清水嘉与子の発言 (本会議)

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○国務大臣(清水嘉与子君) 小林先生にお答え申し上げます。
 まず、ドイツ循環経済法に対する評価及びドイツ循環経済法と比較した本法案の長所についてお尋ねがございました。
 ドイツ循環経済法におきましては、廃棄物の処理対策とリサイクル対策を一体的に規定し、対策の優先順位、拡大生産者責任等の廃棄物・リサイクル対策に対する基本的な考え方が明らかにされたことは、同国における廃棄物・リサイクル対策の推進に一定の寄与をしたものと評価しております。
 ドイツ循環経済法と比較した本法案の長所といたしましては、両国の国情の違いもあり断定的に申し上げることは困難ではございますけれども、まず、国における施策の基本となる計画制度を盛り込んでいる点、講じようとする施策やその実施状況についての年次報告の策定を定めている点、国の講ずべき施策が網羅的に明らかにされている点を挙げることができるものと考えております。
 次に、先進国における廃棄物・リサイクル政策の所管官庁についてのお尋ねがございましたが、国によって制度や行政組織の形態が異なるため一概には申し上げられないものの、廃棄物行政とリサイクル行政を一体化している先進国が多いものと承知しております。
 我が国においても、このような各国の事例をも参考にしつつ、来年一月に発足する環境省においては、廃棄物行政を一元化するとともに、現在各省が実施しているリサイクル行政についても環境省が適切な役割を担うことにより、これらの施策を環境省がリーダーシップをとって一体のものとして推進することにしております。
 この法案によって、廃棄物の定義をめぐる争いに終止符を打つことができるのか、また、リサイクルに対して廃棄物処理法の規制がかからないという問題が解決されるのかというお尋ねがございました。
 廃棄物の取り扱いについて、有価、無価をめぐって現場で問題が生じていることについては承知しております。また、有価物のリサイクルに廃棄物処理法が適用されないため十分な規制が行われていないのではないかという意見があることについても承知しております。
 このような御指摘を踏まえ、本法案については、対象物について有価、無価を問わない定義を導入するとともに、対象物の適正な循環的な利用及び処分を確保すべきことを明記し、この問題に対する今後の施策の方向を明らかにしたものでございます。
 この基本的な方向に即し、円滑な物質循環が確保され、かつ適正な環境保全上の対策がすき間なく講じられるシステムの構築を旨として、今後必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、廃棄物・リサイクル関係の統計の整備の規定についてのお尋ねがございました。
 廃棄物・リサイクル対策を講ずるに当たっては、まず廃棄物等の発生やリサイクルの状況等の現状を把握することが、今後講ずべき施策の方向を見定める上で基礎であり、大変重要であると認識しております。このため、法案では、第二十九条に、国は、循環資源の発生、循環的な利用及び処分の状況等に関する調査を実施する旨の規定を置いているところでございます。
 これまでも関係省庁において廃棄物の発生実態等の関連調査を実施してきておりますけれども、環境庁としても、循環型社会の形成のための施策立案に必要な情報を適切に把握するため調査の充実を検討したいと考えております。
 有用な廃棄物の存在の状況についての情報の提供に関するお尋ねがございました。
 有用な廃棄物の再使用や再生利用を促進するためには、そのような廃棄物の所在や量などの情報が、これを必要とする国民や事業者に適切に提供されることが効果的でございます。このような観点から、法案では、第二十八条に、国は、民間団体等が自発的に行う循環型社会の形成に関する活動の促進に資するため、循環資源の発生等に関する情報を適切に提供する旨の規定を置いているところでございます。
 拡大生産者責任に関するOECDにおける議論の状況及び拡大生産者責任について一般原則が確立しているかということについてのお尋ねがございました。
 OECDにおきましては、九四年以降、拡大生産者責任についての議論が開始され、本年夏を目途としてガイダンス・マニュアルが取りまとめられるというふうに聞いております。
 このガイダンス・マニュアルは、加盟国政府がみずから政策を立案する際の参考資料として取りまとめられているものでございます。このため、取りまとめは、拡大生産者責任の一般原則を明らかにするものではなく、各国にその導入を勧告するような性格のものではないと承知しております。
 一方、本法案においては、生産者の責務や国の施策として、特定の物質を対象とするのではなく、一般的な規定として拡大生産者責任の考え方を規定しており、このことによって拡大生産者責任の一般原則が確立できるものと考えております。
 個別品目ごとの引き取り責任に関するお尋ねがございました。
 循環型社会形成推進基本法案では、第十八条第三項におきまして、当該循環資源の処分の技術上の困難性、循環的な利用の可能性等を勘案し、関係者の適切な役割分担のもとに、当該製品等に係る設計及び原材料の選択、当該製品等の収集等の観点から、その事業者の果たすべき役割が重要であると認められるものを引き取り責任の対象としたところでございます。
 本法案は、基本法という性格から、直接に個別の権利や義務を生じさせるものではございませんけれども、この規定は、個別の措置を講じる際の基本的な考え方を示したものでございます。したがって、御指摘の自動車、大型家具、携帯電話、オーディオ機器、衣類、蛍光灯といった個別の製品に対して生産者等による引き取り責任を課すのが適切か否かについては、今後、具体的な制度構築が必要となる場合に、本法案に示された考え方に従って個別に検討されるべきものと認識しております。
 生産者が引き取り等の責任を負うべき製品について、だれがどのように判断をするのかというお尋ねがございました。
 さきに申し上げました循環型社会形成推進基本法案第十八条第三項の規定は、個別の措置を講ずる際の基本的な考え方を示したものでございます。したがって、御質問のだれがどのように判断するのかという点につきましては、以上のような考え方に従って立法により個別制度の構築が図られる際に、その制度の対象となる製品等について国会等により判断されるものと認識しております。
 循環資源の循環的な利用及び処分に関して、技術的に可能及び経済的に可能とはだれにとっての話であるのかというお尋ねがございました。
 この基本法案の第七条において、循環資源の循環的な利用及び処分が技術的及び経済的に可能な範囲で行われるべき旨、規定しております。
 ここで言うところの「技術的及び経済的に可能」とは、国、地方公共団体、事業者及び国民が対策を講じようとする場合、それぞれの立場で、社会通念に照らし、技術的及び経済的に可能であるかどうか判断されるべきものですが、その判断に当たって、当該事業者や国民が相当な努力を行って初めて可能になるような措置まで講じられているかどうかということが考慮されるべきものと考えております。
 循環資源の循環的な利用及び処分に関して、技術的に可能の意味についてのお尋ねがございましたが、技術的に可能とは、循環資源の循環的な利用を行う者に対し、相当な努力を行った上で、利用可能な技術を用いて循環的な利用を行うことを求めているものであります。また、一般的な技術としては必ずしも確立していなくとも、個々の事業者にとって相当な努力を行うことにより利用可能な技術であれば、その者に当該技術を用いることを求めるものであることと理解しております。
 経済的に可能に関しては、ドイツの循環経済法の経済的に期待可能と同義なのか、また、何をもって判断基準とするのかについてのお尋ねがございました。
 ドイツ循環経済・廃棄物法において経済的に期待可能とは、リサイクルに伴う費用が廃棄物の処分を行った場合に要するであろう費用に比べ均衡を失しないという意味と承知しております。
 他方、この基本法案において経済的に可能とは、単に経済的に見合う措置のみを求めるものではなく、相当な努力によって初めて可能となるような措置までも念頭に置いたものであると解しております。したがって、経済的に可能かどうかの判断に際しては、相当な努力によって初めて可能となるような措置が講じられているかどうかが考慮されるべきものと考えております。
 環境負荷の価格への内部化についてのお尋ねがございましたけれども、環境負荷等のいわゆる外部経済の内部化は、環境と経済を統合し、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会を形成する上で重要な考え方であると認識しております。
 このため、本法案におきましては、循環型社会の形成に関する費用の適正かつ公平な負担がされるべきことを基本原則としてうたっております。また、外部経済の内部化に資する具体的な手法として、いわゆる経済的な負担を課す措置について規定を設けております。
 経済的措置についてのお尋ねがございましたけれども、いわゆる経済的負担を課す措置につきましては、循環型社会の構築を図る上で重要な政策手段の一つとなり得るものと認識しております。
 しかしながら、こうした措置は国民に負担を求めるものであることから、本法案の第二十三条においては、経済的負担を課す措置の効果や経済に与える影響を適切に調査研究するとともに、経済的負担を課す措置を導入しようとするときは国民の理解と協力を得るように努めることと規定して、まずその導入に向けての道筋を明らかにするものと理解をしております。
 製品等の生産、使用、廃棄の各段階にわたっての環境への負荷を製品の製造過程で事前に評価するライフサイクルアセスメント、LCAについてのお尋ねがございました。
 この考え方は、環境負荷の低減を図る上で重要な考え方と認識しております。本法案におきましても、循環型社会の形成を推進するための政策手段として、この考え方を導入しているところでございます。
 具体的には、第二十条におきまして、製品等の耐久性、リサイクルや処分の困難性、処分に伴う環境への負荷の程度などを製造事業者等がみずから事前に評価し、その結果を踏まえて製品の設計の工夫等を行うことによりまして、廃棄物の発生抑制やリサイクルが促進され、環境への負荷の低減が図られるよう、国は技術的支援その他、必要な措置を講ずることとしております。
 最後に、廃棄物・リサイクル政策に関する問題点になぜ正面からこたえようとしないのかという御指摘がございました。
 今日、我が国におきましては、廃棄物・リサイクル対策をめぐってさまざまな課題に直面しており、こうした問題への対処が喫緊の課題となっていると考えます。このような問題に正面から対処するため、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の少ない循環型社会の形成を推進する基本的枠組みとなる法律として、本法案を提出させていただいたところでございます。
 本法案に基づき、循環型社会の形成に向けた施策を総合的かつ計画的に推進することによりまして、廃棄物・リサイクル対策をめぐる諸問題の解決が図られるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕

発言情報

speech_id: 114705254X02620000418_029

発言者: 清水嘉与子

speaker_id: 30696

日付: 2000-04-18

院: 衆議院

会議名: 本会議