宮澤喜一の発言 (予算委員会)
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○宮澤国務大臣 おっしゃいますように、我が国の経済は確かに最悪の時点を過ぎたと思っております。一年半マイナス成長が続きましたわけでございますが、昨年の一—三月期、引き続いて四—六月期とプラスに転じまして、最悪を過ぎたことは確かでございます。
ただ、御承知のように、いかにも内需が弱いということでございまして、殊に国民消費がどうも盛り上がってまいりません。それは、直接には私はやはりリストラの結果であろうと思っております。リストラが本格化しまして、意外にも雇用の数字としてはそんなに悪くなっておりませんで、五%に失業率は達しておりませんが、しかし、実際には常雇用がパートタイムに移っているという現象が大変に見られまして、したがいまして、雇用の数字は落ちておりませんが、収入としてはやはりどうしても落ちているということが昨年の秋ごろから見られるようになりました。
ただいまでも恐らく、毎月家計調査が出ておりますのでそれを見ておりますと、収入はやや減でございます。したがって、支出もやや減という月が多うございまして、この暮れのボーナスもよくなかったと思いますので、ただいま自身、まだ国民消費というのはやや低下しているのではないかと思われます。
それから、設備投資でございますが、これも、最近になりまして機械の受注が少し回復したということはございますけれども、全体としては設備投資はやはりマイナスでございます。
これを合わせますとGDPの七〇から八〇ございますので、政府がどれだけ公共事業をいたしましても一〇にはなりませんので、したがいまして、そのような民需の弱い状況の中で、財政がやはりもう一度最大限の努力をしなければならないと思いまして、せんだっての補正予算、ただいま御審議いただいております予算でも、思い切ったことをいたしております。
それは、公共投資も昨年と同じ、昨年は相当大きいものでございましたので、同額、及び五千億円の予備費をつけております。それから、先ほどお話しになりました金融関連でも、いよいよ、預金あるいは金融債の保証をいたしておりますから、それについての現金化を必要といたしますので、四兆五千億円国債整理基金に投入いたしました。そのほかに、NTTの株の売上代金をほぼ一兆五千億円見ておりますので、これで、先ほどお話しになりました金融関係のいわば政府負担分は、まず全部終わったと思う程度の措置をいたしております。
そこで、そういうことでもう一度財政が最大限の努力をするというのがこのたびの予算の大きな方向でございますが、私自身、こういう予算はもう二度と組まなくてもいいのではないか、できるならばそうありたいということを時々申しておりますのは、ただいまの国民消費の減退というものが、これは私の見通しでございますけれども、今労使間で賃金、雇用についての交渉が始まっております。その結果について政府は云々すべきものでないことはもとよりでございますが、その交渉を通じまして、お互いの間の問題の理解というのがかなり実は進んでいるように思います。
そういう意味では、リストラというものは長くかかりますけれども、それがある程度軌道に乗っていく、そういう結果が期待できるのではないかと考えますと、今の消費の減退、いわゆる家計簿の減退というのは、統計的には四—六の統計がわかるのは九月でございますので、そのときまでには恐らく回復をして、四—六にははっきりそれが出てくるのではないか。そして設備投資ももう、少しずつは出てくるかもしれないといったようなことになりますと、日本経済が自力で、民需で歩いていけるようになる。そうしますと、予算としてはこのような大きなものは再度必要がないのではないかという、個人的な見解で申しわけございませんが、そういうことを期待いたしております。