのような取り組みを行おうとしているのか、その方針について官房長官にお聞きします。
以上をもちまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣中山正暉君登壇〕