臼井日出男の発言 (本会議)

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○国務大臣(臼井日出男君) 奥田議員にお答えをいたします。
 犯罪被害者の人権保障についての認識に関するお尋ねがございました。
 犯罪被害者は、犯罪行為によってその人権を侵害された方でございます。これまでも、このような権利の侵害に対しては損害賠償請求や刑罰権の発動を求める権利などが定められておりますけれども、犯罪によって受ける被害の重大さ、多様さを考慮した対策の充実が必要と考えております。
 次に、犯罪被害者基本法に関するお尋ねがございました。
 犯罪被害者保護の問題については、多岐の分野における種々の施策が必要でございますが、まずもって個別具体的な施策を講じることによって対応することが肝要であります。政府におきましては、犯罪被害者対策関係省庁連絡会議を設置いたしまして、既に一定の施策を講じ、さらに今後行うべき施策を検討しているところでございます。
 基本法の必要性につきましては、こうした種々の個別具体的な施策を講じていく中で、総合的な見地から検討するのが適当であろうと考えております。
 事件の直後からの支援に関するお尋ねがございました。犯罪による被害を受けた直後からの支援のあり方につきましては、さまざまな点から検討する必要がございますが、関係機関や民間団体が連携して被害者支援に取り組むということは極めて意義のあることだと考えております。
 なお、警察当局におきましては、犯罪被害者からのさまざまな相談に対応する体制の整備充実に努めておりますほか、捜査員とは別の警察職員が、事件発生後、早期から被害者に付き添い、被害者からの相談に応じたり、民間ボランティア団体等の相談機関の紹介などの支援活動を行う指定被害者支援要員制度の導入が始められていると承知をいたしております。
 次に、医療費の公的負担、犯罪被害給付制度に関するお尋ねがございました。
 犯罪被害者保護の問題は、御指摘のとおり、精神的な支援、経済的な支援等、多岐分野にわたっております。犯罪被害者対策関係省庁連絡会議におきまして、関係省庁の緊密な連携のもと、検討がなされたところでございまして、今後とも、関係省庁が連携をしつつ、さまざまな具体的問題について取り組んでいくものと承知をいたしております。
 なお、犯罪被害給付制度の充実につきましては、警察庁当局におきまして、諸般の事情を考慮して適切に対応されるものと承知をいたしております。
 次に、検察庁の被害者等通知制度における不起訴裁定の主文や理由の骨子、勾留、釈放等の身柄の状況の通知に関するお尋ねがございました。
 御指摘の制度は、事件の処理結果、公判期日、刑事裁判の結果という基本的な事項をお知らせすることを主眼としているものであることから、さらに詳細にわたる不起訴裁定の主文及び理由の骨子や勾留及び釈放等の身柄の状況につきましては、被害者等の御希望がある場合に通知の対象としたものでございます。
 ところで、これらの事項につき通知をしない場合といたしましては、その通知を行うことによりまして、関係者の名誉その他の利益を不当に害するおそれがある場合、他の事件の捜査または公判の運営に支障を生ずるおそれがある場合、犯人の改善及び更生を不当に妨げるおそれがある場合、新たな紛争または事件を誘発するおそれがある場合等が考えられているところでございます。
 処理結果等の基本的事項と差を設けましたのは、このような問題が生ずることを避ける必要があることや、裁判前の起訴記録の公開を原則的に禁止をいたしております刑事訴訟法第四十七条の趣旨を考慮したことによるものでございます。
 次に、検察庁における被害者等通知制度の実施の状況についてのお尋ねがございましたが、一年間の通知状況におきましては、現在、集計作業中でございます。平成十一年四月から昨年末までに全国の検察庁において通知した通知者数は三万人を超えております。被害者から同制度を評価するコメント等も寄せられておりまして、順調に実施されているものと承知をいたしております。
 次に、検察庁の被害者等通知制度の周知方策に関するお尋ねがございましたが、被害者等がこの制度を利用する機会を十分に保障するために、実施要領の全文とともに制度の説明を掲載いたしましたパンフレットを作成して、全国の警察署、検察庁に備えつけるなどの措置をとっておりまして、今後ともこの制度の周知方に努めてまいりたいと考えております。
 次に、本法案第二条の公判手続の傍聴の対象者の範囲を拡大すべきではないかとのお尋ねがございました。
 法律で傍聴への配慮義務を明定する対象者の範囲は、被告人が原則として法廷に出頭することとの均衡上、犯罪の一方の当事者である被害者またはこれにかわるべき者、すなわち被害者の法定代理人を原則とし、被害者が死亡した場合またはその心身に重大な故障がある場合につきましてはその配偶者等の近親者とするのが適当であると考えられます。
 御指摘のように、その範囲を拡大することといたしますと、一般の傍聴希望者が実際に傍聴できる数に影響を及ぼすことや被告人の家族の傍聴に対する配慮との均衡などの問題がございます上、法律上、裁判長に配慮義務が課せられる範囲を、合理的かつ明確に規定することが困難になるおそれがあると考えられます。
 なお、御指摘のような方につきましても、個別の事情に応じて、従来どおり、実際上の配慮が払われるものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣保利耕輔君登壇〕

発言情報

speech_id: 114705254X02420000413_023

発言者: 臼井日出男

speaker_id: 24961

日付: 2000-04-13

院: 衆議院

会議名: 本会議