高木誠一郎の発言 (外交・防衛委員会)
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○参考人(高木誠一郎君) ありがとうございます。
武見理事の御質問は、台湾安全保障強化法案の上院審議の展望ということでございましたが、当然のことだと思いますけれども中台関係の今後の展開によって大きく左右されるだろうと思います。緊張が高まるようになれば賛成票がふえるということは明らかだろうと思います。問題は、これが通過するかどうかというよりも、大統領の拒否権を覆せる三分の二以上の票を得て通過するかどうかということだろうと思うのですが、下院は既に三分の二をはるかに超える圧倒的多数で通過しておりますが、上院においてはその三分の二の壁が越えられるかどうかというのはまだ微妙なところだろうと思います。
いずれにせよ、この台湾安全保障強化法案というのは、実は今回お話をいただいてからきょうまでに情報収集が間に合いませんで、一番最初に出てきたものとの比較が正確にはできていないんですが、聞いたところによりますと、最初に提案されたものよりもかなり内容を薄めたものになっている、現在審議されている、あるいは下院を通過して今上院にかかっているのはそういうものだそうであります。
このテキストを読んでみますと、確かにこれは台湾関係法の実効性を確保するという側面が非常に強く、それ以上のものは比較的象徴的な面が強いものだろうと思います。実質的な意義としては、国防大学等に台湾からの留学生のための席を確保すると。台湾の軍と米軍とのコミュニケーションをよくして、いざとなったら、共同作戦まで行くかどうかわかりませんが、少なくとも協調的な作戦行動がとれるようにする基盤をつくっておくということ。それから、台湾への兵器供給に当たっては、台湾関係法に既に述べられていることですが、台湾の防衛上の必要以外の考慮を絶対にしないということをさらに強調しているというのが主な内容であろうと思います。
ただ、それでも中国からすると我慢がならないだろうと思われますのは、この法案の至るところで、一九八二年の台湾向け兵器輸出に関する共同コミュニケの内容にもかかわらず、台湾関係法が重視されるべきであるとかあるいは台湾関係法の方が法的に上位に立つということを明確に述べているところでありまして、中国側からすれば一九八二年のコミュニケの否定にもつながりかねないというふうに読めるだろうと思います。
この内容を薄めただけに通りやすくなっているということもありまして、今後の中台関係の展開いかんによっては、上院を通過、さらにはその三分の二以上の多数でもって通過するという可能性も否定できないのではないかと思います。
これに対して行政府側がどう対応するかということなんですが、既に言われておりますことは大統領が拒否権を発動するということなんですが、ただここで一つ状況を複雑にしているのは、現在大統領選挙が進行中であるということでありまして、中国の無法な行動に対して甘いという非難を受けるということはどの候補にとっても非常に大きな痛手になることでありまして、中台関係が緊張している段階でこれが通って大統領がこういう拒否権を発動すると、当然それはゴア大統領候補に対する激しい非難としてはね返ってくるということが予想できますので、かなりそれに対するちゅうちょも出てくるだろうと思います。
将来のことですので、これ以上のことはちょっと現在申し上げられませんけれども。