井尻秀憲の発言 (外交・防衛委員会)

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○参考人(井尻秀憲君) 民進党の党の綱領に確かに台湾共和国という名前が入っておりますし、従来から民進党は台独、台湾独立の政党だというふうに言われてきたわけですが、実は必ずしもそうではなくて、既に台湾という中華民国が一つの独立した主権国家であるという表現、これはもう国民党がずっと言ってきたことですね。それから民進党もいわば台湾に中国の統治権が及んでいないという、そういう現実がある以上は、もう既に台湾は事実上独立していると。だから、あえてもう一回台湾独立を宣言するという必要は毛頭ないというような形で、そのトーンというものはどんどん緩くなってきております。
 したがいまして、従来から立法院選挙とかいろんなところで、かつては台湾独立とか新しい国家とかそういうことを言うと刺激的過ぎるということがあったんですが、そういうことを民進党はかなり学んで、そしてもう政権が少しずつ近くなってくる段階に入ってきますと、ますます独立という言葉は言わなくなってきたんですね。同時に、じゃ言わなければどうかということなんですが、そうしたらそれはもう全然台湾独立を言う必要もないと。
 ですから、ある意味でそういう独立という言葉を使いますとまた話が若干違ってきますが、むしろやっぱり台湾人意識のある種のコンセンサスといいますか、そういうものがこの李登輝体制の中でかなり定着してきた、つまり土着化という、そういう方向に向かってきたということですね。台湾人の国家としてのアイデンティティー、それもかなり育ってきたと。その上に陳水扁さんの今回の勝利は乗っているというふうに考えて構わないと思います。
 したがって、独立路線が支持されたと言うとちょっと表現上語弊があるかと思いますが、台湾人意識、台湾人が台湾を統治しているんだという、そういう意識のもとにいわば民進党の公認候補である陳水扁さんの勝利があったということは、これは言って構わない、そういう理解でいいんではなかろうかというふうに私は思っております。
 したがって、中国との関係で言えば台湾独立をあえて宣言するということはまずあり得ないと。それから同時に、その台湾独立をするかしないか、そういうことを表明するかしないか、あるいはそういう非常に極めて敏感なものを国民のいわば住民投票にかけるというような、そういうことで決着をつけるか、つまり住民自決という形で、それも当面考えられないんですね。ですから、それよりもむしろ対話に向かうという形になるだろうというふうに思います。
 ただ、おっしゃった意味の点での勝利のいわば背景、原因の一つとしてやはり台湾人意識というものが陳水扁さんを強烈に推す熱狂的なそういうものがあったということは否定しがたい事実だろうというふうに理解しております。

発言情報

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発言者: 井尻秀憲

speaker_id: 11367

日付: 2000-03-23

院: 参議院

会議名: 外交・防衛委員会