仙谷由人の発言 (予算委員会第二分科会)
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○仙谷分科員 外務大臣、御存じだと思いますが、一昨々日、二月二十五日に、サハリン残留韓国人の永住帰国者に対するアパートが完成をいたしまして、入住式というのが行われました。残念ながら、なぜか現職の日本の政治家は、国会の関係があるということで招待をいただけなかったのかどうかわかりませんが、いずれにしてもだれも参加をしていなかったということでございます。
ちょっと話が飛び飛びになるわけでありますが、これに出席をしなかった、できなかったことは甚だ残念なのでありますが、多分河野外務大臣が外務大臣になられる前に、FDLAP、ザ・フォーラム・リーダーズ・オブ・イン・ザ・アジア・パシフィックでしょうか、アジア太平洋民主指導者会議の方から御招待をいただいて、外務大臣になられたにもかかわらずというと語弊があるかもわかりませんが、外務大臣になられた後に、昨年の十月二十五日にソウルで開かれたアジア太平洋民主指導者会議に御出席をされました。私も偶然、招請を受けておったものですからソウルへ参りましたら、大臣とお会いして、ある種の感慨といいましょうか、感動をしたわけでございます。
そこで話されておりましたことは、金大中大統領という方は、民主化と人権について、とりわけアジアの中にそういう普遍的な価値観をこれから根づいていかせなければならないし、それはまたアジア本来の思想にも基づくんだという見識といいましょうか哲学があって、大統領になられてからも、この種の会議、アジアにおける人権状況あるいは民主化の動向について、深い洞察と危機感を持ってリーダーシップを発揮しなければいけないというお気持ちであるように私は感じ取ったわけでございます。
大臣も、アジアの中で日本があるいは日本の政治家がリーダーシップをとっていかなければならないというお気持ちは、日本の政治家の中でも相当お強いように思うのですね。そういう観点から大臣が出席されたのじゃないかと思います。
そこで、ちょっとさかのぼりますと、金大中大統領が日本に来られて、一九九八年十月八日に国会で演説をされております。
日本と韓国の関係、韓日関係を未来志向の関係に築いていくべきときを迎えた。過去を直視することは、歴史的事実をありのままに確認することであり、未来を志向するということは、確認した史実から教訓を得て、よりよいあしたを模索するという意味である。日本には、過去を直視し歴史を恐れる真の勇気が必要であり、韓国は、日本の変化した姿を正しく評価しながら、未来の可能性に対する希望を見出す必要がありますと演説をされたわけであります。
私はこれを聞いておりまして、時代的に韓国も、これは私の見方でありますが、ある種の、北と南の抗日競争といいますか、これについに終止符を打って、韓国は韓国で、日本に声高に要求するだけじゃなくて、日本の現状、いいところといいましょうか、評価すべきところはちゃんと認めていこう。あるいは、経済社会を含め、韓国のいろいろな分野に対する日本の貢献も認めていこう。しかし、過去をきちっと認識して、清算をすべきところは、これは日本の問題、日本人の問題で、それはやはりきちっとやっていただかないといかぬのだけれども、それを声高に要求するということはもうやらないという、ある種の双方の主体性を認め合った上で未来志向の関係を築いていこうというお考えだなということで、感銘を受けながら演説を聞いたわけであります。
つまり、日韓の歴史あるいは北と南の抗争といいましょうか、厳しい対峙の歴史を多少振り返ってみますと、これはなかなか思い切ったことをおっしゃる、あるいは深い洞察に基づいているなという感じがしたわけであります。
したがいまして、日本はこの段階からある意味で、金大中さんといいましょうか、韓国の方から、あなた方はどうするのですか、この問いかけにどうおこたえいただけるのでしょうかねというボールを投げかけられて、日本の方が、まさに日本人の歴史認識と、そしてこれから具体的な行動で何を示すのかということが問われている、そういうボールを投げかけられて、一つ一つきちっとこたえていかなきゃならない時代に入ったのだなという認識といいましょうか、感慨にふけったわけでございます。
こういう金大中さんのお考えに対して、外務大臣はその時点で、あるいは現時点でも結構でございますけれども、どういうふうにお考えでしょうか、あるいは、韓国に対してどうこたえるべきだとお考えなのでしょうか。