亀井静香の発言 (予算委員会)

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○亀井(静)委員 今大蔵大臣からも、将来について極めて希望の持てるそうしたお話をいただいたわけでありますが、今大臣もおっしゃいましたように、手を抜く時期でないということもまた当然であろうか、このように思います。
 今若干、いろいろなところで、ブレーキをそろそろ踏んだらどうだというような意見もあるわけでありますけれども、総理が言っておられますように、二兎を追う者一兎を得ずという、私どもとしてはやはり過去の苦い経験をきっちりと踏まえて、この際、ある意味では浴びせ倒すような、そうしたてこ入れをして、早く、今大臣がおっしゃいましたような、今後補正予算を組んでいくとか、そういう事態を招かないような、そういう処置をやるべきときは思い切ってやるということが必要なんではないかと私は思います。ぜひひとつ頑張っていただきたいと思います。
 このことに関連しまして、国、地方を合わせて累積赤字が六百兆を超えるという大変な事態になっておることについて、いろいろ警鐘が鳴らされております。当然のことでありますが、財政再建は、これは時間はかかりますけれども、必ずなし遂げなければならないことであることは間違いがないことだと私も思います。
 ただ、先ほども申し上げましたように、両方とも同時にやろうなんて、そんな手品みたいなことができるわけじゃございませんので、やはり財政再建は、長期の安定成長という前提がなければ、どんなことをやったってできない、その軌道に乗せていくということで御苦労いただいておるわけでありますから、当面は、とにかく景気対策に全力を挙げていただきたいと思います。
 なお、これは余談になるかもしれませんが、日本の場合は、アメリカや外国と違いまして、よその国から金を借りておるわけじゃありませんので、例えて申しますと、お父さんがちょっと体が悪くて稼ぎが悪くなった、お母さんがこれでは家計が切り盛りできないので、同居の長男や次男からちょっと金を貸せやと言って金を借りてやっておる状況だと思います。そうした状況の中で、お父さん、もう晩酌もだめよ、肉も魚もだめよ、これ以上息子から金を借りるわけにいかぬという、そんなことをやるべきではない。やはり晩酌もやって、お父さん元気出してくださいよ、そしてうんと稼いでくださいよ、そして稼いで子供に借りを返すというのが私はやるべきことであろうと思います。
 ちょっと例えが適切かどうか知りませんけれども、やはり財政赤字の解消というのは、御承知のように、日本の場合は、特に財政赤字の倍以上の国民の預金があるわけでありまして、そのこともやはり勘定に入れながらこの対応をいたしませんと、財政赤字だけ見て震えまくって、将来そうした国民の貯金まで減っていく、あるいはよその国に持っていかれるというような愚を犯してはならぬのではないかな、私はこのように思うわけであります。
 また、経済が活力を持っていくためには、ではどうしたらいいか。財政出動もそのための呼び水であり下支えであると思いますけれども、それには、やはり経済の構造そのものも変えていくということは当然必要だと思います。
 ただ、どの新聞を見ましても、またいろいろな各党の発言なんかを見ましても、経済構造改革をやるべきだやるべきだ、そのとおりだと思うのですが、中身が国民の方にもわからないのですね。経済構造改革といったら一体何なんだろうかということですね。ある人に言えばそれはリストラだと言う人もおりますし、あるいは規制緩和だと言う人もおりますけれども、もちろん必要なリストラは思い切ってやらなければなりませんし、ベンチャービジネスを初め、チャレンジ精神を損なうような規制、役人のためにあるような手続はもうとにかく一切取っ払ってしまうぐらいな規制緩和、改革は、私は必要だと思います。
 しかし、問題は、そういうことだけでどんどんニュービジネスが出てくるのか、経済に活力が生まれてくるのかという基本的な問題があると私は思うのです。これについては、うちの政調の桜井代理あるいは久世副会長なんかも、しょっちゅう勉強しながら主張しておるわけでありますが、最終需要を喚起しない限りは、やはりこれは基本的には解決できないのではないか。そういう意味では、我々の生活そのものを変えていく、生活構造そのものを変えていくという取り組みをしなければならぬのではないかということが私はあろうかと思います。
 桜井構想と言われますが、例えばみんなセカンドハウスを持って、そうして年に一月ぐらいずつ長期の休みをとって、都会から農村に家族ぐるみ出かけていって、そこで生活をしていく、そういうようなことを含めての我々の生活自体を変えていく。簡単に言いますと、量から質への転換みたいなことを思い切ってやっていくという政策が行われなければ、ただ規制緩和をやれば内需が自然に出てくるというものでは私はもうないのではないかなという感じがいたします。
 また、先ほど大蔵大臣からリストラについてのお話がございましたが、私は、はっきり申し上げまして、最近はリストラという名前がつけば、マスコミも、その会社は経営努力をしておるという形で持ち上げます。また、株も上がっちゃいます。これはいい意味の、正しいリストラをやってならいいのでありますが、経営者の中にはそうじゃなくて、もう黙っていてももうかる黒字部分だけ残して、他の必死の経営努力が必要な部分は切って捨ててしまう、それで従業員を解雇する、あるいは下請を整理していくという、今そういう首切りをやっても、労働組合も御承知のように全然反発をしません。
 私はこの前、労働組合の連合体の幹部に、このリストラの時世にスト権を確立した組合があなた方の傘下にありますかと言ったら、ないとおっしゃるのですね。スト権を確立しないでどうやって経営者とあなた方は渡り合うのですか、本気で働く者を守るという気持ちがあるのですかという極めて言いにくいことを私は言った覚えがありますけれども、どうもそうした解雇にしても下請切りにいたしましても、安易に流れ過ぎているのではないか。
 やはり資本主義経済というのは基本的に、シュンペーターじゃありませんけれども、創業者利益を追い求めるというチャレンジ精神、少々のリスクは乗り越えてチャレンジしていくという面がなければもたない制度だと私は思います。私は、日本経済も、そうした起業家がどんどん出てくるということでなければ、後ろ向きの、リストラだけやってどうにか黒字決算をするというようなことが続いていった場合は、大変な事態になるのではないかなということを恐れておる一人でもあります。
 誤解があってはなりませんけれども、私はリストラがいかぬと言っておるわけではありません。また、規制緩和にいたしましても、どんどんやるべきことをやる。しかし、商店街がシャッター街になっていってしまっておるような今の状況が、果たして経済の面から見ても、これがいいことなのかどうかという、そうした反省もこの際きっちりとしていくべきではないだろうか、このように私は思っておるわけであります。
 この問題につきまして、経済企画庁長官、一言。

発言情報

speech_id: 114705261X00220000203_013

発言者: 亀井静香

speaker_id: 3092

日付: 2000-02-03

院: 衆議院

会議名: 予算委員会