岩國哲人の発言 (予算委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○岩國委員 かつては、日本の経済は一流、日本の経営方式は世界でお手本だ、こう言われた時代があったことは長官も御承知のとおりでありますけれども、最近の現象を見ますと、山一証券がアメリカの経営の下に入る、日興証券もアメリカの経営の下に入る。あるいは、今度の長銀もアメリカの経営の下に入る。日産自動車に至っては、至ってはと言うと極端ですけれども、フランスの経営の下に入っていく。次々と日本の誇る企業が、有名企業が、外国の経営の助けをかりなきゃならない。私は、経営力、経営者の力そのものも相当劣ってきているのじゃないかな。
物づくりに関しては、物をどれだけ早くつくるか、安くつくるか、多くつくるか、丈夫につくるか。早く安く多く丈夫に、この物づくりの方式だけは世界に冠たる一流だったかもしれないけれども、考えてみたら、日本の経営者のやり方、経営者の質というものは、決して一流ではなかったのじゃないかなということを私は感じております。そうした、経済は一流、行政は二流、政治は三流と長く言われてきましたけれども、その経済が今政治と肩を並べているという現状を私は大変残念に思っております。
今長官がおっしゃいましたけれども、三つの過剰ということをよく言われますけれども、問題は三つの過少じゃないかと思っているんです。
まず、お金に給料を払わない。利子が少な過ぎる、だからお金が生き生きと働こうとしない。三つの過少の最初はゼロ金利。つまり、利子が少な過ぎる国にどうやってよその国の金が来るのか、国内のお金が生き生きと動き出すのか。
二番目の過少は雇用です。それは、経営者の立場からいえば過剰の方に数えられているかもしれませんけれども、生活者、労働者の立場からいえば明らかに、失業率が高いということは、雇用が過少、職場が少な過ぎるということです。
三番目の過少は安心です。安心が少ない。外国の文化あるいは気風からいいますと、不安があれば一生懸命働くという国もあると思います。しかし、私はいろいろな国を見てきましたけれども、日本人というのは、どうも不安があるから余計元気を出して働こうというよりは、むしろ安心だという安心感をもらったときの方が能力や努力を余計するんじゃないかと思うのです。安心をもらったら怠けてしまう、安心をもらったら働かないという民族とは違って、日本の場合には、一生懸命努力しても、失敗しても、とにかくセーフティーネットが社会にはあるんだよというものが十五年、二十年前まではあったから、みんなが元気を出して働いたと思うのです。
今、いろいろな生活不安、社会不安、将来不安というものがあって、しかも規制緩和。これにはいい面も悪い面もいろいろあろうかと思います。いろいろな仕事を始めても、すぐに規制緩和で、得べかりし利益はそこでたちまち失われてしまいはしないか。となると、日本人はなかなか元気を出して新しい分野に行こうとしない。この規制緩和も、景気のいいときにはいいのですけれども、今のように景気の悪いときに言い過ぎると、新しい事業を起こそうという人の元気や意欲をそいでしまうという逆効果があるのじゃないかと思います。
いろいろなことを申し上げましたけれども、簡潔に、もし堺屋長官の御所感がありましたら聞かせていただきたいと思います。短くお願いします。