仙谷由人の発言 (予算委員会第二分科会)

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○仙谷分科員 そこで、サハリン残留韓国人問題でございますが、ちょっと粗っぽく、外務大臣とこの問題のかかわりを振り返ってみましたら、外務大臣が官房長官のときに、当時の社会党の五十嵐広三議員から質問を受けて、五十嵐議員の認識なりあるいは解決方への議論、これについては、尊敬する先輩大臣の御発言は全くそのとおりと感じておりますというふうにお答えになって、すべて原文兵衛先生や五十嵐先生が切り開いてこられた道筋の中で、政治的にも道義的にもこれは力を入れて解決しなければならないというお気持ちであったと思います。
 今申し上げたのは多分九三年の三月でございますが、九五年には、外務大臣がいわゆる自社さ政権の中での外務大臣になられておって、今度は五十嵐さんが官房長官、この九五年に、今回完成しました永住帰国者のアパート、それから昨年の三月に完成して入所が始まっております仁川、インチョンの療養院、特別養護老人ホームのようなものでありますが、私も招待されてオープンパーティーに行ってまいりましたけれども、これに要する費用、両方で三十二億円の拠出が決められて、日韓双方の赤十字社の共同事業体に拠出がされた。
 思い起こしますと、これは九五年でございますから、五年間かかってようやくこの三十二億円がまあまあ有効に使われて、箱物が、外側は完成した、こういうことになるわけであります。したがいまして、外務大臣はこの両方に深くおかかわりになっておるのだな、こういうことを改めて私も思い出して認識をしたわけでございます。
 そこで、私は、一昨年、九八年の三月十九日に、やはりこの分科会でこの問題について質問をいたしました。当時は今の総理大臣小渕さんが外務大臣でございました。当時は安山のアパートの進捗がはかばかしくないということでございまして、その年の夏に、八月の十四日、十五日に安山まで私参りまして、現地の建設担当者やあるいは統一部の高官等々ともお会いしましてお話をしたり、進行状況を見たりしてきたわけですが、今回は、箱物というか、建物としてはすばらしい住宅が完成したということであります。
 問題は、九八年段階からも私は申し上げておったのですが、箱物はできて入居はできたけれども、生活ができるのですか、生活が非常に大変なんじゃないですかということを申し上げてきました。そして、九八年の八月に安山を訪問したときに、その足で、当時は登村というところに、永住帰国者がいわば公団のアパートのようなところに分散して入っていらっしゃる方がいらっしゃいましたので、その人たち、それから韓国人でボランティアでその人たちをお世話している人たち、そういう方々とも懇談をして要望やお話を聞いてまいったわけであります。
 簡単に言いますと、夫婦で約五万円の生活費が出る、しかし、電気、水道、光熱費を除くと四万円ぐらいだ、これでは生活ができないということであります。特に、今回でき上がった安山のアパートの周辺は、韓国の方に言わせると中の上ぐらいの階層が高層マンション的なところにお住みになっていて、非常なる生活水準の違いが出ておる。例えば、スーパーマーケットとかコンビニのようなところも、そういうところに買いに行くと、物価が高くてなかなか買えないというようなこともあるようであります。
 現実に、非常にお年を召して、つまりこの五十五年の歳月というのは非常に長うございますから、お年を召して永住帰国されておりますから、今から仕事につくといっても甚だ難しいわけでございまして、この方々の生活費を何らかの仕組みで支援する手だてがないと、一挙にスラム化したり、そしてそのことによって差別的な状況が生まれたりということがあるのではないかということを当時から聞かされておりまして、やはりここは年金とか、あるいは安山のアパート群の一角に特別養護老人ホームのような療養院みたいなものが必要になってくるのではないか。
 それで、今までのことを考えますと、予算的にもそれほど無理のないことでできるのではないだろうかなという感じがするものですから、その検討を、つまり、日韓双方の赤十字の共同事業体にその事業をやっていただくという方式で、日本がやはり予算措置をすべきではないか、こういうふうに考えて、小渕外務大臣にもその一部のことについてお願いをしたわけでございますが、検討するといったような話がその当時ございました。
 約二年間たっておるわけでございまして、今回安山の永住帰国者用のアパートが完成したということで、新たな段階にこの問題は入ってきたというふうに考えまして、外務大臣にその辺ひとつ政治決断で、ファンドをつくり、金銭的な支援措置を行うという指示をひとつ決断していただきたいと思って、きょう質問に立ったわけでございます。

発言情報

speech_id: 114705272X00220000228_018

発言者: 仙谷由人

speaker_id: 31924

日付: 2000-02-28

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第二分科会