深谷隆司の発言 (経済・産業委員会)
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○国務大臣(深谷隆司君) サウジアラビアは世界最大の石油産油国でございます。また、中東産油国の中でも盟主といいましょうか、大きな力を持っている。我が国に対しては百万バレルという大きな石油の供給国でもあるわけであります。
そういう中で、アラビア石油がいわゆる日の丸石油として今日までずっと営業を続けてきた。それが四十年という期限が二月二十七日をもって終了する。これは普通の契約のような形で単に更新できるというそんな簡単なものでなくて、四十年たちますとサウジに撤収されるという非常に厳しい約束事でございました。そういう中で、アラビア石油は何とかしてこの経営を続けていきたいということで必死に努力をいたしておりました。
本来から申し上げますと、アラビア石油という企業でございますので、企業対サウジアラビアという交渉が専らでございますけれども、しかし、先ほど申したように、サウジアラビアの存在というのが日本にとって非常に大事でありますので、アラビア石油の継続という願いと日サの環境をよくしていくという政治的なあるいは政府としてのやれる範囲の仕事と、ここを一体としてこの事態を乗り切っていこう、こう考えて、昨年、通産省から幹部の者が何回かサウジに渡りましてさまざまな交渉を続けたわけでございます。
その交渉の中には、例えばガス開発の問題、その利用についての協力、支援、また投資に関して言えば、日本の国の企業がサウジに進出する際にどうやってその進出を促進させていくかといったような、そういう問題等々の議論をずっと進めていたわけでありますが、途中からといいましょうか、鉄道に関する先方の要望が非常に色濃く出てまいりまして、なかなか思うように進展しないという状況に相なりました。
ちょうどそういうときにサウジアラビア側から私自身に招請状が参りまして、直接担当大臣と相談をしたいということでございましたので、私は現地に参りましてナイミ石油大臣ほかアブドラ皇太子等々大勢の方々と議論を続けたのでございます。
我々は、ただいま申しましたような事業規模総額で六千億円という包括的な投資促進策を中心にして交渉しました。その間に先方は、千四百キロ、東京から鹿児島ぐらいの距離でありますが、途中は砂漠でありますが、そこに鉄道を敷いて、そしてそこでとれる鉱物を運んできて、石油だけに依存しているサウジの状況から脱皮したいと。この考え方はまことにサウジの国にとっては当然のことでありますが、ついてはその鉄道を日本がつくり提供してもらいたい、こういう話になってきたわけでございます。
私どもといたしましては、もし鉄道を日本の企業が開発するという、そういう希望が出てくれば、それも一つかと思って当たったのでありますが、そういう方針の会社は見当たらない。そこで、もしサウジアラビアがみずからこれをおやりになるなら資金的な面での低利の融資を考えてもいいというような提言もいたしたのでありますが、最後まで、これは日本が分担をし提供するものであるという、その主張が変わらなかったものでありますから、私は、国民の税金をこういう形で出すことは国民の理解が得られないというふうに判断をしたものでありますから、そのお申し出にはおこたえができないということで、交渉を中断して帰ってまいりました。それが事実上、この問題について物別れという、そういう残念な結果になったわけであります。
ただ、私どもが一番腐心いたしましたのはサウジの重要性という点でございまして、日サのかかわりが旧来以上に友好的になっていくことが非常に大事でございますから、そこには相当な配慮をいたしまして、交渉事でございましたけれども、その点に関してはまことに円満なというか、そういう状態の話し合いが続きました。
過日、たまたまアジア・エネルギー・フォーラムというのが日本にございまして、ナイミ大臣がお見えになるということで、かねてからそのときはお会いしようということになっておりましたので、東京のさる日本そば屋へ連れていって、そこで食事をしながらさまざまなお話し合いをしたわけでありますが、そのときもナイミ石油大臣から、どのような形になっても日サの関係は影響を受けない、友好的な関係にはいささかも傷をつけないというようなお話があり、この件については公的な場所でも発言をしてくれているようでありまして、その点はまずまずであったかなと、そんなふうな思いを持っております。
以上、ごくかいつまんで今日までの経緯を御報告させていただきました。